校長ブログ「秘密の部屋」

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【令和元年度卒業式3】020316

 芦北町の学校では論語教育に取り組んでいます。田浦中の『学校だより』のタイトルは知行合一ですが、これは論語のこのような話から採ったものです。

 弁が立つ弟子の子貢が、孔子に「君子とはどんな人ですか?」と尋ねたときに、「普段からあなたが話していることを先に実行しなさい、その後から言葉が出てくるような人が君子です。(まずすることをして、言いたいことがあればその後で言いなさい。)」と答えたそうです。

 知って行わないのは、未だ知らないことと同じである。知識は行動と一致してこそ意味がある、本当の知識は実践をともなわなければならない。なかなか困難なことです。卒業生の皆さんに一生の課題として「知行合一」の言葉を贈ります。

 最後になりましたが、保護者の皆様方に心よりお慶びを申し上げます。職員一同、巣立ち行くお子様の無限の可能性に期待し、これからもその成長を見守りたいと思います。行き違いもあったかと思いますが、目指すゴールは学校も保護者も同じであることをご理解いただき、この3年間本校教育に対するご協力を賜りましたことに厚く感謝申し上げます。

 卒業生の皆さん。いよいよお別れです。皆さんはこれから凧のように大空に高く、高く舞い上がっていきます。日本にとどまらず、世界で活躍する人も出るかもしれません。しかし、太く、強い凧糸は故郷田浦に繋いでおいてください。田浦中はいつまでも皆さんの心の拠り所です。

 ところで式場の入り口の「卒業式」の立て看板を思い浮かべることはできるでしょうか。そこには赤い模様が描かれています。これは、昭和53年度卒業生の竹林公一さんが後輩への思いを込めて「未来へ続く道」を表し、デザインされたものです。皆さんの成長を見えるところ見えないところでたくさんの方が支えています。皆さんの幸多い人生を祈っています。(H)

 

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【令和元年度卒業式2】020315

 9月の郡市陸上競技大会では、選手の頑張りはもちろん、支える側に回って頑張った人がいました、応援パネルをつくり、声をからした人たちがいました。県大会でケガのためベストの跳躍ができなかった友達は悔し涙を流しました。支えてくれた保護者や仲間、指導にあたった先生たちとの絆の涙でした。

 さらに、今年度は田浦中としては初めて、男女両チームが県駅伝競走大会に出場することができました。これは郡陸上で連続優勝をしていた頃でさえもできなかった快挙でした。田浦中は葦北水俣で2番目に小さい学校です。小さくとも個々の才能で勝負できる競技はあるでしょう。しかし、学校同士が競い合う駅伝での成果は並大抵の努力では残せません。走ることが好きな者だけが集まった競技ではありません。自分の時間を犠牲にして、田浦中の「温故創新」を体現してくれた駅伝チームの皆さんに心から感謝しています。

 3年前の皆さんと、卒業した後も走り続けている先輩方から新しい田浦中の歴史が始まりました。後輩たちが伝統の襷を繋いでくれることを願っています。

 11月の文化祭では、表現力豊かな劇はもちろん、合唱コンクールで演奏の前から涙を流す指揮者の姿がありました。指揮者、伴奏者、合唱団。どの学級よりも練習をしました。結果発表の瞬間の歓声。今年1年で成し遂げたものではないことを皆が知っています。よくぞここまでたどり着きました。

 特筆すべきは生徒会活動です。会長を中心とした執行部は「イイコト流星群」、「プロフィールブック」、「カンボジアに学校を贈る運動」などの公約を確実にやり遂げ、その実行力には目を見張りました。間違いなく過去最高の執行部でした。現執行部は皆さんが目標です。執行部と、全生徒からなる生徒会の皆さんのこれまでの活躍に対し、改めて称賛の拍手を送ります。

 校長室の前を通るとき必ず立ち止まって、中にいる私に礼儀正しいあいさつをしてくれる2名の男子卒業生がいました。早起きは苦手だけど、優しさは男子で一番だという生徒がいました。田中前校長への誕生日メッセージや担任のサプライズ誕生会、心遣いもでき、良さを語っても語り尽くせないのが卒業生の皆さんでした。(H)

 

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【令和元年度卒業式1】020314

 令和最初の卒業生22名が本校を飛び立ちました。新型コロナウイルス感染症対策のため、卒業生、保護者、職員、教育委員会により式を挙行しました。マスク着用、アルコール消毒、内容の削減と卒業生には申し訳なく思いましたが、心のこもった式でした。

 5月の体育大会、予定された日は未明から大雨が降りました。私と米先生が2人で水を抜くための水路を掘っていたところ、ある3年生が、「あれは私たちがしないといけないことじゃないのか。」と友達につぶやいたそうです。昼休みになり、別の3年生が学級で声を掛け、全員がグラウンドに出てスポンジでの水抜き作業。最後の体育大会を成功させたいという強い思いを感じました。翌日は、『田浦中PRIDE ~超えろ!己の限界を~』のスローガン通りの体育大会ができました。令和最初の総合優勝は青団。閉会式の赤団団長の悔し涙が呼び水になったようです。土砂降りの中の後片付けも良い思い出です。生徒数は昨年の3年生の半分ですが、この時、頑張りの総和は上回るに違いないという確信をもちました。

 6月の郡市中体連総体では、卓球男女、バドミントンそして、剣道、空手の4競技が県大会に出場を決めました。大会は優賞チーム以外すべて敗者です。しかし、勝者だけに価値があるのではありません。全会場を回られた中体連会長から、県大会に出場することのできなかった女子バレーボール部の必死なプレー、試合終了後の爽やかな態度が今年の全競技で一番だったと声を掛けていただきました。皆さんを誇らしく思いました。ゴールを守るたった一人の3年生のサッカー部員の姿も心に残りました。(H)

 

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【心と気を働かせる】020313

 いよいよ明日は卒業式。これからは田浦中を支える立場になります。後輩への叱咤激励をよろしくお願いします。将来、もし田浦中の保護者になった時、学校から何か頼まれたら「余裕です。」その一言に期待しています。楽しかったという思いを後輩たちにも味わわせましょう。

 さて、ある日のこと、織田信長が小姓の一人を呼びつけました。小姓が居室に入ると、信長は何も言いません。間をおいて発した言葉は「下がってよい」でした。

 次の者が呼ばれました。信長は今度も何も用事を言いつけず、また「下がってよい。」と言います。同じ遣り取りが何度か繰り返された後、森蘭丸が呼ばれます。

 蘭丸も同じように「下がってよい。」と言われ、居室から出ようとしました。その時、蘭丸は出口近くに小さなゴミが落ちているのに気づいて拾います。

 信長は、蘭丸が居室から出るのをとめ、こう言います。

「人は心と気を働かせることをもって良しとするものだ。用を言いつけられなかったからといって、そのまま退出するようでは役に立たない。お前はゴミに気付いて拾った。なかなか感心である。」

 卒業したら心と気を働かることができるようになってほしいですね。

※小姓=位の高い武将等の身辺に仕え、諸々の雑用を請け負う役目の家来

 

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【大河内紙の卒業証書】020312

 昨日、公立高校後期選抜が終わりました。検査会場から出てくる受検生は一様に安堵の表情を見せていました。17日に合格者発表、その日から二次募集の受付が始まり、今年度の入試の全日程が終わります。

 今日は、例年は基本動作や歌、証書授与などの練習、会場設営などを行っていますが、今年は臨時休校前の28日に概ね済ませた後、在校生による生徒玄関での見送りを行いました。卒業生の手は夏休み前のちびまる子ちゃんのように学習用具でいっぱいでした。

 ところで、芦北町立学校の卒業証書は、芦北町の北部に位置する銅山(かなやま)地区伝統の手漉き和紙『大河内紙』でつくられています。

 『大河内紙』は江戸時代から昭和35年頃まで盛んにつくられていたそうですが、一時途絶え、子どもの頃に紙すきの技術を学んだ大河内紙保存会の皆さんが復活させました。強くて破れにくい上、防虫効果があり、障子紙や米の保存袋として重宝されてきた和紙で、焼酎『夢あしきた』の瓶のラベルにも使われています。私たちの卒業証書は既製の用紙でしたので羨ましい限りです。(H)

 

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