保小中連携・地域連携

保小中連携・地域連携

運営委員会・推進委員会開催

 【運営委員会】
 7月12日(火)17時00分より、中学校ランチルームにて、小中学校の校長、教務主任、研究主任による研究運営委員会を行いました。今回は、14日に実施する小学校と中学校のそれぞれの研究授業及び授業研究会の視点について協議しました。授業では、ユニバーサルデザイン、合理的配慮の提供、支持的風土、なかまづくりの視点で参観することを決めました。

また、午後の研究協議では、文部科学省の阿部調査官より、研究の方向性やこれからの教育課程について指導・助言をいただくことを確認しました。


【推進委員会】

 5つの研究推進委員会では、目指す生徒像に対する生徒アンケート結果をもとに、どのような課題があるのかを確認し、それをもとに教育実践の見直しを行いました。

 1学期は、研究組織の立ち上げ、研究推進に向けての共通理解、実態把握による課題の洗い出し、そして、目指す生徒像を明確化、具体的な実践項目決定まで行いました。

今後は、研究の目的や方向性、目指す生徒像や実践内容等を生徒や保護者、地域の方々と共有し、みんなのベクトルが同じ方向に向くよう話し合いを重ねていきます。


【小・中合同学校保健委員会】


 7月1日(金)、鹿北小学校図工室にて、学校歯科医の小林先生、鹿北市民センターの西牟田保健師をはじめ、多数の保護者の皆様にご出席いただき、鹿北小・中合同学校保健委員会が開催されました。今回は、スクールカウンセラーの塚原恵先生に、「子どもたちの心の健康について考えよう」との内容で講話をしていただきました。

講話の主な内容は次の通りです。子どもと接する時など参考にされて下さい。

1 子どもの心が不安定な時どのように対応すればよいのか ※熊本地震などで不安定な時

 (1)子どもと話す時(接する時)の8つのポイント

    ① 会話をする。

    ② 子どもたちが知ってることでも聞いてみる。 

    ③ 事実と異なる情報を優しく訂正する。 ※デマ等に振り回されないように

    ④ 子どもの質問に率直に答える。

    ⑤ テレビやラジオなどの情報に触れる時間を制限する。 ※地震被害の情報など

    ⑥ 困っている人たちの援助を考え実行する。

    ⑦ 良いお手本になる。 ※親が意図的に適度に楽しむことも大切。

    ⑧ 我慢強く接する。 ※不安定な時にまとわりついてきた時など

 (2)落ち着いて子どもたちを安心させる

    ① 話しによく耳を傾け、怖い気持ちを理解する。 ※共感する

    ② 反応は自然なものとして理解する。 ※急性ストレス反応などは自然なもの

    ③ 友だちと違う反応が起きても人それぞれ違うことを理科する。

    ④ 起きている反応は少しずつ良くなることを理解しておく。

2 中1ギャップ

 (1)中1ギャップ・・・小学校から中学1年生に進級した際の心理や学問・
            文化的なギャップとそれによるショックのこと

    ① 学級担任制から教科担任制 ※先生に対する距離感が違う

    ② 勉強のスピードと量

    ③ 先輩・後輩という関係の出現 ※今まで○○ちゃんが○○先輩に

    ④ 成績の順位が出る ※良かれ悪しかれ現実を直視する

    ⑤ 校則が変わる ※細かいきまり

 (2)中1ギャップのサイン

    ① 宿題を出さなくなる。

    ② 朝ごはんを食べなくなる

    ③ 部屋に引きこもるようになる  など

3 自己肯定感

 (1)自己肯定感・・・自分を肯定する感覚。「自分は大切な存在だ」と感じる心の感覚

 (2)ほめられた時の反応

    ① 自己肯定感が高い・・・素直に喜ぶ。相手に感謝する。

    ② 自己肯定感が低い・・・素直に喜べない。嫌味かなと思う。
                何かの目的でおだてていると思う。

 (3)怒られた時に反応

    ① 自己肯定感が高い・・・ミスを素直に認める。自分を高める意見として歓迎。
                あまり落ち込まない

    ② 自己肯定感が低い・・・自分はだめだと思う。嫌われていると思う。逆ギレする。
                必要以上に落ち込む。

 (4)愛着の問題

    ① 愛着・・・幼児期までの子どもと養育者側にできる情緒的な結びつき

    ② 愛着の形成・・・生後2歳ぐらいまでに形成される。しかし、形成されなかった場合
             でも修復は可能。親と一緒に寝たり、だっこしたりする。自分が愛
             されている、大切にされているということを態度やメッセージで伝
             える。自分は大切な存在なんだと思える。

4 生活リズムと心の安定

 (1)三大ホルモン

    ① セロトニン(幸せホルモン) ※これが多いほど幸せを感じる

    ② ドーパミン(快楽や報酬) ※これが少ないとモチベーションが下がる

    ③ ノルアドレナリン(怒りのホルモン ※多いと怒りが爆発

    ※ ドーパミンとノルアドレナリンの調節を行うのがセロトニン

 (2)セロトニンや成長ホルモン

    ① 夜11時から深夜2時までの間寝ていると分泌される。※メンタルの成長にも
      影響

    ② 朝早い時間に朝日を浴びると分泌される。 ※カーテンを開けた時のまぶしさ

    ③ 朝食が材料となる。 ※バナナ、大豆、牛乳など

     ※ 基本的生活習慣の確立が大切

 塚原先生、たいへん参考となるお話ありがとうございました。

 
 

【運営委員会開催】※校種間連携


 6月21日(火)、17時00分より、運営委員会を行いました。今回は以下のことについて協議しました。
 (1) 目指す生徒像について ※原案をもとに検討
 (2) 実態調査(アンケート)項目の検討 
      ※推進委員会で作成した原案をもとに検討
 (3) 次回(7月15日)の研究授業の視点について
 (4) まとめ 作守順子コーディネーターより
 目指す生徒像とアンケート項目については、ほぼ決定し、アンケートは7月に実施することとなりました。
 研究授業の視点は、
  ① ユニバーサルデザインの授業
  ② 合理的配慮
  ③ めあてとまとめの連動及び振り返りの徹底
 特に、学び合いの場面を授業の中に設定し、この学び合いについての振り返りをしていくことを確認しました。
 作守先生からは、具体的なものができつつある。最終目的地である、生徒像もはっきりしてきた。その最終目的地を見つめつつ、次の目的地である7月15日を目指していこう。この研究のために子どもがいるのではなく、子どものためにこの研究があることを忘れないでほしい、との言葉をいただきました。
 (運営委員会の参加者は、コーディネーターの作守順子先生、小中学校の校長・教務主任・研究主任)

【小中合同学校運営協議会開催】

 6月10日(金)19時30分より、小中合同学校運営協議会を小学校の会議室で開催しました。鹿北小・中学校の教育活動に参画していただき、ありがとうございます。強みや課題を共有し、児童・生徒がしっかり育つ教育環境を共に創っていきたいと考えています。よろしくお願い致します。
(1)会順
 ① 開会
 ② 学校長あいさつ(鹿北小・鹿北中)
 ③ 委嘱状交付
 ④ 協議
    学校運営協議会の役割と組織
    年間活動計画
    学校教育目標及び運営方針の説明と承認
 ⑤ 意見交換
 ⑥ 閉会

(2)組織について
 会長、副会長、書記を次の方々にお願いすることとなりました。よろしくお願い致します。
   ・会長   齋藤 順孝 様
   ・副会長  中川 和夫 様
   ・副会長  竹熊 榮子 様
   ・書記   北原 チヅ 様

(3)意見交換
・地域の各種スポーツ大会に小中学生が参加できないか。
・地域の諸団体との協働活動はできないか(消防団とともに非常ベル設置状況確認など)
・小さな親切運動の町となった時の「理念」等の共有を図る。
・運営協議会の活動をもっと地域に広げていことが大切である。
  (校長が区長会に参加し学校の取組や方向性を説明するなど)
・地域の方々とどのように「思い」を共有するのか。
・地域の諸団体、グループとの連携をつくっていく。そして、学校教育への参加を呼びかける。また、小中学生が地域の行事等に積極的に参加し、地域の方々との交流を図る。
・町の方々の思いをどうすれば知ることができるのか。また、地域での小中学生のようすについて、地域の方々からお話をうかがうことができれば、良さや課題が見えてくる。
・学校便りを、様々な施設に配布する。生徒が配布できると話をするきっかけとなる。
・小学校の運動会を中学校グラウンドで行ってはどうか。町のグラウンドは広すぎるのではないか。
・近い将来、小中合同の運動会(体育大会)を行ってはどうか。
  ※上記のようなご意見をいただきました。

【小中連携授業研究会】


 6月8日(水)、小・中学校の教職員が参加して、英語の研究授業が行われました。今回の授業では、ユニバーサルデザインの授業と合理的配慮について提案を行いました。
 授業での達成感や充実感をすべての生徒が感じることができるよう鹿北小・中学校ではインクルーシブ教育システムの構築に取り組んでいます。参観した先生が、授業のヒントを何か1つでも持ち帰り、自分の授業に取り入れていくことが大切となります。また、授業を通して新たな可能性を探ることができれば、児童・生徒の学力向上につなげることができると考えています。
 (インクルーシブのインクルードとは、「包み込む」という意味です。だれもが授業に参加でき、授業の中で孤立することなく、達成感を感じることができることが大切です。)

〈授業のようす〉




〈ユニバーサルデザインの提案〉
 活動の見通し(本時の流れ)を黒板に明示する。
 活動時間の経過、残りの時間を視覚で確認できる。
 英語用の座席をつくり、わからない時に隣の人からアドバイスをもらえる。
 その他にも、前面黒板の上に掲示をせず、授業への集中力を高めるなど、いくつかの工夫が見られました。




〈合理的配慮〉
  平成28年4月1日より、「障害者差別解消法」が施行されました。この法律の中に、「行政機関は、その事務又は事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない」とあります。(第三章七条) ※行政機関には、公立学校も含まれます。
 
 簡単に言えば、「合理的配慮」は、障がいを持つ人々に対して必要な環境整備などの配慮を行うということです。
 今回の授業での合理的配慮について紹介します。
◇ デジタルワイヤレス補聴支援システムの活用
◇ パソコンテイク
◇ ペア学習、グループ学習
◇ 黒板を軽くたたき音を鳴らし、黒板に注目させる
◇ 付箋紙にメモをとり、教科連絡ノートにはる。
◇ 穴埋め、写し書き、オリジナルスキットづくりの3段階のワークシート
◇ 絵入りワークシートと動詞句カードの連動  など

難聴の生徒へのデジタルワイヤレス補聴援助システム(ロジャー)の使用

 パソコンテイクでロジャーでも聞き取りにくい会話文を文字で提示

〈授業研究会〉
 授業後に、小・中学校の先生で研究会を行いました。
 質疑では、以下のような質問がありました。
  ・タブレットの活用状況について
  ・合理的配慮による生徒の変容は
  ・支援学級の生徒への具体的な配慮は
 分科会ごとの協議では、ユニバーサルデザインの授業や合理的配慮について、それぞれの実践を出し合い発表しました。
  ・授業のパターン化やタイムタイマーの使用
  ・書画カメラの使用
  ・言葉だけでなく、文字での説明
  ・具体物を使っての説明
  ・ワークシートの工夫
  ・板書の文字数をノートのマス数に合わせる
  ・デジタル教科書の画面を配布
  ・カード学習
  ・体育のハードルの板として新聞紙を使用
  ・穴あきの紙で、読む場所だけを見ることができるように
  ・穴に入るように書く
  ・解答を選べる



 
 研究会では、なかまづくりを行い、支持的風土をつくることこそが、合理的配慮になるのではないかとの意見も出されました。
 また、特別支援教育コーディネーターからは、ユニバーサルデザインの授業がすべての児童・生徒のためであり、それは、支援が必要な生徒にとってもとても効果がある。合理的配慮は、障がいをもった児童・生徒のためであるが、その配慮は実はすべての児童・生徒にとっての配慮につながっているとの話があり、参加者全員がうなずいていました。
 最後に作守順子先生(研究推進コーディネーター)よりまとめをしていただきました。その中で子どもたちへの合理的配慮、UDの授業は、必ず学力向上とともに子どもの自尊感情涵養につながる。子ども同士が助け合えるような工夫を授業に取り入れていくこと、そして、子どもが「わかりません」とか「助けてほしい」と言えるような環境を整えていくことが何より大切である。その言葉が言えることが一人ひとりの自立につながるとのお話をしていただきました。
 これから私たち教職員が、どのような授業をつくっていくのかがが勝負です。実践を積み重ね、その実践を交流させることで、児童・生徒の生き生きとした表情がたくさん見られるように、研究・研修を重ねていきます。