校長ブログ「秘密の部屋」

2019年12月の記事一覧

【飲酒・酒気帯び運転根絶】011206

 初任の頃、先輩の先生から「高くてもタクシーで帰れ、タクシー代よりこれから退職までもらう給料の方が遙かに高い。」という指導を受けました。30年前は飲酒・酒気帯び運転に対する意識が今より低い時代でしたが、良い先輩です。

 これから忘年会、新年会のシーズンです。私は日本人の平均身長より随分大きいので、酒席でも「だいぶ飲みなっとでしょう。」と勧められますが、地球からアルコールがなくなっても全く問題のないタイプです。訂正します。このシーズンだけ発売される洋酒の入ったチョコレートはなくなると困ります。

 家でも飲まないので、「お酒を最近飲んだのはいつ。」と聞かれると、前回懇親会があった日と答えることができるくらいです。

 生徒指導を担当することが多かったので、夜でも電話がかかってくればすぐに動けるように、教頭の時も校長が動けないときに代わって動けるように、生徒や職員の不測の事態に対応できるようにと言うことで、宴会以外では飲まないようにしています。

 もっと遡ると、祖父が酒飲みで、子どもの頃にあまり良い思いをしていないと言うことが一番大きな理由かと思います。

 懇親会でも量は少なく、翌日の午前中は車の運転をしません。懇親会でも飲めない時は、間違って本物を注がれるリスクを回避するため、ノンアルコールビールでも飲まないことにしています。最近は、無理矢理勧められることが少ない時代になってきたので大変助かっています。

 飲酒・酒気帯び運転は自分で防ぐことができる不祥事です。(H)

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【生徒会会長・副会長任命式】011205

 今朝の全校朝会は生徒会会長、副会長の任命式を行いました。会長Iさん、副会長Oくんの表情にはやる気が感じられました。

 前会長のKさんは、放送委員会のインタビューで1年間をこのように振り返っています。「すべての活動を行うことが簡単ではありませんでした。計画を立てていてもうまくいかなかったり、臨機応変に対応できなかったりすることがあり、大変でした。」、「生徒会長としての1年はあっという間でした。すべての活動が難しいからこそ、できたときは感動で一杯だったし、皆さんの笑顔を見ることができたときが一番嬉しかったです。また、人前でも堂々と話せる精神力もつき、自分を成長させてくれた、とても楽しくて充実した1年間でした。」、「まずは新生徒会長Iさん、副会長Oさん、就任おめでとうございます。2人を中心とした新しい田浦中学校の姿を見るのがとても楽しみです。今年を超える田浦中学校を創ってください。期待しています。」

 ここ7年間で、生徒会長はHさん(女)、Kさん(女)、Hさん(女)、Kくん(男)、Iさん(女)、Kさん(女)、新会長のIさん(女)と続きました。昨年に続き、今年も体育大会の赤青両団長は女性でした。

 昨年、1年生に私の中学時代の話をする機会がありました。子どもたちの反応の良さに、つい同級生の子どもの前で「私が中学生の頃も田浦中は女子が強かった。」と口を滑べらせてしまいました。その子どもも、お母さんを思い出しながら納得した表情でうなずいていました。間違ったことは言ってないようです。田浦中は「すべての女性が輝く社会づくり」を強力に推進する学校です。(H)

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【ずいきのこうき(後編)】011204

 やがて殿様が、「あいや、百姓仁助、ばくさく(麦作)はいかに。」と問われたが、仁助は「ばくさく」の意味が分からない。とっさに「はい、はい、ずいきのこうきでございます。」

 今度は殿様の方で「ずいきのこうき」の意味が分からない。近侍の者に、静かに「瑞気の香気と言うようだが、どんな意味か?」と、おたずねになる。家来たちも何のことか分からないので、仕方なく庄屋を差し招いて、こっそり、「ずいきのこうき」の訳を聞くと、庄屋も知らない。庄屋はそっと仁助にたずねると、仁助は声を潜めて庄屋に「ばくさくとは何のことでございましょうか?」と反問する。庄屋が「麦の作柄はどうかという意味じゃよ。」と、耳打ちして教えると、「そうでございますか。ずいきのこうきとは、ひじょうに良いできばえと言うことで。」と答えた。

 さすがの仁助。正に見事な応対ぶり。そして、殿様に答えは届いて、めでたくけりがついたという。

 それからも、いろいろな問答が交わされ、とんちの仁助も庄屋も面目を施して、褒美をいただき、殿様の御前を引き下がったが、このことから田浦では、「はい、はい、ずいきのこうきでございます。」が、はやり言葉として使われ始めたのである。

※出典は「田浦百話」、「あしきたの民話・伝説」

 

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【ずいきのこうき(前編)】011203

 田浦の古老たちが難問にぶち当たって困惑したとき、苦笑いしながら、「はい、はい、ずいきのこうきでございます。」と、とぼけた返答でお茶をにごす格好は、近頃めっきり少なくなったようだが、たまに出会うと懐かしい気分が湧いてくる。この「ずいきのこうき」については、ちょっと面白い物語がある。

  ずっとむかし、田浦に百姓頭の仁助という大変とんちに長けた男がいた。その評判が時の殿様の耳に入り、一ぺん会ってみようと、庄屋を通じてお召しの達しが来た。

 ちょうど春のこと、服装を正した庄屋につれられて、仁助もどうやら整えたこざっぱりした身なりで、御殿へまかり出た。

 殿様は、中央玉座に、両側には家来たちがずらりときら星のごとく居並ぶ中に、遙か末座に平伏した庄屋と仁助。庄屋は緊張して小心翼々、少し震えとるが、どうしたことか仁助はケロリとして平気の平左である。

 型のごとく、殿様が「その方が、田浦の仁助か、遠路のところ大義であった。さあ近うまいれ。」

 「はい、はい。」仁助は庄屋とともに進み出る。庄屋が冷や汗をかきながら小声で、「これ仁助、頭を低く下げて。」仁助は、畳のへりのところに手をついてぴったりおじぎをする。殿様が「苦しゅうない。おもて(面)を上げよ。」

 そこで仁助は、畳のおもてにてをかけて引き上げようと力む。庄屋があわてて声を落とし、「おもては、畳じゃない。つら(面)のことじゃ。目鼻のついとるのがおもてじゃ。」

「ははあ、目鼻のついとる方がおもてで、ぼのくど(盆の窪)の方が裏でございますか。」仁助は澄まして顔を上げた。(後編へ続く)

 

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【生徒会役員選挙】011202

 今日の午後は生徒会役員改選選挙を行いました。「田浦中生の良さは何ですか。」、「引き継ぐべき伝統は何ですか。」会場からも質問がありました。「笑顔が良い」、「挨拶が良い」、「学年関係なく仲が良い」。共通してこのようなことを答えていましたが、私なら何と答えたでしょうか。「生徒数が少なく一人一人の役割が大きいが、自分のできることにチャレンジし、成果を上げているところ。」、「生徒と先生が両輪となって、学校をつくっているところ。」でしょうか。

 来年、同じような質問が立候補者に投げかけられたらこう答えてほしいですね。「田浦中に通って良かったとみんなが思っているところ。」、「一人一人が自立しているところ。」。選挙結果は放課後に判明します。

 先週の金曜日に田浦中学校区学校地域教育協議会の会合がありました。そこで委員の一人である倉永淳一さん(季刊「野坂の浦」の編集長)とお会いしました。田浦中の今年の文化祭で1年生が「ずいきのこうき」を劇にした話をしたところ、倉永さんたちが編集された「ななうらの民話・伝説(上・中・下巻)」にも載っているとのこと、今朝、わざわざ学校まで持ってきていただきました。せっかくの機会です。田浦の民話をブログで時々紹介したいと思います。(H)

 

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