ブログ

「小さいことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に」

1秒で「気がきく人」がうまくいく

という本がここにあります。

著者は松澤萬紀さんというマナー講師の方です。

以前、CAさんの採用試験に8回目の挑戦で合格し、

ANAで12年間CAさんをされたという経歴の持ち主です。

CAさんを経験された方らしい、いろいろなエピソードが掲載されています。

 

今日はその中から少しご紹介します。

「業界で、ダントツの成果を上げている方々に共通していたのは」と聞くと、

どんな共通点だと思われますか。

松澤さんは、

「ほんの『1秒』という短い時間の中で判断をくだし、

非常に『気がきく習慣』を、いつも実行されているということ」

だとおっしゃっています。

 

「99%の人がやっていないこと」でも「やろうと思えば誰でも実行できる」、

「たった『1秒』意識することではじめられる習慣」だそうです。

どんなことかその一例を引用してみましょう。

*****
先日、ファーストクラスを担当している友人のCA数人に、

「どんなお客様に魅力を感じるか?」と尋ねたことがあります。

彼女たちは、そろって「同じ答え」を口にしました。

何と答えたと思いますか?

*****

?なんでしょう。

芸能人とか、チップをくれる人(航空機内ではそんなことはないでしょうか)?

 

*****

正解は、「きちんと、挨拶をしてくださるお客様」です。

たとえば、日本を代表する俳優であった高倉健さん。

CAが「ご搭乗ありがとうございます」と挨拶をしたところ、

高倉健さんは、わざわざ席を立って、

「こちらこそ、ありがとうございます」と丁寧に挨拶を返してくださったそうです。

たった「1秒」の挨拶のために、

席を立ってくださった高倉健さんの誠実さに、

友人のCAは、大きな感動を覚えたといいます。

*****

 

高倉さんが丁寧な挨拶をされる方だったということは、

以前「高倉健さんの最敬礼」という記事で、このブログでもご紹介しました。

 

また、

*****

私が、テレビ「はなまるマーケット」(TBS)に、生出演させていただいたとき、

とても印象に残る挨拶をしてくださった出演者がいます。

薬丸裕英さんと、いとうあさこさんです。

私がスタジオに入ったのは、出演の数分前でした。

コマーシャルの間に「松澤さん、入ってください」と声をかけられ、

私はそこではじめて、出演者の方々と対面しました。

コマーシャルが終わるまで30秒ほどしかありませんでしたが、

出演者のみなさんに「松澤と申します。よろしくお願いいたします」と挨拶をしました。

みなさん、笑顔で「よろしくお願いします」と返してくださったのですが、

時間が差し迫っているため、「台本で進行を確認しながら」挨拶を返す方もいらっしゃいました。

生放送ですから、無理もありません。

ところが、薬丸裕英さんと、いとうあさこさんは、心に残る素敵な挨拶を返してくださいました。

お2人の挨拶は、きちんと私に体を向け、私の目を見て、

「こちらこそ、よろしくお願いします」と、

とても丁寧に頭を下げてくださったのです。

私を受け入れてくださっていることが伝わり、気持ちを落ち着かせて出演することができました。

秒単位で進行するテレビの生放送にあって、貴重な「1秒」を私に捧げてくださったことがとても嬉しく、

私はすっかり2人のファンになりました。

*****

 

こういった話を読むと、

「こちらこそよろしくお願いします」という、

何の変哲もない日常の言葉が、

とても美しい言葉に思えます。

たった1秒ほどの挨拶のお返しですが、いいですね。

 

松澤さんによると、

ANAでは「小さいことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に」

という言葉を、先輩たちからよく教えてもらったそうです。

「たった1秒」の挨拶こそ、この言葉が当てはまるのだと思いました。

 

関心がある人は……

 

100%好かれる1%の習慣☆松澤萬紀のブログ

 

マナー講師・松澤萬紀さんが教えてくれた、コーヒーがよりおいしく味わえるコミュニケーションと8つのマナー|コーヒーは人の心と心を近付ける接着剤——コミュニケーション編(前編)