【三者面談】031122
30年近く前のこと。私が初任校で中2・中3と担任した生徒から手紙をもらいました。野球部の主将として活躍していた彼は、競争率が県内で最も高かった熊本市内の甲子園大会常連の工業高校への進学が夢でした。しかし結果は出ず、1年間浪人して再チャレンジ。塾の模試の結果は合格者平均を大きく上回っていましたが、入試はまさかの不合格。県北の私立高校に進みました。
入学当初の手紙には、今の自分の気持ち、勉強に目が向いてないクラスの雰囲気、そんな中で出会った信頼できる先生とのつながり・・・、愚痴や自分自身への慰めなどが綿々とつづってありました。
彼とは連絡をとり続けていましたが、電話や手紙の内容に徐々に母校への誇りを感じるようになりました。彼自身が目標を失わず、周りに流されず頑張ったのはもちろんですが、進学先の高校が甲子園大会に出場したことが大きかったようです。
彼からもらった高校生活最後の手紙には、「先生、入学した頃とは学校の雰囲気が大きく変わりました。野球部の連中が甲子園に行ったことで、あんなに頑張っている奴らの夢を、俺たちが問題を起こしてつぶすことになっていいのか、という気持ちがみんなに出てきたんです。今、うちの学校はみんなが自信を持って頑張っています。僕は推薦で大学進学が決まりました。先生の後輩になります。」
今日から三者面談。悩みに悩んで進学先を決めていくと思いますが、高校はスタート地点です。(H)