校長ブログ「秘密の部屋」

【大河内紙】310302

 昨日、某工業高校を卒業したMくんが田浦中に報告に来て、ホルダーに挟み込まれた高校の卒業証書を見せてくれました。昔のような筒ではないことが意外でした。将来、電子化され、メールで渡すなどと言うことはあるのでしょうか。Mくんは神戸の企業に就職が決まり、今月29日に実家を離れるそうです。ずっと神戸で暮らすことを考えているようです。お母さんには、大阪万博が楽しみですねと声を掛けておきました。

 ところで、芦北町立学校の卒業証書は、芦北町の北部に位置する銅山(かなやま)地区伝統の手漉き和紙『大河内紙』でつくられており、一枚一枚に個性があります。

 江戸時代からつくられていた『大河内紙』は昭和35年頃まで盛んにつくられていたそうですが、一時途絶え、子どもの頃に紙すきの技術を学んだ大河内紙保存会の皆さんが復活させました。強くて破れにくい上、防虫効果があり、障子紙や米の保存袋として重宝されてきた和紙で、焼酎『夢あしきた』の瓶のラベルにも使われています。

 Mくんのお爺さんも紙すきをされます。その紙を卒業証書に加工して、今回の中学校の卒業式でMくんの弟に授与します。もっと言うと、そこに書かれたH(校長)の母もMくんと同郷で、記名をしてもらった叔母の夫も同郷で…。『イイネ』を10個くらいつけて渡したくなります。(H)