南の島での会話から
担任をしていた頃に、授業で扱った話です。
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世界飛び回る日本のビジネスマンが、仕事で南の島へ行きました。
毎日忙しく飛び回っていましたが、
そのうち、静かな浜辺のヤシの木陰で、
いつも昼寝をしている男がいるのに気がつきました。
ある日、ビジネスマンはその男に話しかけてみました。
「いつもそこで昼寝ばかりしていますね」
すると男は答えてこう言いました。
「あなたはいつも急いでいますね。
何をしているんですか」
ビジネスマンはあきれて
「仕事ですよ」と言いました。
すると男は「仕事?」と聞き返しました。
「そうです。私はこの島で◯◯の売り上げを伸ばすんです」
「ほう、売り上げを伸ばして、どうしたいんですか」
「会社に認められて、昇進したいんですよ」
「昇進?昇進してどうしたいんですか」
「そりゃあ、昇進して給料をたくさんもらって、金持ちになりたいですね」
「ふうん。金持ちになってどうしたいんですか」
「どうしたいって、そうですね。
おいしいものをたくさん食べて、のんびりしたいですね。
ゆっくり昼寝でもして」
男はちょっと黙ってからこう言いました。
「なあんだ。
そういうことなら私はもう毎日やってるな」
ビジネスマンは、何も言わずにどこかへ行ってしまいました。
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ここで、生徒たちに
「あなたがこの場で会話を聞いていたら、何と言いますか」
と尋ねるという授業です。
皆さんならいかがでしょうか。
東中の生徒にも、いつか聞いてみようと思います。