湯浦中ブログ

亀城ヶ丘だより

校長のブログ①「青いグローブのエース」

 先日、野球部は、水俣のエコパークで、九電旗の予選があった。相手は水俣の合同チーム。芦北(津奈木・田浦・佐敷・湯浦)合同チームは、本来のエースを含む主力選手3人が欠場の中、試合が始まった。そこでマウンドに上がったのが、湯浦中のH君。小柄ながら癖のないきれいなフォームで投げるストレートや切れのあるスライダーが武器。緊張した中、一回の裏の守備。1アウト・2アウト相手打線を打ち取りパーフェクトな立ち上がり。ところが3番バッターの打ち取ったフライを内野がエラーしてしまう。その後、盗塁やヒットでランナーがたまったところで長打が出る。得点は4点。その後も得点は重なり11対0でノーヒットノーランの完封負け。完敗だった。聞くところによると相手ピッチャーも2年生、一回表の投球では、安定せず2アウト満塁のピンチをしのぐと後半は調子が上がり手も足も出なかった。

 しかし、H君は、すがすがしい顔で99球を投げきった。味方がエラーしようが、ホームランを打たれようが、黙々と自分の役割を果たすべく投げ続けた。打ち取った当たりを味方がエラーしたとき「なんで」「またか」と思いイライラして表情に出す選手が多いが、味方のサードから「いいピッチングだよ」と励まされながら、すぐに切り替えて投げ続けた。ベンチに戻ると円陣の中心で「逆転するぞ!」と自分から声を出していた。

 試合後、「ナイスピッチング」とだけ声を掛けると、にこりと笑顔で返してくれた。しかし、H君の純粋な目の奥からは悔しさを感じた。

 次の日、学校に来ると朝練にH君の姿があった。元気いっぱいに走っていた。もう切り替えて「One Step」一歩を踏み出していた。

 可能性は無限大!きっと未来の大エースになるに違いない!青いグローブが似合うかっこいい大エースに!

 

保護者・地域の皆様方へ

 退任のご挨拶

芦北町立湯浦中学校長 永野 敏夫

 この度役職定年を迎え、湯浦中学校を退任することになりました。在任中、保護者や地域の皆様方には大変お世話になりました。 

 湯浦中学校には2年間お世話になりました。この2年間を振り返ると、生徒たちの様々な姿が目に浮かびます。その中で、私が特に好きな生徒たちの姿が4つあります。

 1つめは、授業中など、生徒たちが素直な心で真剣に先生方の話 を聞いているときの姿です。生徒たちが素直な心で真剣に先生方の話を聞いている姿を見る度に、私は心が洗われる思いがしました。

 2つめは、頑張らなければならない場面で、生徒たちが弱音を吐かず、一生懸命に頑張っているときの姿です。生徒たちが弱音を吐かずに一生懸命頑張っている姿を見る度に、自分ももっと頑張らなければという気持ちになりました。

 3つめは、生徒たちが仲間と協力しながら学校行事に取り組み、互いに喜びを分かち合っているときの姿です。生徒たちが仲間と協力し、互いに喜びを分かち合う姿を見る度に、とても感動しました。

 4つめは、生徒たちの優しく思いやりのある姿です。私事で恐縮ですが、2学期の終業式の日の還暦祝いでは、一人一人の生徒から心温まるメッセージや動画のプレゼントをいただきました。それ以外にも、生徒たちの優しさや思いやりのある言動に触れる度に、胸が熱くなる思いでした。

 素直な心で真剣に人の話を聞く姿、物事に一生懸命に頑張る姿、仲間と協力し喜びを分かち合う姿、人に優しく接する姿は、生徒たち一人一人にとってはもちろん、湯浦中学校にとっての宝物です。これからもこの4つの姿をいつまでも大切にして欲しいと思います。

 校長として最後の2年間、湯浦中学校で勤務し、このような素晴らしい生徒たちと出会わせていただいたことをとても幸せに感じています。

 今湯浦中学校には、先輩が範を示し、それを見て後輩たちが育っていくというとてもいい流れができています。先日の卒業式の答辞の中で、前生徒会長の寺川さんは「私たちを目標にするのではなく、私たちを越えていって欲しい。きっとそれができるからこそのお願いです。」と述べました。私も全く同じ思いです。ぜひこの流れを止めることなく、湯浦中学校を芦北・水俣No.1の学校にして欲しいと思います。

 この2年間、保護者や地域の皆様方にはいろいろご心配をおかけしたり、ご迷惑をおかけすることもあったかと思いますが、最後まで本校教育へのご理解とご支援を賜り、誠に有り難うございました。

 湯浦中を離れるのは寂しい限りですが、その一方で、これからの湯浦中学校の生徒たちの活躍ぶりを想像すると、わくわくした気持ちにもなります。湯浦中学校の今後益々の発展を願っています。2年間、本当にありがとうございました。