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2021年2月の記事一覧

二つの「為せば成る 為さねば成らぬ」

上杉鷹山

「江戸時代中期の大名。出羽国米沢藩9代藩主。領地返上寸前の米沢藩再生のきっかけを作り、江戸時代屈指の名君として知られている。」(Wikipediaから)

江戸時代としては革新的な財政改革や教育改革などを断行し、米沢藩(現在の山形県)を立て直しました。

実際に藩内の農村を歩いて回り、人々と直接会話を交わして、施政の参考にしたという逸話も多く残っているようです。

また、ケネディ大統領が日本人記者のインタビューで、

「尊敬する日本人」として鷹山を挙げたということで、注目を集めたそうです。

たしか、日産の元社長のカルロス・ゴーンも、鷹山のことを知っていて、

鷹山を引き合いに出して、ゴーン自身も工場を歩き回ってコストカットに取り組んでいたと思います。

 

上杉鷹山の

「してみせて言って聞かせてさせてみる」

という言葉をアレンジして、

「やってみせ、言って聞かせて、やらせてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」

と言ったのは、山本五十六です。

この言葉は人に物事を教える際のポイントを端的に言っていて、有名ですね。

 

他にも、鷹山の詠んだ有名な歌があります。

「為せば成る 為さねば成らぬ」

で始まる歌で、皆さんもお聞きになったことがあるでしょう。

この後は「何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」

と続きます。

 

為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり

 

「トライすれば何事も達成できる。達成できないのは、トライしないからだ」

という、藩の改革を断行したリーダーシップの持ち主らしい言葉ですね。

私も長くこの言葉に元気づけられてきたように思います。

 

しかし、この鷹山の歌には、彼が参考にしたであろう元歌?があります。

 

それは、

為せば成る 為さねば成らぬ 成る業(わざ)を 成らぬと捨つる 人の儚さ(はかなさ)

という歌で、

詠んだのは戦国時代の武将、武田信玄です。

「トライすれば達成できることを、どうせできないとあきらめてしまう、人のはかなさよ」

という意味でしょうか。

「どうせできないとあきらめてしまう」人間というものを、

「はかない、むなしいものだ」とため息をついているようです。

鷹山の歌の果敢な感じ、断固とした感じに比べると、

信玄の歌は、「なんでみんなそうなのかなあ」「わかんないのかなあ」

という嘆きも伝わってきます。

昔からリーダーは孤独なものだったのでしょう。

 

今日は、私より一つ年上の天皇陛下のお誕生日です。

一昨年の5月には、半蔵門のところで

車から手を振っておられるお姿を、直接拝見することができました。

心からご健康をお祈りします。

 

床屋さんに学ぶ「かつがつ」

先週の2月20日は、アントニオ猪木さんの誕生日でした(1943年 今年78歳になられました)。

また、この日は、長嶋茂雄さんの誕生日でもあるそうです(1936年 今年で85歳になられました)。

(ちなみに、昨年惜しまれてお亡くなりになった、志村けんさんも同じ日が誕生日だそうでした。 1950年)

奇しくも各界の国民的なスターが、同じ誕生日とは、少し驚きました。

これもまたちなみに、私と同じ誕生日の有名人には、

TOKIOの松岡くん、深津絵里さん、レスリングの浜口京子さんや元横綱輪島関など、そうそうたる(!)メンバーがおられます。

最近、元プロレスラーのアブドーラ・ザ・ブッチャーさんも同じ誕生日と知って、

びっくりしました。

(ただ、ブッチャーさんは生年に2つの説があるという、謎に満ちた方です。)

 

なぜこのようなことに話が脱線しているかというと、

私は昨日床屋さんに行きました。

私はふだん、1日に3秒も鏡を見ないのですが、

久しぶり(?)に鏡に映った自分を見たところ、

「髪に白いものが増えたなー」と改めて思い知ったのです。

長嶋さんも猪木さんも高齢になられましたが、笑顔の姿を時々拝見して、

私も歳を取ったけど負けてはいられないなあと思ったところです。

 

ところで、今日の本題は、その床屋さんでのことです。

床屋さんが髪を切った後に、床に散った私の髪の毛を、きれいに掃いて片付けてしまい、

それから顔そりにかかられるのを見て、

一つの仕事を片付けて、そして次、と段取りをされているのに、

今さらながら気づいたのでした。

 

もちろん、店の床を清潔に保つ意味もあるでしょうし、

次のお客さんを呼ぶときに、スムーズに行くこともあるでしょう。

髪を切っているお客さんが「やっぱりもうちょっと後を刈り上げて」

などと言うチャンスもあります。

 

熊本弁では、こういうことを

「かつがつ」片付けると言いますね。

調べてみると(goo辞書)こう書いてありました。

*****

かつ‐がつ【且つ且つ】 の解説[副]

1 不十分ながら成り立つさま。どうにか。ともかく。「やりくりして且つ且つ家計を維持する」

2 とりあえず。急いで。「―里内裏 (さとだいり) つくるべきよし議定あって」〈平家・五〉

3 その時期でないのに、早くも。「我が山の衆徒、―以て承悦す」〈平家・七〉

4 少しずつ。ぼつぼつと。「要法など―伝授しけり」〈沙石集・二〉

*****

もともとは古語で、源氏物語にも用例があるようですが、

熊本弁で使うときの意味は、上記4の「少しずつ」ですね。

 

熊本弁では、「ばってん」「あとぜき」「武者んよか」「むぞらしか」など、

有名な言葉がたくさんあります。

私は方言にはその地方の庶民の息づかいが聞こえそうで、好きなのですが、

「さでくりきゃあこけた」などと言うと、すごい勢いで転んだ様子が目に浮かびそうです。

さぞ痛かったでしょうね。

 

私は、この「かつがつ」も好きな熊本弁の一つです。

同じ少しずつという意味の共通語には、「コツコツ」がありますが、

「かつがつ」とは少しニュアンスが違いますね。

「かつがつ」には、「その都度」「こまめに」「怠らず」といったいった意味が含まれているように思います。

 

校長室の片付けも「かつがつ」しまい(牛深弁)、と思うこの頃です。

 

「床屋さんイラスト」の画像検索結果

「1センチ」なら前に進める

またまた今日も、

元CAのマナー講師、松澤萬紀さんの

「1秒で『気がきく人』がうまくいく」から気になったいい話を紹介します。

 

(昭和58年ドラマ「スチュワーデス物語」から)

 

1メートル前に進めなくても、「1センチ」なら前に進める

という話です。

 

*****

「1センチ」なら前に進める

中学生時代、剣道部に所属していた私は、

顧問の先生に「おまえは、試合をする前

から負けている」

と指摘されたことがありました。

なぜかというと、

審判の「はじめ!」の掛け声の直後に、

無意識に一歩下がるクセがあったからです。

戦う前から対戦相手の気迫にひるみ、

自分から逃げていたのです。

*****

 

松澤さんは、

「怖くても、一歩前に出なければいけない。

技術ではかなわないのだから、

せめて、気持ちで負けないようにしよう」

そう思うようになってから、少しずつ変わったと言います。

剣道の市の大会で3位の成績を収めるなど、

「一歩だけ前へ出る勇気」が

大きな結果につながるようになったそうです。

 

*****

「ほんの一歩だけ前へ出る勇気」なら、

誰もができるのではないでしょうか。

(中略)

CA(客室乗務員) の試験に7回も落ちながら、

それでも空を飛ぶことができたのは、

「一歩だけ前へ出る勇気」を持って、

「不合格」になることを怖がらなかったからです。

*****

まず1センチなら私にもできる、

という気持ちになりませんか。

松澤さんの本には、体験談とそこから導かれた

参考になる話がたくさんありました。

(昭和45年ドラマ「アテンションプリーズ」から) 

笑顔には、「3つの笑顔」がある

昨日に続いて、元CAのマナー講師、松澤萬紀さんの

「1秒で『気がきく人』がうまくいく」から、ちょっといい話を紹介します。

笑顔には、「3つの笑顔」がある

という話です。

 

*****

空の上で、500万人以上のお客様と接してきてわかったことがあります。

それは、笑顔には、「3つのタイプ」があるということです。

1 【自然と出る笑顔】

おいしい食事をしているとき、好きな人に会ったとき、友だちに会ったとき、楽しい会話をしているときなどに、自然と出る笑顔。

2【損得でつくられた笑顔】

「買わせよう」という思いが透けて見える接客用の笑顔。

「良く思われよう」という下心を感じさせる笑顔。心がともなっていないつくりものの笑顔。

*****

 

この2つの笑顔はすぐ思いつきますね。

では、CAさんが大切にしているという、もう一つの笑顔とはどんな笑顔でしょう。

 

*****

3 【相手の心を救う笑顔】

相手のためにつくる笑顔。1や2のように、「自分の気持ち」のあらわれとしての笑顔ではなく、

「相手の気持ち」を心地良くするための笑顔。

相手のために、たとえ、自分がしんどくてもつくる笑顔。

*****

 

松澤さんが現役のCAさんの時に、先輩CAから

「つらいときこそ、笑ってね」とアドバイスをもらったそうです。

 

*****

「松澤さん、CAは、落ち込んでいるときも、疲れているときも、泣きたいときも、笑顔を忘れてはダメ。

なぜなら、CAの笑顔は、お客様のためにあるのだから。

飛行機が揺れているときも、松澤さんのその笑顔を見たら、お客様は怖くなくなるはず」

 

私は先輩から、「笑顔には、人の心を明るく、やさしく、おだやかにする力がある」ことを教わりました。

笑顔は、自分のためのものではなく、人を元気にしたり、励ましたりするためにある。

そのことに気がついてから、私は、心配事があるときでも、

笑顔でいられるようになったのです。

*****

 

東中では、

1の「自然と出る笑顔」がたくさんあります。

生徒たち、先生たちの笑顔が絶えることはありません。

 

2の「損得でつくられた笑顔」については、学校ですので、ほとんど見かけないかと思いますが、どうでしょうか。

 

では、3の「相手の心を救う笑顔」はどうでしょう。

CAさんのように、お客様の安心のための笑顔、というわけではありませんが、

「人を元気にしたり、励ましたりする」笑顔を意識して生活する人が増えれば、

もっと素晴らしい東中になるかもしれません。

先輩CAさんは「つらいときこそ、笑ってね」と言われたそうですが、

それは難しいことですね。簡単にはできません。

 

その先輩も新人の頃、その先輩から同じようなアドバイスを受けたのかもしれません。

つらいときに笑顔になるように努力を重ねて、

今度は後輩にアドバイスできるようになったのではないでしょうか。

 

東中の笑顔も伝統となってつなげていけるといいなと思いました。

(映画「ハッピーフライト」から

「小さいことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に」

1秒で「気がきく人」がうまくいく

という本がここにあります。

著者は松澤萬紀さんというマナー講師の方です。

以前、CAさんの採用試験に8回目の挑戦で合格し、

ANAで12年間CAさんをされたという経歴の持ち主です。

CAさんを経験された方らしい、いろいろなエピソードが掲載されています。

 

今日はその中から少しご紹介します。

「業界で、ダントツの成果を上げている方々に共通していたのは」と聞くと、

どんな共通点だと思われますか。

松澤さんは、

「ほんの『1秒』という短い時間の中で判断をくだし、

非常に『気がきく習慣』を、いつも実行されているということ」

だとおっしゃっています。

 

「99%の人がやっていないこと」でも「やろうと思えば誰でも実行できる」、

「たった『1秒』意識することではじめられる習慣」だそうです。

どんなことかその一例を引用してみましょう。

*****
先日、ファーストクラスを担当している友人のCA数人に、

「どんなお客様に魅力を感じるか?」と尋ねたことがあります。

彼女たちは、そろって「同じ答え」を口にしました。

何と答えたと思いますか?

*****

?なんでしょう。

芸能人とか、チップをくれる人(航空機内ではそんなことはないでしょうか)?

 

*****

正解は、「きちんと、挨拶をしてくださるお客様」です。

たとえば、日本を代表する俳優であった高倉健さん。

CAが「ご搭乗ありがとうございます」と挨拶をしたところ、

高倉健さんは、わざわざ席を立って、

「こちらこそ、ありがとうございます」と丁寧に挨拶を返してくださったそうです。

たった「1秒」の挨拶のために、

席を立ってくださった高倉健さんの誠実さに、

友人のCAは、大きな感動を覚えたといいます。

*****

 

高倉さんが丁寧な挨拶をされる方だったということは、

以前「高倉健さんの最敬礼」という記事で、このブログでもご紹介しました。

 

また、

*****

私が、テレビ「はなまるマーケット」(TBS)に、生出演させていただいたとき、

とても印象に残る挨拶をしてくださった出演者がいます。

薬丸裕英さんと、いとうあさこさんです。

私がスタジオに入ったのは、出演の数分前でした。

コマーシャルの間に「松澤さん、入ってください」と声をかけられ、

私はそこではじめて、出演者の方々と対面しました。

コマーシャルが終わるまで30秒ほどしかありませんでしたが、

出演者のみなさんに「松澤と申します。よろしくお願いいたします」と挨拶をしました。

みなさん、笑顔で「よろしくお願いします」と返してくださったのですが、

時間が差し迫っているため、「台本で進行を確認しながら」挨拶を返す方もいらっしゃいました。

生放送ですから、無理もありません。

ところが、薬丸裕英さんと、いとうあさこさんは、心に残る素敵な挨拶を返してくださいました。

お2人の挨拶は、きちんと私に体を向け、私の目を見て、

「こちらこそ、よろしくお願いします」と、

とても丁寧に頭を下げてくださったのです。

私を受け入れてくださっていることが伝わり、気持ちを落ち着かせて出演することができました。

秒単位で進行するテレビの生放送にあって、貴重な「1秒」を私に捧げてくださったことがとても嬉しく、

私はすっかり2人のファンになりました。

*****

 

こういった話を読むと、

「こちらこそよろしくお願いします」という、

何の変哲もない日常の言葉が、

とても美しい言葉に思えます。

たった1秒ほどの挨拶のお返しですが、いいですね。

 

松澤さんによると、

ANAでは「小さいことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に」

という言葉を、先輩たちからよく教えてもらったそうです。

「たった1秒」の挨拶こそ、この言葉が当てはまるのだと思いました。

 

関心がある人は……

 

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