過去の行為の責任の取り方について
熊本県公立学校「心のアンケート」を本校でも実施しました。
「いじめられたことがあるか」という設問の該当は1件で、
この件は、生徒による早めの相談と、先生方の丁寧な対応で解決を見ています。
謝罪などをしてからも、3か月は先生方で目配りをして、
その後いじめが続いていないか、確認をしています。
引き続き、人権を大切にする指導をすべての教育活動の中で取り組んでいきます。
ところで、このようなニュースをご覧になったでしょうか。
読売新聞の記事には、こうあります。
「韓国女子バレーボールの主力選手として、東京五輪での活躍が期待された双子姉妹が、
子供時代のいじめを理由に代表チームから追放された。
厳しい処分には、暴力根絶に取り組む韓国スポーツ界の強い姿勢もある」
韓国バレーの「アイドル」双子姉妹、子供時代のいじめ理由に代表追放
なぜ今になって告発されたのかには、SNSの影響もあるようですし、
当の本人たちも事実を認めているようです。
その他の詳しい経緯は分かりませんが、報道された部分を見ると、
過去のいじめ体験を根拠に代表追放とは、厳しいなと思いました。
Yahoo!ニュースによると、元陸上選手の為末大さんは、
「日本のスポーツ界で同じような事例が出てきたとき、
どのような判断をし、どのようなメッセージを出すかの用意は各協会しておいた方がよさそうです」
と危惧されていると述べられたそうです。
また、韓国でいじめ代表剥奪「過去の過ち」日本との違いという、
日刊スポーツの記事を目にしました。
筆者は、「ソウルで生まれ、19歳で来日した。以降33年間、日本で生活している」盧載鎭さんという方です。
私はこの記事を読んで、考えさせられました。
一部引用します。
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日本は「学生の時は不良でした。今は真面目に頑張ってます」
「子供の時に番長やってました。今は生まれ変わりました」「昔はワルだった」などと公言するスポーツマン、芸能人がいて、
過去の過ちから立ち直ったことを美談としてとらえられる傾向がある。
元不良に再生する機会を与え、過去は過去として今の成功に目を向けがちだ。
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日本には「水に流す」という慣用句もあります。
一方、韓国では、
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同様の過去が明らかになった場合、
まずは当時被害を受けて苦しんだ被害者のことを考える。
いじめられたことが原因で、将来プランが崩れた人もいるだろう。
いまだにトラウマに苦しむ人もいるし、ひどい場合には自らの命を絶つ人もいる。
当時は人格的にも年齢的にも未熟だったにせよ、
何年前だろうが、加害者は社会的制裁を受けるべきで、
再生するのは罰してからと思われる節が強い。
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という見方です。
日本では、現在、不祥事を起こしたり(たとえば芸能人の不倫)、
犯罪を犯したり(たとえば薬物乱用)したときは
厳しい処分(解雇や活動停止など)があります。
(ただ、芸人の方などが活動再開後、自らの不祥事を「自虐ネタ」にして笑いを取ろうとするのは、
私は好きではありません。)
過去に遡った場合はどうでしょう。
こういったことを、「国民性の違い」で済ましていいのか、
欧米では同様のケースはどうなのか、
過去の行為の責任の取り方はどうすべきでしょう。
犯罪なら「時効」という要素もありますが。
私には簡単には答えは見つかりません。
盧載鎭さんは、記事の最後にこう書かれています。
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双子の李姉妹が日本人ならどうだったか。
「なんでいまさら?」
「よく立派に再生した」
「罪滅ぼしのためにも、東京オリンピックで頑張れ」
という流れになりはしなかっただろうか。
果たして、学生時代の暴力が代表剥奪までつながるだろうか。
賛否はあり、どういう対応が適切かはわからない。
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