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【伝えよう】卒業式送辞

 冬の寒さも少しずつ和らぎ、徐々に春の暖かさが感じられる今日のよき日に、鹿北中学校を卒業される十八名の先輩方、ご卒業おめでとうございます。

 本日は、今日ここに参加できなかった在校生を代表して、あいさつさせていただきます。

 先輩方と過ごした三年間、多くのできごとが心に残っていて、長いようで、今では短く感じます。

 先輩方は、たくさんの人との出会いの中で、すばらしい体験をし、思い出をたくさんつくってこられたことと思います。常にお手本となり、引っ張ってくださった先輩方は、かけがえのない存在です。

 この一年間で、先輩方を越えたいという気持ちがとても強くなりました。

 本年度の運動会は、初めて小中学校合同となりました。赤団、白団それぞれの団長や応援リーダーが昼休みも話し合いを重ね、小学生リーダーと一緒に、私たちを引っぱって下さいました。毎回の練習のはじめに行うテーマコールでは、先輩が声を枯らしながら叫ばれる姿に運動会にかける熱意が伝わってきました。その姿を見て私も必死で叫んでいました。先輩方の熱い思いに、一、二年生も「ついていきたい」と思うようになりました。運動会を通して先輩方が私たちの目標になっていきました。

 部活動では、中体連大会に向けて、私たちをリードして練習を盛り上げて下さいました。   

 私にとって初めての市の中体連大会で、私はとても緊張していました。そんなとき何人もの先輩が、「いつもどおりでいいよ。」と優しく声をかけて下さり、緊張がほぐれたのを思い出します。市中体連大会では全ての部がすばらしい結果を残し、県大会に進むことが出来ました。ハンドボールの県大会では、先輩方全員が得点をあげられました。足をけがされていた先輩も途中出場でしたが得点を決められました。応援していた私もみんなと一緒におおきな声をあげて喜びました。仲間のために、仲間と一緒に必死で頑張っておられる姿にあこがれを持ちました。

 先輩方の中体連大会にかける思いから、何か一つのことを達成するためには、仲間を信じ、きつくてもあきらめずにやり通すことが大切なんだとうことを教えていただきました。こんなに人数が少ない鹿北中学校なのにこれだけの成果を残された先輩方に尊敬の気持ちでいっぱいです。これからも先輩方への感謝の気持ちを忘れず、先輩方に負けないように毎日の練習に励んでいきます。

 清流祭では、オープニングでみんなを笑わせてくださり、場をなごませてくださいました。先輩方の劇では、見に来られた家族の方々を感動させるほど心を込めて演技されていました。先輩方の劇を見て、「今、どんな自分になりたいか」を考えることができました。いつも支え励ましてくれる家族への感謝の気持ちを忘れてはいけないということも学ぶことができました。

 かほくまつりでは、オープニングの司会をされたり、40周年を記念して四百個の風船を飛ばしたりなど、地域の方々が楽しくなるような企画を先輩方が考えて下さいました。また、昨年度復活したみこしも引き継がれました。みんなで息を合わせるために何度も練習を重ねて当日に臨まれたことと思います。あの重いみこしを「そいや!」という掛け声で、心一つにしてかつがれている姿に私たちも見ているだけで、元気と勇気をもらいました。みこしが場内をねり歩いている間に、会場にいる人みんなが一つになっていきました。

 かほくまつり当日まで、先輩方は準備や練習に一生懸命取り組んでおられました。町の行事まで任せられるようになった先輩方の存在はさらに大きなものになりました。そんな先輩方の跡を私たちは引き継いでいくことに、私たちにできるのだろうかという不安が大きくなっていきました。

 このように様々な行事を行う中で、「ビリーブ」という生徒会テーマのもと、仲間を信じたくさんの新しいことに挑戦し、たくさんの人を笑顔にしてこられました。自分の殻を破るために、お互いに高め合い、団結していく先輩方の姿は輝いて見えました。そんな先輩方は私たちのあこがれです。私たちも先輩方のように、自分を信じ、仲間を信じ、心を一つにして大きな壁を乗り越えていけるようになりたいと思います。

 先輩方がこの学校を離れられるのはさみしいです。しかし、先輩方が私たちに残して下さったあたらしいことにチャレンジすることを私たち在校生は大切にしていきます。なぜならそれが先輩方への恩返しになるからです。先輩方も鹿北魂を胸に、それぞれの進路先で自分らしく頑張ってください。この場にいなくても、在校生の全てが、先輩方に感謝し、これからも応援し続けます。代表してお礼を言わせてください。ありがとうございました。

 最後になりますが、卒業される十八名の先輩方の今後のご活躍と、先輩方の未来がよりよいものになりますことを祈念して送辞といたします。                                                      

                           令和二年 三月十四日

                           在校生代表 黒田 美海