亀城ヶ丘だより
【徒然草 第三十一段】050125
せっかくです、登校したら雪の話をしましょう。
徒然草 第三十一段 雪のおもしろう降りたりし朝
雪のおもしろう降りたりし朝(あした)、人のがり言ふべき事ありて、文(ふみ)をやるとて、雪のことなにとも言はざりし返事(かえりごと)に、「この雪いかが見ると一筆のたまはせぬほどの、ひがひがしからん人の仰せらるる事、聞き入るべきかは。返々(かえすがえす)口をしき御心(みこころ)なり」と言ひたりしこそ、をかしかりしか。
今はなき人なれば、かばかりの事もわすれがたし。
雪が見事に降った朝、ある人に伝える事があって、手紙を送ったが、雪のことを全く触れなかった。
すると、その返信に「(手紙で)この雪をどのように見ますかと一言も触れていない、そんなひねくれ者のおっしゃる事を誰が聞き入られるでしょうか。返す返すも情けないお心です。」と書いてきたのは、感慨深いことであった。
その人は今は亡くなられているので、これだけのことでも忘れられない。