将棋羽生善治さんの3S
私が中学生の頃は、定期テストの時は、半日で下校でした。
先生たちは採点したり、生徒たちは次の日のテスト勉強をするための日程だったのでしょう。
しかし、私はまっすぐ家に帰ってテスト勉強をしたことはなく、この時とばかりに、寄り道ばかりしていました。
熊本駅前にあった本屋に寄ったり、スーパーの上のゲームセンターで遊んだりしていました。
一番よく寄ったのは、友達の哲郎くんや和之くんの家で、よく将棋をして帰りました。
このように、その頃から将棋は私の趣味なのです。近頃は藤井聡太くんの活躍で話題になることも多い将棋界ですが、私はオンライン将棋とかを指すほどの腕はなく、もっぱら観戦が楽しみのいわゆる「観る将」です。
その私の楽しみの一つとして、毎週日曜日の「NHK杯将棋トーナメント」をよく観ています。ところが、この番組もコロナの影響で新しい対局が放送できず、昔の伝説の名局が放送されているようです。
今日は、平成に年号が変わったばかりの頃の「加藤一二三九段対羽生善治五段」の放送があります。
30年以上前の当時、元名人として実力者の一人だった「ひふみん」こと加藤九段(当時49歳・現在とはずいぶんイメージが違います)と、新進気鋭の羽生五段(当時18歳)の一局です。
30歳あまりも歳の差のあるベテランと新鋭の、注目を集めた一局でした。
この一局の中盤戦で、羽生さんは「5二銀」という一撃必殺の一手を指し、そこから一気に羽生さんの勝勢となり、勝負はあっという間に終わってしまったのでした。
このことから、この対局は伝説の一局と言われるようになり、「羽生五段の5二銀」は、将棋ファンの中では有名な鬼手となったのです。
さて、ここで私がこの「羽生五段の5二銀」から勉強になるなと思うのは、ビジネスの「3S」を象徴しているからです。
「3S」とは、Simple(単純)、Smart(賢明)、Speedy(迅速) のことです。
この「3S」の反対はというと、ごちゃごちゃ、おろおろ、のろのろ、といったところでしょうか。そう考えると、ビジネスの「3S」が大切なのもわかる気がしませんか。
私の見たところ、「5二銀」は、まさに相手の王様を詰ます、という目的に単刀直入に切り込む一手であり、「3S」の条件を具現化していると思えるのです。
私は仕事の中で、ときおり「羽生五段の5二銀」を思い出し、「3S」を心がけるようにしているところです。
(YouTube 約15分17秒)