「ブタとブス」のお話(つづく)
ちょっと品のないタイトルで失礼いたします。
以下の出典からの孫引きで恐縮です。
出典: J・バーガー「パラダイムの魔力」 日経BP
むかしむかし、あるところに山荘をもっている男がいた。
毎週土曜日になると愛車のポルシェで自宅から山荘へ向かう。
途中には見通しの悪いカーブやガードレールの無い絶壁など、
危険な箇所がいくつもある。
しかし、男はそんなことは気にしなかった。
車の性能はすばらしいし、運転には自信があるし、
目をつぶっても走れるほど道を良く知っていた。
ある晴れた土曜日の朝、男はいつものようにポルシェを飛ばして、
山荘まで向かう道を走っていた。
その時!反対車線の急カーブの陰から1台の車が、ハンドルを切り損ねたように飛び出してきた。
崖から落ちる~と思った瞬間、道路すれすれに弧を描き、勢い余って反対車線に入り、あわててハンドルを切り直したかと思うと、また反対車線に入ってくる。
だんだんと近づいてきた車に注意を向け、男はブレーキを踏んで速度を緩めた。
車は蛇行しながら接近してくる。
「ぶつかる!」と思った瞬間、その対向車はぎりぎりでそれ、
すれちがいざまに、きれいな女性が顔を出し、あらん限りの声で叫んだ。
「ブタ!」
ふざけるな。男はカッとなって怒鳴り返した。
「ブス!」
「むちゃくちゃな運転をしているのはどっちなんだ」
男はムカつきながら、アクセルを踏んだ。
そして、急カーブを曲がった途端……
…ブタに衝突した。
さて、このお話は何を言いたいのでしょうか。
(明日につづく)