床屋さんに学ぶ「かつがつ」
先週の2月20日は、アントニオ猪木さんの誕生日でした(1943年 今年78歳になられました)。
また、この日は、長嶋茂雄さんの誕生日でもあるそうです(1936年 今年で85歳になられました)。
(ちなみに、昨年惜しまれてお亡くなりになった、志村けんさんも同じ日が誕生日だそうでした。 1950年)
奇しくも各界の国民的なスターが、同じ誕生日とは、少し驚きました。
これもまたちなみに、私と同じ誕生日の有名人には、
TOKIOの松岡くん、深津絵里さん、レスリングの浜口京子さんや元横綱輪島関など、そうそうたる(!)メンバーがおられます。
最近、元プロレスラーのアブドーラ・ザ・ブッチャーさんも同じ誕生日と知って、
びっくりしました。
(ただ、ブッチャーさんは生年に2つの説があるという、謎に満ちた方です。)
なぜこのようなことに話が脱線しているかというと、
私は昨日床屋さんに行きました。
私はふだん、1日に3秒も鏡を見ないのですが、
久しぶり(?)に鏡に映った自分を見たところ、
「髪に白いものが増えたなー」と改めて思い知ったのです。
長嶋さんも猪木さんも高齢になられましたが、笑顔の姿を時々拝見して、
私も歳を取ったけど負けてはいられないなあと思ったところです。
ところで、今日の本題は、その床屋さんでのことです。
床屋さんが髪を切った後に、床に散った私の髪の毛を、きれいに掃いて片付けてしまい、
それから顔そりにかかられるのを見て、
一つの仕事を片付けて、そして次、と段取りをされているのに、
今さらながら気づいたのでした。
もちろん、店の床を清潔に保つ意味もあるでしょうし、
次のお客さんを呼ぶときに、スムーズに行くこともあるでしょう。
髪を切っているお客さんが「やっぱりもうちょっと後を刈り上げて」
などと言うチャンスもあります。
熊本弁では、こういうことを
「かつがつ」片付けると言いますね。
調べてみると(goo辞書)こう書いてありました。
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かつ‐がつ【且つ且つ】 の解説[副]
1 不十分ながら成り立つさま。どうにか。ともかく。「やりくりして且つ且つ家計を維持する」
2 とりあえず。急いで。「―里内裏 (さとだいり) つくるべきよし議定あって」〈平家・五〉
3 その時期でないのに、早くも。「我が山の衆徒、―以て承悦す」〈平家・七〉
4 少しずつ。ぼつぼつと。「要法など―伝授しけり」〈沙石集・二〉
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もともとは古語で、源氏物語にも用例があるようですが、
熊本弁で使うときの意味は、上記4の「少しずつ」ですね。
熊本弁では、「ばってん」「あとぜき」「武者んよか」「むぞらしか」など、
有名な言葉がたくさんあります。
私は方言にはその地方の庶民の息づかいが聞こえそうで、好きなのですが、
「さでくりきゃあこけた」などと言うと、すごい勢いで転んだ様子が目に浮かびそうです。
さぞ痛かったでしょうね。
私は、この「かつがつ」も好きな熊本弁の一つです。
同じ少しずつという意味の共通語には、「コツコツ」がありますが、
「かつがつ」とは少しニュアンスが違いますね。
「かつがつ」には、「その都度」「こまめに」「怠らず」といったいった意味が含まれているように思います。
校長室の片付けも「かつがつ」しまい(牛深弁)、と思うこの頃です。