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教科書の文章が読めているか

少し前ですが、「教科書の文章、理解できる? 中高生の読解力がピンチ」(朝日新聞デジタル)という記事がありました。

 

思考力とか判断力、表現技能とか言う前に、そもそも教科書の本文の言ってることがわかっているのか、そのレベルの日本語が通じているのか、という問題提起です。

 国立情報学研究所の新井紀子教授さんがこう指摘なさっています。

「基礎的な読解力がないまま大人になれば、運転免許や仕事のための資格を取ることも難しくなる」

そこで、新井さんは教科書や新聞記事などの文章を読んでもらい、意味や構造を理解できているかを調べる「リーディングスキルテスト」を実施されました。

2016年4月から今年7月にかけて、中高生を中心に全国で約2万4千人が受けた。問題は、コンピューターで受験者ごとに無作為に出題したとのことです。

以下にリーディングスキルテストの問題例を引用します。

実際の中学校の教科書の文章を題材にしてありますので、頭の体操として、読んでみられてください。

私は、すきっと頭に入ってこないものがありました。

この欄の最後に、正答と中高生の正答率も載せておきます。

教科書の文章の意味を理解する問題にしては、正答率は想像より低いように思います。

新井さんによると、「仕事の多くが人工知能(AI)に代替される時代が近づくなか、AIに負けない能力を身につけるには文章の意味を理解し、学び続けることが欠かせない」ともおっしゃっています。

日頃の授業でも、よりわかりやすい伝え方を心がけなくてはいけないと職員室で話をしようと思います。

 

【問題例 1】

以下の文を読みなさい。

幕府は、1639年、ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた。

上記の文が表す内容と以下の文が表す内容は同じか。「同じである」「異なる」のうちから答えなさい。

1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた。

出典:東京書籍「新しい社会 歴史」

 

【問題例 2】

以下の文を読みなさい。

Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称であるが、男性の名Alexanderの愛称でもある。

この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。

Alexandraの愛称は( )である。

①Alex

②Alexander

③男性

④女性

出典:開隆堂出版「Sunshine3」


【問題例 3】

以下の文を読みなさい。

仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アフリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアにおもに広がっている。

この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。

オセアニアに広がっているのは( )である。

①ヒンドゥー教

②キリスト教

③イスラム教

④仏教

出典:東京書籍「新しい社会 地理」

 

【問題例 1】正答:異なる  正答率:中学生57%、高校生71%

【問題例 2】正答:①  正答率:中学生38%、高校生65%

【問題例 3】正答:②  正答率:中学生62%、高校生72%