学校生活
未来の自分を幸せにできるのは自分しかいません ~人権教育講演会~
昨日、3年生を対象に人権教育講演会を行いました。講師は、H様、M様。現在、学んでいる「美子のたたかい」は、H様の手記をもとにつくられています。
高校3年生の時、自身が受けた就職差別に対して、差別を許さず、力強く立ち向かっていった姿に、子どもたちからは
・高校時代、人権サークルに入部するきっかけは何でしたか
・差別とたたかうと決められた時、誰に相談されましたか
・心が折れずに、最後までたたかうことができたのはなぜですか
・入社後の会社側の対応はどのようなものでしたか
・いつから差別に立ち向かえるようになったのですか
等のさまざまな質問が出されました。
ご自身の経験をもとに、
「小学生の頃、住んでいた大阪では民族差別がありました。おかしいと思っていても、何一つできませんでした。小学生の自分は逃げていたんです。」
「(人権サークルも)最初は一生懸命するつもりはありませんでした。高3の人権劇で、一番前に座っていたお婆ちゃんが、涙ながらに『頑張れ!』『負けるな!』と声をかけてくれました。そのお婆ちゃんと出会って、振り返ったときに納得できる自分でいよう、傍観者にだけはなるまいと決意しました。」
「自分だけだったら、たたかえなかった。先生方が支えてくれたから、頑張ることができました。」
「会社の人は親切でしたが、社長からは要らない従業員と陰で言われました。差別とたたかっている人を認めてもらうために、飛び込み営業等、必死に頑張りました。」
「正しいことを貫くことは本当に大変でした。『美子のたたかい』が終わってからは、波風をたてないように生きてきました。でも、子どもを産んで、自分で幸せに生きていけるように自立することが大事と言っておきながら、そうしていない自分に気付きました。」
「未来の自分を幸せにできるのは自分しかいません。」
「10年後の自分を想像し、今は結果が出なくても、正しいかどうかを自分で判断し、行動してください。」
等、さまざまなメッセージを伝えてくださいました。
子どもたちを代表して、Tさんが、「私だったら挫折したり、不安になります。美子さんを見習い、10年後の自分を想像して、何が正しいか?自分で判断して行動していきたいです。」と、自分と重ねながらお礼の言葉を述べました。講演会終了後には、H様、M様のお話し聴いて心に残った言葉やこれからの決意を綴りました。
この世に生を受けた人間は、誰もが自分らしく幸せに生きる権利を持っています。すべての人は、自分の夢を持ち、自由に生きることができるはずです。しかし、社会には、まだ様々な偏見や差別が残っています。そのことが、私たちの自分らしい生き方を奪っています。だから、私たち一人一人が、差別を見抜き、差別と闘い、差別をなくしていく力をつけなければなりません。学校は、そのための学習を毎日のくらしの中で行っています。
おかしいことには「おかしい」と声を挙げ、正しいことが通る学級や学校にしていきたいと思います。そして、人と人とのつながりを大切にし、誰かを幸せにする温かい言葉があふれる東陽中学校を、子どもたちと職員みんなの力で創っていきます。
H様、M様、大きな学びと一歩踏み出す勇気をくださいました。ありがとうございました。 m(_ _)m
熊本県教育情報システム
登録機関
管理責任者 校長 松本 卓也
運用担当者 井上 美紀