【薔薇の棘】030627
人権集会講話
4月の終わりに水俣市のエコパークでバラ祭りがありました。そこで、薄紫色のブルームーンというバラの鉢植えを買いました。色や形も素敵でしたが、棘(トゲ)の少ない品種だというところが猫を飼っている我が家にはぴったりでした。
皆さんは「きれいなバラにはトゲがある」ということわざを知っていますか?
ここでいう「トゲ」は本当のトゲではなく、人を傷つける言動のこと。「美しいものには人を傷つける一面がある」とか、「うわべだけは良いが、心の中は~」といった意味で使われています。
ところで、バラのトゲは何のためにあるのでしょう。
これには「蔓(ツタ)が絡まりやすくするため」、「茎の強度を上げるため」、「自分の身を守るため」などの説があるそうです。トゲがない花も多いことを考えると、バラには何かしら必要だからトゲがあるのですね。まあ、自分の身を守ると言っても、あのトゲは一番の敵である虫にはまったく役に立たないような気もしますが。
では、人の言動のトゲは何のために。考えてみましょう。
「うらやましい気持ちを隠すため」、「自分の弱さを隠すため」、「相手より先に攻撃して優位に立つため」といった理由でしょうか。
自分が傷つかないために人を傷つけるトゲ。バラのトゲのように必要なものでしょうか。いらないトゲですね。
困ったことにこのトゲは人の心に深く刺さったまま抜けないことがよくあります。日に日に奥に入っていくトゲもあります。小さなトゲのつもりでも、鋭い槍や、太い杭のように心に突き刺さることがよくあります。
人を傷つけて、人を下げて自分を守る。高いモラルとマナーを目指す湯浦中生には似つかわしくない言動ですね。
ちなみに、「きれいなバラにはトゲがある」はもとともとドイツの「トゲのないバラは無い」ということわざで、誰にだって欠点はある。という意味だそうです。
トゲが欠点と言うことならば、トゲで人を傷つける人は、自分の欠点をさらけだしている人なんでしょうね。
ちょっと言い方にトゲがありましたね。