天は人の上に人をつくらず…だって、そう書いてあるじゃないか
福沢諭吉さんの
「天は人の上に人を造らず 人の下に人を造らず」
という言葉は有名ですね。
「世の中の人はみんな平等だ」という、
福沢さんの、明治時代においては進んだ思想の一端を示す言葉だと、私は思っていました。
しかし、
「理解力や読解力が低い人」に共通するヤバい口ぐせ 理解が早い人の頭の使い方
という記事を読んで、目からうろこでした。
「天は人の上に人を造らず 人の下に人を造らず」のところだけよく引用されますが、
原文は
「『天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず』と言へり」
であって、これは口語訳すると
「『天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず』と言われている」
という意味です。
「世間ではよく、~って言うじゃない?」ということですね。
ですから、この「天は~」の一節は、福澤さんの意見ではなく、
当時の一般的な考えだということになります。
では、福澤さんがほんとうに言いたいことは、何だったのでしょう。
この「学問のすゝめ」の有名な一節は、こう続くのです。
*****Wikipediaより引用
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言われている。
人は生まれながら貴賎上下の差別ない。
けれども今広くこの人間世界を見渡すと、
賢い人愚かな人貧乏な人金持ちの人身分の高い人低い人とある。
その違いは何だろう?
それは甚だ明らかだ。
賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとに由ってできるものなのだ。
人は生まれながらにして貴賎上下の別はないけれど、
ただ学問を勤めて物事をよく知るものは貴人となり富人となり、
無学なる者は貧人となり下人となるのだ」
*****
「賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとに由ってできるものなのだ」
つまり、勉強することが大切だということを言いたいのでしょう。
まさに「学問のすすめ」なのですね。
前述の記事では、この福沢さんの名言を例に挙げ、
文章の前後や最後の結論までよく読まずに
「だって、そう書いてあるじゃないか」
と勘違いしてしまうことを戒めています。
これは、インターネットなどで情報のあふれている今の時代に、
気をつけなければいけないことだと思いました。
今朝のテレビの「林修先生のことば検定」では、実はこのことが出題されました。
先日勉強?していた私は、運良く3ポイントをゲットすることに成功したのでした。