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【レンガ積み】050411

校長式辞 (概要)

 新入生の皆さんはイソップ寓話の「レンガ積み」の話を聞いたことはあるでしょうか。

 旅人が、とても辛そうな顔をしてレンガを積んでいる一人の男に出会いました。「ここでいったい何をしているのですか?」と尋ねると、

「見ればわかるだろう。暑い日も寒い日も、風の強い日も、来る日も来る日も、朝から晩までレンガ積みさ。腰は痛くなるし、手はこのとおり。なんで、こんなことばかりしなければならないのか、もっと楽に儲けている奴らがいっぱいいるというのに・・・」と答えました。

 隣を見ると、先ほどの男のようには、辛そうには見えない表情でレンガを積んでいる男がいました。「ここでいったい何をしているのですか?」と尋ねると、

「大きな壁を作っているんだ。これが俺の仕事でね。この仕事のおかげで俺は家族を養っていけるんだ。」と答えました。

  さらに隣を見ると、活き活きと楽しそうにレンガを積んでいる男がいました。「ここでいったい何をしているのですか?」と尋ねると。

「歴史に残る偉大な大聖堂を造っているんだ。ここで多くの人が祝福を受け、悲しみから救われるんだ。何て素晴らしいことだろう。」と答えました。

 旅人は、その男にお礼の言葉を残して、また元気いっぱいに歩き続けました。

 この寓話のように、全く同じことをやっていても、やらされていると感じているか、自分の未来を思い描き、目的をもってやっているかで、心や行動、きっと、結果にも大きな差が生まれます。

 中学校での日々の勉強、部活動、生徒会活動そして多くの行事。時にはきついと感じることもあるかもしれません。そんな時、自分はここでどんな力を付けたいのかという目的に戻ってみましょう。悪戦苦闘しながらレンガを積み上げた時に、大きな飛躍があります。皆さんの頑張りに期待しています。

 保護者の皆様へ、初めは、環境の大きな変化に戸惑われることも多いかと思います。また、思春期真っ直中の子どもたちとの関わりに、悩みや葛藤もあるかもしれません。

  中学校は義務教育最後の学校です。3年後には自らの意思での進路選択、さらに3年後には成人を迎えます。自立への猶予はたったの6年。自分一人で生活できる力を付ける。中学校生活はその第1段階です。

 「万葉集」には、山上憶良の

銀(しろがね)も金(こがね)も玉も何せむに 勝れる宝 子にしかめやも

 銀も金も玉(翡翠など)もどれほどのことがあろうか。どんな宝も子供には遠く及びはしない。という歌があります。

 金も銀も宝石も、子どもたちも、見出し、鍛え、磨かなければ原石のまま。「厳しさは最大級の優しさ」輝かせるには相当の鍛錬が必要です。

  今日からの3年間は、家庭、地域、学校が同じゴールを目指し、自分を律する「自律」、そして自分で立つ「自立」へ導くという視点で子供たちに接していただきたいと思います。

  私たち教職員も心を一つにして、生徒の支えとなり、時には高い壁となり、未来をたくましく生き抜くことができる人づくりに全力で取り組んで参ります。