「あれは何という動物か?」
英国人のキャプテン・クックが
エンデバー号での航海の果てに
その新大陸に降り立ったのは、
1770年、42歳の時でした。
後にオーストラリアと呼ばれることになる新大陸には、
ヨーロッパ人が見たこともない、
奇想天外な動物がいました。
その動物は、手は短く、脚は大きく
そして何といってもクックが仰天したのは、
お腹にポケットを持ち、
そこに子どもを入れて移動していたのです。
そんな動物が草原をぴょんぴょんと跳ね回っている光景に
目を見張ったクックは、
先住民アボリジニの一人に
「あれは何という動物か?」と尋ねました。
すると、その先住民は
キョトンとして
「カンガルー」と答えました。
クックは英国本国に帰ると、
この珍しい動物カンガルーのことを
自慢げに報告したそうです。
当時はまだ、誰も知りませんでした。
「カンガルー」とは、
先住民の言葉で
「私は知らない」という意味だったことを。
この話は、UFOで地球に飛来した謎のエイリアンと
なんとかして会話しようとするSF映画「メッセージ」に出てきた話でした。
このように、コミュニケーションとは難しいものですね。