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2024年9月の記事一覧

忘れもの

 「忘れもの」  高田敏子

入道雲にのって 
夏休みは いってしまった
「サヨナラ」のかわりに 
素晴らしい夕立をふりまいて

けさ 空はまっさお
木々の葉の一枚一枚が
あたらしい光と
あいさつをかわしている

だがキミ! 夏休みよ
もう一度 
もどってこないかな 
忘れものをとりにさ

迷子のセミ 
さびしそうな麦わら帽子
それから ぼくの耳に
くっついて離れない 波の音

 以前、小学校国語の教科書に載っていた詩です。
 まだまだ世の中は茹だるような残暑の最中ですが、この詩を読むと、遠い少年時代に感じた夏の終わりの物悲しさと黄昏の涼風を思い出します。
 机の端には手つかずの夏休みの友と絵日記帳。「毎日、絵日記にするようなイベントがあるわけないだろ」と、ため息と涙の混じった独り言をつぶやいた8月31日。ハンコがズラッと並んだラジオ体操カード。名前が薄く残った白いプラスチックのプールカード。すっかり色褪せた野球帽。アイスキャンデーの30円当たりバー。箱に少し残っている2B弾と、金具が錆びた水中メガネ。靴底の砂と3回目の皮がはげた日焼けの痕‥‥。夏休み中は「サザエさんは愉快だな~♪」の曲にも、寂しい気持ちにはなりませんでした。
 詩では、夏休みという親友に、少年は忘れものを取りに戻ってこいよと呼びかけます。「夏よ、カムバック」という気持ちと、「こんなに思い出を置いて行かれたら先に進めなくなっちゃう」という相矛盾する気持ちがあるのでしょう。
 中学校学習指導要領では、「国語科は、様々な事物、経験、思い、考え等をどのように言葉で理解し、どのように言葉で表現するか、という言葉を通じた理解や表現及びそこで用いられる言葉そのものを学習対象としている」とあります。目標には「思考力や想像力を伸ばし~」と「想像力」が加わっています。
 「想像力を伸ばす」とは、「実際には見たり体験したりしていない事柄などを頭の中に思い描く段階から更に進んで、様々な資料を基に、これから起こるであろうことやどのように行動すればよいのかということを思い描くなど、将来の状況やあるべき姿を予測したり、見通しをもって行動したりすることの能力までも身に付けること」であるとされます。
 言葉を聴き、読み、言葉を発する人の思いを推し量ること。同時に、等身大の経験を重ねて、自分なりの素直な感情と紐づけて記憶に残すこと。それらが相互理解や未来に向けての見通しといった「想像力」の基盤となります。
 夏休みという親友と過ごした44日間。生徒達は、その親友とどんなことを「忘れもの」とすることができたのか、どんな想像力を養うことができたのか、そのうち聞いてみたいと思います。ご家庭でも話題にしてください。

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さぁ、2学期!

 台風による臨時休校で9月2日(月)にずれ込んだ始業式でしたが、44日間の夏休み期間(臨時休校で4日プラス)大きな事故もなく、日焼けしてちょっと逞しくなった生徒達と一緒に、無事に2学期のスタートをきることができました。
 始業式の校長講話では、
〇受験に向けていよいよ本格始動の3年生には、思いつきの瞬発的な努力ではなく、コツコツとした息の長~い少しずつの努力の継続こそが大切であること。
〇次期リーダーとして成長が期待される2年生には、自分を振り返るとともに、先輩が目指してきた生徒像を確認し、牛中の「顔」としての自覚を持つこと。「きちィ」「だりィ」はダメ。自転車二人乗りなど違法行為は地域が見ている。
〇持ち前の明るさで成長著しい1年生には、中学校生活に慣れてきた今だからこそ返事、挨拶、宿題を意識し、一人一人が確実に実践していくこと。先輩達と先生の、期待を込めた視線がいつも注がれていることを忘れない。
ということを話しました。そのためには、親や家族、友達、先生や先輩、地域の方の話をしっかり「聴く」ことが大切!
「耳」で聴く 誰のために言ってくれている言葉!? 聴こうという意識を持つ。
「目」で聴く 相手の表情を見る。空気を感じる。聴く意志を示す。
「心」で聴く 相手の意図や思いを知る。自分と照らし合わせる。

 「耳」と「目」と「心」で聴く姿勢は、人間を成長させます。その習慣は、人生を豊かにします。聴くことで、よりよい自分を描くことができます。聴いた内容をヒントに自分の未来をより具体的に押し広げることができます。聞き逃すのは、損です。独りよがりでは、何も向上できません。世の中に出たら、それが嫌というほど分かります。 

 親と子、先生と生徒、友だち同士、地域の人と地域の子供が、相互に「言葉をかけたい」「言葉を聴きたい」と思い合える関係づくりが最も重要。 心を紡ぎ合っていきましょう。

 

※台風の被害はありませんでしたか?

 台風10号接近により、8月29日と30日は臨時休校としました。牛深のすぐ東海上を通過したノロノロ台風は、九州をはじめ日本の広範囲に記録的大雨を降らせました。また、暴風・竜巻により西日本の広範囲で停電が続きました。
 今後も台風接近が予想されます。教科書・制服等が泥や水に浸かったなどの被害があれば、すぐに学校にご連絡ください。すぐに対応したいと思います。
 危険予測、防災準備をしっかりしていきましょう。学校でも指導していきます。

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