「おくらず迎えず応じて蔵ぜず」
昨日は、「サワコの朝」でお聞きした、慈眼寺の塩沼亮潤 大阿闍梨さんのお話を 紹介しました。
関心を持ったので、塩沼さんのされたお話を少し調べてみました。
次の記事がとても勉強になりましたので、少し引用させていただきます。
千日回峰行・大阿闍梨「コロナの現実を受け止め、最善を尽くそう」
日経ビジネス 2020年5月8日
*****
奈良の吉野山にある金峯山寺に入山して修行に入りました。
そして20歳のとき、師匠は私に「おくらず迎えず応じて蔵ぜず」という荘子の言葉をプレゼントしてくれた。
おくらずとは、過ぎ去ったことをくよくよしてはいけないこと。
迎えずとは、これから来る未来をいろいろ思い悩まないこと。
応じてとは、その時その時に応じること。
蔵ぜず、とは心にしまい置かない、心にとどめ置かないことです。
不将不逆 応而不蔵(https://sho.goroh.net/2019-2037/ より)
23歳で千日回峰行に入り、毎日大自然の中、命がけで48kmの山道を歩きました。
1000日間はやはり過酷な日々でした。
この行をいかに達成させるかを考えると、先を読んで準備をして、より安全に行を全うしなければなりません。
大峯千日回峰行 塩沼亮潤HPより
私はそのために、想定される道具38種類を選んでカバンにつめていました。
誰かに教わったわけではありません。
経験の中で、「これが必要だ」と思ったものばかりでした。
例えば消毒薬はケガをしなければムダになるかもしれないが、重くてもカバンに入れておく。
いざというときに使えば、安全に行を遂行できます。
カバンの話から何が言いたいかと言えば、
それは私たちが生きていくうえで、いろいろな選択肢を持っていないといけない、ということです。
選択肢があるからこそ、必要な時に必要な選択ができる。
これはつまり、師匠からプレゼントされた言葉で言えば、3番目の応じて、にあたります。
もっと言うと「備えあれば憂いなし」という言葉がありますが、それと一緒です。
その時その時に応じて対応して、自分が準備している選択肢の中からふさわしいものを選び、しかもそれを要所ごとに切り替えていかないといけない。
今であれば新型コロナに直面している現実を受け止めながら、今できる最善を尽くすべきです。
*****
「臨機応変」などと言う言葉を簡単に使うことがありますが、
「応じて」という言葉一つでも考えさせられます。
また、「リーダー」ということに関して、次のようにも言われています。
*****
もう1つ、付け加えるならば、リーダーたちは暗くならないことです。
「自分の在職期間はことなかれで、終わればいい」と思っていた人もいたかもしれない。
しかし、もう時代は変わりました。
問題の先送り、前例の踏襲で生きていける時代から、
即断即決、全責任は自分、という時代になりました。
だからこそ、暗くならずに取り組んでほしい。
*****
塩沼さんの言葉から、元気をいただくことができました。