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校長室ブログ 今日の東天

ピーマンを先に

皆さんは食事をするとき、

好きなものから食べますか、それとも比較的苦手なものから食べますか。

私は苦手なものから食べて、好きなものは取っておく派です。

 

しかし、苦手な部屋の片付けは、後回しにつぐ後回しにしてしまいます。

そうすると、ますますおっくうになってきて、悲惨な状況になるというタイプです。

 

そんななか(?)次の記事を目にしました。

行動科学に基づく人生訓。「苦痛」の先払いをすると、長期的により幸せになれる

これによると、

パックの旅行は、「旅行代金を先に一括で支払ってしまえば(苦痛)、

あとの部分は、ポジティブな経験、オプショナルツアー、パーティーといったことだけ」になるので、

人々が心置きなく楽しめるのだそうです。

また、「専門的サービスを提供する仕事の人は、クライアントと話をするとき、

悪い知らせを先に伝え、良い知らせで終えるとよい」そうです。

先日見た映画でも

「諸君に伝えなくてはならない、いい知らせと悪い知らせがある」と草刈正雄さんが言っていました。

かっこいいので、今度私もこの言い方を使ってみようと思います。

 

さらに、記事から引用してみます。

 *****
日常的な1日には、面倒だったり、苦痛だったりする作業(請求書の支払いなど)があると思います。

そして、良いこと(友達から心のこもったメールをもらうなど)もあるでしょう。

もし昼休みにメールを読んで、仕事から帰宅した後に支払いをしたら、

その1日は、良いことの後にイヤなことがあったと記憶されるでしょう。

それではいけないのです。

一方、1日の早い時間に苦痛をまとめるようにすれば

(たとえば、出勤前に支払いをして、友達からのメールを昼休みに読むようにすれば)、

その1日は、イヤなことの後に良いことがあったと記憶されます。

そのほうが幸福感が感じられるはずです。

脳は、時とともに経験が好転するパターンを好むからです。

この原理は、1日を通して、さまざまなことに応用可能です。

プロジェクト、家の掃除、宿題などに取り組むときは、一番嫌いな作業から手をつけましょう。

それが済んでしまえば、あとは好転するばかりで、最後の満足感も高くなります。

*****

生徒の皆さんも、家庭学習では苦手な◯◯の宿題を後回しにせず、手を付けてみましょう。

その後に得意な◯◯の学習をやれば、

明日の授業を楽しみにして、にっこりして眠りにつくことができるでしょう。

 

ちなみに私は、嫌いなピーマンをいつも最初に食べていたら、

いつのまにか大好物になってしまいました。

そういうこともあるようです。

 

朝の郵便受け

今日は「ちょっといい話」をご紹介してみます。

少し前になりますが、

朝日新聞で見つけたお話です。

 

*****

朝の郵便受け、お巡りさんから届くカード 77歳の宝物

(朝日新聞2020年10月10日)

前夜の大雨のなごりか、暗い空から雨粒がぱらぱらと落ちてきていた。

朝6時過ぎ。松井峯子さん(77)は古い一軒家の引き戸を開けて門まで歩き、郵便受けをのぞきこんだ。

朝刊の下に、いつものように紙が1枚あった。

にじんだボールペンの字で「どしゃ降りですわ」と書かれていた。

警察官が巡回したことを知らせるパトロールカード。

そうね、昨晩は雨音がひどかった。それでも来てくれたのね。

少し湿った紙を見つめ、笑みがこぼれた。

名古屋市中川区の松井さん宅にカードが届き始めたのは昨年12月。

朝起きると、勝手口の窓ガラスの鍵穴あたりが割られていた。

15年近い一人暮らしで初めての経験だった。

警察に届けると、細身の警察官がやってきた。

岡井陽一巡査長(46)は「今夜から巡回しますね」と笑顔で話した。

翌朝、郵便受けにカードが入っていた。

2、3回で終わるかと思ったが、年が明けても3日に1回のペースで続いた。

カードが届くのはいつも未明らしく、その様子を松井さんは見たことがない。

でも紙には丸っこい字で、いつも一言添えてある。

正月は「あけましておめでとうございます」。雪が降った日は「寒かったですね~」。

半日、テーブルの上に置いておく。

食事や片付けのとき、目に入ると口角が上がった。

2人の娘が結婚して家を出てから、一日中誰とも話さないことも珍しくない。

いつの間にか、カードの日が待ち遠しくなっていた。

それは6月1日のことだった。

カードに「ちなみに本日誕生日です」とあった。

お礼を兼ねてお祝いをしよう。

交番にチョコレートとおせんべいを持って行ったが、岡井さんはいなかった。

書き置きを残すことにした。

「お誕生日おめでとうございます。私も今月77歳になります」

 

数日後、封筒がポストに届いていた。

開けると、金色でハッピーバースデーと書かれたカード。

いつもの字で添えられていた。

「誕生日と喜寿、おめでとうございます。元気でよろしくお願いしますよ!」

体が一瞬、固まった後、急にぽかぽかしだした。

ここ数年、誕生日を祝ってくれるのは近くに住むめいだけだ。

他人に祝われるなんて、何年ぶりだろう。カードをまとめてある箱の上に飾った。

遊びに来ためいには自慢した。

「これはね、私の宝物なの」

ためたパトロールカードはそろそろ100枚になる。

あふれそうだから、新しい箱を探さなくちゃ。(山本知佳)

*****

 

私も一人暮らしなので、自粛生活の時や休日など、誰とも会話を交わさないことがあります。

LINEやInstagramなど、SNSでのコミュニケーションが多くなってきましたが、

それだけに、朝の郵便受けと手書きのカードを介した、心の交流を読んで、

温かい気持ちになりました。

カマラ・ハリスさんの演説

やっと米大統領選挙が決着しそうになってきました。

いつまでも「投了」しない現大統領さんの言うことはさておき、

私は時期・女性副大統領候補のカマラ・ハリスさんの演説に感銘を受けました。

 

(朝日新聞デジタル「最後にはならない」女性初の副大統領、ハリス氏の歩み)
https://www.asahi.com/sp/articles/ASNC95T8GNC9UHBI01H.html 

 以下引用です。

*****

7日夜、バイデン氏が勝利宣言したデラウェア州ウィルミントンの演説会場で、

ひときわ大きな歓声を集めたのが、主役に先立って演説したハリス氏だった。

「民主主義は状態ではなく、行動である」。 

ハリス氏は、公民権運動を指導した故ジョン・ルイス下院議員の言葉を引用しつつ、

「今回の選挙では米国の民主主義、魂が問われた。世界が見守る中で、あなた方は米国の新しい日を導いた」

「皆さんは票を投じて明確なメッセージを送った。希望、結束、品位、科学(への信頼)、そして真実を選んだ」と、ほほえみを浮かべながらテンポ良く話した。

*****

 

いいですね。

現大統領さんの、プロレスラーのマイクパフォーマンスのような話とは、ずいぶん違う気がします。

一番いいのは、ここのところです。

 

*****
「私は女性として最初の副大統領になるだろうが、最後にはならない。

なぜなら今夜、ここは可能性の国であるということを、全ての少女が目の当たりにしたからだ」と発言。

会場から大歓声が上がり、目に涙を浮かべる女性もいた。

***** 

 

いいですね。

これこそが民主主義の国、アメリカン・ドリームの国のリーダーが言うような

かっこいいセリフですね。

他所の国の選挙の話ですが、私は少し安堵しました。

 

バイデンさんの勝利宣言でも、さすが紳士的にスマートに語りかけていましたね。

ところで、皆さん、この言葉はどうでしょう。

「赤い(共和党の)州も青い(民主党の)州も関係なく、米国を見る。

それが国民だ。そしてそれが、我々の政権のあり方だ」

分断でなく、団結をと語りかけているところですが、

これをよく考えると、

「米国の大統領は米国全体を見る」と言っているようなもので、

「アジもサンマもなく、魚全体を売る。

それが魚屋のあり方だ」

と言っているのと大差ないかもしれません。

逆に言うと、そんな当たり前のことをわざわざ言わなくてはならないのが、

今の米国ということでしょうか。

3年生の皆さんは公民で選挙や民主主義についても学習すると思いますが、

どう思いますか。

 

「カマラ」とはインドの言葉で、

「ハスの花」という意味だそうです。

混沌としたどろ沼の中でも、花を咲かせてほしいものです。

ちなみに、演説の

「私は女性として最初の副大統領になるだろうが、最後にはならない。

なぜなら今夜、ここは可能性の国であるということを、全ての少女が目の当たりにしたからだ」

の部分の英語原文をを調べてみました。

 

But while I may be the first woman in this office, I will not be the last,

Because every little girl, watching tonight sees that this is a country of possibilities.

 

宮﨑先生とブレフニ先生に聞いたら、中学生でも学習している単語・文法のようです。

生徒の皆さん、読んでみてください。

この動画の8:00ぐらいのところで見れます。

シンデレラ・フィット

日曜日の朝、コーヒーを飲みながら

「サンデー・モーニング」を見ていましたが、

相変わらずトランプさんが投了しない話と学術会議の話ばかりのようだったので、

チャンネルを回してみました。

(本当は現代のテレビのチャンネルは回せませんが)

すると、3人の女性がおしゃべりをされている番組があっていました。

お気に入りの「日曜美術館」が始まるまで、まだ時間があったので、

ちょっと見てみました。

すると、

真ん中に座っている磯野貴理子さんが

こんな話をされていました。

 

*****

服を買いに行って、ある服を合わせてみたら、

丈もサイズもびっくりするぐらいピッタリで、

すごいーと思っていたら、

店員さんが

「ピッタリですね。

シンデレラ・フィットですねー」

と言うんです。

「シンデレラ・フィット」という言葉を

知らなかったので聞き返すと、

ガラスの靴がシンデレラにピッタリ合ったことから、

アパレルなどで、服のサイズがピッタリ合うことを

そういうのだそうです。

*****

 

話を聞いていた松居直美さんも言われていましたが、

「シンデレラ・フィット」とは

最近は、収納する際に、空いたスペースに、

片付けたいモノが奇跡のように、ピッタリ収まることを、

おしゃれに言うことが多いそうです。

 

しかし、私は言葉の感覚として、

うまい言い方があるものだと朝から感心しました。

 

そういえば、前日の土曜の夜の番組では、

『人生がときめく片づけの魔法』の近藤麻理恵さんが授業?をしておられました。

面倒くさい「片づけ」に「ときめく」ことを結びつけた近藤さんは、

たいしたものだなぁと思います。

「片づけ」がとてもポジティブで価値のある行為になりました。

賢いものの見方もいろいろあるものです。

マンガで読む人生がときめく片づけの魔法 

 

そこで私は久しぶりに

単身赴任のアパートの部屋を整理してみました。

 

さて、磯野さんは、その「シンデレラ」という言葉に感動して、

もちろんその服もたいへん気に入って、

色違いのまで含めて2着買ってきたそうです。

しかし、あいにく夏物なので、来年まで着る機会はないそうで、 

「来年まで絶対太れない。

だって、『シンデレラ・フィット』だから」

と気合を入れて、おっしゃってました。

楽しいお話でした。

 

ど力のつぼ 補足

昨日の作文「ど力のつぼ」いかがだったでしょうか。

今日もそのつづきで、少し補足?をします。

 

夢を叶えるためには努力が必要です。

それはわかっていても、継続するのは難しいですね。

「あきらめずに努力すれば、夢は叶う!」

とよく目にしますが、

それは、夢を叶えた人、成功した人、金メダリストなどに聞くから

そう答えるのであって、

実際頑張り通すのは難しいです。

 

まず、ど力のつぼは、中を見ることができません。

だから、つぼの中に今どれくらい「ど力」がたまっているのかわかりません。

これはきついですね。

半分くらいたまっているかもしれないし、

案外あと少しでいっぱいになるかもしれない。

逆に「えーっ、まだこんだけなの?」というぐらいしか、たまってないかもしれません。

ゴールも進捗状況もわからないと、すぐあきらめてしまいそうです。

(体重計に乗らないで毎日ダイエットをする人の気持ち!!)

 

ど力のつぼの貯金を信じられるだけの、成功体験があると、

それがパワーになって、努力を注いで貯めていくことができるかもしれません。

その点、この作文に登場するお母さんは、

子どもさん(筆者)の小さい頃からど力のつぼの話をしてこられて、

いい家庭教育をされているなあと思います。

 

また、このつぼは、その人やその時によって、大きさが決まっていないようです。

いつも同じ大きさで、「50時間勉強したら100点取れる」

と最初から分かっていたら、どんなに楽でしょう。

「計算は得意ですぐできるようになるのに、漢字は覚えきれないなあ、つまんないなあ」とか、

「あの人はすぐできるようになるのに、私はなんでダメなんだ」とか、

グチったり、ひがんだりしそうです。

そこを乗り越えるのは、たいへんですが、それだけに素晴らしいことでしょう。

 

みなさんのど力のつばは何のつぼでしょうか。

きっと素敵なつぼでしょう。

きっと、私にも「ど力のつぼ」があるのでしょう。

ちょっとよくわからないけど。