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校長室ブログ 今日の東天

カーナビは2画面で

皆さんはカーナビを使われる時、画面の大きさはどうされますか。

私はいつも2画面に分割しています。

例えば、左半分は当面の街角、

右半分はもっと広い範囲、たとえば町村ぐらいを表示するモードです。

 

直面した四つ角を曲がるか、直進するかを見る左画面と、

目的地まで行く経路の中で、途上のどの辺にいるかが分かる右画面、

それらが両方とも見られるようにしています。

 

 

これと同じ意味のようなことを、将棋の佐藤天彦八段が言われていました。

 

ただし、距離や縮尺のことではなく、佐藤八段は

「大きな時間軸に身を置くこと」が重要だと言うのです。

(視野を広く持つこと。プロ棋士に学ぶメンタルコントロール術)

*****引用

常に自分自身が今、どういう状況に置かれているのか、

別の角度から客観的にモニターする視点が

必要だと考えています。

特に大きな時間軸の中に自分を置いて

俯瞰してみることが有効かもしれません。

(中略)

大きな視点と小さな視点を統合し、

修正点と評価点を見極めて、

複数の要素を検証、整理することで、

また先に進めるような気がしています。

ネガティブな要素だけに目が向かないよう、

常に心がけています。

*****

将棋盤でいえば、こんな感じでしょうか。

 

(詳細範囲)敵陣と自分の持ち駒のみ見ている。

 

 

(広域範囲)盤面の選挙区全体を見ている。

 

ひふみんこと加藤一二三九段は、対局中、相手側に回って

逆の方から盤面をながめることで有名でした。

「ひふみんアイ」と呼ばれていて、ちょっと変わった行動ですが、

これも視点を変えて視野を広げる意味で効果があるのかもしれません。

 ひふみんアイ

 

物事に行き詰まりそうな時、

状況を落ち着いて見渡し、メタ認知する上で参考にしたい考えでした。

 

私にとってのヒーロー

昨日取り上げたタイガーマスク(伊達直人)に続き、

恐縮ですが、私の中のヒーロー(あと3人)についてお話しさせていただきます。

共通なのは、伊達直人さん同様、

世間には見せられない影を持った、

いわば「二面性」に魅力を感じているようです。

 

1 財前五郎(医師)

「白い巨塔」(原作 山崎豊子)の主人公です。

映画やテレビドラマで、田宮二郎さんや唐沢寿明さんが演じられました。

優秀な外科医ですが、権力欲や名誉欲の塊のような人です。

浪速大学医学部の教授職に就くために、手段を選びません。

しかし一方では田舎に残す実母には優しい一面があります。

 

2 和賀英良こと本浦秀夫(音楽家)

「砂の器」(原作 松本清張)の主人公です。

こちらは加藤剛さんや中居正広さんが演じられました。

放浪の旅の末に、今は一流音楽家になっていますが、

過去を断ち切るために殺人を犯してしまいます。

 

3 モロボシ・ダンことウルトラセブン(宇宙人)

「ウルトラセブン」の主人公ですね。

地球を守るために、ウルトラ警備隊のダンとして、

そしてウルトラセブンに変身して、

怪獣や地球侵略を企てる宇宙人と戦います。

しかし、元の姿がウルトラマンなので、

日常的にダンに変身していると考えるのが正しいようです。

ダンは自分がウルトラセブンだということを隠していますが、

同僚のアンヌ隊員には気付かれてしまいます。

満身創痍でアンヌと別れる最終回は涙なしでは見られません。

 

 

ちょっとしょうもない紹介になってしまいましたが、

アニメやドラマの架空の人物に傾倒してしまうのは、どうも私だけでもないようです。

3月6日(日)の朝日新聞の読者投稿欄「声」 のテーマは、

「みんなで語ろう 思い出のアニメ」でした。

その中に以下の投稿があったのです。

私がこれを見逃すことはありませんでした。

 

*****

思い出のアニメ 「どう生きるか」問うバイブル
会社員 向後明人(千葉県 58)

孤児からプロレスラーになり、恵まれない子供の支えになったり、孤児院を助けたりする「タイガーマスク」。

(中略)

中でも思い出すたびに涙が出るのは、

遠征先の孤児院で出会った盲目の少女に光を取り戻すための手術費用として

、タイガーマスクが自らのファイトマネー全額を充てる話です。

骨太な作画や主題歌の良さ、色あせない血が通った内容。登場人物のセリフなどに魅了されました。

スポ根ものというより「人は人としてどう生きるべきか」を問うアニメだと思います。

さらに2010年末以降、タイガーマスクの本名「伊達直人」名で児童養護施設などにランドセルやお金などを寄付する

タイガーマスク運動が各地で広まりました。

「タイガーマスク」は、多くの人の人生のバイブルなのでしょう。

*****

 

私とほぼ同年配の方の投稿ですが、深く共感したところでした。

(校長室に置いているマスクです。)

日曜午後のタイガーマスク

昨夜テレビをつけたら、

「99人の壁」というクイズ番組が放送されていました。

テレビドラマの主題歌やCMソングについての

クイズの特集でしたが、

アニメソングについてのクイズもありました。

新しいアニメソングから懐かしいものまでいろいろ登場していました。

アニメソングといえば、最近は「鬼滅の刃」でしょうが、

私はクイズに登場した「宇宙戦艦ヤマト」ぐらいは知っていて、

「ドラゴンボール」や「残酷な天使のテーゼ」などは、

先輩や保護者でよくカラオケで歌う方がいたので、知っているぐらいです。

どれも古いですね。

 

私が好きなアニメソングを1曲選ぶとすると、

やはり「タイガーマスク」でしょうか。

といっても「白いマットのジャングルで」「ゆけゆけタイガー」という主題歌ではなく、

エンディングで流れていた「みなしごのバラード」です。

 

アニメ「タイガーマスク」は、私が小学3、4年生ぐらいの時、

毎週日曜日の午後3時から30分間放送されていました。

友だちと遊んでいても中断して、

その時間には誰かの家のテレビの前で、何人かでよく見ていました。

庭に大きな枇杷の木があった、いまちゃん(今村くん)」の家でもよく見たものです。

 

アニメは面白かったのですが、

エンディングでこのテーマが流れると、

楽しい日曜日も、あと少しで終わってしまう気分になって、

なんとなく寂しくなったのをよく覚えています。

よく聞く「サザエさん」症候群みたいなものですね。

 

歌自体は、タイガーマスク本人(伊達直人さん)の「影」の部分を歌っているようなもので、

私は子ども心に

「顔で笑って 心で泣いて」

みたいな浪花節的なキャラクターに惚れ込んでいたのです。

皆さんも日曜の午後、この曲を聴いてみてください。

 

 

「黙歩」について

この欄も最近は生徒会のブログに押され気味ですが、

今日は生徒会の取組についての話題です。

 

先日、生徒会長の鶴長くんが昼の校内放送でよびかけをしていました。

生徒会四役が廊下に掲示した「黙歩」という言葉についてです。

四役が校内至る所に掲示して歩いていました。

 

文字は副会長の岩下さんが書いたそうです。

楷書バージョン。きれいですね。

行書バージョンもありました。さすがですね。

 

鶴長会長の放送の概略です。

*****

各階や廊下に「黙歩」という掲示がしてあるのに気づきましたか?

「黙歩」とは、黙って歩くということです。

東中には、「黙想」(授業開始1分前)と「黙働」(掃除)があります。

しかし、その時だけ静かにして、それ以外は騒いでいいのでしょうか。

皆さんはどう思いますか?

学校は公共の場です。

みんなが過ごしやすい、落ち着ける環境をつくることが大切です。

室内では騒いでいいのか、走っていいのか、

今ここでどう行動すべきか、

気づき・考え・実行する練習の場です。

まだ最初なので難しいかもしれませんが、

「黙歩」を心がけて生活しましょう。

*****

 

安全で静かな「みんなが過ごしやすい、落ち着ける環境」づくりのための行動ですね。

室内での過ごし方も「気づき・考え・実行する練習の場」ととらえるのは、

さすが東中生です。

少しずつでもみんなの意識が向上することを期待しています。

四役の皆さん、ありがとうございます。

 

「永遠の0」について

私が小さい頃は、戦争を扱った映画やドラマが今より多かったと思います。

幼い頃は父と戦争映画を見に行きました。

父は戦時中はすでに成人して、戦地にも行っていたと聞きました。

しかし、父の口から戦争の話は聞くことはありませんでした。

見に行った映画は「特攻隊」や「人間魚雷」を扱ったものだったのを

ぼんやり覚えています。

やはり当時の映画は戦争を美化したような内容で、

涙を誘うような内容だったと思います。

父がどんな思いでそのような映画を私の手を引いて見に行ったのか、

今となっては分かりません。

 

テレビでも米国の戦争ドラマ「コンバット」が人気でした。

私は「コンバット」に出てくるのとそっくりのヘルメットを買ってもらっていたのを覚えています。

ゼロ戦が登場するドラマもあって、

私はその航空用のメガネというか、ゴーグルというか昔の水中メガネのようなものが

かっこよくて、欲しかったのですが、これは買ってもらえませんでした。

↓ これです

 

先日、2年生の社会の授業を参観しましたら、

丸山先生が映画「永遠の0」の予告編を生徒たちに見せていました。

太平洋戦争の学習の導入だったようです。

私はこの映画は劇場公開時に見に行った覚えがありました。

生徒たちも興味をもって見ていました。

 

百田尚樹さんの原作になる映画で、主演は岡田准一さん、

他に井上真央さんや三浦春馬さんも出演していました。

……実の祖父、久蔵が凄腕の零戦乗りで、卑怯者と誹られても

「(まだ見ぬ)娘に会うまでは死なない」と妻との約束を守り続け、

どのような生涯を送り特攻を選んだのか、(Wikipediaから)

……孫の青年が生存者に話を聞いていくという物語です。

 

詳しい内容は控えますが、

丸山先生の授業を見ながら、

この映画を授業で取り上げるとすると、いろいろな視点があるのかなと思いました。

まず、今回のように歴史の授業で、太平洋戦争の背景や当時の庶民の様子などを扱うことができます。

道徳でもできると思います。

たとえば戦争と平和、生命尊重、家族愛

難しいですが、職務と個人の思いについても考えられます。

専門の視点で切り取れば、

美術や音楽でも教材化できるかもしれません。

 

少しネタバレを含みますが、

国語なら、久蔵が敵艦に突入するラストシーンを扱うというのはどうでしょう。

 

この時の久蔵の表情は次のどれだと思われますか。

ア 泣いている  イ 叫んでいる  ウ 笑っている  エ 祈っている  オ その他

 

皆さんが監督(脚本家)なら、岡田准一さんにどう指示されますか。

その理由はなんでしょう。

これを考えるためには、この映画をまた最初から見なくてはなりませんね。

私が考えたのは、エです。

実際のラストシーンは、私にとっては意外な感じでした。

関心のある方は、一度この映画をご覧になってください。