成層圏から帰ってきた気球
私が小学校卒業の時の記憶です。
タイムカプセルが流行り出していて、私たち児童は、
「自分たちも卒業記念にタイムカプセルを校庭のどこかに埋めよう」
という相談をしていました。
しかし、先生からストップがかかりました。
その理由は、
「ここ(小学校のあるところ)は新幹線が通る予定なので、
小学校もその時は引っ越しになります。
タイムカプセルを埋めたら、掘り起こせなくなりますよ」
当時は、あの田中角栄首相の「日本列島改造論」が一世を風靡していた時代でしたので、
「へー、そういうことか」と思いました。
先生は「しかも裏の山にはトンネルが通るのです」とも言われ、
これにも「へー、すごいね」とか言っていたのを思い出します。
実際に新幹線が開通したのは、その時から39年後。
たしかに裏の山にはトンネルが貫通しましたが、私の小学校は元の場所にそのまま現存しています。
これは実際のそのトンネルの様子です。
なぜ、このような話をしているかというと、
旧飯田工業高校(現飯田OIDE長姫高校)のある高校生たちが研究課題の一環で飛ばした気球が
成層圏を旅してきて、無事帰還したというニュースを見たからです。
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成層圏から奇跡の帰還「思い描いていた映像が撮れた」長野県の高校生の気球 8年ぶりに発見
宇宙から地球を撮影しようと、長野県飯田市の高校生がカメラやスマートフォンを積んだ気球を飛ばしたのは8年前。
行方不明になっていた気球が埼玉県で発見され、
連絡を受けた当時の生徒たちが母校に集まり再生すると「思い描いていた映像」が撮影されていました。
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なんともロマンのある話ですね。
「小惑星探査機はやぶさ」の話を聞くと、涙が出てくるという先生が本校にいるのですが、
気球でもちゃんと使命を果たして帰ってきたのですね。
カメラやスマホはどんな旅をしてきたのでしょう。
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気球の映像はどんどん上空に上がっていき、富士山の姿を捉えています。
そして、離陸からおよそ2時間半後。気球は上空およそ3万2000メートルの成層圏に到達。
丸みを帯びた地球の姿がはっきりと映し出されていました。
清水草太さんは
「一番高いところまで到達したところが、きれいに撮れていたので、
あれが思い描いていた撮りたいという映像になっていたのですごい」
と話します。
元生徒たちは成層圏からの映像に興奮を隠さず、8年越しの研究課題達成を喜びました。
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ニュース映像では、卒業生たちが集まり、8年ぶりに再会した少し汚れて傷だらけになった箱を開け、
「懐かしい!すげー。スマホだ、無事だ」という声が上がっている様子が映っています。
嬉しい同窓会になったことでしょう。
今日も宇宙ネタになりましたが、
小学生の頃を思い出し、
タイムカプセルを埋めてたら、中から何が出てきただろうなどと、
昔のことに思いを馳せた休日でした。