羽生結弦選手のメッセージから
東日本大震災から今日で丸10年になります。
当時、私はある中学校で、次の日の卒業式の会場設営や
教室の飾り付けなどの準備に当たっていました。
最初の報道では、何が起こったのかよく分からなかったものの、
「大変なことが起きているらしい」とのことで、
職員室のテレビをつけると、大きな津波に、家並みや車が流されていく映像が映し出され、
「これが現実に起きていることなのか」と愕然とした覚えがあります。
その5年後、熊本地震を被災した時、
災害の規模等は大きく異なるものの、
学校での災害対応の参考になるかも知れないと思い、
東日本大震災時の学校の記録等を調べたことがあります。
しかし、失われた生命や心の痛手、被害の大きさに、
余震が続く日々の中では、読み進めることはできませんでした。
さて、今日、フィギュアスケートの羽生結弦選手が(26 宮城県仙台市出身)が寄せたメッセージがニュース等で紹介されていました。
その文章は、
「何を言えばいいのか、伝えればいいのか、分かりません。」
で始まっています。
次の記事で、全文を読んでみました。
少し引用してみます。
*****
でも、たくさん考えて気がついたことがあります。
この痛みも、たくさんの方々の中にある傷も、今も消えることない悲しみや苦しみも・・・
それがあるなら、なくなったものはないんだなと思いました。
痛みは、傷を教えてくれるもので、傷があるのは、あの日が在った証明なのだなと思います。
あの日以前の全てが、在ったことの証だと思います。
*****
とても難しい文章だと思いました。
この思いに至るまでには、どのような道のりがあったのか、
私などの考えも及びません。
この10年間の羽生選手の努力と思いは簡単には語れないと思いました。
また、メッセージは、彼だから言える
「頑張ってください」という言葉で結ばれていました。
*****
10年という節目を迎えて、何かが急に変わるわけではないと思います。
まだ、癒えない傷があると思います。
街の傷も、心の傷も、痛む傷もあると思います。
まだ、頑張らなくちゃいけないこともあると思います。
簡単には言えない言葉だとわかっています。
言われなくても頑張らなきゃいけないこともわかっています。
でも、やっぱり言わせてください。
僕は、この言葉に一番支えられてきた人間だと思うので、その言葉が持つ意味を、力を一番知っている人間だと思うので、言わせてください。
頑張ってください
あの日から、皆さんからたくさんの「頑張れ」をいただきました。
本当に、ありがとうございます。
僕も、頑張ります
*****
安易に「頑張って」「頑張るぞ」と口にしますが、
とても重みのある
「頑張ってください」と
「僕も、頑張ります」
だと思いました。
(NHK NEWS WEB から)