あなたならどうする「日本のごみ箱をもっと増やして!」②
(つづき)
昨日の記事「日本のごみ箱をもっと増やして」という新聞投書を資料とした、
1年生での道徳の授業のつづきです。
授業では、投書を読んで、生徒たちにまず自分の意見・理由を書いてもらいました。
河本さんはこの時点で
「まだ使えるものもすぐ捨ててしまいゴミの量が増える」
「ごみ収集車で集める人がたいへん」
「ごみ箱がなかったら家に持ち帰って捨てればいい」
「ごみ箱をたくさん置くと日本のきれいな景色に、ごみ箱が目立ってしまう」
など、いくつもの多角的な視点から意見をメモしていて、びっくりしました。
そして、フリーにお互いの意見を交流しました。
その後、ミニ・ホワイトボードに意見を書いて、黒板に掲示しました。
「ごみ箱を増やす」に賛成の理由では、
「ポイ捨てがなくなるから」が多かったようです。
また、反対の理由では、
「ポイ捨ては人の意識による」という理由に集約できました。
私は「ごみ箱が増えたら、ポイ捨てがなくなるって本当でしょうか」
と全体に投げかけてみました。
次に、道徳の教科書に載っている賛成・反対の3つの意見を読みました。
Aは「観光名所や公園には設置して」という、投書への賛成意見です。
Bは「ごみ箱の完全撤去を希望します」という反対意見です。
ごみは「各自が責任をもって処分すべきではないでしょうか」という強気の意見でした。
Cは「街にごみ箱がないと落胆せずに、ごみを持ち帰ることも考えてはどうでしょうか」、
ごみ箱が少なくて戸惑う外国人観光客には「環境を守るために持ち帰りましょう」と
伝えていきましょう、という意見でした。
ここまで交流したり、黒板に張られたホワイトボードを見たり、
A~Cの意見を読んだりして、
最後の自分の結論をもう一度まとめてもらいました。
はじめの考えからすると、みんな考える視点が広がり、感心しました。
いくつかの意見を抜粋して紹介します。
賛成「意見Bの自分の出したゴミは自己責任で、という意見は少し共感しました。
しかし、私たちの学校でも、マスクをごみ箱に捨てるなど、呼びかけてもなおりません。
ならば、観光客のためにも、ごみ箱を増やした方がいいと思います」(生嶋くん)
自分の身近な問題と関連させて考えていますね。
反対「ごみを、そこらへんで簡単に捨てられるようになると、
街にポイ捨てをする人々の意識が弱まり、
よけいに環境が汚れるようになると思います」(冨永さん)
反対の人の代表的な意見です。
では、意識を高めるためには、できることはないのでしょうか。
大人でも頭を悩ます問題ですね。
そこまでは、今日は難しかったようですね。
最初は賛成でしたが後で反対に変わったという人も何人かいました。
そのうちの一人です。
「ごみ箱はたしかに、カラスなどがあさると衛生面でよくないし、
身体の不自由な方々のじゃまになります」(大田さん)
公徳心だけでなく、公共の福祉にも視点が広がってきました。
1時間の授業で、生徒の皆さんは、いろいろな視点で考え、
他の人の意見から何かを学んでいました。
授業の最後には、
公徳心、ルール、個人の意識と社会問題、環境問題などに関する最近の出来事から、
2つのニュースを紹介して、終わりました。
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社会の出来事にも関心をもって、自分なりに考える習慣がついてくれればと思います。