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2020年9月の記事一覧

大坂なおみ選手の成長

日曜日のスポーツニュースで、

テニスの大坂なおみ選手の全米オープン2度目の優勝が伝えられていました。

 

そのプレーの素晴らしさはもちろんですが、

人種差別に反対する意思を、

差別で犠牲になった方の名前を記したマスクを着用して

試合会場に入ることで示していたことにも、注目を集めました。

一人一人の名前というのも、犠牲になった方の家族の思いなどを思い起こさせました。

 

「決勝まで進んで、7枚のマスクを全部着けたい」とも言っておられましたが、

それだけでもプレッシャーになりそうです。

 

表彰式のインタビューでは、

「7つの試合、7つのマスク、7つの名前、

これらであなたは何を伝えたかったのですか」と質問されました。

大坂選手は、

「質問を返しますが、あなたは、どんなことを受け取りましたか。

みんなが考えるきっかけになればと思います」

というようなことを答えていました。

 

翌日の記者会見でも同様の主旨の質問に

「よく同じような質問を受けますが、

このことが多くとりあげられることが、私の願いでもありました」

という意味のこともおっしゃっていました。

 

 

私は自分の言葉で自分の考えを明瞭に言う姿勢が素晴らしいなと思いました。

テニスをすることの意味が、

大坂選手の心の中で少しずつ変わってきたように思われます。

前回の優勝の時と違って、

大きな影響力を持ちながらプレーしている彼女は、

心身共に第一人者になってこられたなと思います。


8/28今日の東天「人権の尊重は 命の尊重」

YAHOO!ニュース 全米オープンで大坂なおみが手にした、もう一つの勝利

 

菅さん式人生相談の練習(後編)

新聞の「人生相談」の「答え」の方を隠して「相談者」の相談内容の方だけを読み、

「自分ならどう答えるだろう」と考えるという、

菅官房長官の「人生相談の練習」の実践・後編です。

 

どんな相談かは、昨日のこの欄をご覧ください。

菅さん式人生相談の練習(前編)

 

「片時もスマホを手放さない高校生の娘」という相談内容でした。

皆さんなら、どう答えられますか?

 

まず、私の考えてみた回答です。

家庭内でルールを作っても効果がないのであれば、実力行使?も辞さずではどうでしょう。

充電器はお茶の間に固定して、22時以降はスマホをそこに置くようにするとかはどうでしょう。

「親のお金で買ったスマホを、あなたに使わせてあげてるのだからね」

「電気もWi-Fiも親の働いたお金で使ってるのよね」とか。

(ちょっとギスギスしますでしょうか)

 

あるいは、スマホの使いすぎが眼や脳に悪い影響を与える、医学的根拠を示して、

子供部屋の壁に張るというのはどうでしょう。

(これもちょっとどうかな感がありますか)

 

幼児の視力低下が心配!テレビやスマホ、タブレットを長時間見ると近視になる? ベネッセ教育情報サイト

 

では、この記事の回答者、玉置さんの回答です。

【玉置妙憂の心に寄りそう人生相談】片時もスマホを手放さない高校生の娘

***** 以下引用 *****

うーん……四六時中スマホ。母としてご心配のあまり奥さまがイライラするお気持ち、察するに余りあります。

そして、間に立ってなんとかみんなが幸せになれる効果的な方法はないかとお考えになっているあなたさまのご心労、いかばかりか。

我が家にも娘さんと同じ年ごろの愚息がおりますが、やっぱり息をするように一日中スマホをいじっています。


ただ、それは、時代が完全に変わったからだと私は思うのです。

あなたさまも電車に乗ったときご覧になったことがあるでしょう。

箱の中の9割の人間がスマホを見ています。

良い悪いではなく、そういう時代になったのです。


ひと世代前の私たちとしては、なかなかその変化に対応できない。

朝から晩までスマホをいじっていることを真っ向から否定したくなります。

なぜなら、自分の中にその文化が無いから。

そこには、事の良し悪しの公平な判断ではなく、やみくもに自分の持っている文化を相手に押し付けようとしているところがないでしょうか。


当然のことながら、共通の基盤を持たない者がつくった「ルール」というのは、得てして守られないものです。


まずは、お嬢さんが身を置いている時代の波に私たちも乗ってみませんか。「すごいね。面白そうだね。何をやっているのか教えてよ」と。

そうして、あなたの文化を認めているよ、共有したいと思っているんだということを伝えます。


次に、「あなたはスマホばっかりいじって!」という言葉を「私は一日中スマホをいじっているあなたが心配なの」と言い換えて、お話をしてみてください。

ポイントは「あなたは」を「私は」にすることです。「あなたは!」は相手に防御態勢をとらせてしまいます。まずは「私は」で壁を壊してこちらの思いが相手に届くようにしましょう。


そして、ぜひ娘さんに、電源さえ落とせばあなたが見ている世界からいつでも離れることができると、脱出ルートを教えてあげておいてください。

*****

いかがでしょうか。

さすがに説得力のある回答だと思いました。

 

私はまず、

「当然のことながら、共通の基盤を持たない者がつくった「ルール」というのは、得てして守られないものです」

というところがなるほどと思いました。

自分のことを理解してくれている人の言葉しか、人の心には入っていかないかもしれないからです。

そもそも、この玉置さんの回答自体が、相談者の方の気持ちに共感して優しい語り口ですね。

あなただけではなくて、うちもそうです、と言われると、

相談者もそれだけで少しホッとするかもしれません。

 

そして、その方針で子どもの立場や認識を共有して、

その後、「あなたは」を「私は」にしていわゆる「I メッセージ」で、

押し付けがましくならないように語りかけるのは、

子ども自身に考える力を育てる意味もあると思いました。

 

私自身、菅さん式の練習をやってみて、勉強になりました。

 

写真は ケータイやスマホを親子コミュニケーションのきっかけに ベネッセ教育情報サイト から

菅さん式人生相談の練習(前編)

先日、菅官房長官のことについて、この欄でもふれましたが、

同じ元秘書の方のお話で、

菅さんは新聞の「人生相談」の「答え」の方を隠して

「相談者」の相談内容の方だけを読み、

「自分ならどう答えるだろう」と考える練習をされているということでした。

 

私も、似たようなことを時々やってみていて、なるほどなぁという回答はメモしておいたりします。

朝日新聞の人生相談での、上野千鶴子さんや美輪明宏さんの回答は感心することも多いです。

 

さて、最近の記事を使って、人生相談の練習をしてみましょう。

 

***** 以下引用 *****

【玉置妙憂の心に寄りそう人生相談】片時もスマホを手放さない高校生の娘  9/4(金) 17:31

 

【今回の相談内容】

次女のスマホの使い過ぎをやめさせることができません。

高校生の娘は本当に四六時中、スマホを片手に持っていて、トイレに行くときもお風呂に入るときも、スマホを手放すことができません。

みかねて「我が家のスマホルール」を作ったのですが、守ってくれることはほとんどなく、友人家族のやり方を参考にしたり、インターネットで調べた方法を試したりもしましたが、まったく効果はありませんでした。

この状況に妻はかなりイライラしているようで、私たちの目を盗んで娘がスマホを使っていることに気づくと、露骨に口数が減り、家の中がギクシャクします。

ただ、娘にとってスマホが大事なコミュニケーションツールということもわかっているので、思春期の娘の気持ちもないがしろにしたくないと思っています。

みんなが幸せになれる効果的な方法はないのでしょうか。(49歳・男性・会社員)

*****

 

どこの家庭でもあるような相談内容ですね。

皆さんならどうお答えになりますか。

ちょっと考えてみてください。

私の考えた回答と、本物の回答者 玉置さんの回答は、明日のこの欄でご紹介します。

タカラヅカの伝統、本校の伝統

宝塚、「伝統」の一対一指導廃止

という記事が。今朝の朝日新聞に掲載されていました。


「タカラジェンヌを養成する宝塚音楽学校(兵庫県宝塚市)が、生徒間に受け継がれてきた不文律をなくした」

ということです。


記事を読むと、この不文律にはいろいろあるようです。

 

(先輩が乗ってるかもしれない?宝塚の親会社の)阪急電車を見たらお辞儀をするとか、

先輩の前ではみけんにしわを寄せて口をへの字にする「予科顔」をするとかいくつかは、

ちょっと独特のルールですね。

いくら永い伝統とはいえ、

ハラスメントに敏感な今の時代にはそぐわないものもあったように思えます。

 

この伝統については、創始者・小林一三の

「華やかな世界だからこそ、規律正しく生きるべきだという価値観」

が根底にあるという識者の指摘もあるようです。


OGのタカラジェンヌの方のインタビューでは、「人として大切な姿勢も教えてもらった」

という反面、

「理不尽なことに耐える精神力は鍛えられましたが、もう二度と戻りたくありません」

 ともおっしゃっています。

 

宝塚音楽学校OG、本科生の指導「ハラスメントだった」

宝塚音楽学校(朝日新聞デジタルから)


さて、そこで今朝は本校の伝統についてはどうだろうと考えてみました。

 

数ある本校の伝統の中でも、私は真っ先に誇るべきものは、

学年縦割りの生徒会組織、東輪会だと思います。

今年度はコロナの影響もあり、恒例のレクレーションは実施できていませんが、

この欄でも何度も紹介している毎日の黙働掃除には、パワーアップしながら取り組んでいます。

 

どんなに昼休みに汗びっしょりになって、グラウンドで遊んでいても、

掃除開始5分前には、生徒たちは潮が引くように掃除場所に集合します。

(本校ではチャイムは鳴らしません)


まず、定刻を待ちきれないように、14時少し前に

班長を中心に、始めの会で今日の目標などを出し合います。

昨日の反省に基づいた発表と拍手が、校内のあちこちで聞こえはじめます。

その後、各自が担当場所に付き、時間いっぱい「気づき掃除」をします。

もちろん、無言で黙々と行います。

そして、終わりの会では、今日の反省や気づきを発表して、拍手で終わります。

 

この間、先生たちに気づきを促す指示やアドバイスはあっても、大きな声はありません。

原則、先生たちも一緒に黙って掃除されます。

この「気づき・考え・実行する黙働掃除」で、本校生徒は毎日PDCAの練習をしているのです。


私はこの黙働掃除は、日本一の生徒会ならではの素晴らしい伝統になったと思います。

本校生徒は卒業しても、この黙働掃除で培った力を生かしてくれるでしょうし、

黙々と取り組んだ気づき掃除をなつかしく思い出すことでしょう。


保護者、地域の皆さんにも、機会があったら生徒たちの掃除している様子を

また見ていただけるようになったらと思っています。

『ホンマでっか!?TV』からの「プロセスを振り返る」

 

先日、テレビをつけてみたら、さんまさんのバラエティ番組があっていました。

いわゆる「方向音痴」のタレントの人が何人か出ていて、

「方向音痴」にまつわるエピソードをトークするというものでした。

 

ニュースが始まる時間までと思って見ていたら、

「目的地まで行くのはいいが、帰り道がわからなくなる」という人がいて、

話が進んでいました。

???

これはまったく私のことです。

よく困るのは、大きな駐車場に車を停めるのはいいけれど、

帰りに自分の車を見つけるのに苦労することです。

 

一例を挙げると、ゆめタウンの立体駐車場で、停めたところを「緑の6G」と記憶して、

「よし、緑のエスカレーターで上ってきて、こちらに出てこっちの緑の6Gだな」と確認していったのに、

買い物を済ませて戻ってくると、どうしても車に行き着かず絶望的になったこともあります。

 

その時は20分ほど迷ったあげく、

もしかしたら、立体駐車場の階数を間違えていて、

もう1階上のフロアの「緑の6G」だったのではないかと気づきました。

案の定、上に行ってみると、車がありました。

私が帰ってくるのを愛車が行儀良く待っているのを見つけた時は、とてもうれしかったです。

 

さて、番組でも私のようなタレントさんがいて、

その人には「後ろの風景を思い浮かべながら進むと、帰り道で迷わなくなる」という

アドバイスがされていました。

 

 『ホンマでっか!?TV』から

 

実は私も、(思い出したときは)

駐車場のエスカレーターに乗る前に、もう一度車の方を振り返って確認したり、

旅行などで慣れない場所に行ったときは、

周りの様子も含めて、駐車場所の写真を撮ったりするように心がけているところです。

 

また、このことについて、さんまさんが

「カーナビのなかった頃は、どんなに知らないところにも、自分で地図を見てたどりついていた。

そのせいか、帰り道に迷うことなんかなかった」

と言われていました。

なるほど、他の人やモノに頼るのも考えものです。

 

このことを、日常生活で考えてみると、どうでしょう。

 

先のことばかりに目を奪われるのではなく、

ちょっと立ち止まって振り返ったり、

ここまでのプロセスを確認したりすることが、

後々のために大切ということではないでしょうか。

また、他の人に頼らずに、自分の頭で考え、判断することも大事なようです。

 

そのことが本校の「先見」の参考になるのかもしれません。