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2020年12月の記事一覧

世界を救う小さな手(日本赤十字社)

昨日、このような報道が飛び込んできました。

「熊本県は14日、県内の新型コロナウイルス感染リスクレベル(6段階)について、

最上位のレベル5(厳戒警報)に1段階引き上げると発表した」(熊本日日新聞)

 

全国的に、新型コロナウィルスの感染拡大は、厳しい状況にあるようです。

 

しかし、私たちは自分にできる感染対策を今までどおり

丁寧に行っていきましょう。

 

体温の検温

手洗い・消毒

マスクの着用

密を避ける

などです。

自分を守るため、みんなを守るため、大切な人を守るために。

 

このことに関連して、日本赤十字社の動画が公開されています。

一度ご覧になってみてください。

 

【日本赤十字社】Little Heroes 世界を救う小さな手

手洗い続けていますか。

これは新型コロナウィルス感染症と闘い

世界を救い続ける小さなヒーローたちと

それを支援する赤十字の話です。

また、1学期に紹介したこの動画も、見返してみてください。

【日本赤十字社】「ウイルスの次にやってくるもの」

人から人へと広まっていく、もしかしたら、ウイルスよりも恐ろしいものとは?
そして、わたしたちができることとは?
新型コロナウイルス感染症から、体だけではなく、心を守り、社会を守るための、 心構えを伝える絵本アニメーションです。
監修:日本赤十字社災害医療統括監 丸山嘉一、諏訪赤十字病院 臨床心理課長 森光玲雄
 
 
日本赤十字社の新型コロナウイルス感染症に対するそのほかの活動はこちらをぜひご覧ください。

ふるさとの木の葉の駅

ふるさとの木の葉の駅

          坂村真民

この駅で

いつも母が待っていてくれた


駅には赤いカンナの花が咲き、

車窓にはそれが近々と迫ってきた


母のいないさびしい駅を

わたしは 息をのんで過ぎていった

 

坂村真民さんのこの詩を教材として、

ときどき授業をしました。

授業するに当たっては、向山洋一さんの小学校での実践を参考にしました。

 

JR木葉駅は、玉東町に実在する駅ですが、

先日、このようなニュースがありました。

 

木葉駅包む優しい音色 玉東町、ピアノ設置「自由に弾いて」

2020/12/6 16:00 熊本日日新聞

(点灯されたクリスマスツリーのイルミネーション(左奥)を背に、思い思いに「駅ピアノ」を弾く来場者=玉東町)

 熊本県玉東町のJR木葉駅に4日、誰でも弾くことができる「駅ピアノ」が設置された。同日夜、イルミネーションが始まった駅前広場でお披露目コンサートがあり、町民らが優しい音色に酔いしれた。

 

最近、同じように各地の駅に置かれたピアノを上手に弾く人がいて、

通りがかった人たちが足を止め、思わず聴き入るという

ほほえましい動画などが紹介されています。

 (その一例)

 

木葉駅のピアノも多くの人の心を癒すものになるといいですね。

 

冒頭の詩で描かれた木葉駅は、

ずいぶん以前の駅が舞台ですが、

私の大好きな詩です。

その授業での

「勝負発問」は、

……「わたしは 息をのんで過ぎていった」の

「わたしは」の次は、なぜ一字分空いているのか

です。

どうしてだと思われますか。 

ドアノブが話しかけてくれる(アフォーダンス理論)

以前紹介した、武田鉄矢さんのポッドキャストで話題になっていた話です。

【参考・引用】

「チコちゃんに叱られる!なんで子どもは縁石の上を歩きたがるの?」2020年8月21日金

「チコちゃんに叱られる!なんでボタンを見ると押すものだと思うの?」2019年9月20日金

 

NHK「チコちゃんに叱られる!」の「なんで子どもは縁石の上を歩きたがるの?」 という話題です。

そういうと、役目にする光景ですね。

どなたも小さい頃に身に覚えがあるのでは?

下の写真は、東小のお友だちが、スクールバス降り場から、歩いて登校しているところです。

線のところを歩いていますね。

 

 

さて、「ぼーっとは生きていない」チコちゃんが

この質問の答えの一つとして挙げていたのが

「アフォーダンス理論」というもので、

昨年の「なんでボタンを見ると押すものだと思うの?」

でも一度取り上げられています。

チコちゃんの答えは、端的に言うと

「縁石が歩いてごらんと誘っているから」
「ボタンは押せと誘っているから」

というものです。

なんでボタンを見ると押すものだと思うの?→ボタンは押せと誘っているから。アフォーダンス理論で無意識に動く。 | チコちゃんに叱られる!

???

つまり、

ボタンは、いかにも押してほしいといわんばかりのその形状で、

われわれに誘いかけている、というのです。

他にも、「ティッシュはつまんで取る」

そう思って見ると、ティッシュは、いかにも

「これをつまんで、引っ張って取って」と語りかけていますね。 


「ドアノブは握って開ける」

 また、ドアノブは、その形によって、開け方が違うのだということも教えてくれています。 

 われわれは、ドアノブを見て、自然と持ち方を変えて握っていませんか。

興味を持った私は、いくつかのドアノブを、アフォーダンス理論の眼で調べてみました。

校長室のドアノブは先ほども出てきた、昭和からの握って回す代表的なタイプ。

保健室のドアは、昭和の引き戸タイプ。

指先にちょっと力がいることがあります。

同じ引き戸でも、平成のユニバーサルデザイン的なドアは、

こんな取っ手ですね(家庭科室前→体育館への出入り口のドア)

これは、先日訪れたある飲食店のドアですが、

取っ手を見ただけでは迷う人(左に引くのか、手前に引くのか)がいるのでしょうか

←がわざわざ示してあります。

 職員トイレのドアはこういう取っ手がついています。

「握って下へ押し下げてください」と取っ手が話しかけています。

ネットで見つけたドアノブ。これは向こうへ押したくなるドアですね。

反対側。これは手前に引きたくなります。

さて、私が身近に発見したアフォーダンスです。

私が自宅で使っている、消毒液のスプレー容器です。

押す部分に少し傾斜がついているので、スプレーするための指の置き方がわかりやすいです。

「この向きに指を置いてね」と教えてくれます。

USBメモリスティックをパソコンに差すときに、いつも間違ってしまう私にとっては、

ありがたい「アフォーダンス理論」の配慮です。

 

「アフォーダンス理論」の眼で見てみると、いろいろ気づくことがありました。

ユニバーサルデザインも同様ですが、

ちょっとした知恵や配慮のおかげで、ちょっと生活しやすく感じられます。

ティントロティントロティロリロ

古い話ですが、ジョージ・ウィンストンというピアニストのある曲を、

国語の授業で教材にしたことがあります。

プロフィール | ジョージ・ウィンストン | ソニーミュージックオフィシャルサイト

教師1年目で担当した中学3年生のクラスでの、

卒業前の最後の授業でした。

公立高校の入試直前の授業で、

生徒たちはちょっと拍子抜けしたかもしれません。

曲名を伏せて生徒たちに聴いてもらった後、

「この曲にタイトルをつけなさい。

そう考えた理由も書くこと」

という課題を示しました。

生徒から「もう1回聴かせてください」

とリクエストがあったので、

もう1回ラジカセ(!)をかけました。

生徒たちは結構集中して考えてくれました。

 

みんなの考えたタイトルに共通していたのは、

「失恋」とか、「哀しみ」とか、「思い出」

ということでした。

「思うようにいかなくて、もどかしい感じがする」

「一人ぼっちになって寂しい気持ちになる」

とかを理由に挙げていたと記憶しています。

「落ち葉が散っている景色が見える」という感想もあって、

これは想像力豊かな、なかなかのものです。

 

本当のタイトルは、

Longing/Love

直訳すると「憧れ/愛」 です。

 

以前、TVCMやニュースの中の天気予報のBGMでかかっていたりしました。

「ティントロティントロティロリロ」というサビ(?)のところは

聞き覚えのある方もいらっしゃるかもしれません。

 

アルバムのタイトルは、

autumn つまり「秋」ですが、

今ぐらいの季節になると聴きたくなります。

 Amazon | オータム | ジョージ・ウィンストン, ジョージ・ウィンストン | イージーリスニング | 音楽

 

アントニオ猪木対ビル・ロビンソン戦(1975/12/11)に学ぶ

アントニオ猪木選手はプロレスラー人生の中で、数多くの試合をされたと思いますが、

私はそのうちの3つの試合から、多くを学びました。

今回はその3試合、1975年12月11日の対ビル・ロビンソン戦です。

この試合は、60分三本勝負で行われましたが、結果は引き分けです。

一本目はロビンソン選手が逆さ押さえ込みで先取し、

二本目を猪木選手が卍固めで取り返して、

三本目は時間切れドローとなりました。

こう書くと、どこにでもある試合のようでもありますが、

私は猪木選手の生涯におけるベストバウトだと思っているのです。

試合は、二人の技と技の応酬で進みますが、どちらも決め手を与えない、消耗戦となります。

ロビンソン選手のレスリングは、とてもクレバーで試合の盛り上がりとか、お互いの見せ場をつくるといった意思は全く見られず、

猪木選手の技を読んで先回りして完封していくような展開です。

それに対して、猪木選手はいわばロビンソン選手の土俵の上でも自分のスタイルを崩さず、攻め込んでいきます。

頭のいいプロレスと意地のプロレスの闘いのように見えます。

試合経過40分過ぎに、一瞬の隙をついてロビンソン選手が一本目を取り、

残り十数分、猪木選手はなんとか一本返そうと追い詰めますが、

ロビンソン選手は手強く、とうとう時間稼ぎさえし始めます。

やがて蔵前国技館全体がじりじりして、

ヒートアップしていく中、「残り5分」のアナウンスが会場に流れます。

 

あと一歩決めきれない猪木選手に焦りが見えた時、

ロビンソン選手がまだこんなにスタミナがあったのかというように、

得意のダブルアーム・スープレックスで猪木選手を投げ捨てます。

あらー、反撃もここまでかと思いますが、猪木選手はなんとか返します。

 

守勢に立ってしまい、もう時間がないとなった時に、

今度は猪木選手が一瞬の隙をついて、

卍固めをかけるのです。

最も猪木らしい技で、耐え続けたロビンソン選手も残り1分を切ったところで、ギブアップします。

試合自体はこの後、1分足らずの三本目も行われ、時間切れで決着はつかないまま、終わるのですが、

私にとってその最後の結果はあまり関係ありません。

 

試合当時、中学3年生だった私はこの二本目、

賢いプロレスに翻弄されながら、

最後まで諦めず、

自分の持ち技で向かっていく

猪木選手の意地に心を打たれました。

少々大げさですが、「誠実さ」とか「真摯さ」を感じるぐらいです。

猪木選手とロビンソン選手が闘ったのは、生涯この1試合だけでした。 

私がこの試合から学んだものは、

最後まで諦めずに、なんとかしようと闘う

意地だったのです。

私の教職生活もタイムアップまで、意地をご覧いただきたいと思います。

 

 これが中学生時代の私の愛読書です。今でも持っています。