2018年11月の記事一覧
心と気を働かせる
ある日、織田信長が小姓の一人を呼びつけました。小姓が居室に入ると、信長は何も言いません。間をおいて発した言葉は「下がってよい」でした。
次の者が呼ばれました。信長は今度も何も用事を言いつけず、また「下がってよい。」と言います。同じ遣り取りが何度か繰り返された後、森蘭丸が呼ばれます。
蘭丸も同じように「下がってよい。」と言われ、居室から出ようとしました。その時、出口近くに小さなゴミが落ちているのに気づき拾います。
信長は、蘭丸が居室から出るのをとめ、こう言います。
「人は心と気を働かせることをもって良しとするものだ。用を言いつけられなかったからといって、そのまま退出するようでは役に立たない。お前はゴミに気付いて拾った。なかなか感心である。」
以前、生徒会リーダー研修でこんな話をしました。田浦中の生徒は、明日の文化祭で心と気を働かせることができるでしょうか。(H)
※小姓=位の高い武将等の身辺に仕え、諸々の雑用を請け負う役目の家来
気づく力
本日、天草市本渡運動公園陸上競技場をスタート・ゴールに、県駅伝競走大会が開かれました。郡市の第2代表として大会に出場した女子チームは21位という結果でしたが、万全の体制とは言えない中で全力を尽くすことができました。
青山学院大学の原晋監督は、指導方針の一つの柱として、「規則正しい生活」をすることをあげています。寮では朝5時に起き、みんなで練習し、食事に気を遣い、22時15分に寝る。人として当たり前の生活をするだけで、個々の能力が強化され、タイムに表れるそうです。大切なのは生活の基本、時間の大切さに選手自身が気づき、しっかりと「核」をつくることだそうです。
強豪、東福岡高校のラグビー部室はとてもきれいに整理整頓されているそうです。監督同士の対談の中で、他校のベテラン監督が「掃除をしたから強くなるのではなくて、選手が掃除をすることの意味に気づいたのが大切だ。」「身体能力の高いタレント揃いの東福岡の選手が整理整頓をしだしたら、他の高校は付け入るスキがなくなる。お前たちは部室の片付けをするな。」と笑いながら語られていました。
共通するのは、選手自身が気づくことの大切さです。練習を通して、田浦中の駅伝選手の皆さんに、気づく力がついてきたことを嬉しく思います。(H)
アラクノフォビア
クモが苦手だ。姿、形、ワサワサと移動する格好、死んで裏返った時の足の付け根が特に嫌だ。書きながらも気分が悪くなる。子どもの時、天井から体のすぐそばに大きなクモが落ちてきて・・・・腰が抜けた。
中学生時代、瓶に詰めたクモを持った先輩から追いかけ回されたこともあった。夜のクモ(コブ)は夜コブ(喜ぶ)といって縁起が良いと聞かされても、それはそれ、友達になろうとは思わない。
それでもなぜかクモの本を数冊持っている。テレビで特集があると録画してしまう。クモの映画のDVDも持っている。子どもの頃に数匹のクモを虫かごで飼ったこともある。子どものすることは矛盾だらけだが怖いもの見たさは人の習性。
『クモのはなし』という本の中に、クモの食べ方という話があった。国によっては動きの遅いクモは重要なタンパク源となっている。串に刺して、足をもいで、焼いて・・。ジャガイモを生で食べたような味がするそうである。
あぁ、書きながらめまいが・・・。(H)
※アラクノフォビア:クモ恐怖症
ヒット商品
日経トレンディが選ぶ、2018ヒット商品ランキングが発表されました。トップ3は、安室奈美恵(1)、ドライブレコーダー(2)、ペットボトルコーヒー(3)でした。
私の家を見回しても、無糖・強炭酸飲料(13)、明治エッセルスーパーカップスィーツ(17)、サバ缶(26)等が常備されています。
授業のネタに、ランキングが掲載される12月号を過去20年分くらい保存しています。調べてみると、3年生が誕生した平成16年からの1位は、冬のソナタ、ipod、DSLite&鍛脳ゲーム、Wii、プライベートブランド商品、プリウス・インサイト、食べるラー油、スマートフォン、東京スカイツリー、コンビニコーヒー、アナと雪の女王、北陸新幹線、ポケモンGO、ニンテンドーSwitchでした。任天堂が3回入っているとは、さすがゲーム大国ですね。
将来、ヒット商品の開発に携わる生徒も出るかもしれませんね。(H)
※商品とは売ることを目的としてつくられたモノとサービスのことで、人名が入ることもあります。
つれづれなるままに
〇11月になったばかりというのに、店頭にはもうクリスマスの飾り付けが並ぶようになりました。事務室の先生たちの計画では、田浦中の掲示解禁日は10日になる模様です。
〇佐敷中勤務の時に大変お世話になった、湯浦中のM先生に届け物をする機会がありました。ご不在で、後から同じ内容のお礼のメールが連続で届きました。ご自身も気づかれたようで「すみません、やっぱり年ですかね。」のメールが。正しい回答を検討中です。
〇私と似ていると言われる次男で、スマホのフェイスID(顔認証)による解除を試してみました。ちょっと期待していたのですが開きませんでした。
〇道徳の『小さな手鏡』の授業準備のついでに、『手鏡』について調べてみました。怖い話をたくさん仕入れました。
〇ホークスの甲斐捕手の送球が『甲斐キャノン』と呼ばれ話題になりました。「『カイ』で『キャノン』か。」ほくそ笑んだ40~50代がかなりいるはずです。
〇髪が伸びてくると、自分でバリカンを入れています。6ミリで整えた後、少し長いところを見つけ、一度外した歯をもう一度6ミリに・・・。私の視力では、6ミリと3ミリの文字は見分けがつきません。現在、海老蔵です。(H)
天上の虹
「道徳のローテーション授業をしたいので、校長先生にもお願いしていいですか。」道徳の教科化に向けて、本校の職員はなかなか厳しい要求をしてきます。
「頼まれごとは試されごと」「返事はハイか、イエスか、喜んで」今回も「余裕たい。」と返事をしました。
年間計画に基づき、『アリエスの乙女たち』『海のオーロラ』等で有名な漫画家里である中満智子さんの『小さな手鏡』を資料に授業を行いました。
先日、1年生が『壬申の乱』について発表するために質問に来ました。その時、持統天皇について聞かれ、「天智天皇の娘で鸕野讃良皇女(うののさららのひめみこ)と言います。芸能人の神田うのさんはそこから名前をもらった本名だそうです。」等といつものごとくマニアックな知識をひけらかしましたが、今回は持統天皇の生涯を描いた、里中さんの『天上の虹』を紹介すればよかったですね。(H)
※百人一首の
1番『秋の田の かりほの庵の苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ』は天智天皇
2番『春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山』は持統天皇の歌です。
一生分
子どもは小さいころに一生分の親孝行をするといいます。
先日、人吉二中時代の生徒から、同窓会の案内が届きました。期日を見ると1月2日。当日は私も田浦中昭和55年度卒業生の同窓会に出席するため、残念ですが欠席のハガキを出しました。
人吉二中に赴任した時は25歳でした。当時は、土曜日は半ドンの時代です。独身の先生も多かったので、午前中で勤務が終わるとみんなでご飯を食べに行き、その後夕方まで部活をして、夜は温泉に入った後、誰かの家で飲むというような楽しい生活でした。
人吉三中に異動してから、妻の会社の転勤が急に決まりました。最初は妻と2人の息子は水俣に引っ越し、私は単身赴任をしたのですが、毎晩9時頃にかかってくる、当時5歳の長男からの「おとうさん、なんでかえってきないの。」の電話に、「わかった、今から帰るよ。」と水俣に向かう生活が続きました。着いた頃には5歳と2歳の息子たちは寝ています。
そこで、私も5月から水俣に引っ越し、片道70分の道を通うことにしました。長男は毎朝5時半に出発する私を必ず見送ってくれていました。
二生分、三生分の親孝行をしてもらいました。(H)
たぷんたぷんピッタピタ
朝から『芦北町文化祭』の開会式に参加するため、スカイドームへ行きました。オープニングセレモニーでは田浦祝い唄保存会による『祝い唄』が披露されました。
相撲甚句を観た後、水俣市のバラ園で開かれている『九州和紅茶サミットinみなまた』へ。協賛金500円で記念カップをもらい、18件のお茶屋さんの和紅茶を飲み比べ。たぷんたぷんになりました。バラも見頃です。
午後は文化講演会(講師:八代英輝氏)のため、またスカイドームへ。水俣・芦北間を2往復しましたが、近くなったものです。
湯の児から津奈木までの道が改修され、高速道路が開通し、通勤時間は約10分短縮されました。以前は余裕をもって40分見ていたところが、30分を切る時間で移動することができます。
子どもの頃に見た雑誌の未来予想図では、今頃は空を飛ぶ自動車があったり、空中に透明のパイプが張り巡らされ、その中を乗り物が走ったり、ピッタピタの宇宙人のような服を着ていたはずなのですが・・・。空中の活用は、ドローンがそれに近いかな。ところで自動運転は老後に間に合うでしょうか。(H)
※昨日、過信を避ける目的で宣伝などに「自動運転」という言葉を使わないようにするというニュースがありました。これからは「運転支援」などを使うようです。
威風堂々
水俣二中で同勤した「は〇どん(仮名)」は鹿児島県出身の男だ。体もでかい。年を重ねたらきっと「せごどん」に進化する。
奥さんも鹿児島出身。「家に帰ったら座るだけで、ご飯が出てきます。」「家事は一切しません。」「私も妻もそんな風に育てられてきました。」と堂々と言う。鹿児島県民へのあらぬ誤解を生む。
生徒には愛情をもって接する熱い男だ。影響された女子生徒が、学級行事への取り組み方について「は〇どん」と全く同じ口調で友達を怒っているのには驚いた。
長女が生まれた時、「『〇子』先生の『子』の字をもらって『〇子』にしました。」という調子の良さと、「普通は名前の上の方をもらうだろう。」という声にもめげない逞しさも持ち合わせている。さすがとしか言いようがない。
彼にも弱いものがある。黒くて、つややかで、かさかさと移動し、突然飛び上がり、生命力の強い、多くの家庭で飼っている例のヤツだ。廊下で見かけると、新任のT先生に言う。「初任研だ。退治してこい。」すべて初任者研修の一環で片づける。これも「そんな風に育てられました。」ということか。鹿児島県民へのあらぬ誤解を生む。
最近は「子どもを風呂に入れます。」「車の運転もします。」と堂々と言う。少しすることが増えた。徐々に、徐々に奥さんにそんな風に育てられていく。
あらぬ誤解が少しは解けた。(H)
余裕たい
校長はスポークスマン。会う人、会う人に「『芦北町立田浦中学校』のホームページを読んでください。」と呼び掛けています。お知り合いの方にも勧めていただくと嬉しいです。
「ブログを毎日更新されている校長先生がいるのですが、校長先生も書かれますか。」本校の職員はなかなか厳しい要求をしてきます。
「余裕たい。」たいていの事にはそう返事をするようにしています。
「毎日更新」が「時々更新」に訂正されている!と気づいたときに大切なのは、温かい心です。
土・日はできるだけくだらない話にしようと思っています。タイトルや内容に、一部の人にだけ気付いてもらえる暗号を入れることもあります。
一昨日、コンピューターの保守にいらした方に「校長ブログ『秘密の部屋』を毎日更新しています。見てください。」と話したところ、「ハッリ―ポッターですね。」と返されました。
正解です。気づいていただきちょっと嬉しくなりました。(H)