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【生涯補欠でも頑張ればいい】050607

 平成16年12月19日付熊日『読者のひろば』に掲載された益城町の原田豊喜さんの投稿を紹介します。

 私の息子の思い出について振り返ってみたい。高校入学直後、部活に入りたいと相談してきた。いろいろ考え最終的にはラグビー部を選んだようだ。親としては少々戸惑った。どう考えてもラグビータイプではなさそう。でも本人が選んだ道、それ以降はこだわらなかった。

 数ヶ月して、そっと練習風景をのぞいた。ベンチを温めている時間が多く、補欠だった。時には遅く帰宅し、汚れたユニフォームを選択していた。それは先輩の物であった。2年生に進級して大会があると聞き、お忍びで見に行った。出場メンバーの中には下級生が数人いたが、息子の活動は見ることができなかった。ついに卒業まで補欠要員で通した。3年間、中途退部もせず、補欠生活を貫き通した。

 かつて松下幸之助さんの本を読ませていただいたことがある。その本の中の一節に「私の会社の求人条件の一つに、在学中を通じて、スポーツ部活を通して万年補欠で卒業した部員が欲しい。選手として活躍した学生は好まない」と要望されたそうだ。補欠として最後までつらい生活に耐え抜いてその根性を買われたものだろう。人生、生涯補欠であろうが、それはそれでいい。今も黙々と仕事に打ち込んでいる息子に拍手を送りたい。