2020年12月の記事一覧
2学期終業式「生徒代表意見発表」から
今日の2学期の終業式は、放送で行いました。
4人の生徒代表の意見発表から、牛深東中の2学期を振り返ってみましょう。
1年生代表 尾谷(鉄)くん
2学期の反省と3学期の抱負
私が2学期を振り返って良かった点は、2学期が始まってすぐは、友達と密になることが多かったのですが、2学期の終わりには、しっかり密を避けられていたことです。
改善できた理由は、先生方から触れ合わないことや大声を出さないことを、注意されていましたが、一日一日と過ぎていく間に、密を避けようという意識ができていたからです。
課題点としては、それでもまだ「密だ」と言われる場面があることです。
特に、声の大きさを調整することができていませんでしたので、3学期にはできるように努力をしたいと思います。
明日からの冬休みは、コロナの感染が広がっているので、外から帰ってきたときには必ず手洗いやうがいをして、健康に気をつけて過ごしたいと思います。
また、3学期からは、1年生の生徒会副会長を務めます。
生徒の皆さんのために、よりよい学校づくりを目指して頑張りたいと思います。
2年生代表 宇左美くん
2学期頑張ったこと
僕が2学期頑張ったことは、社会の期末テストです。
2学期は納得のいく点数が取れませんでした。
だから、2学期は早くワークなどを終わらせ、何度も問題を解きました。
すると、自分の納得のいく点数を取ることができました。
そこで、これからのテストでも続けていきたいです。
他にも、部活をがんばりました。
僕は、スタメン出場することがほとんどできませんでした。
だから、絶対スタメン出場して活躍したいという気持ちを持って、今までで一番の練習をしました。
それでも結果が出ないことが、ほとんどでした。
それでも、あきらめず練習しました。
すると、最近の試合では、ヒットを打つなど結果を出すことができました。
これからも、どんなにきつくても妥協せず、自分に厳しく練習を続け、スタメン出場して活躍したいです。
そして冬休みには、家の手伝いをしたいです。
3年生代表 上羽くん
2学期の振り返りと冬休みの抱負
例年よりも長い2学期でしたが、僕は頑張ったことで心に残っていることが2つあります。
まず、体育大会のダンスリーダーです。
みんなに教えるために、早めに振り付けや歌詞を覚えられるよう努力しました。
結果として、体育大会本番で、みんなとよいダンスを踊ることができたので、よかったです。
反省点として、自分から行動することがあまりなかったので、今後何かのリーダーをするときは、自分から行動できるように心がけたいです。
次にハイヤです。
本番の発表に向けて、少ない練習を頑張り、3年生として満足のいくものにすることができました。
総合センターのステージで発表し、拍手をもらった時は、達成感を感じることができ、努力の大切さを再確認しました。
3学期はいよいよ受験本番です。
冬休みに取り組みたいことは、体調管理と勉強です。
大事な高校入試に向けて、自分が納得できる思い通りの結果が出せるように、しっかりと取り組んで備えようと思っています。
生徒会代表 後迫さん
2学期を振り返って
今年は例年より短い夏休みを経て、長い2学期が始まりました。
1学期とは違い、新型コロナウィルス対策にも取り組みながら、たくさんの行事が行われました。
まず1つ目の大きな行事として、体育大会がありました。
夏休み中から各リーダーで練習や制作に入り、短い期間ではありましたが、各自満足のできるものができていたと思います。
体育大会当日も、短い時間でしたが、内容の濃い時間が過ごせたと思います。
2つ目は、文化発表会がありました。
2、3年生のハイヤ踊り、1年生のリズムアンサンブル、吹奏楽部の演奏、そしてMICAさんによる特別授業。
例年とは違う形にはなりましたが、自分たちの練習の成果を発揮する良い機会だったと思います。
3つ目に生徒会選挙・立会演説会がありました。
来年の東中を背負っていくリーダーたちの意気込みを聞くことができ、また、生徒たちの前でお互いに質問をするやりとりを聞きながら、「自分たちが引っ張っていく東中をどうしたいのか」をより深く知ることができた時間だったと思います。
そして最後に、生徒会四役の活動として、1学期はできていなかった「全員遊び」も行うことができました。
他学年との交流の場が、少しで増えたのであればよかったなと思います。
3学期は、新生徒会四役が頑張って引っ張っていってくれると思います。
3年生は受験に向けて、1、2年生は新しい学年に向けて3学期も頑張りましょう。
この後、私からは「体も心もコロナに負けない」生徒の皆さんへのお礼と、
クラスメートや先生方、家族の方にも感謝の気持ちを伝えてほしいと話しました。
以下は、そこで紹介した「グッジョブ!カード」です。
皆さん、2学期もこの欄をご覧いただき、ありがとうございました。
次回は令和3年1月7日の始業式の日に掲載予定です。
どうぞ、よいお年をお迎えください。
「親の子ども時代の写真」を見せてみましょう
多くのご家庭でもおありかと思いますが、
私も子どもが幼い頃、自転車に乗る練習をいっしょにしたことがありました。
子ども用の自転車に乗せ、荷台をつかんで、後ろからいっしょに走ってあげます。
「いいぞ、いいぞ、その調子」
とか言いながら走らせますが、それでも子どもはバランスを崩して倒れたりします。
激しく倒れないように荷台を持っていたりするわけですが、
子どもが何回もうまくいかなくて、半べそをかいても
「もう1回、もう1回」
と励まして乗せます。
「大丈夫、大丈夫。お父さんもすぐには乗れるようにはならなかったぞ」
そのうち、長く乗れるようになって、ハンドルが大きくぶれてバランスを崩すようなことが減ってきたら、
頃合いを見て手を離してやります。
「できた。できた」
とほめて、また励まします。
まあ、このようにして自転車の練習をするものではないでしょうか。
これが、「転ぶのがかわいそうだから」と大人が手を離さないままだったり、
ずっと補助輪を付けたまま外さなかったりするなら、どうでしょう。
いつまでも一人で自転車をこぐことは、できないかもしれないのではないでしょうか。
このようなことを思い返したのは、次の記事を目にしたからです。
開成の元校長が語る「親の子ども時代の写真を見せること」の効果
大学進学で実績のある進学校、開成中学・高校の校長を長く務められた、柳沢幸雄先生のお話です。
少し長いですが、引用してみます・
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子どもの失敗、大いにけっこう! 親が先回りして失敗を防いではダメ
学校の勉強、友達関係、受験や部活動……。
保護者は、つい子どもが心配になり、先回りして、失敗しないように手はずを整えてしまいがちですが、それはやらないほうがいい。
失敗しない人生を目指さなくていいのです。
保護者の方も、考えてみれば、たくさん失敗してきているはずです。
でも、ちゃんと生きています。失敗したからこそ、今の自分があるのです。
その自分に自信を持てばいい。
むしろ、保護者の方は、子どもに失敗したときのことを話してあげてください。
親が子ども時代のことを、子どもに伝えるのはとても大切なことです。
親にも子ども時代があったのだと。
そのときにはやんちゃだったり、忘れん坊だったり、恥ずかしがり屋だったり、
自分のリアルな様子も話すと、子どもはほっとします。
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そして、柳沢先生は
「保護者の子どもの頃の写真や、卒業文集があったら、ぜひ子どもに見せてあげましょう」
と提案されています。
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親がカビ臭い昔の、あるいはだれかが作った理想像を掲げ、
「こういうふうになってほしい」「なぜなれないんだ」と子どもを責め立てたら、
それは自分の人生を棚に上げたことになり、血の通ったあたたかみのある話にはなりません。
それより、失敗を乗り越えた自分を子どもに語り、
笑いの中から、歩むべき道を自分の行動から教えてあげましょう。
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これは、私の好きな相田みつをさんの書の一つです。
受け身を教えるときも、大人がまずやって見せることでしょう。
もうすぐ冬休みです。
今年の年末年始は、外出を控え、家庭で過ごされる時間も増えるのではないでしょうか。
その家族の時間の中で、ご自分の中学生時代の写真などを囲みながら、
楽しくお話をしていただくのもいいのではないかと思います。
桑田佳祐X芥川龍之介
本校の朝の放送は、文化発表会以降、ずっとMICAさんの「繋がってる」「天海」です。
今週は給食の時間には、「クリスマス・ソング特集」が放送されています。
文化放送委員会が潤いのある学校生活のために、工夫して活動してくれています。
先日、あるテレビ番組で、クリスマス・ソングのベストなんとかというものをやっていました。
年代別にアンケート結果が発表されていました。
私は山下達郎さんや松任谷由実さん、頑張ってマライヤ・キャリーさんの有名な曲は知っていましたが、
若い世代の上位に入っている曲は、知らないものが多かったです。
その中で、私の好きな曲が入賞?していました。
桑田佳祐さんの「白い恋人達」という曲です。
この曲を聴くと、同じく好きな芥川龍之介の「ピアノ」という短編小説を思い出します。
このような書き出しで始まる小説です。
(青空文庫をもとに、旧字体や旧仮名遣いを私が現代仮名遣い等に直しています。「震災」とあるのは、関東大震災です。)
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ピアノ 芥川龍之介
ある雨のふる秋の日、わたしはある人を訪ねるために横浜の山手を歩いて行った。この辺の荒廃は震災当時とほとんど変っていなかった。もし少しでも変っているとすれば、それは一面にスレートの屋根やレンガの壁の落ち重なった中にアカザの伸びているだけだった。
(参考:スレートの屋根)
(参考:アカザ)
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いいですね。
芥川を好きな人だったら、たまらないような芥川ワールドです。
この横浜の荒んだ街角は、きっと主人公イコール芥川の人生の何かを表していますね。
そして、物語はこう続きます。
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現にある家の崩れた跡にはフタをあけた弓なりのピアノさえ、半ば壁にひしがれたまま、つややかに鍵盤を濡らしていた。のみならず大小さまざまの譜本もかすかに色づいたアカザの中に桃色、水色、薄黄色などの横文字の表紙を濡らしていた。
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お分かりですね。
この家の崩れた跡に置き去りにされたピアノは、主人公イコール芥川自身かもしれませんね。
きっとアカザも何かを表していますね。
アカザの枝は強く、杖の材料にもなるそうですので、おそらく「 」を暗示しているのでしょう。
(「 」の中はご想像ください)
そして、途中は略しますが、この後の場面では、ピアノがこう描かれています。
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すると突然聞えたのは誰かのピアノを打った音だった。いや、「打った」と言うよりもむしろ触った音だった。わたしは思わず足をゆるめ、荒涼としたあたりを眺めまわした。ピアノはちょうど月の光に細長い鍵盤をほのめかせていた、あのアカザの中にあるピアノは。――しかし人かげはどこにもなかつた。
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この不思議なピアノの音を巡って、さらにストーリーは続きます。
興味がある方は、読んでみてください。
なぜこの芥川龍之介の短編小説と桑田佳祐さんの曲が重なるかというと、このMVがあるからです。
「ピアノ」を最後まで読んでいただき、このMVをご覧いただくと、
私の言っている意味がお分かりいただけるかと思います。
クリスマスを前に、この動画をもう一度見直したところです。
生徒の皆さんも今年の冬休みは少し外出を控えて、
静かに音楽を聴いたり、本を読んだりしてみてはどうでしょう。
Born This Way
恐れ入りますが、
今日も「サワコの朝」の塩沼亮潤さんの話の関連です。
この番組では、ゲストの方に「思い出の中で今でも輝いている曲」「今、心に響く曲」を、
その曲にまつわるエピソードや思いと共に聞かれます。
以前、元陸上選手で世界陸上400mハードル銅メダリストの為末大さんが出演されたときは、
海外で一人で試合を転戦されている時によく聴いていたという、
グロリア・ゲイナーの「I WILL SURVIVE」
について語っておられました。
「I WILL SURVIVE」とは、「私は生き残る」という意味でしょうね。
以前お話しした、私の好きな映画「オデッセイ」のエンディング・ロールでも流れていましたので、印象に残っています。
また、今年のコロナ禍の中で、「手洗い歌」としてTikTok上でも人気を集めたそうです。
(Gloria Gaynor #WashYourHands #IWillSurviveChallenge on TikTok)
ところで、塩沼さんはどんな曲を選ばれたかというと、
なんと、レディー・ガガの「Born This Way」でした。
私は、塩沼さんとレディー・ガガが全然イメージが結びつかず、びっくりしました。
曲調やCDジャケットなども過激な感じがするからです。
しかし、この曲の歌詞は人種や宗教や志向などを超えて、
「私はこうして生まれてきた」と自信をもって宣言するような、
とても力強い(そして難解な)歌詞のよぅです。
以前、英語の先生がカラオケで挑戦されたことがありましたが、
とても単語が多く早口で、歌うのが難しいとおっしゃっていました。
次の「サビ」の4行だけでも私は無理ですね。
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Don’t hide yourself in regret
Just love yourself, and you’re set
I’m on the right track, baby
I was born this way (Born this way)
くよくよして自分の殻に籠らないで
あなた自身を愛せばいい、それでいい
これが私の正しい生き方よ、ベイビー
私はこんな風に生まれてきた(こんな風に)
<歌詞和訳>Born This Way – Lady Gaga
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曲想は大きく異なりますが、MICAさんの「100点満点」にも相通じるような歌詞です。
厳しい修行を経てこられた、塩沼さんの人間観から、共鳴されるところがあるのでしょう。
「あるがままに生きるという歌詞に共感する」
「できることなら一度本人に会いたい」とおっしゃっていました。
先ほどの和訳のサイトとは訳が少し違いますが、
曲と歌詞(和訳)を一緒に聴いてみたい方は、一度お聴きになってはどうでしょう。
「おくらず迎えず応じて蔵ぜず」
昨日は、「サワコの朝」でお聞きした、慈眼寺の塩沼亮潤 大阿闍梨さんのお話を 紹介しました。
関心を持ったので、塩沼さんのされたお話を少し調べてみました。
次の記事がとても勉強になりましたので、少し引用させていただきます。
千日回峰行・大阿闍梨「コロナの現実を受け止め、最善を尽くそう」
日経ビジネス 2020年5月8日
*****
奈良の吉野山にある金峯山寺に入山して修行に入りました。
そして20歳のとき、師匠は私に「おくらず迎えず応じて蔵ぜず」という荘子の言葉をプレゼントしてくれた。
おくらずとは、過ぎ去ったことをくよくよしてはいけないこと。
迎えずとは、これから来る未来をいろいろ思い悩まないこと。
応じてとは、その時その時に応じること。
蔵ぜず、とは心にしまい置かない、心にとどめ置かないことです。
不将不逆 応而不蔵(https://sho.goroh.net/2019-2037/ より)
23歳で千日回峰行に入り、毎日大自然の中、命がけで48kmの山道を歩きました。
1000日間はやはり過酷な日々でした。
この行をいかに達成させるかを考えると、先を読んで準備をして、より安全に行を全うしなければなりません。
大峯千日回峰行 塩沼亮潤HPより
私はそのために、想定される道具38種類を選んでカバンにつめていました。
誰かに教わったわけではありません。
経験の中で、「これが必要だ」と思ったものばかりでした。
例えば消毒薬はケガをしなければムダになるかもしれないが、重くてもカバンに入れておく。
いざというときに使えば、安全に行を遂行できます。
カバンの話から何が言いたいかと言えば、
それは私たちが生きていくうえで、いろいろな選択肢を持っていないといけない、ということです。
選択肢があるからこそ、必要な時に必要な選択ができる。
これはつまり、師匠からプレゼントされた言葉で言えば、3番目の応じて、にあたります。
もっと言うと「備えあれば憂いなし」という言葉がありますが、それと一緒です。
その時その時に応じて対応して、自分が準備している選択肢の中からふさわしいものを選び、しかもそれを要所ごとに切り替えていかないといけない。
今であれば新型コロナに直面している現実を受け止めながら、今できる最善を尽くすべきです。
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「臨機応変」などと言う言葉を簡単に使うことがありますが、
「応じて」という言葉一つでも考えさせられます。
また、「リーダー」ということに関して、次のようにも言われています。
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もう1つ、付け加えるならば、リーダーたちは暗くならないことです。
「自分の在職期間はことなかれで、終わればいい」と思っていた人もいたかもしれない。
しかし、もう時代は変わりました。
問題の先送り、前例の踏襲で生きていける時代から、
即断即決、全責任は自分、という時代になりました。
だからこそ、暗くならずに取り組んでほしい。
*****
塩沼さんの言葉から、元気をいただくことができました。