湯浦中ブログ

【安全運転】040417

 熊本県では条例改正により、自転車保険への加入が令和3年10月1日から義務化されましたが、加入されているでしょうか。

 10数年前の自転車事故の判例を紹介します。「保護者が監督義務を果たしていない。」という裁判官の言葉がとても重いですね。原因に自転車の整備不良などが加われば、さらに保護者の責任は明確です。気候も良くなり自転車に乗る機会も増えてきます。自転車の定期点検、安全運転を徹底させましょう。

 事故は平成20年9月22日午後6時50分ごろ、神戸市北区の住宅街の坂道で起きた。

 当時11歳だった少年は帰宅途中、ライトを点灯しマウンテンバイクで坂を下っていたが、知人と散歩していた女性に気づかず、正面衝突。女性は突き飛ばされる形で転倒し、頭を強打。一命は取り留めたものの意識は戻らず、4年以上が過ぎた今も寝たきりの状態が続いている。

 裁判で女性側は、自転車の少年は高速で坂を下るなど交通ルールに反した危険な運転行為で、母親は日常的に監督義務を負っていたと主張し、計約1億590万円の損害賠償を求めた。

 一方、母親側は少年が適切にハンドル操作し、母親もライトの点灯やヘルメットの着用を指導していたとして過失の相殺を主張していた。

 しかし、判決で裁判官は、少年が時速20~30キロで走行し、少年の前方不注視が事故の原因と認定。事故時はヘルメット未着用だったことなどを挙げ、「指導や注意が功を奏しておらず、監督義務を果たしていない」として、母親に計約9500万円の賠償を命じた。