中国選手のバックハンド
昔から、中国の卓球は強かったですね。
その中国の卓球にまつわる、ある伝説を聞いたことがあります。
昔、卓球の中国選手は、フォアハンドは滅法強く、無敵だったそうです。
しかし(今ではそういうことはないと思いますが)、バックハンドは不得意で、大したことはなかったそうです。
では、どうすれば中国を倒せるか?
相手も考えます。
「中国選手のバックハンド側を狙って打てばよい。彼らにバックハンドを使わせるのだ」
打倒中国に燃える国々の選手たちは、徹底して相手のバックハンド側に球を返す練習をしました。
これで中国を倒す秘策はバッチリ。
「中国選手にバックハンドを打たせさえすれば、怖くない。彼らのバックハンドは恐れるに足らないのだ」
相手チームは秘策に自信を持って、試合に臨んだそうです。
しかし、試合結果は、やっぱり中国チームの圧勝に次ぐ圧勝。
あっという間に優勝してしまいました。
なぜでしょう?
相手チームが中国のバックハンド側に返せなかったのか?
いや、それは特訓の成果もあって、作戦どおりに返したそうです。
では、なぜ中国が勝ったのか。
それは、中国選手が不得意なバックハンドを打たなかったからです。
どういうことでしょうか。
そう、中国選手は、どんなにバックハンド側に飛んできた球も、素早くフットワークを使って回り込み、得意のフォアハンドのみで打ち返し、勝ち進んだのです。
せっかくの打倒中国の秘策も、その一枚上をいく中国選手の技術で、通用しませんでした。
苦手や欠点を治す、修正することも必要でしょうが、時には、苦手や欠点をものともせぬように、得意なところをさらに磨くことも作戦なのでしょう。