選択の難しさについて
「1つの課題には、必ず解決法が2つ以上ある。
2つ見つからないのは、自分の視野が狭くなっているから」
とは、ある小学校の校長先生の言葉ですが、困難な状況でなくとも、
2つの選択肢で悩むことは、日常でたびたびあるのではないでしょうか。
昨日は29日「肉(29)の日」ということで、割引サービスのある店が2軒あったのですが、
夕食をとんかつ店にするか、ハンバーグ店にするか、しばし悩みました。
結局、とんかつ店に行ったのですが、
キャベツは千切りかざく切りか、ご飯は白ご飯か麦ご飯か、お味噌汁は貝汁か野菜汁か、
注文の時に丁寧に尋ねられました。
その度に的確に?お答えしたところです。
さて、先日「YOUは何しにニッポンへ?」というテレビ番組を見ていましたら、
ある外国人女性が日本の神社に興味がある人で、
ある重大な選択を神社のおみくじで決めるために、日本に来たということでした。
その選択というのは、就職先に関することで、
「給料の高い大企業(なんとMicrosoft!)」にするか、「給料はそうでもないがやりがいのあるベンチャー企業」にするか、という問題でした。
彼女は神社に行くまで、将来性のあるベンチャー企業の魅力について語っていて、迷っているながらも、心が傾いているようにも見えました。
どっちにしろ、今日中に内定への返事をどちらかにしなくてはならないそうです。
目的の愛宕神社で、「出世の石段」と言われる急な石段を登った彼女は、いよいよおみくじを引きました。
これはMicrosoftの分、これはベンチャー企業の分と決めて、
2つのおみくじを引いたのです。
結果は、ベンチャー企業の方が大吉、Microsoftの方が小吉でした。
そのおみくじをしばし見つめていた彼女は、意を決して内定を受けるメールを打ち始めました。
「決まったね、おめでとう!」
取材スタッフがメールの送信画面を見せてもらうと、
なんと宛先はMicrosoftの担当者でした。
せっかく日本まで来ておみくじを引いたのに、
彼女は最後にその結果と裏腹の判断をしたのでした。
「うーん、やっぱりMicrosoftのお給料はいいのよね」
と笑っていました。
司会のバナナマンはズッコケていました。
しかし、こういうことはよくあることのようで、
「どうしても判断に迷うことがあったら、最後はコインを投げてその裏表で決めてしまいなさい」
というアドバイスを聞いたことがあります。
コインの結果が出て、「よし、これでいいや」と思ったらそのままでいいし、
「う〜ん、でもやっぱりな〜」と納得いかないようなら、逆の選択にすればよいというものです。
今回の彼女の選択は、まさにそういうことでした。
F.コヴィーは
「人は変わらざる中心がなければ、変化に耐えることができない。
変化に対応する能力を高めるには、自分は誰なのか、何を大切にしているのかを明確に意識することである」
と言っています。
「変わらざる中心」をコヴィーは大海を行く船と北極星にたとえたりしていますが、
そういう自分の価値観に則って選択、判断することが大切に思います。