校長ブログ「秘密の部屋」

管理者ブログ

【ガリ版・ボールペン原紙】010709

 朝の生徒集会で、保健体育委員会から熱中症予防の発表がありました。シナリオもよく工夫され、自分たちが登場する事例の画像をプレゼンテーションソフトを使って分かりやすく説明していました。生徒の後ろの席で見ていた先生からは「反応が静かだったな。」という声も聞こえましたが、前に座っていた私からは、たくさんの生徒の「にやっ」とする表情が見ていました。若い時に、先輩の先生から「生徒が発表をする時は、同時に聞く側の生徒の様子をしっかり観察しなさい。」と教えられてきましたので、聞き手の方を見る習慣がついています。後輩に伝えておかねば。

 昼過ぎに「生徒会新聞」の原稿ができ上ってきました。どこかのスポーツ新聞かと見まがうレイアウト。保健体育委員会の発表といい、子どもたちはパソコンを使えるのが当たり前になっています。田浦中に赴任して3年間は技術の授業をしましたが、新入生のレベルが年々高くなっていくのを実感したところでした。

 小学校の卒業文集の原稿はガリ版、中学校の卒業文集はボールペン原紙でした。初任の頃は定期テストもボールペン原紙。地図を描くのが大変でした。その頃、パソコンで通知表の所見を書いている先生がいて。「愛がない。」とみんなで言ったものでした。

 そういえば、中1の頃はカセットテープのA面とB面も分かりませんでした。(H)

 

0

【あいさつ】010708

 エアコンの設置工事が随分進んでいます。土曜日には特別教室棟側の足場が撤去されてました。熊本市に行く途中で、例によって学校に寄りメダカにエサをやっていると、作業をされている方から「先生、こんにちは。」の声が。懐かしいことに8年ほど前の水俣二中の生徒でした。

 当時、T先生とも同勤していましたが、T先生には「こんにちは、Oです。」と名乗ってくれたそうです。今日、嬉しそうに話されていました。そこが大事です。

 土曜は帰りに水俣市内の100均ショップに行きましたが、そこでも以前の生徒に挨拶され、妻の命に従い豆乳を買いに行った量販店でも、別の生徒が挨拶をしてくれました。

 初任の西合志南中で生徒指導主事の先生が、1学期の終業式で「夏休みの暮らし」について話された時ことを思い出しました。

 「昨日、小学生の娘と町に行ったら、俺の顔ば見て逃げたっがおる。」「その時、俺は娘から何て言われたて思う。」

 「お父さんは学校で、そぎゃん嫌われとっとね。」

 「悲しかけん、逃ぐんな。先生たちに学校外で会っても挨拶をしよう。逃げたら追いかけるけんね。」

 T先生は笑いながら話され、生徒たちも笑っていましたが、悲しかったのは本音だと思います。

Oくん、わざわざ挨拶をしてくれてありがとう。とても嬉しかった。(H)

 

0

【七夕飾り】010707

 今日は七夕。昔は、子供会ごとに旧暦の8月7日に七夕飾りを作っていた記憶があります。私は田浦1番区の青空子ども会でしたが、今は子どもの数も減り複数の子ども会が統合されているようです。

 6月末から生徒玄関・職員玄関に、たのうらっ子応援団による七夕飾りが置かれています。サトイモの葉に溜まった夜露を集めてすった墨で文字を書くと上達するといわれていることから、短冊には上達や夢を書いたほうが良いそうです。この時期だし、夏休みには三者面談もあるし、中体連大会や高校入試に関する願い事が多いのかなと思いながら短冊を見てみると…。

「県中体連、初戦突破」、「志望校合格」、「病気にならないように」、「宿題嫌いだから減らして欲しい。身長180cmになりたい。神様ヨロシク!」、「マンガいっぱい欲しい」、「願いができた時の願いが叶いますように」、「キンプリのライブでファンサーがもらえますように」

 圧倒的1位は「お金が欲しい。」でした。田浦中生よ、大志を抱け!(H)

 

0

【個性を磨こう】010706

 ウルトラマンのデザインをしたのは、彫刻家の成田亨(なりたとおる)氏。「ベムラー」という名称から企画がスタートして、ガルーダの意匠を取り入れたデザインが提案されました。そこから無駄を削り、広隆寺の弥勒菩薩半跏思惟像にも似たアルカイックスマイル(無表情の中で口角を上げ、 微笑みを浮かべた表情)をたたえたデザインが完成しました。

 カラー放送が始まるため、ブルーバック合成で透き通って見えないように、色は銀色と赤になりました。この段階では口が見えています。口が動く設定でしたが、口周りにしわが寄ってしまい、Bタイプ、Cタイプでは固定した口に変わっています。成田氏は、全体のバランスを崩すという視点から、カラータイマーを付けることには最後まで反対したそうです。

 「個性」と「表現」という言葉があります。大きな円が1つと、中に小さな円が2つ、縦線が1本で描けるウルトラマン。大きな円が1つと、中に小さな円が2つ、斜めの線が2本で描ける仮面ライダー。

 あらゆる無駄をそぎ落とし、最小限の線で分かるヒーローの「個性」。後の角がついたウルトラマン、顔にライダーと書かれたデザインの仮面ライダー。それは、全力で個性を磨いてきた者たちが、他と自分を差別化するための「表現」でしかありません。あくまでも「個性」を基盤として作り上げたものです。

 「みんなちがって、みんないい」どこに行っても通用する、自分だけの輝く「個性」を磨きましょう。(H)

 

0

【みんなちがって、みんないい】010705

 学校教育目標の「潤い」と「輝き」をあふれさせるには、硬く言うと「基本的人権を大切にする心」。柔らかく言うと「自分を大切にするように、人も大切にする心」、「人の良さに気付き、素直に認めることができる心」をもつことが第一だと考えています。

 ヒトの遺伝子の情報は印刷して本にすると26万2000ページほどになるそうですが、一人一人違うのは500ページほど。99.9%は同じだそうです。「違い」はそれぞれの「個性」に当たる部分、0.1%の「違い」を取り除くと、田浦中生、先生方全員が全く同じ姿かたち、考え、行動になってしまいます。

 小学校3年生では、金子みすゞさんの『わたしと小鳥とすずと』を学習します。

わたしが両手をひろげても、お空はちっともとべないが、

とべる小鳥はわたしのように、 地面(じべた)をはやくは走れない。

わたしがからだをゆすっても、きれいな音はでないけど、

あの鳴るすずはわたしのように たくさんのうたは知らないよ。

すずと、小鳥と、それからわたし、みんなちがって、みんないい。

「自分を大切にするように、人も大切にする心」、「相手の良さに気付き、素直に認めることができる心」始まりは「みんなちがって、みんないい」です。(H)

 

0