小柴さんのテスト問題
ノーベル物理学賞を受賞されたことで知られる、小柴昌俊さんの訃報が報じられていました。
小柴さんは一時、中学校で教鞭を取られていたそうです。
その時のテスト問題で、
「この世に摩擦というものがなくなったらどうなるか。記せ」
という問題を出されたそうです。
さて、正解はなんでしょう?
生徒の皆さんは、テストが終わったばかりですが、
ちょっと考えてみてください。
正解は、この欄の最後にお知らせします。
さて、小柴さんの功績はというと、
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小柴さんは岐阜県の神岡鉱山の地下に観測施設「カミオカンデ」を設置し、1987年重い星が一生を終える時に起こす大爆発・超新星爆発によって放出された「ニュートリノ」と呼ばれる物質を構成する最も基本的な粒子をとらえることに成功しました。
NHKニュースから
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改めて読んでみても、私には、何のことやら全く理解できません。
詳しく知りたい生徒の皆さんは、理科の橋口先生に聞いてみましょう。
しかし、小柴さんも、もともと物理がとても得意だったというわけではなく、
「たまたま大学受験のとき、小柴は物理ができない、というウワサを耳にして、一念発起(笑)。
猛勉強の末、東大の物理学科へ進学しました」
とご自身で講演などで話されています。
ここにも、「ピーマンを先に」の精神で道を開かれた方がいらっしゃいました。
さて、1987年2月下旬、銀河系のすぐ隣で超新星が爆発して、地球まで飛んできたニュートリノを、
小柴さんは、カミオカンデで見事に観測したとのことですが、
その時、小柴さんは翌月に定年を控えた60歳だったようです。
同年輩である私には、少し元気の出る話です。
また、小柴さんの語録には、次のようなものがありました。
「『夢の卵』を常に三つか四つ、自分の中で温めておく。
そしてチャンスが訪れた時にそれをつかむ準備をしておく」
「親や先生がいくら『あなたが本当にやりたいことは何なの』と聞いても、
本人がどんなに本を読んでも、そんなものは見つからない。
いろんなことを試してみて、その中で実感を得て、自分の力で見つけていくしかない」
「自分が何に向いているのか、何が好きなのか、見つけるのは優しくない。
それでも何とか見つけ出さなければいけない。
良くないのは、見つける努力をしないでフワフワ生きていること」
3年生の皆さんは、三者面談が近づいていますが、参考になる言葉ではないでしょうか。
では、ここで冒頭のテスト問題の正解です。
正解は「白紙答案」だそうです。
その理由は
「摩擦がなければ、鉛筆の先が滑って紙に字は書けないから」
とても愉快な理科の先生だったようですね。