2021年2月の記事一覧
過去の行為の責任の取り方について
熊本県公立学校「心のアンケート」を本校でも実施しました。
「いじめられたことがあるか」という設問の該当は1件で、
この件は、生徒による早めの相談と、先生方の丁寧な対応で解決を見ています。
謝罪などをしてからも、3か月は先生方で目配りをして、
その後いじめが続いていないか、確認をしています。
引き続き、人権を大切にする指導をすべての教育活動の中で取り組んでいきます。
ところで、このようなニュースをご覧になったでしょうか。
読売新聞の記事には、こうあります。
「韓国女子バレーボールの主力選手として、東京五輪での活躍が期待された双子姉妹が、
子供時代のいじめを理由に代表チームから追放された。
厳しい処分には、暴力根絶に取り組む韓国スポーツ界の強い姿勢もある」
韓国バレーの「アイドル」双子姉妹、子供時代のいじめ理由に代表追放
なぜ今になって告発されたのかには、SNSの影響もあるようですし、
当の本人たちも事実を認めているようです。
その他の詳しい経緯は分かりませんが、報道された部分を見ると、
過去のいじめ体験を根拠に代表追放とは、厳しいなと思いました。
Yahoo!ニュースによると、元陸上選手の為末大さんは、
「日本のスポーツ界で同じような事例が出てきたとき、
どのような判断をし、どのようなメッセージを出すかの用意は各協会しておいた方がよさそうです」
と危惧されていると述べられたそうです。
また、韓国でいじめ代表剥奪「過去の過ち」日本との違いという、
日刊スポーツの記事を目にしました。
筆者は、「ソウルで生まれ、19歳で来日した。以降33年間、日本で生活している」盧載鎭さんという方です。
私はこの記事を読んで、考えさせられました。
一部引用します。
*****
日本は「学生の時は不良でした。今は真面目に頑張ってます」
「子供の時に番長やってました。今は生まれ変わりました」「昔はワルだった」などと公言するスポーツマン、芸能人がいて、
過去の過ちから立ち直ったことを美談としてとらえられる傾向がある。
元不良に再生する機会を与え、過去は過去として今の成功に目を向けがちだ。
*****
日本には「水に流す」という慣用句もあります。
一方、韓国では、
*****
同様の過去が明らかになった場合、
まずは当時被害を受けて苦しんだ被害者のことを考える。
いじめられたことが原因で、将来プランが崩れた人もいるだろう。
いまだにトラウマに苦しむ人もいるし、ひどい場合には自らの命を絶つ人もいる。
当時は人格的にも年齢的にも未熟だったにせよ、
何年前だろうが、加害者は社会的制裁を受けるべきで、
再生するのは罰してからと思われる節が強い。
*****
という見方です。
日本では、現在、不祥事を起こしたり(たとえば芸能人の不倫)、
犯罪を犯したり(たとえば薬物乱用)したときは
厳しい処分(解雇や活動停止など)があります。
(ただ、芸人の方などが活動再開後、自らの不祥事を「自虐ネタ」にして笑いを取ろうとするのは、
私は好きではありません。)
過去に遡った場合はどうでしょう。
こういったことを、「国民性の違い」で済ましていいのか、
欧米では同様のケースはどうなのか、
過去の行為の責任の取り方はどうすべきでしょう。
犯罪なら「時効」という要素もありますが。
私には簡単には答えは見つかりません。
盧載鎭さんは、記事の最後にこう書かれています。
*****
双子の李姉妹が日本人ならどうだったか。
「なんでいまさら?」
「よく立派に再生した」
「罪滅ぼしのためにも、東京オリンピックで頑張れ」
という流れになりはしなかっただろうか。
果たして、学生時代の暴力が代表剥奪までつながるだろうか。
賛否はあり、どういう対応が適切かはわからない。
*****

「藤井聡太二冠、高校を自主退学」について
将棋の藤井聡太二冠が卒業を3月に控えて、
自主退学したことが報道されました。
藤井聡太王位が1月末に高校自主退学 「将棋に専念」 秋に決断
藤井くんは、名古屋教育大学附属中学校から、同附属高校に進学されていました。
そもそも、中学3年生の時に鮮烈な連勝記録を打ち立ててデビューしていた彼は、
高校に進学するのか?と言われていたぐらいですので、
やっぱり高校の学業と一流棋士との両立は難しかったのだな、と言えば
それで話は早いのですが…。
私は将棋が好きで、よく観戦するのですが、
藤井さんの強さは並大抵ではないですね。
弱冠18歳で、他の先輩一流棋士に
「どんな将棋だって、相手が藤井くんなら負けたって仕方ないかな」と
思わせているようです。
さて、冒頭のニュースを見て、私は二つの感想を持ちました。
まず、高校の授業がつまんなかったのだろうな、ということです。
藤井くんといえば、
中学校の時に宿題を出す先生に
「授業中に理解しているのに、
なぜ、わざわざ家でまた勉強しなくてはいけないのですか」と質問して、
当の先生が言葉に詰まったというエピソードがある人です。
想像ですが、大学入試に照準を合わせた進学校の授業は、
つまらなかったのではないでしょうか。
本校では、ただ量をこなすだけの課題ではなく、
各自が確認テストの目標を持って家庭学習を行う
「苓南タイム」に取り組んでいるところです。
二つめ。
18歳で、学校を辞めてまで打ち込める道を持って、
確信して進めるのはすごいなということです。
中学高校のクラスメイトや学生生活を離れてまでして、
「一層精進していく所存ですので、今後ともよろしくお願い申し上げます」
と言い切っていますね。
本来、趣味にする人が多い将棋というボードゲームを
一生の仕事にして大丈夫かなと思ったりしますが、
趣味はパソコンの組み立てだそうですから、
私などとは頭脳の仕組みが違うのでしょうね。
ただ、私が好きな棋士の一人、
糸谷哲郎八段は、
棋士になってから大阪大学に進学し、
同大学院まで卒業して、将棋も八段までになりました。
スーパーな頭脳も、いろいろなタイプがあるのでしょう。
生徒の皆さんも3年後までに、
「一層精進していく所存です」と集中できる道を見つけられるでしょうか。
中学新入学の頃
昨日は、本校の新入生説明会でした。
本校の説明会は、
ほとんどが生徒会と部活キャプテンによる説明です。
「先輩」として恥じないよう、
気合を入れて準備していました。
生徒会としては最初の大きな出番でした。
プレゼンを工夫して、堂々と説明ができました。
まだまだ改善点も見えましたが、
合格点だったと思います。
皆さん、お疲れ様でした。
さて、私の中学新入学は、なんと昭和48年のことです。
どんな時代だったか調べてみると、
オイルショックでトイレットペーパーが不足する騒動があった年でした。
映画では、ブルース・リーの「燃えよドラゴン」、芸能界では百恵ちゃんたち「花の中3トリオ」が人気だったようです。
その時、中学校に入学して、私が驚いたこと。
まず一つめ、給食がなく、弁当だったこと。
学校でパンを買うこともできました。
毎朝、日直がパンの予約注文を取って、校内の売店に注文票と集めたお金を持って行き、
4時間目が終わったら、売店にパンの入った箱を取りに行っていました。
二つめ、中学校が遠くなったこと。
今、Googleマップで調べてみると、2.3km30分弱と出ます。
小学校に比べると、距離は約4倍になったことになります。
当時は、まだまだ遠かった印象がありました。
40分ぐらいはかけて、帰りは寄り道しながらテクテク歩いていた記憶があります。
三つめ、カバンが重くなりました。
当時は手提げの皮製の「学生カバン」でした。
教科書が厚く重くなったので、取手が手に食い込んでいました。
学生カバン、今でもあるのですね、
このような物です。
また、当時はシャープペンはあったには、ありましたが、
一般的ではなかったので、
小学校では、マンガがプリントされたえんぴつを使っていたのですが、
中学校に入ったら、学生っぽい、かっこいい
MONOを買ってくれたと思います。
ネットを見ると、このような画像がありました。
このようなかっこいい透明のケースに入っていたのです。
あとは、制服が重かったこと、
部活の先輩がとても大人に見えたこと、
定期テストで順位が張り出されてびっくりしたこと、
などなどいろいろありました。
教科書が白黒だけで(最初の数ページはカラーの口絵でした)、文字は小さく、厚くなり、
「数学」などとある教科書を広げるだけで、
頭がよくなったような気がしていたものです。
「中学校の教科書」には、入学前から憧れていて、
6年生の時、近所の高校生の玄関前に、
中学校の国語の教科書が
ヒモでくくって、ちり紙交換?に出されていたのを見つけて、
頼みこんでもらってきて、読んでみた覚えがあります。
その時読んだ教科書に「魔術」という、芥川龍之介の短編小説が載っていました。
ラストのどんでん返しは、よく覚えています。
光村図書のホームページで調べてみたら、
昭和41〜43年に使われていた、中1のこの教科書だということが分かりました。
1年生の皆さんがこの頃学習した、「少年の日の思い出」も載っています。
(テスト勉強頑張ってください)
東小の6年生の皆さんも、お兄さんやお姉さん、
中学生以上の知り合いがいる人は、
どの教科でもいいので、
中学校の教科書をちょっと見せてもらっては、どうでしょう。
今読んでみて、面白そうだなと感じた教科は、
中学校に入っても得意教科になることだと思います。
現在の中1の国語の教科書はこれです。
大きく、カラフルになっています。
午前5時のニュースの言葉から
一昨日、土曜日の午後11時過ぎに、福島県沖で地震がありました。
最大震度6強、ということで、
10年前の震災の時よりも、強い揺れが感じられたという所もあるようです。
被害を受けられた方には心からお見舞い申し上げます。
私は後でSNSで知ったのですが、
一夜明けようとした、
昨日の早朝午前5時のNHKニュースの冒頭、
アナウンサーの方が言われた言葉が話題になっていました。
ほとんど眠れなかった方、
早く目覚めてしまった方、
ともにお疲れのことと思います。
日の出まで、あと1時間ほどになりますけれども、
できるだけ安全な場所で、
少し目を閉じながらでもかまいませんので、
最新の情報をお聞きいただければと思います。
とても優しい言葉だと思いました。
NHKのアナウンサーの方は、
これまでも災害の報道の際に、このような言葉を語りかけておられます。
いわゆるアドリブで話されているのでしょうか。
ニュースの内容とは違った、
前置きの短い言葉ではありますが、
私もこのように言葉が遣えるようになりたいと思いました。
(写真はTwitterから)
渋沢栄一「蟹穴主義」について
今夜からNHK大河ドラマ「青天を衝け」が始まるそうです。
主人公は新しい一万円札にも肖像が描かれるという、
渋沢栄一さんです。
渋沢栄一さんは、「日本資本主義の父」と言われる方だそうです。
渋沢栄一 記念財団HP を見て、生涯をまとめてみます。
*****
渋沢栄一は1840(天保11)年2月13日、(181年前ですね)
現在の埼玉県深谷市の農家に生まれました。
郷里を離れた栄一は一橋慶喜(のちの十五代将軍)に仕えて実力を発揮し、
次第に認められていきます。
27歳の時には、パリの万国博覧会を見学するほか欧州諸国を訪れたそうです。
明治維新となり、「商法会所」を静岡に設立、
その後明治政府に招かれ大蔵省の一員として新しい国づくりに深く関わります。
1873(明治6)年に大蔵省を辞した後、栄一は一民間経済人(「第一国立銀行」の総監役・頭取)として活動をスタートしました。
栄一は株式会社組織による企業の創設 ・育成に力を入れ、
「道徳経済合一説」を説き続け、生涯に約500もの企業に関わったといわれています。
また、約600の教育機関 ・社会公共事業の支援並びに民間外交に尽力し、
1931(昭和6)年11月11日、91歳の生涯を閉じました。
*****
500の企業、600の教育機関、社会公共事業、民間外交に関わるとは、すごい人ですね。
東京ガス、東京海上火災日動、いすず自動車、日本赤十字社、一橋大学などにゆかりがあるようです。
また、説き続けた「道徳経済合一説」とは、
大正5年(1916年)に著した『論語と算盤』に詳しいそうです。
私は中田敦彦さんの「YouTube大学」で知りました。
……幼少期に学んだ『論語』を拠り所に倫理と利益の両立を掲げ、
経済を発展させ、利益を独占するのではなく、国全体を豊かにする為に、
富は全体で共有するものとして社会に還元することを説くと同時に、自身にも心がけた。
(Wikipedia から)
この「論語と算盤」に出てくるのが
「蟹穴主義」 です。
渋沢さんは、大意、次のように述べられているようです。
「世の中には随分自分の力を過言して、非望を起こす人もあるが、
余り進むことばかり知って、分を守ることを知らぬと、
飛んだ問違を惹き起こすことがある。
私は蟹は甲羅に似せて穴を掘るという主義で、渋沢の分を守るということに心掛けてる」
「これでも今から十年ばかり前に、ぜひ大蔵大臣になってくれだの、
また日本銀行の総裁になってくれだのという、交渉を受けたこともあるが、
自分は明治六年に感ずるところがあって、実業界に穴を掘って這入ったのであるから、
今更その穴を這出すこともできないと思って、固く辞してしまった」
「実際人はその出処進退が大切である。
しかしながら分に安んずるからといって、進取の気象を忘れてしまっては何もならぬ。
つまり分に安んじて進むのがよかろうと思う」
これが、「蟹は自分のからだに合わせて、穴を掘る」
という言葉による、「蟹穴主義」だそうです。
自分ができること、自分の得意なものを極めて、社会に貢献すること。
そしてそのことを自分の喜びとすること。
そういったことを大事にされていたようです。
とはいっても、
渋沢さんの蟹穴hsものすごく大きい穴だったようですが。
不要不急の外出を避けて、部屋にいる時間が長くなると、
ここが自分の蟹穴かな、などと部屋を見回しているところです。
参考資料
名著「失敗の本質」拾い読み
昨日ふれた、名著「失敗の本質」に関して、もう少し述べたいと思います。
「失敗の本質」は日中戦争、太平洋戦争における日本軍の「失敗」について分析している本ですが、
その「本質」を見てみると、現代でも参考になる点があるように思います。
ネット記事の「なぜ、今『失敗の本質』なのか? これから読むための7つのヒント」
は、4年前に書かれていますが、「現代日本に共通する5つの弱点」について、
次のように解説してあります。
(1)あいまいな目的、さらに失敗を方向転換できず破綻する組織
(2)上から下へと「一方通行」の権威主義
(3)リスク管理ができず、人災として被害を拡大させる
(4)現実を直視せず、正しい情報が組織全体に伝達されず悲劇を拡大する
(5)問題の枠組みを新しい視点から理解できない
一庶民の私が思い当たることもいくつかありますが、少し挙げてみます。
(1)について
感染拡大防止とGO TO、2つの相反する目的をいっしょに達成させようとしたのでしょい。
また、GO TO の中止や緊急事態宣言について、もう少し早い判断はできなかったのでしょうか。
(2)について
今言っても仕方ありませんが、1年前のことを思い出すと、
前首相の一声での全国一斉臨時休校、効果とリスクについて情報や意見は検討されたのでしょうか。
また、最近、ある大きな会の長が「会議は長くならないように(女性は)わきまえろ」
という考えであることも分かりました。
「わきまえ」というと大人の対応ですが、
言いたいことはつまり、自分に忖度しない者は使えない、と思っているということでしょうか。
(3)や(4)について
正しく迅速な状況把握と情報収集からの、リスクの予測と管理が必要ではないかと思います。
コロナ禍の中では難しいことも多いと思いますが、
医療現場を一度でも訪れて現状を目の当たりにした政治家が、
何人ぐらいいらっしゃるのでしょう。
「仮定の質問には答えを差し控える」と言ってはいけない気がします。
また、本書では「兵站の軽視、楽観」も指摘されています。
それとは少し違うかもしれませんが、
薬液が残ってしまう、もったいない注射器を大量に準備していたニュースなど、
ワクチンの準備等は大変なお仕事でしょうが、「今分かったのかな」と少し残念な気がします。
(5)については、私たち学校でも大切なことで、学校生活や教育課程など、さまざまな見直しが迫られています。
「目的の達成につながらない目の前の勝利」という言葉も出てきます。
全体のゴールや戦略が重要だということのようです。
学校でも、政治や経済などのせいばかりにせず、
できるだけ先を見通しながら、対応していかねばと考えています。
こちらの解説も読みやすいと思います。
「調整型のリーダー」に「?」
「東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)は、女性を蔑視する発言をした責任を取り、会長を辞任する意向を周囲に伝えた」
と報道がありました。
すでにいろいろな人が、いわゆる「女性を蔑視する発言」や「逆ギレ会見」について
発言しておられますので、
今さら私が言うことはありません。
しかし、「責任を取って辞職する人が、後任を指名する」という、ちょっと理解できないことがあり、
パソコンを開きました。
2つの疑問を感じました。
まず、今朝の朝日新聞に掲載されていた記事です。
あるJOC関係者が、大企業トップや女性が候補としてあがったという後任選びについて、
「五輪に否定的な声がある中、開催にせよ、中止にせよ、大きな決断が迫られる。
今後がある人はそういう大きな決断に責任を持つのは難しいだろう」
こういう意見が交錯する中での、日本を代表する組織のリーダー選び。
このような感覚でいいのでしょうか。
私は、「では、大きな決断は『今後がない(先が短い?)』人に任せるのか?」
とはなはだ疑問に感じます。
難しい局面に直面しているからこそ、
明晰な情報分析ができ、今後の展望を持てる、
決断力のあるリーダーが必要ではないでしょうか。
次に、今朝のテレビ朝日のニュース番組で、
後任候補の川淵三郎さんが取材に答えていた内容の一部です。
大意ですが
「断ろうと思って(森さんのところに)行ったんだが、
もうすでに外堀は埋められてしまっていた」
という意味のことをおっしゃっていました。
この場合の「外堀が埋められる」とは、
周囲や関係者への「根回し」が済んでいるということでしょう。
そして、
「周りはみんなあなたの就任に賛成。
あとはあなたが『はい』と引き受けるだけだ。
あなたが『はい』と言わなければ、みんなが迷惑するし、私のメンツがつぶれる。
さあ、どうしますか」
ということではないでしょうか(実際に森さんがこう言ったというわけではありませんが)。
これが日本の「調整型リーダー」というものではないかと思います。
米国のマスコミ報道でも
「日本では政治家が水面下で動き、
観測気球を上げて様子を見ながらことを進めるのは常」
と言っているそうです。
この進め方では、判断までの経緯や理由、そしてその責任が曖昧になります。
名著「失敗の本質」(野中郁次郎 他)
「空気の研究」
などでも述べられていることではないでしょうか。
私は「調整型リーダー」をすべて否定するわけではありませんが、
もう違う形の真のリーダーが必要だと思います。
森さんの業績などを評価し、擁護する声も多くあるようですが、
私が今回の件で感じたことについて、書いてみました。
皆さんはどうお考えですか。
(写真は毎日新聞から)
緑に萌える権現の
今朝の朝日新聞に、次のような記事がありました。
「豪州国歌、young→oneに 先住民へ敬意込めた歌詞に変更」
シドニーで1月に行われたクリケットの国際試合の前に、
ミュージカル俳優のステファニー・ジョーンズさん(27)がその歌詞の変わった国歌を歌ったそうです。
*****記事から引用
(変えられた歌詞は)
「We are one and free」(私たちは一つで自由だ)。
歌詞の1番の2行目で、
昨年末までは「We are young and free」(私たちは若くて自由だ)だったところだ。
*****
なぜこのような変更が行われたのか、記事ではこう続きます。
*****
英国王を元首とする豪州は1901年の豪連邦成立以来、
英国の国歌「ゴッド・セーブ・ザ・クイーン」を国歌としてきたが、
1984年にいまの国歌「アドバンス・オーストラリア・フェア」に変えた。
ただその歌詞は、1788年の英国の入植開始以降の歴史を反映した内容で、
6万5千年以上前から住む先住民の多くの人々にとって、特に「若い国」という表現は受け入れがたいものだった。
歌詞を変えよう、という運動は2006年に有名歌手らが始めた。
*****
つい40年ほど前まで、オーストラリアの国歌がイギリス国歌だった、ということも初めて知った次第ですが、
変更になった当日、今年1月1日の同紙の記事には、こうあります。
*****
モリソン首相は
「豪州は近代国家として比較的若い一方で、先住民たちの多くの物語は古代からある。
国歌がこの真実を反映することが正しい」とした。
どうして今、変更するのかについては、
未曽有の森林火災と新型コロナウイルスに見舞われた昨年に国民が一致協力して対応したとして、
「この偉大な団結が国歌でも、よりしっかりと確実に反映される時だ」と説明した。
*****
国歌は国の象徴のようなものでしょうから、オーストラリアのこの決断はうなずけるところです。
さて、本ホームページのサブタイトルは
「東天高く 藍より青く」
は、本校校歌の一節を取ってあります。
一番の「東天高く 六郎次」と
三番の「藍より青い苓南の」です。
この一節をはじめ、本校校歌は、久玉中と深海中が統合して本校が誕生した時の、
高い理想を表した素晴らしい歌詞だと思います。
その一番は
「緑に萌える権現の」
と続きます。
久玉で愛されてきた歴史のある、権現山が登場します。
(権現山が古来どのように親しまれてきた歴史があるのかは、
先日、心の相談室の榎田先生の旦那さまが来校された時に、詳しく教えていただきました)
特に、本校の先輩方有志の「権平会」の皆さんが
桜を植えるなど、美しく保ってこられてきたと聞きます。
(由美かおるさんの記念植樹もあるようです 「天草探見」から)
先週、その権現山に本校2年生が立志登山し、
ボランティア活動で清掃させていただきました。
牛深東の地元の皆さんや先輩方の志を継ぐという意義も込めて、
短い時間ではあるましたが、汗を流してきれいにました。
この様子は、熊日新聞にささやかながら紹介していただきました。
ご覧になった方もいらっしゃるかと思います。
山口くんの頼もしい立志の決意も掲載されていました。
ちなみに写真はNIE(教育に新聞を)担当でもある、
丸山先生の撮影したものです。
先週土曜日に掲載されたこの記事のおかげで、
たまたま、今週はたくさんのお客様が
校長室に見えているのですが、
皆さんから口々に、生徒たちを褒めていただいています。
昨年度から始めたこの立志登山も、
本校の新しい伝統として受け継いでいってほしいと願っています。
2年生の権現山への立志登山が、熊本日日新聞で紹介されました(2021/2/6)
マック思考とスタバ思考
日本マクドナルドが9年ぶりに最高益を更新したそうです。
企業として、コロナ禍の中の需要に対応したということでしょう。
昨日のこの欄では、なぜかカフェ(喫茶店)についてに話が長くなりました。
今日はそこからの、マック(マクドナルド)とスタバ(スターバックス)に関する話に進みたいと思います。
以下、 仕事が早く終わる「スタバ思考」と、終わらない「マック思考」 吉田幸弘
を参考、引用させていただきます。
吉田さんは、
マックは「ムリ・ムラ・ムダ」を削るために業務の仕組みの改善に取り組み、
「細かな作業までマニュアルでしっかりと定め、いかにスピーディにムダのない動きで対応するかを重視」していると言います。
たしかCMで流されていた「スマイル=0円」のスマイルでさえ、マニュアルどおりが求められるのですね。
*****
マクドナルドは回転率を重視しているので、ある意味、仕方ないのですが、
当然マニュアルにない商品はつくりません。
フライドポテトに塩味たっぷりでとか、
特別料金を出すからダブルフィッシュバーガーをつくってくださいなんてことはできません。
マニュアルに書かれていないことはやってはいけない。
そう徹底することで、スムーズに業務を進めることができるのです。
*****
しかし、スタバの流儀はこれと対照的だと言います。
*****
スターバックスでは、マニュアルは定められているものの、
スタッフ一人ひとりが自分で考えて動くことを認められています。
メニューにないコーラやスプライトを出してもらうことはさすがにできませんが、
ティーラテのミルクの量を調節してくれたり、コーヒーに蜂蜜を入れてくれたりと、特別な注文にも応えてくれます。
紙コップに「Have a good day!」などとメッセージを書いてくれることもあります。
(中略)
お客様一人ひとりと向き合ってくれる分、効率が悪いように思うかもしれませんが、
その姿勢だからこそ、多くの人に愛され、人気を保ち続けているといえるでしょう。
*****
たしかに「スタバでやってくれるおいしい追加サービス」といった特集を見たことがあります。
よく覚えてはいませんが、私もその記事を読んで、
「バニラとシナモンパウダー追加」か何かを頼んだことがあります。
記事ではここから
マクドナルド流の接客に見られる「マック思考」、
スターバックス流の接客に見られる「スタバ思考」に言及します。
*****
「マック思考」はマニュアルを厳守し、ムダをいっさいつくらないというものです。
仕事時間を減らすには一見、効果的なように見えますが、
考えることをしなくていいので、「もっと他にいいやり方があるのかもしれない」と思っても、
「マニュアルにはこう書いてあるから」と、採り入れることはしません。
いわゆる、ただ「仕事をこなす」状態です。
言い換えると、常にマニュアルありきで、状況に応じて対応を変えることができない分、
マニュアルにない仕事は手間も時間もかかってしまうということです。
そのため、結果として仕事時間が増えていってしまいます。
*****
私の立場で言うと、
熊本地震やコロナ禍で、従来の規定のマニュアルや予定、計画が
通用しなくなってしまった時、
このマック思考だけでは立ち往生してしまうように思います。
では、一方の「スタバ思考」はどうでしょう。
*****
一方、「スタバ思考」は1件ずつ、仕事の内容や相手に合わせて
満足をしてもらえる方法を考え、ていねいに仕事をするというものです。
「1件1件考えて仕事をすると、時間もかかって大変ではないか」
と思う人もいるかもしれませんが、それはむしろ逆です。
「この相手にはこういう対応をしたら満足していただけるかな」
「この仕事は、こういうふうに取り組んだらスムーズに回せそうかな」などと考えることで、
その仕事、相手に適した対応をすることができ、
クオリティが高くなるうえに、ミスも起きにくくなるため、
実は仕事時間が増えることはありません。
*****
端的に言うと、「お客様の満足のため」という筋の通った「臨機応変」ということでしょうか。
皆さんはこの2つの思考の流儀について、どう思われますか。
私は「スタバ思考」に一票です。
「マック思考」は、事前の計画からスタートするPDCAサイクルに近く、
「スタバ思考」は現状の見極めや気づきからスタートする「OODA思考」に近いと思います。
「OODA思考」は、もともと戦争の戦術から生まれたものですが、
私に言わせていただけば、
「気づき・考え・実行する」に通じるものです。
先日から話題にしてきた
「コンコルド効果」も、
「情報化社会での自己学習能力」も、
「スタバ思考」も、
私の狭い了見の中では、どこかでつながってくるのでした。
本校では毎日、OODAの訓練をして、
生徒たちの「気づき・考え・実行する」力を育んでいます。
写真は本校の誇る黙働掃除の様子です。
(Googleで「黙働掃除」で検索すると、全国の他校に混じって、この写真が20番目に出てきました)
本校生がスタバでのアルバイトするなら、即戦力になることでしょうね。
宮藤官九郎さんからのスタバ、コメダ珈琲店について
お気づきかと思いますが、私はプロレス鑑賞を趣味としています。
この頃毎週金曜日に放送が始まった、
「俺の家の話」というドラマは、
プロレスラーが能の宗家の後継ぎをするとかしないとか、
息子が父親の介護をするとかしないとか、
ヘルパーさんが財産目当てとかそうでないとか、
そういったドラマです。
プロレスのシーンが出てきたり、長州力さんをはじめとした懐かしいプロレスラーが出演したりされるので、
わざわざ録画してまで見ているという具合です。
ところどころ、シビアな問題や心の機微にもふれながら、
テンポよく会話が進み、
これまたところどころ、面白いギャグが織り込まれていたりします。
落ち着きのない私にとってはリズムが合う面があります。
これはひとえに、脚本の宮藤官九郎さんの個性によるところです。
「あまちゃん」や「いだてん」など、
テンポのいいドラマをよく書かれている脚本家さんですが、
いつか何かの記事で、
「あまちゃん」のシナリオは、
吉祥寺のスタバで書いている(パソコンを打っている)とおっしゃっているのを読みました。
作家や脚本家などという人は、
本をうず高く積んだ書斎で、原稿用紙にうずくまっているようなイメージでしたが、
そんなのは昭和の古いイメージであって、
今は原稿はパソコンでしょうし(タブレットかもしれません)、
場所はスタバでも不思議ではないかもしれません。
ただ、レポートやエッセイなどなら、
スタバや図書館の一角でも執筆できそうですが、
人気連続ドラマのシナリオが、
そのような半公共の場みたいな場所で執筆されているのは、
少し意外に思ったものです。
しかし、たしかに私も、学校のイントラネットを使う必要のある仕事は別として、
他の仕事であれば、
学校や自宅以外の方が集中できるということがあります。
今は牛深のアパートからほとんど出ませんので、仕方ないですが、
益城に帰った時は、
スタバやコメダ珈琲店にサーフェスを持参して陣取り、
仕事をさせてもらったりします。
(もちろん、スタバのキャラメルフラペチーノや
コメダの味噌カツサンドもお目当てですが)
昨年度の特別活動の研究発表会の報告資料づくりでは、
原稿の再構成や校正を担当しましたが、
夏休み中に、ほとんどすべての作業を熊本市内のコメダ珈琲で行いました。
雑踏のの中の孤独というのでしょうか、
人のいるほんの少しのざわざわ感の中で、
誰も自分に関心を払わないでいてくれる雰囲気が、
仕事をするのにちょうどいい緊張感があって、いいものです。
牛深には残念ながらその種のカフェがないのが残念です。
コロナ禍の中でなければ、保護者の方にも参観していただきたいほど、
本校の朝の教室は落ち着いています。
本校生徒が朝の「苓南タイム」で自学自習に集中しているのを見ると、
朝一番のこの教室も、このスタバとかの雰囲気に似ているのかなと思います。
(いつもお世話になっている、スターバックス熊本大江店と、コメダ珈琲店熊本桜木店です)
★★マラソン大会(3校合同)のお知らせ★★
12/19(金)に牛深東中・牛深中・牛深高校との3校合同マラソン大会を開催します。
スタート、ゴールは久玉ふれあい広場です。
スタート時間とコース図は以下の通りです。
ご声援よろしくお願いいたします。
◆12km・・・ 9:50
◆10km・・・ 9:55
◆ 7km・・・10:20
◆ 5km・・・10:30
〈コース図〉
★★牛深東中文化発表会のお知らせ★★
10/12(日)に以下の通り、牛深東中学校文化発表会を開催します。
保護者の皆様、地域の皆様、多くの皆様のご参観をお待ちしています。
〈発表会プログラム〉
「天のかけ橋」リーフレット
天草地域特別支援連携協議会より天草地域の特別支援教育推進についての理解・啓発のためのリーフレット「天のかけ橋」が配付されております。ご一読いただけると幸いです。
★6月は食育月間です。
6月の「給食だより」に「食育月間」や「食育」について掲載されています。
「給食だより」をぜひご覧ください。
★天草市消費者生活センターからの注意喚起です
ご一読ください。
★天草市教育委員会より
「天草市における
『学校部活動の地域移行』
に関する進捗状況について」のお知らせがありました。
資料を添付しておりますので、ご一読ください。
Let’s go to the library!!
【展示】だれかに教えたくなるイグ・ノーベル賞&ノーベル賞【募集】
廊下の展示コーナーに、[だれかに教えたくなるイグ・ノーベル賞&ノーベル賞]コーナーを作りました。
イグ・ノーベル賞、ノーベル賞に関する本を置いています。
(展示中の本も借りられます)
【募集中】もし、だれかに教えたくなる研究を見つけたら、備え付けの用紙に記入して、みんなに共有してみませんか?
放送で紹介したのは、「集中していると目の前をゴリラが横切っても気付かないことがあると証明した研究」でしたが、
今日『わらって、考える!イグ・ノーベル賞ずかん』(古澤輝由/監修、ほるぷ出版)をふと開いたページに載っていた研究は…
「10代の若者に、どれくらい鼻くそをほじるか聞いてみた研究」
でした。
研究結果は…76ページをご覧ください。
みなさんも、気になる受賞研究を見つけたら、ぜひ教えてください。
【おいしそう…】特集コーナー
芸術の秋、スポーツの秋、そして…
食欲の秋ですね。
現在の特集コーナーは【おいしそう…】コーナーにしています。
ここで本を眺めてみなさんお腹をならしていってください。
(気になる本はぜひ借りてみてね)
【今週のくまTOMO】ごみ / 鳥
3月16日のくまTOMOの記事から、
「健康へのえいきょう心配 プラスチックごみ」
「KUMAMOTOとりさんぽ 県農業公園 春の合志市を散策」
をピックアップして関連図書を集めました。
鳥の本は、眺めるだけでも楽しいです。
『366日の誕生鳥辞典』は、その鳥にまつわる伝承や由来を元に誕生鳥が制定してあり、自分の誕生日の誕生鳥はどんな鳥か調べたり、自分と似ているところはあるか想像してみたりして楽しめる本です。
御所浦のイベントにあわせて…
御所浦の、恐竜の島博物館で一周年記念イベントが3月15日にあるそうですね。
現在、図書室前の廊下には、
イベントにいらっしゃる小林快次さんの著書
・『ぼくは恐竜探険家!』
・『恐竜時代』、
小林さんも監修者の一人である『NHKスペシャル恐竜超世界IN JAPAN』
と、そのた恐竜関連の本を並べて置いています。
気になる方はぜひ借りてみてください。
「アスクレピオスの杖」
校長先生から紹介された、「アスクレピオスの杖」のお話について振り返ってみたい方、
図書室にある『世界の神々大図鑑』(グラフィオ/編集、金の星社)をご覧ください。
NDC 164 (神話、神話学)
※現在は特集コーナーに置いています。
【くまTOMO】不登校/いじめ
今回のくまTOMOの中から、
「不登校34万人 増加続く」
「いじめも過去最多」
の記事に注目して、関連する本を集めました。
気になる本があったら、ぜひ借りてみてください。
※冬休み特別貸出中!一人5冊まで借りることができます。(返却は1月10日まで)
【くまTOMO】世界遺産/走り方
今回のくまTOMOの中から、下記の記事に注目して、関連本を集めました。
・「親子走り方教室」
・ナスカの地上絵
左側に走り方の本、陸上関連の本、右半分には世界遺産の本を置いています。
☆パラパラとめくってみたり眺めてみたりして、気になる本があったらぜひ借りてみてください。
【くまTOMO】氷
今回のくまTOMOから、「氷の不思議」の記事に関係する本を集めています。
氷に関する本。
『空想科学読本』には、氷を操るキャラクターを科学的に解説しているページがあります。
氷のキャラクター、みなさんは誰が思いつきますか?
【くまTOMO】猫島(湯島)/ノーベル賞
今回のくまTOMOから、湯島の記事とノーベル賞の記事に注目して、関連する本を集めています。
湯島に関する本は、熊本日日新聞社が発行した『猫島ありのまま』がありました。
ノーベル賞に関する本は、ノーベルさんのこと、ノーベル賞を受賞した人々の本を集めて置いています。
(ここの本ももちろん借りることができます)
コラボ給食
今週の給食は、図書とコラボしたメニューでしたね。
火曜日の給食で紹介された『食堂かたつむり』と、
水曜日の給食で紹介された「めぐろのさんま」が読める『落語ものがたり事典』
を廊下の特集コーナーに集めました。
また、「ごはん」に関するお話がたくさん載っている、『つやつやごはん』も一緒に置いています。
物語と食をいっしょに楽しみましょう。
熊本県教育情報システム
登録機関
管理責任者 校長 森 健一
運用担当者 唐田 尚子
住所:天草市久玉町2364番地
電話:0969-72-3214
since 2017.4.10
700,000access 2023.7.25
800,000access 2023.11.4
888,888access 2024.2.6
900,000access 2024.2.29