高森町「教育の情報化」研究発表会
1月11日(金)9時00より、高森町「教育の情報化」研究発表会に参加しました。国道57号線から高森方面に向かう橋を渡る時に見えた景色には、熊本地震の傷跡が生々しく残っていました。復興の途上にあることをあらためて実感しました。
研究発表会参加の大きな目的は、「遠隔授業」を参観することです。10時から3年理科の授業を参観しました。授業は「私たちは、自然とどのように関わっていけばいいのだろうか。」との学習課題に対して、各班で、阿蘇山の噴火、熊本地震、地震のメカニズム、津波、防災、自然の恵みといったテーマに沿っての課題解決学習を行いました。
遠隔授業は理科室と阿蘇火山博物館をつなぎ、各班で調べたことについて、阿蘇火山博物館の先生から、学びを深めるための視点(アドバイス)をいただくというものでした。
たとえば、
〇噴火の時の対策について調べている班に対して
「中岳の活動の特徴を調べ、その上でどんな影響があるのか。火山灰が降ったことはみんな経験している。火山灰の影響について調べてみてはどうか。」
〇高森町の避難場所について」調べている班に対して
「ハザードマップに描かれているものは全体的なもの。災害が起こった時の避難の仕方は個人個人違う。自宅周辺にどんなリスクがあるのか、どう動けばよいのか、自分に置き換えて調べるという視点で考えてみては。」
〇津波について考えている班には
「高森に津波が来る可能性はほとんどない。しかし、東日本大震災のことを考えてほしい。津波被害を受けた人たちの住む場所はどうなってしまうのか。二次的、三次的な関わりについて考えると津波と高森との関係が見えてくるのでは。」
〇観光資源としての阿蘇の自然についてアドバイスを受けた班は、
「衣食住について考えた時、みんなにとっては当たり前かもしれないが、火山の恵みとして阿蘇の食と水は世界に誇れるもの。観光の大きな楽しみには食がある。ここを掘り下げてみては。」
理科室というせまい空間が、火山博物館とつながることで、学びの可能性が大きく広がり、学びが深まっていくことがはっきりわかる授業でした。生徒は、新たな視点をもらってさらに話し合いが深まっていきました。
また、一人に一台パソコンがあり、いつでも疑問に思ったことを調べることができる環境が整っていることもすごいと思いました。
分科会では、佐賀県や宮崎県の先生方と遠隔授業について意見交換をしました。他の班には北海道から参加している先生もいました。
全体会で特に印象に残ったことは「Society5.0」です。狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く、人類史上5番目の新しい社会が「Society(ソサエティ)5.0」。第4次産業革命によって、新しい価値やサービスが次々と創出され、さらに豊かにそして便利になった社会。その具体的な姿をWEB限定ムービーで紹介された時は、本当に驚きました。
たくさんの刺激を受け、たくさんの可能性を持ち帰ることができた発表会でした。