あるレジ打ちの女性の話 1
今日ご紹介する話は、
『涙の数だけ大きくなれる』木下晴弘著書、フォレスト出版
の中に収録されているものです。
長いお話ですので、一部要約して、引用させていただきます。
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その女性は、何をしても続かない子でした。
田舎から東京の大学に来て、部活やサークルに入ったのは良いのですが、
すぐにイヤになって次々と所属を変えていくような子だったのです。
そんな彼女にも、やがて就職の時期が来ました。
最初、彼女はメーカー系の企業に就職します。ところが仕事が続きません。
勤め始めて3ヶ月もしないうちに上司と衝突し、あっという間にやめてしまいました。
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(中略 彼女はいろいろな職に就いては長続きせずに辞めてしまうということを、繰り返してしまいます。
そのうち、正社員で雇ってくれるところはなくなり、田舎の両親は早く帰って来いと言ってくれます。
しかし、負け犬のようで帰りたくありません。
生活のために派遣社員となりますが、それでも長続きしないのです。)
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彼女の履歴書には、やめた派遣先のリストが長々と追加されていました。
ある日のことです。
新しい仕事先の紹介が届きました。
それは、スーパーでレジを打つ仕事でした。
ところが勤めて1週間もすると、彼女はレジ打ちに飽きてきました。
ある程度仕事に慣れてきて、
『私はこんな簡単な作業のためにいるのではない』
と考えだしたのです。
その時、今までさんざん転々としてきながら我慢の続かない自分が、
彼女自身も嫌いになっていました。
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(つづく)