亀城ヶ丘だより
【心と気を働かせる】020525
放映中の大河ドラマでは今までにない表現をされている織田信長についての話を一つ。
ある日 のこと 、織田信長が小姓の一人を呼びつけました。小姓が居室に入ると、信長は何も言いません。間をおいて発した言葉は「下がってよい」でした。
次の者が呼ばれました。信長は今度も何も用事を言いつけず、また「下がってよい。」と言います。同じ遣り取りが何度か繰り返された後、森蘭丸が呼ばれます。
蘭丸も同じように「下がってよい。」と言われ、居室から出ようとしました。その時、蘭丸は 出口近くに小さなゴミが落ちているのに気づ いて 拾います。
信長は、蘭丸が居室から出るのをとめ、こう言います。
「人は心と気を働かせることをもって良しとするものだ。用を言いつけられなかったからといって、そのまま退出するようでは役に立たない。お前はゴミに気付いて拾った。なかなか感心であ る。」
※小姓=位の高い武将等の身辺に仕え、諸々の雑用を請け負う役目の家来