【個性と表現】020728
先月、現在松橋中に勤務しているN先生から「学級通信に校長先生の『個性と表現』の話を載せました。」というメールが届きました。うれしいことです。こんな内容です。
ウルトラマンのデザインをしたのは、彫刻家の成田亨氏。「ベムラー」という名称で企画され、最初はガルーダの意匠を取り入れたデザインが提案されましたが、そこから無駄を削り、広隆寺の弥勒菩薩半跏思惟像にも似たアルカイックスマイル(無表情の中で口角を上げ、 微笑みを浮かべた表情)をたたえたデザインが完成しました。
カラー放送が始まるため、ブルーバック合成で透き通って見えないように、色は銀色と赤になりました。口が動く設定でしたが、口周りにしわが寄ってしまい、Bタイプ、Cタイプでは固定した口に変わっています。成田氏は、全体のバランスを崩すという視点から、カラータイマーを付けることには最後まで反対したそうです。
「個性」と「表現」という言葉があります。大きな円が1つと、中に小さな円が2つ、縦線が1本で描けるウルトラマン。大きな円が1つと、中に小さな円が2つ、斜めの線が2本で描ける仮面ライダー。
あらゆる無駄をそぎ落とし、最小限の線で分かるヒーローの「個性」。後の角がついたウルトラマン、顔にライダーと書かれたデザインの仮面ライダー。それは、全力で個性を磨いてきた者たちが、先達と自分を差別化するための「表現」でしかありません。あくまでも先輩たちが磨き上げた「個性」を基盤として作り上げたものです。
みんなちがって、みんないい。自分だけの輝く「個性」を磨きましょう。(H)