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校長室ブログ 今日の東天

公式HP「東天高く 藍より青く」4年間のあゆみ

令和2年度の教育課程が今日で終わります。

コロナ禍の中でしたが、生徒たちは学業にスポーツにと、ほんとうによく頑張ってくれました。
また、保護者の皆様には例年にも増して多大なご理解とご協力をいただき、誠にありがとうございました。

さて、本校には公式ホームページ(および公式Facebook)「天草市立牛深東中学校 東天高く 藍より青く」があります。

保護者、地域の皆さんにはご愛読いただき、ありがとうございます。

ここでHP開設以来4年間のあゆみについて、振り返ってみます。

 

HPの開設は平成29年4月10日でした。
最初の「学校生活」の記事です。

平成29年度第1学期始業式(2017/04/10)


平成29年度第1学期始業式を行いました。

(先日高校を卒業した代の生徒が新学期の抱負を発表しています)

 

毎日、たくさんの方々にご覧いただき、令和2年2月3日には、アクセス100,000回を超えました。
この頃の記事では、当時の生徒会代表が、天草市民センターで東輪会や黙働掃除について発表した様子を伝えています。

生徒会代表が発表 天草市教育力活性化推進大会(2020/02/01)

 


令和2年度からは、PTA広報委員会の広報活動を、このホームページ上に移行されました。
「PTAのページ」の最初の記事です。

 

PTA母親部の皆さんが生徒のためにマスクづくり(2020/03/28)


コロナ禍の臨時休校が続いた今年度、5月1日を期して、授業日には毎日、学校の様子を掲載することとしました。次の文をアップしました。


長い休校期間を経て、みんなで学ぶことのできるありがたさを感じています。

東中の生徒たちの様子をほぼ毎日(授業日)更新中です。 

 

5月の休校中の「学校生活」の記事では、生徒会からのメッセージを掲載していました。

第3弾「き」生徒会副会長 鶴長琉稀亜くんからのメッセージ(2020/5/8)

「みなさん休業中は何をして過ごしていますか?
僕は家の手伝いや課題を頑張っています。
なかなか学校が始まらない中、学校に行きたいと思っている人がたくさんいます。
1日でも早くコロナを終息させ、充実した学校生活が送れるように予防を心がけましょう。」

 

 

また、5月1日からはこの「校長室ブログ」を始めました。

長期休業中を除いて、土日も連載を続けさせていただきました。

本日の時点で297回の連載になりました。

1回目の記事は、映画「隠し剣 鬼の爪」に登場するセリフ「心はいつも攻め続ける」についてふれています。

校長室ブログ 心はいつも攻め続ける


3学期からは、「生徒会ブログ」もスタートしました。これは最近の記事です。

委員会活動(新メンバー初めての活動)(2021/3/2)

……今日は、委員会活動がありました。

今日から新メンバーでの活動が始まりました。
各委員会の実働の様子をお伝えします。……

生徒会に応援をよろしくお願いします。



200,000回目のアクセスは、令和3年2月22日でした。

その日の「学校生活」では、1年生の1分前着席と黙想をなどについて掲載していました。

1年数2年国3年数 卒業記念品が届きました(2021/2/22)


1年生の成長ぶりがうかがわれます。


HPのアクセスは現在207,899(2021.3.24 8:25現在)です。

昨日現在で、Facebookの「いいね!」は129人、フォロワーは172人です。

保護者や生徒の皆さんだけでなく、地域の方、また、今は牛深を離れていらっしゃる卒業生の方など、

たくさんの皆さんにご愛読いただいています。ありがとうございます。


今後も牛深東中学校の情報発信は形を変えながらも継続されると思います。

今後ともどうぞよろしくお願いします。

 

御礼

私事ですがこの3月をもって定年退職いたします。

保護者、地域の皆様には4年間にわたるご支援、誠にありがとうございました。

 小田

プランド・ハップンスタンス

 今日は、「プランド・ハップンスタンス」という考えについてお話しします。

(以下 「プランド・ハップンスタンスとは?偶然がキャリアを作る新しい理論」  を参考にしました)

 

「プランド・ハップンスタンス」とは、

1999年にスタンフォード大学のクランボルツ教授(教育学・心理学)によって生み出された考え方です。

クランボルツは、

「個人のキャリアは、予期しない偶然の出来事によってその8割が形成される」

と提唱しました。

1,863点の階段 登るイラスト素材 - Getty Images


つまり、「キャリアは偶然の出来事によって左右されることが多く、

これらの偶然をプラスの方向に考えることで、

キャリアアップにつなげることができる」という考え方です。

「すべての出来事に意味がある」と考えるのです。

すると、出会う人や自分の経験全てを

客観的に、そしてプラスに受け取ることができるというのです。

 

ここが、昨日ふれた、森信三さんの

「人間は一生のうちに逢うべき人には必ず逢える」という考えに、

通じているように思えます。 →校長室ブログ 逢うべき人には必ず逢える

 

また、成功した体験だけでなく、失敗した体験からも

謙虚に学ぶ姿勢をもつことが大切になると言います。

その経験をした時はそう思えなくても、

振り返ると「あの経験があったから今の自分がある」と思えることがあると指摘するのです。

この部分は、先日ふれたスティーブ・ジョブズの

「connecting the dots」と似た捉え方です。→校長室ブログ connecting the dots

 

今までは「やりたいこと」から逆算的に目標を設定する、という考えが多かったと思います。

しかし、小学生が今後就く職業の半分はなくなるといわれてい予測不能な現在では、

将来やりたいことが必ずできる保証はありません。

まだ働いたことのない学生や若年者に将来のやりたいことを尋ねても、

思い浮かばない人も多いでしょう。

 

プランド・ハップンスタンスは、

「まず現在の仕事や置かれている状況を全力で頑張ること、

それが将来の可能性を拡げてくれる」という考え方です。

トレーニングマシンで筋トレをする男性のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

この点が、「将来のやりたいことがなかなか見つからない」

という若い人たちに、注目されているようです。

 

また、プランド・ハップンスタンスでは、

「偶然をステップアップの機会に変える」ためには、次の5つが必要だと言います。


1 好奇心:たえず新しい学習の機会を模索し続けること
2 持続性:失敗に屈せず、努力し続けること
3 楽観性:新しい機会は必ず実現する、ポジティブに考えること
4 柔軟性:こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること
5 冒険心:結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと

 

こう挙げていくと、

この5つができる人は、前向きに自己実現ができていきそうに思えます。

生徒の皆さんも、いや、大人のわれわれも、

この「プランド・ハップンスタンス」を参考にしてみてはどうでしょう。

 

(引用 キャリアプランはいらない。プランド・ハップンスタンス )

キャリア アンカー 診断 | 【診断結果】キャリアアンカーの8つのカテゴリー解説|ぴなログ

 

キャリアプランはいらない。プランド・ハップンスタンスという考え方 - 転職Do

逢うべき人には必ず逢える

森信三先生の教え - taishi.com 

教育者、哲学者の森信三さんは

「人生二度なし」

という言葉を残された教育者です。

二度ないなら、どんな人生を歩むのか、その毅然とした覚悟が感じられます。

 

また、「時を守り、場を清め、礼を正す」

という言葉も残されました。

この言葉は、よく学校にも掲示されていることがあります。

 

時間や期日、締切を守ること

環境を清潔にし、整理整頓すること

礼儀(言葉、服装、姿勢)を正すこと

 

この三つを大切にすることが基本だということですね。

職場や学校でも、この三つが実践されているところと

いい加減にされているところでは、

大きな違いが生まれると思います。

 

また、この言葉も有名です。

「人間は一生のうちに逢うべき人には必ず逢える。

しかも、一瞬早すぎず、一瞬遅すぎない時に。」

という言葉です。

 

「一瞬早すぎず、一瞬遅すぎない時に」とは、すごい迫力ですね。

 

この言葉を聞いて、私自身振り返ると、

自分の巡り逢うべき人には、すでに逢っているのだな、

と思います。

日頃、その運命や意義に気づかず、

また、感謝の気持ちも持たず、

日常に流されているのかもしれません。

 

また、これから巡り逢う人は、

単なる偶然ではなく、

必然的に逢うべくして逢うのだろうなと思います。

3月は別れと同時に、

4月の新しい巡り逢いの準備の時ですね。

これまで逢ってきた人たちへの感謝と、

これから出逢う人たちへの期待を、新たにしたいと思います。

森信三 : 富士男♪だより

(雑誌「致知」から)

ショーシャンクの「空」に

「ショーシャンクの空に」という映画をご存知でしょうか。

1994年のアメリカ映画ですが、私が好きな映画で、DVDも持っています。

何十回も見ている映画の一つです。

 

この映画の原題は、「The Shawshank Redemption」(ショーシャンクのあがない)。

S・キングの原作は「刑務所のリタ・ヘイワース」です。

リタ・ヘイワースさんは、1940年代に米国で人気を博した俳優さんです。

映画でもポスターとして登場します。

さて、なぜ邦題は「ショーシャンクの空に」なのでしょう。

 

ショーシャンクとは舞台となる、架空の刑務所ですが、

「空に」とは?

この映画の邦題について国語の授業をするとしたら、

どうするだろうかと、考えてみました。

 

私の印象に残っているシーンから、

映っている「空」に着目してみました。

 

①刑務所の屋根の上の空

冤罪でショーシャンクに入ったアンディは、

もともと有能な銀行員でした。

そのアンディが刑務官の節税に協力したおかげで、

仲間が冷たいビールにありつく場面です。

アンディは絶望せず、強みを生かして、

仲間がうまそうにビールを飲むのを、静かに見ています。

アンディのショーシャンクでの生活を方向づける出来事です。

バックに映る空は、曇り空です。

 

②モーツァルトの流れる空

刑務所内の図書室の担当になったアンディは、

毎日州当局に予算増額の陳情の手紙を出します。

その願いが叶って、予算増額が実現した時に、

アンディは所内放送で勝手にレコードを流します。

(もちろん規則違反です)

「フィガロの結婚 そよ風に寄せる」ですが、

いかつい囚人たちが皆思わず立ち止まって、空を見上げ、聞き入ります。

刑務所に似つかわしくない、

美しいオペラの歌声が、囚人たちの心を打ちます。

この時のショーシャンクの空は少し明るい空です。

アンディの言う「希望」の実現を暗示しているように思います。

 

③アンディを打つ雨の空

アンディが這いずった下水管から抜け出し、立ち上がると、

稲光の光る中、彼を激しい雨が打ちます。

ただ、この雨は、下水管の中で汚れた彼の身体を洗い流し、

また、他の何かも洗い流しているようです。

実は、この場面では空はよく映ってはいませんが、

雨を全身で浴びるアンディの

視線の先には、稲光の雨空があるでしょう。

 

④「ショーシャンクの」ではない、空

物語はアンディが自由の身となり、刑務所長の悪事が明るみになったところで、

一件落着のようになりますが、

この映画は、そこから17、8分ほど、

アンディの囚人仲間であるレッドの語る後日談が続きます。

最後に紹介するのは、

「ショーシャンクの」空ではありませんが、

刑務所外でアンディとレッドが再会する、

メキシコのある海辺のラストシーンです。

この場面の青い空と青い海は、素晴らしいです。

この空こそアンディとレッドの残された人生ではないでしょうか。

邦題を考えた人も、このシーンを見て、

「空」にこだわったのではないかと思います。

 

このように作品のタイトルについて考えてみる、

または別のタイトルを工夫して考えてみるのも、面白いような気がします。

 

 

私の口ぐせは

先日の朝日新聞(2021.3.16付) のコラム「天声人語」に、

このような文章が載っていました。

 

*****

▼この半年間、菅さんの語りには

「そこは」が頻出した。

「そこは極めて重い」

「そこは適切に対応します」

「そこは検証する必要がある」。

この話法はいかにも射程が短い。

単なる口癖ではなく、

長期的な視座を欠くことの象徴ではないか

▼コツコツと目の前の課題を片付けていく。

「実務型首相」と呼ばれるゆえんだ。

それでも、ときには大局的かつ明朗にご自身の哲学を語っていただきたい。

*****

なるほど、菅さんの口ぐせをよくとらえてあるなと思いました。

人の思考回路の特徴が、

自然と何回も口を突いて出てしまうのでしょう。

そこで、自分はどうかなと思いを巡らせみました。

「自分の口ぐせって何だろう」

すると、どうも

「めんどくさいなぁ」

と言うことが多いのではないかと思い至りました。

事務室の浜﨑先生、いかがですか。

年齢が重なり、

ものぐさな性格に輪をかけてきたと自覚しております。

皆さんに迷惑をかけないようにしなければ、と反省しました。

 

他にも一般的によく言われるのは、

ネガティブな口ぐせは、

運を逃してしまうというようなことですね。

こちらも気をつけていきたいと思います。

 

では、いい口ぐせ、幸運を招く口ぐせとは、

どんな言葉だと思われますか。

 

私は、これは絶対、

「ありがとう」

だと思いますが、いかがでしょうか。

今日はできるだけ

「ありがとう」を多用するように心がけようかと思いました。

あるレジ打ちの女性の話 3

昨日までのお話のつづきです。

長くなって恐縮です。

『涙の数だけ大きくなれる』木下晴弘著書、フォレスト出版

 涙の数だけ大きくなれる! 明日を生きる「自分へのメッセージ」

 

ピアノを練習していた子どもの頃を思い出した彼女は、

「私流にレジ打ちも極めてみよう」と頑張ります。

そして数日のうちに、ものすごいスピードでレジが打てるようになったそうです。

その彼女に、ある一つの変化が現れます。

 

(つづき 以下引用)

*****

すると不思議なことに、それまでレジのボタンだけ見ていた彼女が、

今まで見もしなかったところへ目が行くようになりました。

最初に目に映ったのはお客さんの様子でした。

『あぁ、あのお客さん、昨日も来ていたな』

『ちょうどこの時間になったら子ども連れで来るんだ』とか、

いろいろなことが見えるようになったのです。

 

そんなある日、いつも期限切れ間近の安いものばかり買うおばあちゃんが、

5,000円もする尾頭付きの立派な鯛をカゴに入れて、レジへ持ってきたのです。

彼女はビックリして、思わずおばあちゃんに話しかけました。

『今日は何かいいことがあったんですか?』

おばあちゃんは彼女に、にっこりと顔を向けて言いました。

『孫がね、水泳の賞を取ったんだよ。今日はそのお祝いなんだよ。いいだろう、この鯛』

『いいですね。おめでとうございます』.

うれしくなった彼女の口から、自然な言葉が飛び出しました。

お客さんとコミュニケーションをとることが楽しくなったのは、これがきっかけでした。

いつしか彼女は、レジに来るお客さんの顔をすっかり覚えてしまい、名前まで一致するようになりました。

『〇〇さん、今日はこのチョコレートですか。でも今日はあちらにもっと安いチョコレートがでてますよ』

『今日はマグロよりカツオのほうがいいわよ』などと言ってあげるようになりました。

レジに並んでいたお客さんも応えます。

『いいこと言ってくれたわ。今から替えてくるわ』

そう言ってコミュニケーションをとり始めたのです。

彼女はだんだんその仕事が楽しくなってきました。

*****

 

そんなある日のこと、ある出来事が起こります。

スーパーの店員 レジ_こちら イラスト素材 [ 6017811 ] - フォトライブラリー photolibrary

*****

『今日はすごく忙しい』と思いながら、

彼女はいつものようにお客さんとの会話を楽しみつつレジを打っていました。

すると店内放送が響きました。

『本日は大変に混みあいまして申し訳ございません。

どうぞ空いてるレジにおまわりください』

ところがわずかな間をおいて、また放送が入ります。

『本日は混みあいまして大変申し訳ありません。

重ねて申し上げておりますが、どうぞ空いているレジのほうへお回りください』

そして三回目、同じ放送が聞こえてきた時に、はじめて彼女はおかしいと気づきました。

 

そして、ふと周りを見渡して驚きました。

どうしたことか5つのレジが全部空いているのに、

お客さんは自分のレジにしか並んでいなかったのです。

店長があわてて駆け寄ってきます。

そしてお客さんに『どうぞ空いているあちらのレジへお回りください』と言ったその時です。

お客さんは店長の手を振りほどいてこう言いました。

 

『放っといてちょうだい。

私はここへ買い物に来てるんじゃない。

あの人としゃべりに来てるんだ。

だからこのレジじゃないとイヤなんだ』

 

その瞬間、彼女はワッと泣き崩れました。

その姿を見て、別のお客さんが店長に言いました。

『そうそう。私たちはこの人と話をするのが楽しみで来てるんだよ。

今日の特売はほかのスーパーでもやってるよ。

だけど私はこのお姉さんと話をするためにここへ来てるんだ。

だからこのレジに並ばせておくれよ』

彼女はポロポロと泣き崩れたまま、レジを打つことができませんでした。

 

はじめて、仕事というのはこれほど素晴らしいものなのだと気づいたのです。

そうです。

すでに彼女は昔の自分ではなくなっていたのです。

*****

 

 

その後、彼女はレジの主任になって、新人教育に携わったといいます。

彼女から教えられた新人は、どう仕事と向き合っているでしょうか。

3月、4月は進学、進級、または就職や異動などで

環境が変わる人も多いかと思います。

自分の居場所がない、ここは自分の居場所ではないんじゃないか、と悩むこともあるかも知れません。

しかし、このお話を読むと、

本気になって目の前のことに向き合うことの大切さを感じさせらます。

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あるレジ打ちの女性の話 2

『涙の数だけ大きくなれる』木下晴弘著書、フォレスト出版

に収められているお話のつづきです。

すでにお読みになった方もいらっしゃるかも知れませんが、

よろしくお願いします。

涙の数だけ大きくなれる! 明日を生きる「自分へのメッセージ」

 

彼女は辞表を書きました。

そして今度こそ田舎に帰ろうか、と悩みます。

そんな時、お母さんから電話があり、田舎に帰ろうと決めて、荷物を片付け始めます。

(つづき 以下引用です)

*****

あれこれ段ボールに詰めていると、机の引き出しの奥から手帳が出てきました。

小さい頃に書き綴った自分の大切な日記でした。

なくなって探していたものでした。

そして日記をパラパラとめくっているうち、

彼女は『私はピアニストになりたい』と書かれているページを発見しました。

そう、彼女の小学校時代の夢です。

『そうだ。あの頃私は、ピアニストになりたくて練習を頑張っていたっけ』と、

彼女はあの時を思い出しました。

ピアノを弾く女の子のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

 

彼女は心から夢を追いかけていた自分を思い出し、

日記を見つめたまま、本当に情けなくなりました。

『あんなに希望に燃えていた自分が今はどうだろうか。

なんて情けないんだろう。

そして、また今の仕事から逃げようとしている…』

彼女は静かに日記を閉じ、泣きながらお母さんに電話したのです。

『お母さん、私、もう少しここでがんばるね』

彼女は用意していた辞表を破り、

翌日もあの単調なレジ打ちの仕事をするために、スーパーへ出勤していきました。

 

ところが『2、3日でもいいから』と頑張っていた彼女に、

ふとある考えが浮かびます。

『私は昔、ピアノの練習中に何度も何度も弾き間違えたけど、

繰り返しているうち、どのキーがどこにあるのか指が覚えていた。

そうなったら鍵盤を見ずに、楽譜を見るだけで弾けるようになった』

彼女は昔を思い出し、心に決めたのです。

『そうだ、私は私流にレジ打ちを極めてみよう』と。

*****

(つづく)

あるレジ打ちの女性の話 1

今日ご紹介する話は、

『涙の数だけ大きくなれる』木下晴弘著書、フォレスト出版

の中に収録されているものです。

長いお話ですので、一部要約して、引用させていただきます。

 涙の数だけ大きくなれる! 明日を生きる「自分へのメッセージ」

 

*****

その女性は、何をしても続かない子でした。

田舎から東京の大学に来て、部活やサークルに入ったのは良いのですが、

すぐにイヤになって次々と所属を変えていくような子だったのです。

そんな彼女にも、やがて就職の時期が来ました。

最初、彼女はメーカー系の企業に就職します。ところが仕事が続きません。

勤め始めて3ヶ月もしないうちに上司と衝突し、あっという間にやめてしまいました。

*****

 

(中略 彼女はいろいろな職に就いては長続きせずに辞めてしまうということを、繰り返してしまいます。

そのうち、正社員で雇ってくれるところはなくなり、田舎の両親は早く帰って来いと言ってくれます。

しかし、負け犬のようで帰りたくありません。

生活のために派遣社員となりますが、それでも長続きしないのです。)

 

都会の雑踏 | グラフォン無料素材

 *****

彼女の履歴書には、やめた派遣先のリストが長々と追加されていました。

ある日のことです。

新しい仕事先の紹介が届きました。

それは、スーパーでレジを打つ仕事でした。

ところが勤めて1週間もすると、彼女はレジ打ちに飽きてきました。

ある程度仕事に慣れてきて、

『私はこんな簡単な作業のためにいるのではない』

と考えだしたのです。

その時、今までさんざん転々としてきながら我慢の続かない自分が、

彼女自身も嫌いになっていました。

*****

(つづく)

自分の葬儀での弔辞について

昨日はジョブズのスピーチについて書きましたが、

「◯辞」といえば、もう一つ、

葬儀や告別式での「弔辞」があります。

親族や友人、知人が、故人の思い出や惜別の思いを述べるものです。

 

スティーブン・R・コヴィーの「7つの習慣」には、

この弔辞に関する話が出てきます。

 

ある葬儀に参列して棺の中を見ると、

そこに横たわっているのは、なんと自分自身だったというのです。

そして、親族、友人、仕事関係や地域の知人が、

亡くなった私への「弔辞」を読むのです。

葬儀で話をする遺族と弔問客[11002068979]の写真素材・イラスト素材|アマナイメージズ

 

ここで筆者は読者に問いかけます。

「あなたは、これらの人たちに、あなた自身あるいはあなたの人生を

どのように語ってほしいだろうか?」

これは、私などはちょっとドキッとする問いかけです。

日頃は「他人によく思われようとばかり考えて生活するなんて、くだらない」

と思っていたとしても、

自分の人生が幕を閉じた後に、生前関わった人々から

「わがままで身勝手な人だった」

「だらしない人で、周りが迷惑した」

「これといって面白みのない、つまらない人だった」

などと言われて(思われて)いるのが分かっては、

安らかに眠れないかも知れません。

 

「では、私は自分への弔辞でどんなことを語ってもらえば、納得するのだろう?」


その問いへの答えには、その人の価値観が映し出されています。

その答えを人生におけるすべての行動の基準として、

今日という一日も生活しよう、と筆者は言います。

 

ちょっと難しいことで、

また、私などは時々反省しては、よく忘れてしまっていますが、

心に留めておきたい話です。

 

「私は何をもって憶えられたいのか?」

と、時おり自問自答してみるのも意味があるような気がします。

 

7つの習慣 成功には原則があった!

connecting the dots

昨日の卒業式は、限られた条件の中ではありましたが、

感動のある、素晴らしいものとなりました。

改めて卒業生と保護者の皆さんに、お祝いと感謝の気持ちを表したいと思います。

 

さて、卒業式といえば、

式辞、告辞、祝辞、送辞、答辞、謝辞とたくさんのいわゆるスピーチがあります。

卒業式のスピーチとして有名なものの一つに、

スティーブ・ジョブズが2005年6月12日、

米国スタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチがあります。

 

 

このスピーチで、私の印象にのこっているのは、

「点と点をつなぐ」

ということです。

 

ジョブズはリード大学を中退した後も、

「文字芸術」の講義を(ズルをして)受けていたそうです。

大学のポスターやラベルの手書きの文字が美しく、気に入っていたからです。

その「文字芸術」の講義の内容は、すぐにはジョブズの仕事には役立ちませんでしたが、

10年後、初めてのコンピュータ「Macintosh」を開発した時に、

その講義で学んだことがとても役に立ったと言うのです。

ジョブズが中退した大学の講義をこっそり受けていた時、

それが後世の歴史に残る、革新的なコンピュータの開発に役立つとは、

全く思い至っていなかったでしょう。

ジョブズはスピーチの中でこう言っています。

 

*****

先を見通して点をつなぐことはできない。

振り返ってつなぐことしかできない。

だから将来何らかの形で点がつながると信じなければならない。

何かを信じなければならない。

*****

 

この「点をつなぐ」(原文ではconnecting the dots)ということは、

たしかに大切なことだと思えます。

本校で私たちが取り組んだことのいくつかの中にpも、

私にとっては、以前の教職生活の中で「点」として経験してきたこと、考えてきたことが

いくつか「つながって」できたものがあります。

 

卒業生の皆さんが本校で学んだことも、

まだ小さな「点」としか思えないことがあるかと思います。

しかし、それらの「点」は、これからの道の中でつながっていって、

あなたにとって、きっと大きな力になると思います。

 

ジョブズのスピーチは、このリンクでご覧になれます。

 

第十六回卒業証書授与式 式辞

令和二年度
第十六回卒業証書授与式
式辞

 


東天高く、六郎次と権現山に緑の風が吹き渡る
このよき日に、
牛深東中学校 第十六回卒業証書授与式を
挙行できますことを、心から感謝申し上げます。
二十名の卒業生の皆さん、
ご卒業おめでとうございます。

皆さんは、「東継皆進」の言葉のとおり、
本校の歴史と伝統を受け継ぎ、
二十人一丸となって、学業に、スポーツに、部活動にと前進しました。
一時は開催が危ぶまれた、
中体連や各大会の代替大会、そして体育大会、文化発表会、ロードレース大会と、
体も心もコロナに負けず、新しい歴史を作ってくれました。
そして何よりも素晴らしかったのは「気づき、考え、実行する」日本一の生徒会そして日本一の東輪会です。
「気張れ牛深 笑顔大切」という
皆さんの思いとリーダーシップは、
後輩たちに、われわれ職員に、そして地域の方々に元気を与えてくれました。

今年度の初め、皆さんに
「雨が降る空を見上げて嘆くのではなく、
傘をさして歩きだそう」と話をしました。
先の見えないピンチだからこそ、
今ここでどうすべきか、
気づき・考え・実行して成長するチャンスだということを、
皆さんはその頑張りで示してくれました。
私は、皆さんのことを心から誇りに思っています。
 
保護者の皆様、日夜温かい愛情を注いで来られたお子様のご卒業おめでとうございます。
立派に成長された姿に感慨もひとしおのこととお察しします。
心からお慶び申し上げます。
また、本校の教育に厚いご理解とご支援を賜り、誠にありがとうございました。

卒業生の皆さん、
私は三年間、皆さんに「明日の自分は今日の自分が創る」と話してきました。
皆さんが「なりたい自分になる・なくてはならない人になる」、その明日が来ることを心から願って、
式辞といたします。

  令和三年 三月 十四日
   天草市立 牛深東中学校  
            校長 小田 和也

「いいこと日記」のすすめ

2018/9/2の朝日新聞「天声人語」を読んで、

参考にしていることがあります。

 

コラムの筆者は、中学生時代毎日書いていた日記を久しぶりに読み返して、

恥ずかしくなったと言います。

日記の中には、

劣等感や片思いなどのつらい気持ちばかりがあったからです。

そして、「そんな『つらいこと日記』とは、180度違うやり方があることを最近知った」そうです。

 

精神科医の宮地尚子さんがエッセーで書いていた「いいこと日記」です。

どんな日記なのでしょう。

コラムから引用してみます。

 

*****

その日の良かったことを三つ、簡単にメモするだけという。

悪かったことはあえて書かない。

どれほど嫌なことがあったとしても。

 

そんな日記を続けて宮地さんが見えてきたのは

「いいことはたくさん起きているのに、

それらを当たり前のように受けとめて、

じゅうぶん味わっていなかったなあということ」。

なぜうまくいかないのかと不満を持ち、

反省することに多くの時間とエネルギーを費やしていたことも分かったという。

*****

 

筆者もこの「いいこと日記」を書いてみたそうです。

 

***** 

宮地さんにならい、今日あったことを思い出す。

みかんの青い実がふくらんでいるのを見つけた。

本屋で挿絵のきれいな本に出会った。

エレベーターで小さな男の子が一生懸命、「開く」ボタンを押してくれた。

もう三つになった。

*****

 

三つの「いいこと」、見過ごしてしまいそうなことではありますが、

とても気持ちが和みますね。

 

毎日、1日を振り返って、よかったことを三つ思い出して書く。

私もこのコラムを読んでから、3年半あまり、毎日実行してみています。

ささやかですが、とてもいい習慣になったと思っています。

 

もちろん、東中の生徒たちのおかげで、

毎日三つでは足りないぐらい、「いいこと」が書けているところです。

 

3年生修了式での話

3年生の皆さんとは、たくさんの思い出があります。

今日はその中の一つについてお話しします。
皆さんと行った1年生の時の集団宿泊です。
真っ青な青空に恵まれ、ペーロンを漕ぎ、海岸でお弁当を食べました。

それから歩いて青年の家を目指しました。
ところが、予定していた山道がどうも通れそうにないということになって、

予定を変更して遠回りして行かなければならなくなりました。

私は下見も何もしていなかったので、

スマホで地図を見ながら、一緒に歩きました。
いつまでも続きそうな大きな道路を歩きながら、

「先生、この道で合ってるんですか」

「あとどのくらいですか」

「まだですか」と話しながら歩きました。


私にはこの時の歩いた道が、

この1年間、コロナ禍で先の見えない中に一緒に歩いた日々と重なる気がしています。
皆さんと過ごしたこの3年間、

特に東継皆進のスローガンのもと、後迫生徒会長を中心に進んだこの1年は、

先が見えにくいことばかりでした。
しかし、私はある時は皆さんに引っ張ってもらい、

ある時は背中を押してもらい、

また、笑顔で元気づけてもらいながら歩いてきたような気がします。
あの時も皆さんは声を掛け合いながら、

笑顔で歩き通し、最後は20人全員で無事に青年の家にたどり着きました。

夕ご飯のカレーはおいしかったですね。


皆さんが身に付けた「気づき・考え・実行する」力は、

4月からどこに行こうとも、社会で通用する素晴らしい力です。
今日皆さんが笑顔で中学3年生を修了することをともに喜びたいと思います。
皆さん、3年間ありがとうございました。

 

羽生結弦選手のメッセージから

東日本大震災から今日で丸10年になります。

 

当時、私はある中学校で、次の日の卒業式の会場設営や

教室の飾り付けなどの準備に当たっていました。

最初の報道では、何が起こったのかよく分からなかったものの、

「大変なことが起きているらしい」とのことで、

職員室のテレビをつけると、大きな津波に、家並みや車が流されていく映像が映し出され、

「これが現実に起きていることなのか」と愕然とした覚えがあります。

 

その5年後、熊本地震を被災した時、

災害の規模等は大きく異なるものの、

学校での災害対応の参考になるかも知れないと思い、

東日本大震災時の学校の記録等を調べたことがあります。

しかし、失われた生命や心の痛手、被害の大きさに、

余震が続く日々の中では、読み進めることはできませんでした。

 

さて、今日、フィギュアスケートの羽生結弦選手が(26 宮城県仙台市出身)が寄せたメッセージがニュース等で紹介されていました。

 

その文章は、
「何を言えばいいのか、伝えればいいのか、分かりません。」

で始まっています。

 

次の記事で、全文を読んでみました。

「あの日」から10年 羽生結弦の思い

東日本大震災から10年となる2021年3月11日に合わせ、メッセージを寄せた羽生結弦(撮影・小海途良幹)


少し引用してみます。


*****

でも、たくさん考えて気がついたことがあります。

この痛みも、たくさんの方々の中にある傷も、今も消えることない悲しみや苦しみも・・・

それがあるなら、なくなったものはないんだなと思いました。

痛みは、傷を教えてくれるもので、傷があるのは、あの日が在った証明なのだなと思います。

あの日以前の全てが、在ったことの証だと思います。

*****

 

とても難しい文章だと思いました。

この思いに至るまでには、どのような道のりがあったのか、

私などの考えも及びません。

この10年間の羽生選手の努力と思いは簡単には語れないと思いました。

 

また、メッセージは、彼だから言える

「頑張ってください」という言葉で結ばれていました。


*****

10年という節目を迎えて、何かが急に変わるわけではないと思います。


まだ、癒えない傷があると思います。

街の傷も、心の傷も、痛む傷もあると思います。

まだ、頑張らなくちゃいけないこともあると思います。


簡単には言えない言葉だとわかっています。

言われなくても頑張らなきゃいけないこともわかっています。


でも、やっぱり言わせてください。

僕は、この言葉に一番支えられてきた人間だと思うので、その言葉が持つ意味を、力を一番知っている人間だと思うので、言わせてください。


頑張ってください


あの日から、皆さんからたくさんの「頑張れ」をいただきました。

本当に、ありがとうございます。


僕も、頑張ります

*****

 

安易に「頑張って」「頑張るぞ」と口にしますが、

とても重みのある

「頑張ってください」と

「僕も、頑張ります」

だと思いました。

(NHK NEWS WEB から)

カーナビ「真北はどっちだ」

昨日に続いて、カーナビの話です。

皆さんはカーナビを使われる時、

どちらを上に表示させていますか。

常に北を上に表示(ノースアップ)、

または進行方向を上に表示(ヘディングアップ)と、

時と場合によって違うかと思います。

 

私はというと、

道が込み入っていて迷いそうな時は、「ヘディングアップ」でしょうが、

より現在地を確認するためには、

「ノースアップ」でしょうか。

 

このことは、

スティーブン・R・コヴィーが名著「7つの習慣」で言っている、

「真北の法則」と共通するように思えます。

 

「7つの習慣」では、

人は常に、時を見る「時計」と

向かっている方向を見る「コンパス」を持っていると言います。

そして、人生の正しい原理原則を、「真北」と例えています。

 

私たちは「時計」は日々見ていますが、

時として「コンパス」を見るのは怠ってしまいます。

「時計」に追われて、自分を見失いそうな時は、

今、自分はどちらに向かっているか、正しい方向「真北」を向いているかを

確かめようというのです。

 

本校の「真北」はどっちでしょう。

私は生徒や職員の皆さんにたびたび

「命と人権より大切なものはない」

という「真北」を示してきたつもりです。

また、

本校は、

「気づき・考え・実行する」学校生活を通して、

「なりたい自分になる、なくてはならない人になる」

学校だと話してきたつもりです。

 

コロナ禍の中で、道に迷いそうになった時も、

私たちは、この「真北」を確認しながら

歩いてきました。

カーナビは2画面で

皆さんはカーナビを使われる時、画面の大きさはどうされますか。

私はいつも2画面に分割しています。

例えば、左半分は当面の街角、

右半分はもっと広い範囲、たとえば町村ぐらいを表示するモードです。

 

直面した四つ角を曲がるか、直進するかを見る左画面と、

目的地まで行く経路の中で、途上のどの辺にいるかが分かる右画面、

それらが両方とも見られるようにしています。

 

 

これと同じ意味のようなことを、将棋の佐藤天彦八段が言われていました。

 

ただし、距離や縮尺のことではなく、佐藤八段は

「大きな時間軸に身を置くこと」が重要だと言うのです。

(視野を広く持つこと。プロ棋士に学ぶメンタルコントロール術)

*****引用

常に自分自身が今、どういう状況に置かれているのか、

別の角度から客観的にモニターする視点が

必要だと考えています。

特に大きな時間軸の中に自分を置いて

俯瞰してみることが有効かもしれません。

(中略)

大きな視点と小さな視点を統合し、

修正点と評価点を見極めて、

複数の要素を検証、整理することで、

また先に進めるような気がしています。

ネガティブな要素だけに目が向かないよう、

常に心がけています。

*****

将棋盤でいえば、こんな感じでしょうか。

 

(詳細範囲)敵陣と自分の持ち駒のみ見ている。

 

 

(広域範囲)盤面の選挙区全体を見ている。

 

ひふみんこと加藤一二三九段は、対局中、相手側に回って

逆の方から盤面をながめることで有名でした。

「ひふみんアイ」と呼ばれていて、ちょっと変わった行動ですが、

これも視点を変えて視野を広げる意味で効果があるのかもしれません。

 ひふみんアイ

 

物事に行き詰まりそうな時、

状況を落ち着いて見渡し、メタ認知する上で参考にしたい考えでした。

 

私にとってのヒーロー

昨日取り上げたタイガーマスク(伊達直人)に続き、

恐縮ですが、私の中のヒーロー(あと3人)についてお話しさせていただきます。

共通なのは、伊達直人さん同様、

世間には見せられない影を持った、

いわば「二面性」に魅力を感じているようです。

 

1 財前五郎(医師)

「白い巨塔」(原作 山崎豊子)の主人公です。

映画やテレビドラマで、田宮二郎さんや唐沢寿明さんが演じられました。

優秀な外科医ですが、権力欲や名誉欲の塊のような人です。

浪速大学医学部の教授職に就くために、手段を選びません。

しかし一方では田舎に残す実母には優しい一面があります。

 

2 和賀英良こと本浦秀夫(音楽家)

「砂の器」(原作 松本清張)の主人公です。

こちらは加藤剛さんや中居正広さんが演じられました。

放浪の旅の末に、今は一流音楽家になっていますが、

過去を断ち切るために殺人を犯してしまいます。

 

3 モロボシ・ダンことウルトラセブン(宇宙人)

「ウルトラセブン」の主人公ですね。

地球を守るために、ウルトラ警備隊のダンとして、

そしてウルトラセブンに変身して、

怪獣や地球侵略を企てる宇宙人と戦います。

しかし、元の姿がウルトラマンなので、

日常的にダンに変身していると考えるのが正しいようです。

ダンは自分がウルトラセブンだということを隠していますが、

同僚のアンヌ隊員には気付かれてしまいます。

満身創痍でアンヌと別れる最終回は涙なしでは見られません。

 

 

ちょっとしょうもない紹介になってしまいましたが、

アニメやドラマの架空の人物に傾倒してしまうのは、どうも私だけでもないようです。

3月6日(日)の朝日新聞の読者投稿欄「声」 のテーマは、

「みんなで語ろう 思い出のアニメ」でした。

その中に以下の投稿があったのです。

私がこれを見逃すことはありませんでした。

 

*****

思い出のアニメ 「どう生きるか」問うバイブル
会社員 向後明人(千葉県 58)

孤児からプロレスラーになり、恵まれない子供の支えになったり、孤児院を助けたりする「タイガーマスク」。

(中略)

中でも思い出すたびに涙が出るのは、

遠征先の孤児院で出会った盲目の少女に光を取り戻すための手術費用として

、タイガーマスクが自らのファイトマネー全額を充てる話です。

骨太な作画や主題歌の良さ、色あせない血が通った内容。登場人物のセリフなどに魅了されました。

スポ根ものというより「人は人としてどう生きるべきか」を問うアニメだと思います。

さらに2010年末以降、タイガーマスクの本名「伊達直人」名で児童養護施設などにランドセルやお金などを寄付する

タイガーマスク運動が各地で広まりました。

「タイガーマスク」は、多くの人の人生のバイブルなのでしょう。

*****

 

私とほぼ同年配の方の投稿ですが、深く共感したところでした。

(校長室に置いているマスクです。)

日曜午後のタイガーマスク

昨夜テレビをつけたら、

「99人の壁」というクイズ番組が放送されていました。

テレビドラマの主題歌やCMソングについての

クイズの特集でしたが、

アニメソングについてのクイズもありました。

新しいアニメソングから懐かしいものまでいろいろ登場していました。

アニメソングといえば、最近は「鬼滅の刃」でしょうが、

私はクイズに登場した「宇宙戦艦ヤマト」ぐらいは知っていて、

「ドラゴンボール」や「残酷な天使のテーゼ」などは、

先輩や保護者でよくカラオケで歌う方がいたので、知っているぐらいです。

どれも古いですね。

 

私が好きなアニメソングを1曲選ぶとすると、

やはり「タイガーマスク」でしょうか。

といっても「白いマットのジャングルで」「ゆけゆけタイガー」という主題歌ではなく、

エンディングで流れていた「みなしごのバラード」です。

 

アニメ「タイガーマスク」は、私が小学3、4年生ぐらいの時、

毎週日曜日の午後3時から30分間放送されていました。

友だちと遊んでいても中断して、

その時間には誰かの家のテレビの前で、何人かでよく見ていました。

庭に大きな枇杷の木があった、いまちゃん(今村くん)」の家でもよく見たものです。

 

アニメは面白かったのですが、

エンディングでこのテーマが流れると、

楽しい日曜日も、あと少しで終わってしまう気分になって、

なんとなく寂しくなったのをよく覚えています。

よく聞く「サザエさん」症候群みたいなものですね。

 

歌自体は、タイガーマスク本人(伊達直人さん)の「影」の部分を歌っているようなもので、

私は子ども心に

「顔で笑って 心で泣いて」

みたいな浪花節的なキャラクターに惚れ込んでいたのです。

皆さんも日曜の午後、この曲を聴いてみてください。

 

 

「黙歩」について

この欄も最近は生徒会のブログに押され気味ですが、

今日は生徒会の取組についての話題です。

 

先日、生徒会長の鶴長くんが昼の校内放送でよびかけをしていました。

生徒会四役が廊下に掲示した「黙歩」という言葉についてです。

四役が校内至る所に掲示して歩いていました。

 

文字は副会長の岩下さんが書いたそうです。

楷書バージョン。きれいですね。

行書バージョンもありました。さすがですね。

 

鶴長会長の放送の概略です。

*****

各階や廊下に「黙歩」という掲示がしてあるのに気づきましたか?

「黙歩」とは、黙って歩くということです。

東中には、「黙想」(授業開始1分前)と「黙働」(掃除)があります。

しかし、その時だけ静かにして、それ以外は騒いでいいのでしょうか。

皆さんはどう思いますか?

学校は公共の場です。

みんなが過ごしやすい、落ち着ける環境をつくることが大切です。

室内では騒いでいいのか、走っていいのか、

今ここでどう行動すべきか、

気づき・考え・実行する練習の場です。

まだ最初なので難しいかもしれませんが、

「黙歩」を心がけて生活しましょう。

*****

 

安全で静かな「みんなが過ごしやすい、落ち着ける環境」づくりのための行動ですね。

室内での過ごし方も「気づき・考え・実行する練習の場」ととらえるのは、

さすが東中生です。

少しずつでもみんなの意識が向上することを期待しています。

四役の皆さん、ありがとうございます。

 

「永遠の0」について

私が小さい頃は、戦争を扱った映画やドラマが今より多かったと思います。

幼い頃は父と戦争映画を見に行きました。

父は戦時中はすでに成人して、戦地にも行っていたと聞きました。

しかし、父の口から戦争の話は聞くことはありませんでした。

見に行った映画は「特攻隊」や「人間魚雷」を扱ったものだったのを

ぼんやり覚えています。

やはり当時の映画は戦争を美化したような内容で、

涙を誘うような内容だったと思います。

父がどんな思いでそのような映画を私の手を引いて見に行ったのか、

今となっては分かりません。

 

テレビでも米国の戦争ドラマ「コンバット」が人気でした。

私は「コンバット」に出てくるのとそっくりのヘルメットを買ってもらっていたのを覚えています。

ゼロ戦が登場するドラマもあって、

私はその航空用のメガネというか、ゴーグルというか昔の水中メガネのようなものが

かっこよくて、欲しかったのですが、これは買ってもらえませんでした。

↓ これです

 

先日、2年生の社会の授業を参観しましたら、

丸山先生が映画「永遠の0」の予告編を生徒たちに見せていました。

太平洋戦争の学習の導入だったようです。

私はこの映画は劇場公開時に見に行った覚えがありました。

生徒たちも興味をもって見ていました。

 

百田尚樹さんの原作になる映画で、主演は岡田准一さん、

他に井上真央さんや三浦春馬さんも出演していました。

……実の祖父、久蔵が凄腕の零戦乗りで、卑怯者と誹られても

「(まだ見ぬ)娘に会うまでは死なない」と妻との約束を守り続け、

どのような生涯を送り特攻を選んだのか、(Wikipediaから)

……孫の青年が生存者に話を聞いていくという物語です。

 

詳しい内容は控えますが、

丸山先生の授業を見ながら、

この映画を授業で取り上げるとすると、いろいろな視点があるのかなと思いました。

まず、今回のように歴史の授業で、太平洋戦争の背景や当時の庶民の様子などを扱うことができます。

道徳でもできると思います。

たとえば戦争と平和、生命尊重、家族愛

難しいですが、職務と個人の思いについても考えられます。

専門の視点で切り取れば、

美術や音楽でも教材化できるかもしれません。

 

少しネタバレを含みますが、

国語なら、久蔵が敵艦に突入するラストシーンを扱うというのはどうでしょう。

 

この時の久蔵の表情は次のどれだと思われますか。

ア 泣いている  イ 叫んでいる  ウ 笑っている  エ 祈っている  オ その他

 

皆さんが監督(脚本家)なら、岡田准一さんにどう指示されますか。

その理由はなんでしょう。

これを考えるためには、この映画をまた最初から見なくてはなりませんね。

私が考えたのは、エです。

実際のラストシーンは、私にとっては意外な感じでした。

関心のある方は、一度この映画をご覧になってください。

 

 

高橋尚子さんの思い出

東京オリンピック)・パラリンピック大会組織委員会の新しい12人の女性理事候補の中に、

元マラソン選手の高橋尚子さんの名前を見つけました。

シドニー五輪の女子マラソンで金メダルを獲得された高橋さんです。

高橋さんには、直接お会いして、

お話をさせていただいたことがあります。

 

JOCのお世話で、

熊本地震の後の支援活動の一環として、

私の前任校を訪問されたのでした。

重量挙げの三宅宏美さん、

水泳の萩野公介さんと3人でいらっしゃいました。

体育館に集まった小中学生、地域の方を前に、

スポーツの素晴らしさや競技の大変さ、

五輪の裏話などについて、

トークショーをしていただきました。

萩野さんは、すらーっと背が高く、

見るからに体脂肪率が低そうでした。

色が白くて、肌がきれいでした。

三宅さんは、テレビなどで見るよりも一層小柄なかわいい方で、

こんな小柄な方が120キロのバーベルを頭の上まで持ち上げるとは、信じられませんでした。

腰とか膝とかを故障されるのも無理のない、ハードな競技だと思いました。

 

帰路に着く前に、日本選手団の赤と白のスーツから着替えられたのですが、

三宅さんはとてもかわいいスカート姿になられて、照れ臭そうにされていました。

萩野さんは白いTシャツ姿になられましたが、その上半身の筋肉にびっくりしました。

「これしか着るのがないんですよ。意味わかんないでしょう」

とか笑っておられました。

 

(御船中学校 Facebook から)

 

さて、高橋さんは、金メダリストとしての有名な方ですが、

とてもとても気さくな方で、

控室の校長室でも、コロコロとよく笑っていらっしゃいました。

とても周囲に気を遣われていて、

話題が途切れないように、話をされていました。

帰られる時に萩野さん、三宅さんとご自分のスリッパを膝をついて手に取り、

重ねてスリッパ立てに立てていかれました。

とても恐縮でした。

 

どの道でも一流の方は、なんか会う人を元気にしていかれるなと感じました。

 

その高橋尚子さんが

恩師の小出監督から学んだ座右の銘がこの言葉です。

 

*****

何も咲かない寒い日は、

下へ下へと根を伸ばせ。
やがて大きな花が咲く。

*****

 

社会人になってマラソンに取り組み始めてからなかなか記録が伸びない時期に、

この言葉を噛みしめながら、厳しい練習を頑張っておられたと聞きます。

 

寒い日ももう少し。

暖かい春の日がそこまで来ているようです。

生徒の皆さんの伸ばした根が

それぞれの花を咲かすのも、もうすぐでしょう。

 

(2年生が植えてくれたチューリップです。)

それなら三國の鍋洗いを見せてやろう

昨日に続いて、

「私が一番受けたいココロの授業」という本からの引用・要約のつづきです。

*****

それなら三國の鍋洗いを見せてやろう

(昨日のつづき)

しかし、さすが三國氏は「それなら三國の鍋洗いを見せてやろう」と思い直し、

その日は徹夜で、鍋の取っ手のネジまではずし、キレイに磨き上げたそうです。

翌朝、それを見て村上総料理長は、三國氏に「きれいに洗えたね」と言いました。
そこで、三國氏は、「今日は何をさせていただけますか?」と聞いたところ、

総料理長は「そうだなあ。鍋でも洗ってもらおうか」と言ったそうです。
そしてなんと、このあと三國氏は2年間もの間、鍋洗いをし続けたそうです。


もちろんとても悔しかったと思いますが、

三國氏の偉いところは、その時に「鍋洗いなんて・・・」と手を抜くようなことはせず、

「そんなことを言うなら俺の鍋洗いを見せてやる」と

来る日も来る日も鍋をピカピカに磨き続けたことです。


しかし、さすがに2年もの間、鍋洗いだけでは料理の腕は上がらないと思い、

やめさせてもらう覚悟を決めました。
そんな時、総料理長から呼び出され、

「来月から、スイスの日本大使館公邸の料理長をやってもらおう」と言われました。


これは大変な抜擢で、鍋洗いしかしてなくて、20歳の三國氏がそのような大役につくことを

周囲の人は猛反対しました。(当時、帝国ホテルの厨房には600人以上の料理人がいました。)

その時、村上総料理長は、
「鍋洗い一つ見れば、その人の人格が分かる。

技術は人格の上に成り立つものだから、あいつだったら間違いない」
と言ったそうです。


三國氏は、日頃から

「料理道具がキレイでなければ、気持ちよく料理はできないし、いい料理なんてできない」

という信念を持っていました。

だから、誰よりも鍋をキレイに磨き上げないと気が済まなかったのです。
これはまさに吉田松陰の言う

「至誠(まごころを持って事に当たること)」だと思います。

普段やらなければいけないことを徹底的に、真剣にできる人ってすごいですね。

*****

 

いかがだったでしょうか。

イチロー選手も毎試合後、時間をかけてグローブの手入れをすると聞いたことがあります。

「鍋洗い一つ見れば、その人の人格が分かる。

技術は人格の上に成り立つものだから、あいつだったら間違いない」

という言葉は素敵ですね。

 

また、この逸話について、村上総料理長さんが書かれた文章があります。

*****

三國君は私が総料理長だった当時、札幌グランドホテルから帝国ホテルに志願してやってきた。

正社員の枠がなく、パートタイマーで採用したが、やる気があって、よく気がつく男だった。

何にでも一生懸命で、良い意味での「欲」があった。

駐スイス大使への赴任が決まっていた小木曽さんが「専属コックにいい人はいないか」と打診してきたとき、

頭に浮かんだ何人かの候補者の中から、私は三國君を選んだ。

当時、三國君はまだ20歳の若者、しかも帝国ホテルでは鍋や皿を洗う見習いだったため、料理を作ったことがなかった。

では、なぜ私は三國君を推薦したのか。

彼は、鍋洗い一つとっても要領とセンスが良かった。

戦場のような厨房で次々に雑用をこなしながら、下ごしらえをやり、盛りつけを手伝い、味を盗む。

ちょっとした雑用でも、シェフの仕事の段取りを見極め、いいタイミングでサポートする。

それと、私が認めたのは、塩のふり方だった。

厨房では俗に「塩ふり3年」と言うが、彼は素材に合わせて、じつに巧みに塩をふっていた。

実際に料理を作らせてみなくても、それで腕前のほどが分かるのだ。」

(村上信夫著「帝国ホテル厨房物語」(日経ビジネス人文庫)Wikipediaから

*****

 

見る人によっては、見えるものなのですね。

 

料理に限らず、全ての仕事は人格の上に成り立つものだと思います。

私も「自分の◯◯を見せてやろう」というぐらいの気合いを入れて、

目の前の仕事をしようと思いました。

 

オテル・ドゥ・ミクニ】三國 清三 | 食のネクスト・トレンドを語るトーク番組 ヒトサラChef's table(シェフズテーブル)| ヒトサラ

(フレンチの巨匠 三國清三さん)

日本一の下足番になってみろ

下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。

そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ。

 

これは、阪急百貨店、宝塚歌劇団・東宝などを創業した実業家、小林一三さんの言葉です。

(ちなみに、先日この欄に登場(?)した松岡修造さんは小林さんのひ孫さんです。)

Ichizo Kobayashi showa.jpg

 

こんなときだからこそ! 松岡修造に聞く、熱血応援エピソードから、ポジティブに生きるための脳内変換術 - スポーツ -  ニュース|週プレNEWS[週刊プレイボーイのニュースサイト] 

「下足番」とは、丁稚奉公か何かの一番年下の人がする仕事です。

下足番という仕事を軽んじることは不適当でしょうが、

誰でも務まる、つまらない仕事の代名詞として、ここでは使われているのでしょう。

現在で言えば、コピー取りやお茶くみでしょうか。

モチベーションの上がらない仕事とでも言うのでしょうか。

 

小林さんは明治時代生まれで、

この言葉もこののように、時代背景を表しているところがありますが、

私は、なぜか気合いの入る言葉に思います。

 

面白くない仕事、

たいしてやりがいのない仕事と

投げやりになるのではなくて、

どうせやるなら、「日本一」になるぐらいの意気込みでやってみろ、

ということではないでしょうか。

 

この小林さんの言葉に似た逸話をご紹介します。

「私が一番受けたいココロの授業」という本からの引用・要約です。

 

*****

それなら三國の鍋洗いを見せてやろう

 

皆さんは、フランス料理界の第一人者である三國清三(みくにきよみ)氏を知っていますか。
三國氏は、昭和29年に北海道のまずしい漁師の家に生まれました。

そして、昭和44年、15歳の時に北海道でナンバーワンといわれる札幌グランドホテルの厨房に入りました。

三國氏には、料理の才能があったのでしょう。

数年働いただけで、若くして花形シェフになりました。

しかし、三國氏は志が高く料理の頂点を極めようと、当時、日本一のホテルである帝国ホテルに入りました。

帝国ホテルのその当時の総料理長は、村上信夫氏で、フランス料理界では、日本一と言われた方でした。

三國氏は、初日に村上氏から「鍋でも洗ってもらおうか」と言われました。

三國氏にしてみれば、「俺は札幌グランドホテルで人気のシェフだぞ」というプライドもあり

「俺に鍋洗いをさせるとは、どういうことだ」とムカッとなったそうです。

*****

(つづく)

私が一番受けたいココロの授業 人生が変わる奇跡の60分

 

明日の自分は今日の自分が創る

「明日の自分は今日の自分が創る」

これは、本校教育のキーワードです。

 

本校で過ごす一日一日は、

中学卒業後の自分自身のためにあります。

自分が将来「なりたい自分」になるため、

日々充実した生活をしてほしいと思い、この言葉を選びました。

生徒たちに話をする時も、よく引用して呼びかけています。

 

この「明日の自分は今日の自分が創る」と似た意味のことを、

有名な哲学者ニーチェが言っていたのを知りました。

ニーチェの言葉とは、

 

「過去が現在に影響を与えるように、

未来も現在に影響を与える」


というものです。

 

 

過去の自分が現在の自分を作っているというのは、

比較的分かりやすいのではないでしょうか。

「お正月休みにお餅を食べすぎたので、休み明けには5キロ太っていた」

というのが、そういうことです。

「過去が現在に影響を与える」

因果応報とでもいうのでしょうか。

 

「未来も現在に影響を与える」

たとえば、旅の行き先が定まっていなくては、旅の準備はできません。

 今の時期でも、北海道に行くのならコートが必要でしょうし、

沖縄に行くのなら、半袖でいいかもしれません。

 

本校は3年間で「なりたい自分になる なくてはならない人になる」学校です。

では、あなたの「なりたい自分」とは、どんな人なのでしょう。

本校の生徒の皆さんは答えられるでしょう。

 

今日から3月です。

今年度の、特に3年生にとっては中学生活の総仕上げの時期です。

と同時に、卒業、進学、進級を前に準備する「ゼロ学期」です。

次のジャンプのための助走の時期でもあります。

 

1年後、5年後、10年後…

未来の自分を具体的に思い描いてみてはどうでしょう。

そうすると、今日という日をどう過ごすかも

明らかになっていくように思えます。

(平成30年度の入学式の日の様子です。もうすぐ3年が経ちます)

渋沢栄一さんの人間観察「視 観 察」

日曜日といえば、「青天を衝く」です。

先日渋沢栄一さんの「蟹穴主義」について触れましたが、

渋沢さんの「視 観 察」という人間観察についての考えが、示唆に富んでいると思いました。

「視 観 察」とは、人を見る際の次の3つのバージョンのことです。

「視る」・・・その人の表面に表れる行動、外見をみる
「観る」・・・その人の行動の裏にある動機をみる
「察る」・・・その人が心の底で何に満足しているのか、喜んでいるのかをみる

 

私の経験から、思い出す例があります。

 

(視) ある先輩の先生は、声が大きく、行動は速く、外見も豪放な印象でした。

口癖は「ハッキリ言って〜」で、歯に衣着せぬ発言も多かったと思います。

(観)  私は、先輩の言動の裏に、積極的なリーダーシップを見ていました。

(察) ところが、あるピンチに立った時、強くプレッシャーがかかる場面で、

「ここは何か反論すべきではないか」というところで、その先輩は口をつぐんでいました。

後輩や同僚には強く出る人でも、自分より強いところからのプレッシャーには、

立ち向かわなかったように思えました。

それからそも先輩の言動を見ていると、

思い通りに人が動かない時に、特に強い言動を取ったり、

怒ったりしていることが見えてきました。

積極的なリーダーシップに見えていたものは、

自己中心的な行動の一つの表れだったのかもしれません。

 

(視)また、別のある上司は、とても細部にこだわる人で、

プリントや文書の一字一句まで、指摘を受ける部下の私たちは「細かいな〜」とちょっと辟易していました。

(観) きっと外に文書が出た時に恥ずかしいんじゃないのかな、

自分の体面を優先されてるようだな、ぐらいに感じていました。

(察) ところがある時、私が初歩的な連絡や準備不足である大失敗をして、

外部からひどく苦情というか批判を受けたことがありました。

その時、その上司はすべて自身の責任として引き受けて詫びてくれて、

できない部下の私の盾となって守ってくれたのです。

他の部下たちと一緒に集められた時、私は厳しく叱責されるのを覚悟していましたが、責められることは一言もありませんでした。

「部署全員で今まで以上に協力して乗り切っていこう」というような話をされて、

私には「次からこうしていこう」という具体的なアドバイスをくれただけでした。

私は、「この上司は組織としてのあり方や部下の気持ちをよく考えてくれているのだな」

と、その上司を見る目が少し変わりました。

しばらくして、私の作った、ある大切な会議の資料に誤字が一字あるのを、

その上司が深夜に携帯電話で教えてくれたことがありました。

翌日の午前に会議は開かれるので、今夜のうちに知らせてくれたのだと思います。

残業を終えて自宅でもう寝ようとしていた私は、少しびっくりしました。

上司は私よりずいぶん前に帰宅されていたからです。

後から聞いたのですが、

資料を持ち帰ってもう一度じっくり見直していたのだそうです。

前回の失敗の時と同じ人たちが出席する会議だったので、

特に会議の主査である私のことを気にかけて(大丈夫かなと心配して)くれたのだと思います。

 

翌朝、資料の差し替えのために、いつもより2時間ほど早く出勤すると、

程なくその上司もやって来て、手伝ってくれました。

「よかったな、これでもう大丈夫だ」と

作業が終わった時に見せてくれた笑顔は忘れられません。

 

表面的な部分だけで人のことは分からないものです。

難しいことですが、「察する」ことも心がけていきたいと思います。

 

これは「ウルトラセブン」のウルトラ警備隊です。

左から3人目がキリヤマ隊長です。

心に残る1972年のオリンピック後編

昨日に続いて、1972年のオリンピックの思い出です。

この年は2回オリンピックがあったのです。

札幌で冬季オリンピックが開催されました。

 

冬季オリンピックは当時それほどポピュラーではなかった気がします。

競技について、スキーの滑降や大回転、スピードスケートやフィギュアスケートは

一般に知られていたと思いますが、

リュージュやボブスレーなど、初めて知りました。

いわばソリを使ったスポーツですが、スピードが出て怖そうでした。

特にリュージュは、小学生の私には、楽しいスポーツとはとても思えず、

「趣味の楽しみでやる人は絶対いないだろうな」と思ったのを覚えています。

(これがリュージュ)

 

そんな中、札幌五輪の前に雰囲気が盛り上がってくる頃、

コカコーラの王冠の裏をめくると(昔はコーラやジュースは瓶で飲んでいました)、

冬季オリンピックの各競技のピクトグラムが出てきて、

それを全競技揃えようと、友達と一生懸命集めていたのを覚えています。

(ネットで調べると画像が見つかりました。こんなモノでした。懐かしいので引用します)


当時日本は冬季オリンピックで、まだ金メダルを獲ったことがありませんでした。

そこで、世界大会で実績のあったスキージャンプに、

金メダルの期待が集まっていました。

主力選手へのインタビューでは、事あるごとに金メダルの期待が話題にされていて、

子ども心に、選手が追い詰められている感がわかる気がしていました。

 

いよいよ70メートル級ジャンプの試合当日、

「日の丸飛行隊」(この愛称も今振り返るとゼロ戦か何かを連想させて、ちょっと悲壮感が漂いますが)

と呼ばれた、笠谷、今野、青地の3選手が、

金、銀、銅の表彰台を独占するという素晴らしい結果を残したのでした。

 

私も、特に笠谷選手がジャンプするのを待つ間は、

テレビの前で祈るようにして見ていました。

一人の競技はほんの数秒、

特に踏み切りをして中空へ飛び立つ瞬間などは、ほんの一瞬ですので、こっちまで緊張しました。

ご本人の緊張感は想像もつきません。

 

2本目に美しい姿勢で着地した瞬間に、

実況のアナウンサーが

「飛んだ、決まった!」と叫びましたが、

私は「ああ、このセリフは前もって考えてきたんだろうな」と思いました。

と同時に、もしジャンプを失敗していたら、なんと言うつもりだったのだろう、準備していたのかな、などと、

しょうもないことを考える小学生でした。

 

 

しかし、続く90メートル級の試合では、

2本目に風が止まず、焦れた感じで滑り出した笠谷選手を空中で突風が襲い、

70メートル級に続くメダル獲得はなりませんでした。

たまたまその時に吹いた風で明暗が分かれるとは、仕方ないとはいえ、

厳しい競技です。

 

ただ、笠谷選手がスタート台で少し長く待たされた時に、

国民の期待などが脳裏をよぎり、

今飛んでしまえば、その重圧や期待に耐えるのもこれで終わりになる、

とご本人が思ったかどうか分かりませんが、

そんな吹っ切れた感じで飛び出していったように思いました。

スポーツの世界は厳しいものです。

 

笠谷選手の2本目が失敗に終わって、

「あーあ」みたいに言っている人たちの表情を見ると、

小6の私は少し腹が立ちました。

勝手に期待して勝手に失望するのが大衆でしょうが、

笠谷選手ご本人に後悔がないなら、

これで解放されたならいいよな、と思いました。

笠谷さんは後年、「ジャンプは好きだ。けれどオリンピックはきらいだ」と語られているそうです。

 

(90メートル2本目の後うずくまる笠谷選手。この当時の新聞記事には「惨めな結果に終わり…」とあるそうです)

 

ただ、それからしばらくは

ある時は校庭の滑り台から、ある時はとび箱の上から飛び降りて、

片膝を曲げて、両腕を水平に広げて着地する練習?に

私たちは没頭したのでした。

 

心に残る1972年のオリンピック前編

私は牛深東中学校に来て、4年になります。

4年というと、トランプ大統領の任期と重なります。

彼ほどではありませんが、私もわがままを言って、

ずいぶんご迷惑をおかけしたことと思っています。

申し訳ありませんが、あと少しの任期、どうぞよろしくお願いします。

さて、4年と一口に言っても、短いようで長いものです。

4年に1度に行われる予定だった東京オリンピックですが、

会長さんが交代し、いよいよ正念場ですね。

今日は私の心に残っているオリンピックとして、

1972年のミュンヘンオリンピックについて、お話ししたいと思います。


ミュンヘンオリンピック 

男子バレーボール 日本対ブルガリア(1972年)

金メダルを期待された全日本男子バレーチームが、

準決勝でブルガリア相手に、セットカウント0-2から、

大逆転した試合です。

当時私は小学6年生でした。

時差の関係で未明までかかって中継されたと記憶しています。

ですから、私は生中継を見ていたのではなく、

翌朝ニュースか何かで見て感動したのだと思います。

当時は「ミュンヘンへの道」という、

この男子バレーチームを描いた番組が、

たしか日曜日7時半から放送されていて、

毎週見ていたと思います。

アニメと実写が一緒になって、

現実の五輪への取り組みと

番組がドキュメントとして同時進行していくという、今思えば画期的な番組でした。

番組の想定通り、本当に金メダルが取れるのかヒヤヒヤドキドキしていたものです。

いぶし銀のようなセッターの猫田選手、ハンサムな嶋岡選手など、実在の選手たちなねまつわるエピソードも描かれていました。

身長2メートルほどの選手たちが、

逆立ちしてコートの周りを何周も回るという練習や

今でもあるのでしょうか、

「一人時間差攻撃」

などというのも出てきて、

まるで巨人の星とかのスポ根アニメのようでした。

(アニメのオープニング)

 

覚えているのは、エースの1人横田選手が腰が悪いということで、

腰に自転車のタイヤのチューブを巻いて出場しているという話です。

私もその後同じように腰を痛めて自転車のチューブを巻いて生活するようになるとは思ってもいませんでした。

また、そこで登場していた大古選手は、のちにたしかサントリーという実業団チームの監督をされましたが、

東京に出張した時、ホテルの朝食会場で選手たちと食事をされている大古監督に遭遇したこともありました。

皆さん、大きい人たちばっかりでした。

 

それはさておき、

前回の東京オリンピックで金メダルを取って

「東洋の魔女」(このニックネームからはプロレスマンガを連想するのは私だけでしょうか)

と世界から恐れられた、

全日本女子バレーチームに負けじと、

「なにくそ、今にみておれ」

と歯を食いしばって努力した大男の皆さんをまとめていった、

小柄の松平監督の信念とリーダーシップは、

今でも色褪せないと思います。

 

決勝で東ドイツを破った全日本(毎日新聞から)

(主題歌に乗せてミュンヘン五輪の様子が見られます)

「努力する人は希望を語り」について

昨日は「なおみ風格」について考えましたが、

野村克也さんは、

「人格や品格を問われる年齢がある」

というような言葉を残されています。

 

やはり一般的には、年齢相応の風格や品格が求められるのかなと思いました。

野村さんといえば、

今春久しぶりに日本球界に復帰した田中将大投手を、

前回の楽天時代にエースとして育成されましたね。

「マー君、神の子、仏の子」とか名言(?)を残されました。

当時の野村さんは毎試合後に記者団の前で「野村節」でボヤいていました。

選手にやる気を起こさせたり、ある時は相手チームを牽制したり、またある時はマスコミ対策のために、

作戦としてボヤいておられたようです。

 

私などは自分の努力不足は棚に上げて、

ついついボヤいてしまうことの多い今日この頃ですが、

こんな言葉があります。

 

「努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る」

作家・井上靖さんの言葉だそうです。

以前、ある校長室にこの言葉が掲げてあり、

厳しい校長先生なのだどうなと思ったことがありました。

 

希望と努力は二つで一つなのですね。

前向きに希望を語れる人は、努力している人なのでしょう。

逆に、不満を言ってばかりの人は、

怠けたいのでその理由を延々と並べるのかもしれません。

今日も自戒したいと思います。

「なおみ風格」とは

大坂なおみ選手が、先週の全豪オープンテニスで優勝されましたね。

いつか全米オープンで決勝を争ったセリーヌ選手も破って、

決勝も素人目には、危なげないような強さだったようです。

 

この決勝について、松岡修造さんがブログで熱く語られています。

(「松岡修造、大坂Vで大興奮「なおみ風格炸裂!」「“なおみテニス”を止められない!」Yahooニュースから引用)

 

*****

苦しみながらも奪った第1セットについては、

「自分のテニスができないなかでもフットワーク、心の安定感があった。

だからこそ、5-4での最後の2つのポイントは、大坂さん自ら相手のミスを誘ったのです。

これがすごい!」

「相手がなぜミスをしたか? それはブレイディにとって、

相手がNAOMI OSAKAだったから」などと分析。

そして「なおみ風格炸裂!」とつづっている。

*****

 

この「なおみ風格」というのが面白いですね。

先日もふれましたが、将棋の藤井聡太二冠もすでに強豪としての「風格」があり、

相手にある意味「信用」されているようです。

将棋中継の解説者が、

藤井くんが終盤で時間を使わずに指し手を進めだすと、

「これは詰みがあるんでしょうね。藤井二冠が指してるんですから」

と言ったりします。

 

プロ野球の世界でも、

王選手が際どいボールを見送ると、

「王が見送ったのだから、ボールだな」と、審判はボールに判定したという、

「王ボール」というものがあったそうです。

 

これらは、高い技術や強さはもちろんですが、

勝負以外の面でのその人の「風格」も影響しているでしょう。

大坂なおみ選手は試合後の振る舞いや

コート外での言動も

落ち着いていて、少しユーモアもあり、

負かされた相手が反感を持たないような「風格」がついてきましたね。

 

人は年齢や経験、地位などから

このような「風格」がつくものなのでしょうか。

私はちょっと努力不足を認めざるを得ませんので、

今後気をつけたいと思っているところです。

二つの「為せば成る 為さねば成らぬ」

上杉鷹山

「江戸時代中期の大名。出羽国米沢藩9代藩主。領地返上寸前の米沢藩再生のきっかけを作り、江戸時代屈指の名君として知られている。」(Wikipediaから)

江戸時代としては革新的な財政改革や教育改革などを断行し、米沢藩(現在の山形県)を立て直しました。

実際に藩内の農村を歩いて回り、人々と直接会話を交わして、施政の参考にしたという逸話も多く残っているようです。

また、ケネディ大統領が日本人記者のインタビューで、

「尊敬する日本人」として鷹山を挙げたということで、注目を集めたそうです。

たしか、日産の元社長のカルロス・ゴーンも、鷹山のことを知っていて、

鷹山を引き合いに出して、ゴーン自身も工場を歩き回ってコストカットに取り組んでいたと思います。

 

上杉鷹山の

「してみせて言って聞かせてさせてみる」

という言葉をアレンジして、

「やってみせ、言って聞かせて、やらせてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」

と言ったのは、山本五十六です。

この言葉は人に物事を教える際のポイントを端的に言っていて、有名ですね。

 

他にも、鷹山の詠んだ有名な歌があります。

「為せば成る 為さねば成らぬ」

で始まる歌で、皆さんもお聞きになったことがあるでしょう。

この後は「何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」

と続きます。

 

為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり

 

「トライすれば何事も達成できる。達成できないのは、トライしないからだ」

という、藩の改革を断行したリーダーシップの持ち主らしい言葉ですね。

私も長くこの言葉に元気づけられてきたように思います。

 

しかし、この鷹山の歌には、彼が参考にしたであろう元歌?があります。

 

それは、

為せば成る 為さねば成らぬ 成る業(わざ)を 成らぬと捨つる 人の儚さ(はかなさ)

という歌で、

詠んだのは戦国時代の武将、武田信玄です。

「トライすれば達成できることを、どうせできないとあきらめてしまう、人のはかなさよ」

という意味でしょうか。

「どうせできないとあきらめてしまう」人間というものを、

「はかない、むなしいものだ」とため息をついているようです。

鷹山の歌の果敢な感じ、断固とした感じに比べると、

信玄の歌は、「なんでみんなそうなのかなあ」「わかんないのかなあ」

という嘆きも伝わってきます。

昔からリーダーは孤独なものだったのでしょう。

 

今日は、私より一つ年上の天皇陛下のお誕生日です。

一昨年の5月には、半蔵門のところで

車から手を振っておられるお姿を、直接拝見することができました。

心からご健康をお祈りします。

 

床屋さんに学ぶ「かつがつ」

先週の2月20日は、アントニオ猪木さんの誕生日でした(1943年 今年78歳になられました)。

また、この日は、長嶋茂雄さんの誕生日でもあるそうです(1936年 今年で85歳になられました)。

(ちなみに、昨年惜しまれてお亡くなりになった、志村けんさんも同じ日が誕生日だそうでした。 1950年)

奇しくも各界の国民的なスターが、同じ誕生日とは、少し驚きました。

これもまたちなみに、私と同じ誕生日の有名人には、

TOKIOの松岡くん、深津絵里さん、レスリングの浜口京子さんや元横綱輪島関など、そうそうたる(!)メンバーがおられます。

最近、元プロレスラーのアブドーラ・ザ・ブッチャーさんも同じ誕生日と知って、

びっくりしました。

(ただ、ブッチャーさんは生年に2つの説があるという、謎に満ちた方です。)

 

なぜこのようなことに話が脱線しているかというと、

私は昨日床屋さんに行きました。

私はふだん、1日に3秒も鏡を見ないのですが、

久しぶり(?)に鏡に映った自分を見たところ、

「髪に白いものが増えたなー」と改めて思い知ったのです。

長嶋さんも猪木さんも高齢になられましたが、笑顔の姿を時々拝見して、

私も歳を取ったけど負けてはいられないなあと思ったところです。

 

ところで、今日の本題は、その床屋さんでのことです。

床屋さんが髪を切った後に、床に散った私の髪の毛を、きれいに掃いて片付けてしまい、

それから顔そりにかかられるのを見て、

一つの仕事を片付けて、そして次、と段取りをされているのに、

今さらながら気づいたのでした。

 

もちろん、店の床を清潔に保つ意味もあるでしょうし、

次のお客さんを呼ぶときに、スムーズに行くこともあるでしょう。

髪を切っているお客さんが「やっぱりもうちょっと後を刈り上げて」

などと言うチャンスもあります。

 

熊本弁では、こういうことを

「かつがつ」片付けると言いますね。

調べてみると(goo辞書)こう書いてありました。

*****

かつ‐がつ【且つ且つ】 の解説[副]

1 不十分ながら成り立つさま。どうにか。ともかく。「やりくりして且つ且つ家計を維持する」

2 とりあえず。急いで。「―里内裏 (さとだいり) つくるべきよし議定あって」〈平家・五〉

3 その時期でないのに、早くも。「我が山の衆徒、―以て承悦す」〈平家・七〉

4 少しずつ。ぼつぼつと。「要法など―伝授しけり」〈沙石集・二〉

*****

もともとは古語で、源氏物語にも用例があるようですが、

熊本弁で使うときの意味は、上記4の「少しずつ」ですね。

 

熊本弁では、「ばってん」「あとぜき」「武者んよか」「むぞらしか」など、

有名な言葉がたくさんあります。

私は方言にはその地方の庶民の息づかいが聞こえそうで、好きなのですが、

「さでくりきゃあこけた」などと言うと、すごい勢いで転んだ様子が目に浮かびそうです。

さぞ痛かったでしょうね。

 

私は、この「かつがつ」も好きな熊本弁の一つです。

同じ少しずつという意味の共通語には、「コツコツ」がありますが、

「かつがつ」とは少しニュアンスが違いますね。

「かつがつ」には、「その都度」「こまめに」「怠らず」といったいった意味が含まれているように思います。

 

校長室の片付けも「かつがつ」しまい(牛深弁)、と思うこの頃です。

 

「床屋さんイラスト」の画像検索結果

「1センチ」なら前に進める

またまた今日も、

元CAのマナー講師、松澤萬紀さんの

「1秒で『気がきく人』がうまくいく」から気になったいい話を紹介します。

 

(昭和58年ドラマ「スチュワーデス物語」から)

 

1メートル前に進めなくても、「1センチ」なら前に進める

という話です。

 

*****

「1センチ」なら前に進める

中学生時代、剣道部に所属していた私は、

顧問の先生に「おまえは、試合をする前

から負けている」

と指摘されたことがありました。

なぜかというと、

審判の「はじめ!」の掛け声の直後に、

無意識に一歩下がるクセがあったからです。

戦う前から対戦相手の気迫にひるみ、

自分から逃げていたのです。

*****

 

松澤さんは、

「怖くても、一歩前に出なければいけない。

技術ではかなわないのだから、

せめて、気持ちで負けないようにしよう」

そう思うようになってから、少しずつ変わったと言います。

剣道の市の大会で3位の成績を収めるなど、

「一歩だけ前へ出る勇気」が

大きな結果につながるようになったそうです。

 

*****

「ほんの一歩だけ前へ出る勇気」なら、

誰もができるのではないでしょうか。

(中略)

CA(客室乗務員) の試験に7回も落ちながら、

それでも空を飛ぶことができたのは、

「一歩だけ前へ出る勇気」を持って、

「不合格」になることを怖がらなかったからです。

*****

まず1センチなら私にもできる、

という気持ちになりませんか。

松澤さんの本には、体験談とそこから導かれた

参考になる話がたくさんありました。

(昭和45年ドラマ「アテンションプリーズ」から) 

笑顔には、「3つの笑顔」がある

昨日に続いて、元CAのマナー講師、松澤萬紀さんの

「1秒で『気がきく人』がうまくいく」から、ちょっといい話を紹介します。

笑顔には、「3つの笑顔」がある

という話です。

 

*****

空の上で、500万人以上のお客様と接してきてわかったことがあります。

それは、笑顔には、「3つのタイプ」があるということです。

1 【自然と出る笑顔】

おいしい食事をしているとき、好きな人に会ったとき、友だちに会ったとき、楽しい会話をしているときなどに、自然と出る笑顔。

2【損得でつくられた笑顔】

「買わせよう」という思いが透けて見える接客用の笑顔。

「良く思われよう」という下心を感じさせる笑顔。心がともなっていないつくりものの笑顔。

*****

 

この2つの笑顔はすぐ思いつきますね。

では、CAさんが大切にしているという、もう一つの笑顔とはどんな笑顔でしょう。

 

*****

3 【相手の心を救う笑顔】

相手のためにつくる笑顔。1や2のように、「自分の気持ち」のあらわれとしての笑顔ではなく、

「相手の気持ち」を心地良くするための笑顔。

相手のために、たとえ、自分がしんどくてもつくる笑顔。

*****

 

松澤さんが現役のCAさんの時に、先輩CAから

「つらいときこそ、笑ってね」とアドバイスをもらったそうです。

 

*****

「松澤さん、CAは、落ち込んでいるときも、疲れているときも、泣きたいときも、笑顔を忘れてはダメ。

なぜなら、CAの笑顔は、お客様のためにあるのだから。

飛行機が揺れているときも、松澤さんのその笑顔を見たら、お客様は怖くなくなるはず」

 

私は先輩から、「笑顔には、人の心を明るく、やさしく、おだやかにする力がある」ことを教わりました。

笑顔は、自分のためのものではなく、人を元気にしたり、励ましたりするためにある。

そのことに気がついてから、私は、心配事があるときでも、

笑顔でいられるようになったのです。

*****

 

東中では、

1の「自然と出る笑顔」がたくさんあります。

生徒たち、先生たちの笑顔が絶えることはありません。

 

2の「損得でつくられた笑顔」については、学校ですので、ほとんど見かけないかと思いますが、どうでしょうか。

 

では、3の「相手の心を救う笑顔」はどうでしょう。

CAさんのように、お客様の安心のための笑顔、というわけではありませんが、

「人を元気にしたり、励ましたりする」笑顔を意識して生活する人が増えれば、

もっと素晴らしい東中になるかもしれません。

先輩CAさんは「つらいときこそ、笑ってね」と言われたそうですが、

それは難しいことですね。簡単にはできません。

 

その先輩も新人の頃、その先輩から同じようなアドバイスを受けたのかもしれません。

つらいときに笑顔になるように努力を重ねて、

今度は後輩にアドバイスできるようになったのではないでしょうか。

 

東中の笑顔も伝統となってつなげていけるといいなと思いました。

(映画「ハッピーフライト」から

「小さいことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に」

1秒で「気がきく人」がうまくいく

という本がここにあります。

著者は松澤萬紀さんというマナー講師の方です。

以前、CAさんの採用試験に8回目の挑戦で合格し、

ANAで12年間CAさんをされたという経歴の持ち主です。

CAさんを経験された方らしい、いろいろなエピソードが掲載されています。

 

今日はその中から少しご紹介します。

「業界で、ダントツの成果を上げている方々に共通していたのは」と聞くと、

どんな共通点だと思われますか。

松澤さんは、

「ほんの『1秒』という短い時間の中で判断をくだし、

非常に『気がきく習慣』を、いつも実行されているということ」

だとおっしゃっています。

 

「99%の人がやっていないこと」でも「やろうと思えば誰でも実行できる」、

「たった『1秒』意識することではじめられる習慣」だそうです。

どんなことかその一例を引用してみましょう。

*****
先日、ファーストクラスを担当している友人のCA数人に、

「どんなお客様に魅力を感じるか?」と尋ねたことがあります。

彼女たちは、そろって「同じ答え」を口にしました。

何と答えたと思いますか?

*****

?なんでしょう。

芸能人とか、チップをくれる人(航空機内ではそんなことはないでしょうか)?

 

*****

正解は、「きちんと、挨拶をしてくださるお客様」です。

たとえば、日本を代表する俳優であった高倉健さん。

CAが「ご搭乗ありがとうございます」と挨拶をしたところ、

高倉健さんは、わざわざ席を立って、

「こちらこそ、ありがとうございます」と丁寧に挨拶を返してくださったそうです。

たった「1秒」の挨拶のために、

席を立ってくださった高倉健さんの誠実さに、

友人のCAは、大きな感動を覚えたといいます。

*****

 

高倉さんが丁寧な挨拶をされる方だったということは、

以前「高倉健さんの最敬礼」という記事で、このブログでもご紹介しました。

 

また、

*****

私が、テレビ「はなまるマーケット」(TBS)に、生出演させていただいたとき、

とても印象に残る挨拶をしてくださった出演者がいます。

薬丸裕英さんと、いとうあさこさんです。

私がスタジオに入ったのは、出演の数分前でした。

コマーシャルの間に「松澤さん、入ってください」と声をかけられ、

私はそこではじめて、出演者の方々と対面しました。

コマーシャルが終わるまで30秒ほどしかありませんでしたが、

出演者のみなさんに「松澤と申します。よろしくお願いいたします」と挨拶をしました。

みなさん、笑顔で「よろしくお願いします」と返してくださったのですが、

時間が差し迫っているため、「台本で進行を確認しながら」挨拶を返す方もいらっしゃいました。

生放送ですから、無理もありません。

ところが、薬丸裕英さんと、いとうあさこさんは、心に残る素敵な挨拶を返してくださいました。

お2人の挨拶は、きちんと私に体を向け、私の目を見て、

「こちらこそ、よろしくお願いします」と、

とても丁寧に頭を下げてくださったのです。

私を受け入れてくださっていることが伝わり、気持ちを落ち着かせて出演することができました。

秒単位で進行するテレビの生放送にあって、貴重な「1秒」を私に捧げてくださったことがとても嬉しく、

私はすっかり2人のファンになりました。

*****

 

こういった話を読むと、

「こちらこそよろしくお願いします」という、

何の変哲もない日常の言葉が、

とても美しい言葉に思えます。

たった1秒ほどの挨拶のお返しですが、いいですね。

 

松澤さんによると、

ANAでは「小さいことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に」

という言葉を、先輩たちからよく教えてもらったそうです。

「たった1秒」の挨拶こそ、この言葉が当てはまるのだと思いました。

 

関心がある人は……

 

100%好かれる1%の習慣☆松澤萬紀のブログ

 

マナー講師・松澤萬紀さんが教えてくれた、コーヒーがよりおいしく味わえるコミュニケーションと8つのマナー|コーヒーは人の心と心を近付ける接着剤——コミュニケーション編(前編)

 

過去の行為の責任の取り方について

熊本県公立学校「心のアンケート」を本校でも実施しました。

「いじめられたことがあるか」という設問の該当は1件で、

この件は、生徒による早めの相談と、先生方の丁寧な対応で解決を見ています。

謝罪などをしてからも、3か月は先生方で目配りをして、

その後いじめが続いていないか、確認をしています。

引き続き、人権を大切にする指導をすべての教育活動の中で取り組んでいきます。

 

ところで、このようなニュースをご覧になったでしょうか。

読売新聞の記事には、こうあります。

「韓国女子バレーボールの主力選手として、東京五輪での活躍が期待された双子姉妹が、

子供時代のいじめを理由に代表チームから追放された。

厳しい処分には、暴力根絶に取り組む韓国スポーツ界の強い姿勢もある」

韓国バレーの「アイドル」双子姉妹、子供時代のいじめ理由に代表追放

 

なぜ今になって告発されたのかには、SNSの影響もあるようですし、

当の本人たちも事実を認めているようです。

その他の詳しい経緯は分かりませんが、報道された部分を見ると、

過去のいじめ体験を根拠に代表追放とは、厳しいなと思いました。

 

 

Yahoo!ニュースによると、元陸上選手の為末大さんは、

「日本のスポーツ界で同じような事例が出てきたとき、

どのような判断をし、どのようなメッセージを出すかの用意は各協会しておいた方がよさそうです」

と危惧されていると述べられたそうです。

 

また、韓国でいじめ代表剥奪「過去の過ち」日本との違いという、

日刊スポーツの記事を目にしました。

筆者は、「ソウルで生まれ、19歳で来日した。以降33年間、日本で生活している」盧載鎭さんという方です。

私はこの記事を読んで、考えさせられました。

 

一部引用します。

*****

日本は「学生の時は不良でした。今は真面目に頑張ってます」

「子供の時に番長やってました。今は生まれ変わりました」「昔はワルだった」などと公言するスポーツマン、芸能人がいて、

過去の過ちから立ち直ったことを美談としてとらえられる傾向がある。

元不良に再生する機会を与え、過去は過去として今の成功に目を向けがちだ。

*****

日本には「水に流す」という慣用句もあります。

 

一方、韓国では、

*****

同様の過去が明らかになった場合、

まずは当時被害を受けて苦しんだ被害者のことを考える。

いじめられたことが原因で、将来プランが崩れた人もいるだろう。

いまだにトラウマに苦しむ人もいるし、ひどい場合には自らの命を絶つ人もいる。

当時は人格的にも年齢的にも未熟だったにせよ、

何年前だろうが、加害者は社会的制裁を受けるべきで、

再生するのは罰してからと思われる節が強い。

*****

 

という見方です。

日本では、現在、不祥事を起こしたり(たとえば芸能人の不倫)、

犯罪を犯したり(たとえば薬物乱用)したときは

厳しい処分(解雇や活動停止など)があります。

(ただ、芸人の方などが活動再開後、自らの不祥事を「自虐ネタ」にして笑いを取ろうとするのは、

私は好きではありません。)

 

過去に遡った場合はどうでしょう。

こういったことを、「国民性の違い」で済ましていいのか、

欧米では同様のケースはどうなのか、

過去の行為の責任の取り方はどうすべきでしょう。

犯罪なら「時効」という要素もありますが。

私には簡単には答えは見つかりません。

 

盧載鎭さんは、記事の最後にこう書かれています。

*****

双子の李姉妹が日本人ならどうだったか。

「なんでいまさら?」

「よく立派に再生した」

「罪滅ぼしのためにも、東京オリンピックで頑張れ」

という流れになりはしなかっただろうか。

果たして、学生時代の暴力が代表剥奪までつながるだろうか。

賛否はあり、どういう対応が適切かはわからない。

*****

「女子バレー イラスト」の画像検索結果

「藤井聡太二冠、高校を自主退学」について

将棋の藤井聡太二冠が卒業を3月に控えて、

自主退学したことが報道されました。

 

藤井聡太王位が1月末に高校自主退学 「将棋に専念」 秋に決断

 

藤井くんは、名古屋教育大学附属中学校から、同附属高校に進学されていました。

そもそも、中学3年生の時に鮮烈な連勝記録を打ち立ててデビューしていた彼は、

高校に進学するのか?と言われていたぐらいですので、

やっぱり高校の学業と一流棋士との両立は難しかったのだな、と言えば

それで話は早いのですが…。

 

 

私は将棋が好きで、よく観戦するのですが、

藤井さんの強さは並大抵ではないですね。

弱冠18歳で、他の先輩一流棋士に

「どんな将棋だって、相手が藤井くんなら負けたって仕方ないかな」と

思わせているようです。

 

さて、冒頭のニュースを見て、私は二つの感想を持ちました。

 

まず、高校の授業がつまんなかったのだろうな、ということです。

藤井くんといえば、

中学校の時に宿題を出す先生に

「授業中に理解しているのに、

なぜ、わざわざ家でまた勉強しなくてはいけないのですか」と質問して、

当の先生が言葉に詰まったというエピソードがある人です。

想像ですが、大学入試に照準を合わせた進学校の授業は、

つまらなかったのではないでしょうか。

 

本校では、ただ量をこなすだけの課題ではなく、

各自が確認テストの目標を持って家庭学習を行う

「苓南タイム」に取り組んでいるところです。

 

二つめ。

18歳で、学校を辞めてまで打ち込める道を持って、

確信して進めるのはすごいなということです。

中学高校のクラスメイトや学生生活を離れてまでして、

「一層精進していく所存ですので、今後ともよろしくお願い申し上げます」

と言い切っていますね。

本来、趣味にする人が多い将棋というボードゲームを

一生の仕事にして大丈夫かなと思ったりしますが、

趣味はパソコンの組み立てだそうですから、

私などとは頭脳の仕組みが違うのでしょうね。

 

ただ、私が好きな棋士の一人、

糸谷哲郎八段は、

棋士になってから大阪大学に進学し、

同大学院まで卒業して、将棋も八段までになりました。

 

スーパーな頭脳も、いろいろなタイプがあるのでしょう。

生徒の皆さんも3年後までに、

「一層精進していく所存です」と集中できる道を見つけられるでしょうか。

【ローソン×糸谷哲郎八段】本を読み、哲学する心地よさ――糸谷哲郎八段の素顔(PM3時の棋士たち)

中学新入学の頃

昨日は、本校の新入生説明会でした。

本校の説明会は、

ほとんどが生徒会と部活キャプテンによる説明です。

「先輩」として恥じないよう、

気合を入れて準備していました。

生徒会としては最初の大きな出番でした。

プレゼンを工夫して、堂々と説明ができました。

まだまだ改善点も見えましたが、

合格点だったと思います。

皆さん、お疲れ様でした。

 

さて、私の中学新入学は、なんと昭和48年のことです。

どんな時代だったか調べてみると、

オイルショックでトイレットペーパーが不足する騒動があった年でした。

映画では、ブルース・リーの「燃えよドラゴン」、芸能界では百恵ちゃんたち「花の中3トリオ」が人気だったようです。

 

その時、中学校に入学して、私が驚いたこと。

まず一つめ、給食がなく、弁当だったこと。

学校でパンを買うこともできました。

毎朝、日直がパンの予約注文を取って、校内の売店に注文票と集めたお金を持って行き、

4時間目が終わったら、売店にパンの入った箱を取りに行っていました。

二つめ、中学校が遠くなったこと。

今、Googleマップで調べてみると、2.3km30分弱と出ます。

小学校に比べると、距離は約4倍になったことになります。

当時は、まだまだ遠かった印象がありました。

40分ぐらいはかけて、帰りは寄り道しながらテクテク歩いていた記憶があります。

三つめ、カバンが重くなりました。

当時は手提げの皮製の「学生カバン」でした。

教科書が厚く重くなったので、取手が手に食い込んでいました。

学生カバン、今でもあるのですね、

このような物です。

また、当時はシャープペンはあったには、ありましたが、

一般的ではなかったので、

小学校では、マンガがプリントされたえんぴつを使っていたのですが、

中学校に入ったら、学生っぽい、かっこいい

MONOを買ってくれたと思います。

ネットを見ると、このような画像がありました。

このようなかっこいい透明のケースに入っていたのです。

あとは、制服が重かったこと、

部活の先輩がとても大人に見えたこと、

定期テストで順位が張り出されてびっくりしたこと、

などなどいろいろありました。

教科書が白黒だけで(最初の数ページはカラーの口絵でした)、文字は小さく、厚くなり、

「数学」などとある教科書を広げるだけで、

頭がよくなったような気がしていたものです。

「中学校の教科書」には、入学前から憧れていて、

6年生の時、近所の高校生の玄関前に、

中学校の国語の教科書が

ヒモでくくって、ちり紙交換?に出されていたのを見つけて、

頼みこんでもらってきて、読んでみた覚えがあります。

その時読んだ教科書に「魔術」という、芥川龍之介の短編小説が載っていました。

ラストのどんでん返しは、よく覚えています。

光村図書のホームページで調べてみたら、

昭和41〜43年に使われていた、中1のこの教科書だということが分かりました。

1年生の皆さんがこの頃学習した、「少年の日の思い出」も載っています。

(テスト勉強頑張ってください)

東小の6年生の皆さんも、お兄さんやお姉さん、

中学生以上の知り合いがいる人は、

どの教科でもいいので、

中学校の教科書をちょっと見せてもらっては、どうでしょう。

今読んでみて、面白そうだなと感じた教科は、

中学校に入っても得意教科になることだと思います。

現在の中1の国語の教科書はこれです。

大きく、カラフルになっています。

 

午前5時のニュースの言葉から

一昨日、土曜日の午後11時過ぎに、福島県沖で地震がありました。

最大震度6強、ということで、

10年前の震災の時よりも、強い揺れが感じられたという所もあるようです。

被害を受けられた方には心からお見舞い申し上げます。

 

私は後でSNSで知ったのですが、

一夜明けようとした、

昨日の早朝午前5時のNHKニュースの冒頭、

アナウンサーの方が言われた言葉が話題になっていました。

 

ほとんど眠れなかった方、

早く目覚めてしまった方、

ともにお疲れのことと思います。

日の出まで、あと1時間ほどになりますけれども、

できるだけ安全な場所で、

少し目を閉じながらでもかまいませんので、

最新の情報をお聞きいただければと思います。

 

とても優しい言葉だと思いました。

NHKのアナウンサーの方は、

これまでも災害の報道の際に、このような言葉を語りかけておられます。

いわゆるアドリブで話されているのでしょうか。

ニュースの内容とは違った、

前置きの短い言葉ではありますが、

私もこのように言葉が遣えるようになりたいと思いました。

(写真はTwitterから)

渋沢栄一「蟹穴主義」について

今夜からNHK大河ドラマ「青天を衝け」が始まるそうです。

主人公は新しい一万円札にも肖像が描かれるという、

渋沢栄一さんです。

 

渋沢栄一さんは、「日本資本主義の父」と言われる方だそうです。

渋沢栄一 記念財団HP を見て、生涯をまとめてみます。

 

*****

渋沢栄一は1840(天保11)年2月13日、(181年前ですね)

現在の埼玉県深谷市の農家に生まれました。

郷里を離れた栄一は一橋慶喜(のちの十五代将軍)に仕えて実力を発揮し、

次第に認められていきます。

27歳の時には、パリの万国博覧会を見学するほか欧州諸国を訪れたそうです。

明治維新となり、「商法会所」を静岡に設立、

その後明治政府に招かれ大蔵省の一員として新しい国づくりに深く関わります。

1873(明治6)年に大蔵省を辞した後、栄一は一民間経済人(「第一国立銀行」の総監役・頭取)として活動をスタートしました。

栄一は株式会社組織による企業の創設 ・育成に力を入れ、

「道徳経済合一説」を説き続け、生涯に約500もの企業に関わったといわれています。

また、約600の教育機関 ・社会公共事業の支援並びに民間外交に尽力し、

1931(昭和6)年11月11日、91歳の生涯を閉じました。

*****

 

500の企業、600の教育機関、社会公共事業、民間外交に関わるとは、すごい人ですね。

東京ガス、東京海上火災日動、いすず自動車、日本赤十字社、一橋大学などにゆかりがあるようです。

また、説き続けた「道徳経済合一説」とは、

大正5年(1916年)に著した『論語と算盤』に詳しいそうです。

私は中田敦彦さんの「YouTube大学」で知りました。

 

……幼少期に学んだ『論語』を拠り所に倫理と利益の両立を掲げ、

経済を発展させ、利益を独占するのではなく、国全体を豊かにする為に、

富は全体で共有するものとして社会に還元することを説くと同時に、自身にも心がけた。

(Wikipedia から)

 

この「論語と算盤」に出てくるのが

「蟹穴主義」 です。

 

渋沢さんは、大意、次のように述べられているようです。

 

「世の中には随分自分の力を過言して、非望を起こす人もあるが、

余り進むことばかり知って、分を守ることを知らぬと、

飛んだ問違を惹き起こすことがある。

私は蟹は甲羅に似せて穴を掘るという主義で、渋沢の分を守るということに心掛けてる」

 

「これでも今から十年ばかり前に、ぜひ大蔵大臣になってくれだの、

また日本銀行の総裁になってくれだのという、交渉を受けたこともあるが、

自分は明治六年に感ずるところがあって、実業界に穴を掘って這入ったのであるから、

今更その穴を這出すこともできないと思って、固く辞してしまった」

 

「実際人はその出処進退が大切である。

しかしながら分に安んずるからといって、進取の気象を忘れてしまっては何もならぬ。

つまり分に安んじて進むのがよかろうと思う」

 

これが、「蟹は自分のからだに合わせて、穴を掘る」

という言葉による、「蟹穴主義」だそうです。

 

自分ができること、自分の得意なものを極めて、社会に貢献すること。

そしてそのことを自分の喜びとすること。

 

そういったことを大事にされていたようです。

とはいっても、

渋沢さんの蟹穴hsものすごく大きい穴だったようですが。

 

不要不急の外出を避けて、部屋にいる時間が長くなると、

ここが自分の蟹穴かな、などと部屋を見回しているところです。

 

参考資料

蟹穴主義が肝要

⑤道徳と経済と成功と幸せ【蟹穴主義】

 

名著「失敗の本質」拾い読み

 

昨日ふれた、名著「失敗の本質」に関して、もう少し述べたいと思います。

 

「失敗の本質」は日中戦争、太平洋戦争における日本軍の「失敗」について分析している本ですが、

その「本質」を見てみると、現代でも参考になる点があるように思います。

 

ネット記事の「なぜ、今『失敗の本質』なのか? これから読むための7つのヒント

は、4年前に書かれていますが、「現代日本に共通する5つの弱点」について、

次のように解説してあります。

 

(1)あいまいな目的、さらに失敗を方向転換できず破綻する組織


(2)上から下へと「一方通行」の権威主義

 

(3)リスク管理ができず、人災として被害を拡大させる


(4)現実を直視せず、正しい情報が組織全体に伝達されず悲劇を拡大する


(5)問題の枠組みを新しい視点から理解できない

 

一庶民の私が思い当たることもいくつかありますが、少し挙げてみます。

 

(1)について

感染拡大防止とGO TO、2つの相反する目的をいっしょに達成させようとしたのでしょい。

また、GO TO の中止や緊急事態宣言について、もう少し早い判断はできなかったのでしょうか。

 

(2)について

今言っても仕方ありませんが、1年前のことを思い出すと、

前首相の一声での全国一斉臨時休校、効果とリスクについて情報や意見は検討されたのでしょうか。

また、最近、ある大きな会の長が「会議は長くならないように(女性は)わきまえろ」

という考えであることも分かりました。

「わきまえ」というと大人の対応ですが、

言いたいことはつまり、自分に忖度しない者は使えない、と思っているということでしょうか。

 

(3)や(4)について

正しく迅速な状況把握と情報収集からの、リスクの予測と管理が必要ではないかと思います。

コロナ禍の中では難しいことも多いと思いますが、

医療現場を一度でも訪れて現状を目の当たりにした政治家が、

何人ぐらいいらっしゃるのでしょう。

「仮定の質問には答えを差し控える」と言ってはいけない気がします。

また、本書では「兵站の軽視、楽観」も指摘されています。

それとは少し違うかもしれませんが、

薬液が残ってしまう、もったいない注射器を大量に準備していたニュースなど、

ワクチンの準備等は大変なお仕事でしょうが、「今分かったのかな」と少し残念な気がします。

 

(5)については、私たち学校でも大切なことで、学校生活や教育課程など、さまざまな見直しが迫られています。

「目的の達成につながらない目の前の勝利」という言葉も出てきます。

全体のゴールや戦略が重要だということのようです。

 

学校でも、政治や経済などのせいばかりにせず、

できるだけ先を見通しながら、対応していかねばと考えています。

 

 こちらの解説も読みやすいと思います。

「超」入門失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ

 

「調整型のリーダー」に「?」

「東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)は、女性を蔑視する発言をした責任を取り、会長を辞任する意向を周囲に伝えた」

と報道がありました。

森喜朗会長が辞意 12日表明へ 女性蔑視発言で引責

 

すでにいろいろな人が、いわゆる「女性を蔑視する発言」や「逆ギレ会見」について

発言しておられますので、

今さら私が言うことはありません。

 

しかし、「責任を取って辞職する人が、後任を指名する」という、ちょっと理解できないことがあり、

パソコンを開きました。

2つの疑問を感じました。

 

まず、今朝の朝日新聞に掲載されていた記事です。

あるJOC関係者が、大企業トップや女性が候補としてあがったという後任選びについて、

「五輪に否定的な声がある中、開催にせよ、中止にせよ、大きな決断が迫られる。

今後がある人はそういう大きな決断に責任を持つのは難しいだろう」

こういう意見が交錯する中での、日本を代表する組織のリーダー選び。

このような感覚でいいのでしょうか。

私は、「では、大きな決断は『今後がない(先が短い?)』人に任せるのか?」

とはなはだ疑問に感じます。

難しい局面に直面しているからこそ、

明晰な情報分析ができ、今後の展望を持てる、

決断力のあるリーダーが必要ではないでしょうか。

 

次に、今朝のテレビ朝日のニュース番組で、

後任候補の川淵三郎さんが取材に答えていた内容の一部です。

大意ですが

「断ろうと思って(森さんのところに)行ったんだが、

もうすでに外堀は埋められてしまっていた」

という意味のことをおっしゃっていました。

この場合の「外堀が埋められる」とは、

周囲や関係者への「根回し」が済んでいるということでしょう。

そして、

「周りはみんなあなたの就任に賛成。

あとはあなたが『はい』と引き受けるだけだ。

あなたが『はい』と言わなければ、みんなが迷惑するし、私のメンツがつぶれる。

さあ、どうしますか」

ということではないでしょうか(実際に森さんがこう言ったというわけではありませんが)。

 

これが日本の「調整型リーダー」というものではないかと思います。

米国のマスコミ報道でも

「日本では政治家が水面下で動き、

観測気球を上げて様子を見ながらことを進めるのは常」

と言っているそうです。

 

この進め方では、判断までの経緯や理由、そしてその責任が曖昧になります。

名著「失敗の本質」(野中郁次郎 他)

失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

「空気の研究」

「空気」の研究 

などでも述べられていることではないでしょうか。

私は「調整型リーダー」をすべて否定するわけではありませんが、

もう違う形の真のリーダーが必要だと思います。

 

森さんの業績などを評価し、擁護する声も多くあるようですが、

私が今回の件で感じたことについて、書いてみました。

皆さんはどうお考えですか。

(写真は毎日新聞から)

緑に萌える権現の

今朝の朝日新聞に、次のような記事がありました。

 

「豪州国歌、young→oneに 先住民へ敬意込めた歌詞に変更」

シドニーで1月に行われたクリケットの国際試合の前に、

ミュージカル俳優のステファニー・ジョーンズさん(27)がその歌詞の変わった国歌を歌ったそうです。

 

*****記事から引用

(変えられた歌詞は)

「We are one and free」(私たちは一つで自由だ)。

歌詞の1番の2行目で、

昨年末までは「We are young and free」(私たちは若くて自由だ)だったところだ。

*****

 

なぜこのような変更が行われたのか、記事ではこう続きます。

 

*****
英国王を元首とする豪州は1901年の豪連邦成立以来、

英国の国歌「ゴッド・セーブ・ザ・クイーン」を国歌としてきたが、

1984年にいまの国歌「アドバンス・オーストラリア・フェア」に変えた。

ただその歌詞は、1788年の英国の入植開始以降の歴史を反映した内容で、

6万5千年以上前から住む先住民の多くの人々にとって、特に「若い国」という表現は受け入れがたいものだった。

歌詞を変えよう、という運動は2006年に有名歌手らが始めた。

*****

 

つい40年ほど前まで、オーストラリアの国歌がイギリス国歌だった、ということも初めて知った次第ですが、

変更になった当日、今年1月1日の同紙の記事には、こうあります。

 

*****

モリソン首相は

「豪州は近代国家として比較的若い一方で、先住民たちの多くの物語は古代からある。

国歌がこの真実を反映することが正しい」とした。

どうして今、変更するのかについては、

未曽有の森林火災と新型コロナウイルスに見舞われた昨年に国民が一致協力して対応したとして、

「この偉大な団結が国歌でも、よりしっかりと確実に反映される時だ」と説明した。

*****

 

国歌は国の象徴のようなものでしょうから、オーストラリアのこの決断はうなずけるところです。

 

さて、本ホームページのサブタイトルは

「東天高く 藍より青く」

は、本校校歌の一節を取ってあります。

 

一番の「東天高く 六郎次」と

三番の「藍より青い苓南の」です。

この一節をはじめ、本校校歌は、久玉中と深海中が統合して本校が誕生した時の、

高い理想を表した素晴らしい歌詞だと思います。

 

その一番は

「緑に萌える権現の」

と続きます。

 久玉で愛されてきた歴史のある、権現山が登場します。

(権現山が古来どのように親しまれてきた歴史があるのかは、

先日、心の相談室の榎田先生の旦那さまが来校された時に、詳しく教えていただきました)

 

特に、本校の先輩方有志の「権平会」の皆さんが

桜を植えるなど、美しく保ってこられてきたと聞きます。

(由美かおるさんの記念植樹もあるようです 「天草探見」から)

 

先週、その権現山に本校2年生が立志登山し、

ボランティア活動で清掃させていただきました。

 

牛深東の地元の皆さんや先輩方の志を継ぐという意義も込めて、

短い時間ではあるましたが、汗を流してきれいにました。

 

この様子は、熊日新聞にささやかながら紹介していただきました。

ご覧になった方もいらっしゃるかと思います。

山口くんの頼もしい立志の決意も掲載されていました。

ちなみに写真はNIE(教育に新聞を)担当でもある、

丸山先生の撮影したものです。

 

先週土曜日に掲載されたこの記事のおかげで、

たまたま、今週はたくさんのお客様が

校長室に見えているのですが、

皆さんから口々に、生徒たちを褒めていただいています。

 

昨年度から始めたこの立志登山も、

本校の新しい伝統として受け継いでいってほしいと願っています。

★2年生 立志登山 ~権現山へ登る~(2021/2/4)

2年生の権現山への立志登山が、熊本日日新聞で紹介されました(2021/2/6)

 

マック思考とスタバ思考

日本マクドナルドが9年ぶりに最高益を更新したそうです。

企業として、コロナ禍の中の需要に対応したということでしょう。

昨日のこの欄では、なぜかカフェ(喫茶店)についてに話が長くなりました。

今日はそこからの、マック(マクドナルド)とスタバ(スターバックス)に関する話に進みたいと思います。

 

以下、 仕事が早く終わる「スタバ思考」と、終わらない「マック思考」 吉田幸弘 

 を参考、引用させていただきます。

 

吉田さんは、

マックは「ムリ・ムラ・ムダ」を削るために業務の仕組みの改善に取り組み、

「細かな作業までマニュアルでしっかりと定め、いかにスピーディにムダのない動きで対応するかを重視」していると言います。

たしかCMで流されていた「スマイル=0円」のスマイルでさえ、マニュアルどおりが求められるのですね。

 

*****

マクドナルドは回転率を重視しているので、ある意味、仕方ないのですが、

当然マニュアルにない商品はつくりません。

フライドポテトに塩味たっぷりでとか、

特別料金を出すからダブルフィッシュバーガーをつくってくださいなんてことはできません。

マニュアルに書かれていないことはやってはいけない。

そう徹底することで、スムーズに業務を進めることができるのです。

*****

 

 

しかし、スタバの流儀はこれと対照的だと言います。

 

*****

スターバックスでは、マニュアルは定められているものの、

スタッフ一人ひとりが自分で考えて動くことを認められています。

メニューにないコーラやスプライトを出してもらうことはさすがにできませんが、

ティーラテのミルクの量を調節してくれたり、コーヒーに蜂蜜を入れてくれたりと、特別な注文にも応えてくれます。

紙コップに「Have a good day!」などとメッセージを書いてくれることもあります。

(中略)

お客様一人ひとりと向き合ってくれる分、効率が悪いように思うかもしれませんが、

その姿勢だからこそ、多くの人に愛され、人気を保ち続けているといえるでしょう。

*****

 

 

たしかに「スタバでやってくれるおいしい追加サービス」といった特集を見たことがあります。

よく覚えてはいませんが、私もその記事を読んで、

「バニラとシナモンパウダー追加」か何かを頼んだことがあります。

 

記事ではここから

マクドナルド流の接客に見られる「マック思考」、

スターバックス流の接客に見られる「スタバ思考」に言及します。

 

*****

「マック思考」はマニュアルを厳守し、ムダをいっさいつくらないというものです。

仕事時間を減らすには一見、効果的なように見えますが、

考えることをしなくていいので、「もっと他にいいやり方があるのかもしれない」と思っても、

「マニュアルにはこう書いてあるから」と、採り入れることはしません。

いわゆる、ただ「仕事をこなす」状態です。

言い換えると、常にマニュアルありきで、状況に応じて対応を変えることができない分、

マニュアルにない仕事は手間も時間もかかってしまうということです。

そのため、結果として仕事時間が増えていってしまいます。

*****

 

私の立場で言うと、

熊本地震やコロナ禍で、従来の規定のマニュアルや予定、計画が

通用しなくなってしまった時、

このマック思考だけでは立ち往生してしまうように思います。

 

では、一方の「スタバ思考」はどうでしょう。

 

*****

一方、「スタバ思考」は1件ずつ、仕事の内容や相手に合わせて

満足をしてもらえる方法を考え、ていねいに仕事をするというものです。

「1件1件考えて仕事をすると、時間もかかって大変ではないか」

と思う人もいるかもしれませんが、それはむしろ逆です。

「この相手にはこういう対応をしたら満足していただけるかな」

「この仕事は、こういうふうに取り組んだらスムーズに回せそうかな」などと考えることで、

その仕事、相手に適した対応をすることができ、

クオリティが高くなるうえに、ミスも起きにくくなるため、

実は仕事時間が増えることはありません。

 *****

 

端的に言うと、「お客様の満足のため」という筋の通った「臨機応変」ということでしょうか。

皆さんはこの2つの思考の流儀について、どう思われますか。

私は「スタバ思考」に一票です。

 

 

「マック思考」は、事前の計画からスタートするPDCAサイクルに近く、

「スタバ思考」は現状の見極めや気づきからスタートする「OODA思考」に近いと思います。

 

「OODA思考」は、もともと戦争の戦術から生まれたものですが、

私に言わせていただけば、

「気づき・考え・実行する」に通じるものです。

 

先日から話題にしてきた

「コンコルド効果」も、

「情報化社会での自己学習能力」も、

「スタバ思考」も、

私の狭い了見の中では、どこかでつながってくるのでした。

 

本校では毎日、OODAの訓練をして、

生徒たちの「気づき・考え・実行する」力を育んでいます。

写真は本校の誇る黙働掃除の様子です。

(Googleで「黙働掃除」で検索すると、全国の他校に混じって、この写真が20番目に出てきました)

本校生がスタバでのアルバイトするなら、即戦力になることでしょうね。

宮藤官九郎さんからのスタバ、コメダ珈琲店について

お気づきかと思いますが、私はプロレス鑑賞を趣味としています。

この頃毎週金曜日に放送が始まった、

「俺の家の話」というドラマは、

プロレスラーが能の宗家の後継ぎをするとかしないとか、

息子が父親の介護をするとかしないとか、

ヘルパーさんが財産目当てとかそうでないとか、

そういったドラマです。

プロレスのシーンが出てきたり、長州力さんをはじめとした懐かしいプロレスラーが出演したりされるので、

わざわざ録画してまで見ているという具合です。

 

ところどころ、シビアな問題や心の機微にもふれながら、

テンポよく会話が進み、

これまたところどころ、面白いギャグが織り込まれていたりします。

落ち着きのない私にとってはリズムが合う面があります。

これはひとえに、脚本の宮藤官九郎さんの個性によるところです。

「あまちゃん」や「いだてん」など、

テンポのいいドラマをよく書かれている脚本家さんですが、

いつか何かの記事で、

「あまちゃん」のシナリオは、

吉祥寺のスタバで書いている(パソコンを打っている)とおっしゃっているのを読みました。

 

作家や脚本家などという人は、

本をうず高く積んだ書斎で、原稿用紙にうずくまっているようなイメージでしたが、

そんなのは昭和の古いイメージであって、

今は原稿はパソコンでしょうし(タブレットかもしれません)、

場所はスタバでも不思議ではないかもしれません。

ただ、レポートやエッセイなどなら、

スタバや図書館の一角でも執筆できそうですが、

人気連続ドラマのシナリオが、

そのような半公共の場みたいな場所で執筆されているのは、

少し意外に思ったものです。

 

しかし、たしかに私も、学校のイントラネットを使う必要のある仕事は別として、

他の仕事であれば、

学校や自宅以外の方が集中できるということがあります。

 

今は牛深のアパートからほとんど出ませんので、仕方ないですが、

益城に帰った時は、

スタバやコメダ珈琲店にサーフェスを持参して陣取り、

仕事をさせてもらったりします。

(もちろん、スタバのキャラメルフラペチーノや

コメダの味噌カツサンドもお目当てですが)

 

昨年度の特別活動の研究発表会の報告資料づくりでは、

原稿の再構成や校正を担当しましたが、

夏休み中に、ほとんどすべての作業を熊本市内のコメダ珈琲で行いました。

 

雑踏のの中の孤独というのでしょうか、

人のいるほんの少しのざわざわ感の中で、

誰も自分に関心を払わないでいてくれる雰囲気が、

仕事をするのにちょうどいい緊張感があって、いいものです。

 

牛深には残念ながらその種のカフェがないのが残念です。

 

コロナ禍の中でなければ、保護者の方にも参観していただきたいほど、

本校の朝の教室は落ち着いています。

本校生徒が朝の「苓南タイム」で自学自習に集中しているのを見ると、

朝一番のこの教室も、このスタバとかの雰囲気に似ているのかなと思います。

 

(いつもお世話になっている、スターバックス熊本大江店と、コメダ珈琲店熊本桜木店です)

 

「是非もなし」光秀と信長に学ぶ

心しらぬ

人は何とも言はばいへ

身をも惜まじ

名をも惜まじ

 

ご存知、戦国武将の明智光秀の

辞世の歌と伝えられている短歌です。

 

私の心の中を知らない人は

何とだって言いたいなら言えばいい

私は命も惜しまないし

名誉も惜しまない

 

本能寺の変、今で言うクーデターの首謀者であり、

歴史上は主君信長への謀反人として語られる光秀です。

 

生前も、後世に謀反人の汚名を着せられることを予想していたのでしょうか。

この歌は、世間や後世の評価はどうあれ、

自分で決断して取った行動に

恥じることはない、という

武士らしい潔さとか覚悟を感じます。

 

また、逆に考えれば、

自分の心の中の本当の思いを

理解してくれる人(家族や臣下)が必ずいることを、

彼自身は確信しているようにも思えます。

私にもそんな理解者がいるといいのですが。

 

コロナ禍の一年を駆け抜けた麒麟、

大河ドラマ「麒麟がくる」が昨夜、最終回を終えました。

 

「是非もなし」とは、

光秀の謀叛を知った信長が、つぶやいたとされる言葉です。

「仕方がない」という意味でしょうか。

こちらも潔さを感じます。

また、光秀の最大の理解者は、結局信長だったかもしれない、

などと思いを巡らせると、

歴史を学ぶ興味は尽きないように思えてきます。

 

(写真はNHKから)

人と話したい「Clubhouse」について

 一人暮らしをしていると、

休日には終日家にいて、生きている人間とは、一言も言葉を交わさないということがあります。

会話のできるAIロボット(ペッパーくんやアイボなど)が話題になった当時、

こんなものをわざわざ買う必要があるのかな、と訝しく思ったものですが、

ここにきて、自粛生活も日常的になり、まだ売ってあるのかなと思っています。

 

先日、朝日新聞で

「『クラブハウス』で公開取材してみたら…気づけば3時間」

という記事が目に留まりました。

日本でも利用者が急増しているという、

音声型のSNS「Clubhouse(クラブハウス)」についてのレポートです。

 

クラブハウスってどんなものでしょう。

(これはゴルフ場にあるクラブハウス)

 

利用するには、iOS端末専用のアプリを入手し、

アカウントを持っている利用者の紹介を受けて登録することが必要……と紹介してあります。

さらに詳しく、記事から引用してみます。

 

*****

利用者同士のおしゃべりの場は「ルーム」と呼ばれる。

画面に表示される様々なルームの中から関心があるものを選ぶと、

そこでの会話の音声が流れてくる。

ただ聞いているだけでもよいし、ルームの主催者の許可を得れば発言することもできる。

 

規約では、利用できるのは18歳以上に限られ、実名で登録するよう求められている。

会話の内容は記録が残らず、録音や文字起こしは禁止。

クラブハウスで話された内容を主催者の許可なく公表することも禁止だ。

*****

 

色々なツールをよく考えるものですね。

Twitterのように文字による短いコメントの連発でもなく、

Instagramのように画像でも、TikTokのように動画でもないSNSなのですね。

会話や雑談に特化した「個人ラジオ局」と書いてあるものもありました。

たしかに、YouTubeが「個人テレビ局」なら、そうかもしれません。

文字や記録に残らないというのは、

気楽に参加しやすいようですが、逆に問題もありそうですが。

 

まさにクラブハウスというか、スナックか居酒屋に入ると、

何組かの常連たちが雑談しているので、

関心があれば、「ちょっと私も仲間に入れていただいていいですか」

などと言って入っていく感じでしょうか。

 

 記事は次のように続きます。

 

*****

芸能人や知識人らの会話をラジオのように気軽に聞けることもあり、

日本では1月下旬から利用者が急増した。

趣味や仕事、ライフスタイルなどをテーマに見知らぬ人同士が交流したり、

知人らとあえてオープンな場でおしゃべりしてみたり、

仕事のミーティングを公開してみたり

――と利用者は手探りで楽しみ方を模索している最中だ。

*****

 

記事ではこの後、大学の先生がルームを設定して、

面識のない有名人の人と会話を楽しんだり、

クラブハウスを使って取材をしたりしたことが続きます。

 

私がこの話題に触れて感じたことは、

人と直接対面せずに済む、

あるいは対面を避けて生活せざるを得ないような

「新しい生活様式」の中で、

人はやっぱり、人と話をしたいのだな、

関わりたいのだな、ということです。

 

たわいのない雑談でも、孤立するストレスの解消には、どれだけ有効か分かりません。

 

生徒たちも休み時間には楽しそうに、よくおしゃべりをしています。

密にならないように気をつけて、

友だちとのコミュニケーションを取ってほしいと思いました。

 

大事なのは「自己学習能力」→「気・考・実」

昨日の

大事なのは「読む」力

に続いて、今日も

国立情報学研究所教授の新井紀子さんの書かれた文章から、

気になったお話を紹介させていただきます。

 

新井さんは、

「これまでの入試は

『嫌なタスクであっても、頑張って乗り越える能力』

をテストしてきた面がある。」

と言われています。

端的な指摘ですが、

私などは自分自身、その「これまでの入試」をくぐり抜けてきた一人ですし、

「これまでの入試」への対策をずっと指導してきました。

ですから、この指摘は、「うーん」となってしまいます。

「入試で見られてきたのは、つまりは忍耐力だったのか」と思うわけです。

 

しかし、続けて

「それ(これまでの入試)は20世紀型の労働スキルと合致していた。」

と言われると、理解できます。

教育の目標の一つは、

経済が求める優秀な労働力を作り出すことなのでしょうから、

20世紀の工業化社会、大量生産の経済の中では

「忍耐力」や「堅実さ」などが重要だったように思えます。

極端にいうと、

「大工場の中で分担された仕事を、堅実に間違いなくこなしていくこと」とか

「残業をいとわず、バリバリ仕事をこなしていくこと」

などが連想されます。

 

ところが、現在の「情報化社会」では、

いかに情報を収集し、必要に応じて処理し活用していくことが求められていめす。

これは、どんな職業においてもそうではないでしょうか。

例えば教員にしても、

「チョーク一本、俺の話を聞け」

のような、私が長くやってきたような授業では、

社会や生徒のニーズには合いません。

ワークシート1枚作るのにも、

手書きで教科書や参考資料を写していた時代ではなくなっています。

 

インターネットによる情報は刻々流れ出していますし、

AIなどの先進技術も日々進化しています。

新井さんは

「21世紀は学び続ける能力が問われる」とし、

「自学自習能力を全員に身に付けさせることが必須」

と述べられています。

続けて

「が、自学自習とは何か、どの段階でどう身につけるかが、

実は指導要領にも明記がなく、トレーニング方法も確立していない。それが問題」

と指摘されています。

 

「授業と別建てで自学自習だけを教える教科は作っても意味がないので、

各科目の中で、トレーニングさせていくしかないのでは?」

 私もそう思います。

 

「『自学自習』を『好きなことを好きなように学ぶ』と勘違いする方もいるようですが、

たぶん機械との競争時代は、それでは不十分かと。」

新井さんは、人間の仕事を進化したAIに取って代わられる時代についての著書も多い方です。

この点は、withコロナの時代では、さらに加速するのではないでしょうか。

わざわざ外出して手を触れなくても、また人と対面しなくても、用が足りることは増えていますし、より身近になっています。

そこにはネットやAIが介在しています。

 

「むしろ『好き嫌いにかかわらず必要を認識して自学自習できるスキル』が求められるので、

義務教育でそのスキルを体系的に身に着けさせないと、格差は拡大する一方」

 

「与えられたことをがまんしてやる」

のではなく、

「必要なことを見極め自分で考え、工夫してやる」

ということかもしれません。

ここまで考えて、私は本校生徒の

「気づき・考え・実行する」力を育む学びの方向性は、間違っていないと思いました。

 

写真は、朝の苓南タイムで自学自習に取り組む本校生徒です。

 

大事なのは「読む」力

江川紹子さんのこの記事を読みました。

大事なのは「読む」力だ! ~4万人の読解力テストで判明した問題を新井紀子・国立情報学研究所教授に聞く~

以下、要点をまとめますと、

*****

新井紀子・国立情報学研究所教授は、

人工知能(AI)でロボットが東大に入学できるか、

という「東ロボくん」プロジェクトで知られる数学者だ。
今後、AIに多くの仕事が取って代わられることが予想されるが、

そういう社会にあって人が活躍の場を確保し、

より幸せに生きられるためのスキルとして、「読解力」に注目。
全国の学校、さらには社会人も含めて、

文章などの意味をどの程度正確に読めているのかを見る

リーディング・スキル・テスト(RST)を行ってきた。

すでに受験した人は4万人を超えた、という。

*****

「読む 学生 イラスト」の画像検索結果

このテスト(RST)では、

(1)主語・述語や修飾語など文の係り受けを理解する 
(2)「それ」「これ」などの指示語が何を示すか見つける 
(3)2つの文が同じ意味を表すかどうか見分ける 
(4)体験や常識、その他の様々な知識を使って文章の意味を理解する 
(5)文章と図形やグラフを比べる
(6)文章を読んで、それと合う具体例を認識する

等の力を見るそうです。

 

なんだ、簡単そうだなと思われるかも知れませんが、

ここでは、一つだけ例題を見てみましょう。

 

*****

〈例題〉

Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称であるが、男性の名Alexanderの愛称でもある。

この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまるもっとも適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。

  Alexandraの愛称は(     )である。

 ① Alex   ② Alexander   ③ 男性   ④ 女性

*****

 

さて、いかがでしょう。

ちょっと考えてみてください。

「チラ見」とか「二度見」とかがありますが、

「二度見」しないと勘違いしそうな文ですね。

言うなれば、意味の伝わりにくい上手じゃない文なのです。

しかし、この問題は、上記の

「(1)主語・述語や修飾語など文の係り受けを理解する」ことができているか調べる、端的な問題になっています。

正解は最後にお示ししますが、正答率は

中1 23.5%  中2 30.6%  中3 51.4% 全国中学生計235名 37.9%

高1 64.9%  高2 68.0%  高3 57.1% 全国高校生計432名 64.6%

だったそうです。

短い文ですが、中1では4人に1人しか正しく理解できていませんね。

 

新井さんはこう言われています。

 

*****

教科書が読めてない子がたくさんいる、ということです。
文章を読んでいるようで、実はちゃんと読んでいない。
キーワードをポンポンポンと拾っているんです。
○○と○○と○○という言葉が出てきたら、こんなもんだろう、というような。

『……のうち』とか『……の時』『……以外』といった機能語が正確に読めていない。
実は、それはAIの読み方に近いんです。
「数学の問題は、『……のうち』とか『……以外』『……と接する』などという言葉をちゃんと読まないと解けなかったりします」

*****

「二度見」してでみ、きちんと理解しなくてはいけないところを、

ざーっと「チラ見」しただけで、次へ行ってしまうので、

正しい理解ができていないということでしょうか。

 

ちなみに、

さっきの例題の正答は、①Alex です。

たんなる「注意力」などの問題ではなく、

「読む」力は、私自身も、指導に当たっても、

大事な問題を含んでいると思いました。

 

写真は中学最後のテストを頑張る3年生たちです。

 

「理想の上司」と「理想の新入社員」

「理想の上司」は?という話題がニュースで取り上げられていました。

 明治安田生命が、今春入社を控えた新社会人(学生)を対象に実施したアンケートの結果だそうです。

 

「理想の上司」櫻井翔、新垣結衣、J.Y.ParkらTOP10に新勢力続々 内村&水卜アナは5連覇

 

私の長女もこの春就職する予定なので、どんな感じかなと思って

ちょっと見てみました。ランキング結果は、上記HPから引用しました。

「理想の上司」ランキング5連覇の(左から)内村光良、水卜麻美アナウンサー (C)ORICON NewS inc.(C)oricon ME inc.

 

【理想の「男性上司」トップ20】
1位:内村光良(1位)
2位:櫻井翔(圏外)
3位:イチロー(4位)
4位:設楽統(3位)
5位:J.Y.Park(圏外)
6位:ムロツヨシ(7位)
7位:大泉洋(圏外)
7位:カズレーザー(2位)
7位:長谷部誠(7位)
10位:博多大吉(7位)、
11位:伊達みきお(圏外)
12位:所ジョージ(14位)
12位:松本人志(6位)
14位:明石家さんま(12位)
15位:桝太一(5位)
16位:有吉弘行(14位)
17位:田中圭(10位)
18位:松岡修造(17位)
19位:安住紳一郎(10位)
19位:堺雅人(圏外)
19位:タモリ(13位)

 

新卒生の「上司」なので、挙げられているのはみんな私より年下の方ばかりでした。

それにしても、私の思っていた「上司像」からは、ずいぶん違っていました。

頭が良さそうで、人当たりがよくて、

厳しさよりもフォローが上手そうな人が多いように感じます。

それにしても、バラエティなどに出て活躍している人が多いですね。

私の印象では、18位:松岡修造さん、19位:堺雅人さんなんかは、

「上司像」としては分かるのですが、

他には、ちょっと頼りないなと思うような方もいますね。

 

女性の部も見てみました。同じく引用します。

 

【理想の「女性上司」トップ20】
1位:水卜麻美(1位)
2位:天海祐希(2位)
3位:新垣結衣(圏外)
4位:小池栄子(12位)
5位:指原莉乃(20位)
6位:佐藤栞里(圏外)
7位:石原さとみ(圏外)
8位:いとうあさこ(3位)
8位:長澤まさみ(圏外)
8位:弘中綾香(圏外)
11位:渡辺直美(12位)
12位:石田ゆり子(7位)
13位:近藤春菜(15位)
14位:イモトアヤコ(12位)
14位:米倉涼子(8位)
16位:有働由美子(4位)
17位:田中みな実(6位)
18位:吉田沙保里(10位)
19位:北川景子(10位)
20位:SHELLY(圏外)

 

こちらも同じような傾向でしょうか。

2位:天海祐希 さんは、長くランキング入りされているそうです。

分かるような気がします。


しかし、新垣結衣さん、石原さとみさんに至っては、どんな「理想」なのかと、

ちょっと判断基準に疑問を持ってしまいますが。

 

また、これが現役社会人の回答では、

タモリさんや有働由美子さんなどが上位に入ってくるようです。

 

私などは以前、先輩から管理職の心構えとして、

「職務には厳しく 職員には優しく」

「情は汲まなくてはならぬが、筋は通さねばならぬ」

などと教えてもらったものです。

令和の時代の職場の人間関係ということも、考えさせられました。

 

明治安田生命の発表資料→PDFはこちら によると、

社会人が選ぶ「理想の新入社員」という項目もありまして、

男性は大谷翔平さん、女性は浜辺美波さん(私はこの方は存じ上げませんが)とのことでした。

また、「社会人が新入社員に期待すること」は、

謙虚さがある(39.2%)

明るく、朗らか(37.7%)

覚えたことを次に活かせる(31.7%)

が多かったようです。

たしかに、逆を考えてみるとよく分かります。

 

生意気で言うことを聞かない新入社員 や

暗くて陰気な新入社員

何回も同じことを教えないといけない新入社員は、

「こんな新入社員はいやだ」ランキング入りでしょうね。

 

生徒の皆さんは、就職はまだ先でしょうが、

新入生として、先生方や先輩の方たちにお世話になることも多いでしょう。

 

謙虚さ、明るさ、そして「覚えたことを次に活かせる」ことが大切なのはいっしょではないでしょうか。

「気づき・考え・実行する」東中生なら、

「覚えたことを次に活かせる」ことは大丈夫でしょう!

ご家庭でも、保護者の方の経験や職場のことなどを交えて、

話題にしてみられてはいかがでしょうか。

 

昭和の「ボス」といえば、この人でした。

「太陽にほえろ 石原裕次郎」の画像検索結果

天は人の上に人をつくらず…だって、そう書いてあるじゃないか

福沢諭吉さんの

「天は人の上に人を造らず 人の下に人を造らず」

という言葉は有名ですね。

「世の中の人はみんな平等だ」という、

福沢さんの、明治時代においては進んだ思想の一端を示す言葉だと、私は思っていました。

しかし、

「理解力や読解力が低い人」に共通するヤバい口ぐせ 理解が早い人の頭の使い方

という記事を読んで、目からうろこでした。

 

「天は人の上に人を造らず 人の下に人を造らず」のところだけよく引用されますが、

原文は

「『天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず』と言へり

であって、これは口語訳すると

「『天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず』と言われている

という意味です。

「世間ではよく、~って言うじゃない?」ということですね。

ですから、この「天は~」の一節は、福澤さんの意見ではなく、

当時の一般的な考えだということになります。

 

では、福澤さんがほんとうに言いたいことは、何だったのでしょう。

この「学問のすゝめ」の有名な一節は、こう続くのです。

 

*****Wikipediaより引用

「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言われている。

人は生まれながら貴賎上下の差別ない。

けれども今広くこの人間世界を見渡すと、

賢い人愚かな人貧乏な人金持ちの人身分の高い人低い人とある。

その違いは何だろう?

それは甚だ明らかだ。

賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとに由ってできるものなのだ。

人は生まれながらにして貴賎上下の別はないけれど、

ただ学問を勤めて物事をよく知るものは貴人となり富人となり、

無学なる者は貧人となり下人となるのだ」

*****

 

「賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとに由ってできるものなのだ」

つまり、勉強することが大切だということを言いたいのでしょう。

まさに「学問のすすめ」なのですね。

 

前述の記事では、この福沢さんの名言を例に挙げ、

文章の前後や最後の結論までよく読まずに

「だって、そう書いてあるじゃないか」

と勘違いしてしまうことを戒めています。

 

これは、インターネットなどで情報のあふれている今の時代に、

気をつけなければいけないことだと思いました。


今朝のテレビの「林修先生のことば検定」では、実はこのことが出題されました。

先日勉強?していた私は、運良く3ポイントをゲットすることに成功したのでした。

クーデターに関して

ニュースによると、ミャンマーでクーデターが起こり、

先の選挙で大勝したスーチーさんが、身柄を拘束されたそうです。

当の軍部は、「選挙は不正だ」と言っているそうですが、

米国の大統領選もそんな騒ぎがあっていましたね。

 

民主主義の根幹な関わる問題で、

暴動や軍事力によるクーデターにしか、

解決策を見出せないものなのでしょうか。

 

私は政治にはあまり関心はありませんが、

この21世紀でもそうなら、残念な気がします。

ミャンマーの問題も、早く平和的に解決してほしいものです。

 

クーデターといえば、

三島由紀夫が自衛隊市ヶ谷駐屯地で、クーデターの決起を訴え、

叶わずに自決してから、昨年は50年目でした。

 

当時、私は小学生でしたが、

担任の先生が教室のテレビを付けて、

ニュースを見ておられたように思います。

もちろん、事件の意味は全く分かりませんでした。

 

妻方の遠い親戚の方が、その時、市ヶ谷の現場に居合せておられたと聞いたのは、

ずっと後、結婚後のことで、びっくりしました。

 

話は飛びますが、

「ターミナル」というトム・ハンクスの映画をご存知でしょうか。

こちらは、クーデターを起こす話ではなく、

東欧の「クラコウジア」という架空の国から

米国に旅行に来たトム・ハンクスが

祖国がクーデターにより一時的にせよ消滅したことにより、

ニューヨークJFK空港で何か月も足止めを食う、

という少々突飛なお話です。

トム・ハンクスさんは、空港ターミナルの中で寝起きしながら、

くじけず、明るく生活されていきます。

設定は変わっていますが、

ストーリー自体は、時にはユーモラスで、

時にはほろっとするところもあるような映画でした。

(ちなみに、実際にパリの空港に20年?滞在したという人もいるそうです)

ターミナル : 作品情報 - 映画.com

 

銀座のクラブで「陳情」を聞いていたのだと言ってる国会議員さんもおられるようですが、

日本の国の土台はまだルールはに則ってちゃんと動いているのでしょうから、

まだいいのかなと思うこの頃です。

高校入試の思い出

今日は公立高校の前期選抜が行われています。

本校からも多くの3年生が受検しています。

誰も経験したことのない、コロナ禍の中の受検となります。

受験生本人はもとより、ご家族の皆さん、

例年以上に健康面・体調面、感染症対策など、

細心の注意をしての受検だと思います。

また、実施される側の高校等の関係者の皆さんも多くのご苦労があるかと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、私自身の高校入試は45年前になります。

前期・後期などはなく、3月上旬の一発勝負でした。

 

私は公立高校一本で受検に臨みました。

今思えばちょっと無謀な感じですが、昔の進路指導はそんなものだったのでしょう。

 

当時も1日目が国理英、2日目が社数の試験でした。

今でも覚えているのは、最後の数学の試験で、

最後の図形の問題が全然分からなかったので、

「これはもしかすると中学浪人かな」

と、その時になって少し青ざめたことです。

 

受検場である高校には、国鉄(今のJR)で行きました。

これもよく覚えているのは、入試が終わって、

「やっと終わった。明日から遊べるぞ」

と思って熊本駅から自宅に歩いて帰りました。

当時駅前にあった「ユニード」というスーパーに寄って、

600円でシングル・レコードを買って帰りました。

ところが、帰っているうちに

なんか体がかゆくなってきて、変な感じがしてきたではありませんか。

(???)

いやな予感がしながら家に帰り着いて、鏡を見ると、

顔に赤い小さなポツポツができていました。

夜には、体中に広がってしまいました。

病院に行くと、「風しん」という診断でした。

楽しみにしていた入試後の日々も、

(3年生9クラス全員で三井グリーンランドに出かける

「お別れ遠足」も楽しみにしていたのですが)

1人で家で寝ていなくてはならなくなりました。

まあ、テスト当日に症状があったら、もっと大変だったでしょうから、

仕方ないなとあきらめました。

 

これが私の高校入試の思い出です。

先日のCA木村さんの授業にならって、

この頃の「思い出の1曲」を選ぶとすると、

この曲かなと思います。

「俺たちの旅」というTVドラマのエンディングテーマです。

ドラマのエンディングに出てくる数行の詩が、かっこいいなあと思って見ていました。

これが、高校入試の帰りにお小遣いで買ったレコード(のB面)です。

寝込んでしまった私は何回もこの曲を聴いていたのでした。

 

プーさんの「何もしない」こと

「マルチタスク」などというと、聞こえがいいように思えますが、

以前は「ながら勉強」は能率が悪いのでしないように、と言われていました。

私も目が疲れて仕方ないので、振り返ってみると、

テレビとスマホとタブレットを同時に使っていることがあります。

健康のためにも気をつけないといけませんね。

 

ところで、ブログ(プーと大人になった僕の『何もしないをする』の本当の意味とは)を目にしました。 

映画「プーと大人になった僕」(DVDを持っています)の中で有名?なプーさんの名言についてふれた文章でした。

 

*****

「何もしない」は、最高の何かにつながるんだ


Doing nothing often leads to the very best kind of something.

*****

大人になったクリストファー・ロビンとの会話で出てきますが、

ロビンの子どもの頃を描いた原作の絵本にも出てくるそうです。

 

大人に「何するの?」ってきかれたら

「なんにも」ってこたえてね

そのまま外に行けばいいんだ

(くまのプーさん完全保存版 から)

 

しかし、かといってロビンとプーさんはただじっとしているという訳ではありません。

仲間たちと遊んだり、冒険したり、

いろいろなトラブルに遭遇してはなんとか解決したりします。

映画でもそうです。

プーさんは「何もしない で忙しい」とか言っています。

 

このことに関連して、次のような記事を目にしました。

ジェフ・ベゾスが最も価値を置く「何もしない時間」。その驚きの効果

*****

世界最大のオンライン販売会社AmazonのCEOを務めるJeff Bezos氏なら

(地球上で一番のお金持であることはこの際、横に置くことにして)、

さぞたくさんのことをこなしているはずだと容易に想像できます。


実際にそうだと思います。

会議や電話や公開イベントなど、山ほどやることがあり忙殺されているはずです。


ところが、Bezos氏が言うには、毎日の最も価値の高い時間は、何もしないで過ごす時間だそうです。

少なくとも、何も予定が入っていない時間です。

*****

 

以前、朝の時間の有効活用について、この欄でふれましたが、

ベゾスさんは朝10時までは何も予定を入れず、

ゆったりと家族との時間を持つというのです。

 

この世界有数のお金持ちのルーティンについて、

「そんなこと、私たち庶民はできないや」と言うのではなく

この記事では、いろいろ考察されています。

たとえばこういう見方です。

 

*****

生活に余白が増える

生活の余白とは、自分のフルキャパシティから果たさなければならない仕事の分を引いて残ったところです。

問題は、たいていの人が生活の中でほとんど余白のない生活をしていることです。

それどころか、手放すことができて、多分手放した方が良いことに

自分のキャパシティをすべて使っていることが多いのです。

生活に余白を増やす唯一の方法は、今していることを減らすことです。

秘訣は、必ず優先度の高いことをすること。

価値の低いことはやめて、その分だけ本当に重要なことに集中することです。

予定を入れない時間を作ることを優先すると、心身に休憩を与えることにもなります。

そうしないとさまざまなことに常に注意を払い、考えたり処理し続けることになります。

*****

 

「余白」というのがいいですね。

内容の質は変わらず、いい感じになる印象があります。

こういう考察を読むと、

最初のプーさんの言葉と共通するものを感じます。

(プーさんの考えは老子の思想にもつながっているそうですが)

 

冒頭で紹介したブログの筆者さんは、

プーさんの「何もしないをする」について、

 

『自分の心に耳を澄ませて、本当にしたいことをする』

 

ことだと言われています。

なるほどと思いました。

私も少しでも心と頭と眼を休めて、プーさんを見習いながら生活してみたいと思います。

「南の島での会話」は現実でした(道徳スピンオフ)

先日のCA・木村さんとの授業で

「南の島での会話」(校長室ブログ 南の島での会話から)参照

について、木村さんにコメントをいただいたことは昨日のこの欄で紹介しました。

 

さて、この道徳の授業のスピンオフ(?)として、

3年生には1枚のプリントを配ってもらいました。

 

それは、

「南の島での会話」は現実でした

という内容のものです。

 

別に全く働かなくても、

のんびり思いのままに、欲しいもの全てを手に入れて暮らせる島が

現実にある(正しくは「あった」?)のです。

以下、HPのコラムから一部引用してみます。

 

以下引用*****

 

 ひとつの国で、働いているのはたった18人!

 

この世で最も金持ちの国とはどこなのでしょうか?

ドバイ? アメリカ? スイス?

かつてそれらの国を越え、地上の楽園と言われたのが、南太平洋の小さな島・ナウルでした。

東京都の10分の1、直径2キロほどのこの小さな島では、税金はゼロ、病院はタダ。

働くことがないどころか、住民たちは人生で働いた経験が一度もないので、『働く』ということの意味すらわかっていません。

食事はすべて外に食べに行きます。

しかし、レストランを運営する人すらもいないので、中国人が経営している中華料理屋で食事を済ませます。

なにもしなくても毎月莫大な年金が政府から振り込まれてくるため、友達と遊んだり、南の島でぼーっとしたり、恋愛したりしているだけで大金持ち。

結婚すると、国から一戸建ての家まで建ててもらえます。

人々の生活は、ぶらぶらするか、お酒を飲むか、車を走らせるか。

小さな島には道路が一本しかなく、スクーターでも30分で一周できる程度のものなのですが、ありあまるお金によって、一日中ベンツなどの高級車が走り回っています。

走る意味は特に何もなく、「なんか暇だし、走ってると涼しいから」。

通常は南の島であれば、お金がないので観光客に来てもらうことが産業になります。

そのために住民たちは必死で観光客に対するおもてなしを考えますが、ナウルの人々は、お金だけは有り余っているので、まったく誰にも来てもらう必要がありません。

むしろ、観光客がくると邪魔であると考えているため、非常に閉鎖的で、国外に情報が流れることがなかったのです。

地元民たちは誰も働かず、空港などもあるものの、すべての経営に外国人を雇って済ませているため、働いている人間は国会議員18人だけ。

(以下つづく)

*****

(写真は https://ameblo.jp/satopapax/entry-12243138129.html から)

 

上の記事は、次のページから引用しました。

関心のある方は、続きを下のリンクからご覧になれます。

誰もが働かずに暮らせる、世界一の金持ちの国!南の楽園・ナウルの光と影

 

また、Wikipedia でも概略は知ることができます。

ナウル (Wikipedia)

 

硬派のビジネス記事なら、つぎのページはどうでしょう。

日経ビジネス ナウル、世界一の贅沢に溺れた国の結末 不労所得による繁栄は、地獄への入り口

世の中広いものです。

たとえば、明日あなたに宝くじが当たり、1日にして億万長者になったら、

「どう生きていきますか?」

 

ちょっと立ち止まって夢?に思いを巡らせてみませんか。

 

生徒たちといっしょにCAさんから学びました

昨日の6時間目、3年生の道徳の時間をいただいて、

1時間授業をさせてもらいました。

といっても、現役CAの木村久美子さんをゲストに招いての授業でして、

主役は木村さんと、聞き手をつとめてくれた橋本さんはじめ、生徒たちです。

詳しくは、以下のページをご覧ください。


CAさんがやってきた 3年道徳(2021/1/28)


続報CAさんがやってきたⅡ 3年道徳の感想から(2021/1/28)

 

私がお話を伺って勉強になったことが、おもに次の5つありました。

 

①まず、「CAさんになるまでの苦労」の話題になったとき、

「CAになるための道はたくさんあります。

いろいろな経験を経てCAになる人もたくさんいます。

むしろ、CAになってからの方が厳しいし、たいへんでした」

とおっしゃったことです。

生徒が直面している高校入試も、ゴールではなく、通過点だという話をしているのですが、

まさにそのとおりの実感のこもった言葉でした。

(なお、そのつらい時期によく聴いていた思い出の曲をお尋ねしたら、

久保田利伸さんの「 LA・LA・LA LOVE SONG」を挙げていただきましたので、

授業中にも流して、当時を思い出していただきました。

…ちなみに大ファンの木村拓哉さんのドラマにちなんだ曲だそうです)

 

②次に、ANAのCAさんは約7,000人いらっしゃるそうで、

フライトのたびに「はじめまして」という初対面の人と

チームを組んで業務に当たるということです。

それだけに、

「CAさんとしての当たり前の基本をきちんと身に付けておくこと」

「誰とでもコミュニケーションを取ってチームワークよく行動できること」

などが必要だということでした。

毎回が新メンバー、新チームであれば、

仕事に関して得意や不得意などを言う余地はなく、厳しいなと思いました。

 

③また、川下くんの「CAをしていて腹が立ったことはありましたか」という質問の答えの中の

「いろいろなお客様がいらっしゃいます。

中には、チームみんなでフォローしてもうまくいかないケースもあります。

しかし、プロですから、制服を着てお客様と向き合えば、どんなことも耐えられます」

という言葉には、さすがだなあと感銘しました。

 

④そして、「南の島での会話」(校長室ブログ 南の島での会話から)参照

についての答えでは、

昼寝をしている人に

「たとえ行き着くところは同じだとしても、

そこまでの努力や過程が違うのです。

人生の豊かさが違うのですよ」と声をかけるというお答えでした。

 

努力して達成する「人生の豊かさ」

私も深く考えさせられる言葉でした。

 

⑤最後に、生徒たちも言っていましたが、言葉遣いが丁寧で、きれいな日本語でしたね。

とてれも聞き取りやすい、スマートな話し方でした。

これも私自身も気をつけて見習いたい点でした。

 

生徒たちといっしょにたくさんのことを学ばせていただきました。

木村さんをはじめ、市当局の関係者の皆さん、ほんとうにありがとうございました。

コンコルド効果

私は、毎朝のテレビの「林先生のことば検定」を頑張っています。

今月は目標の合計60ポイントまであと少しになりました。

そのコーナーで、先日、「コンコルド効果」について出題されていました。

私はたまたまこの言葉については知っていましたので、

ちゃっかり3ポイントをゲットすることができました。

 

皆さんはこの「コンコルド効果」についてご存知ですか。

Wikipedia によると、こう説明してありました。

*****

「埋没費用効果 (sunk cost effect)」の別名であり、

ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をしつづけることが

損失につながるとわかっているにもかかわらず、

それまでの投資を惜しみ、

投資がやめられない状態を指す。

超音速旅客機コンコルドの商業的失敗を由来とする。

*****

 

例えば、パチンコ屋でだいぶん資金を投入しても、すってしまった時、

「今日はもうダメだな。この辺でやめておくとするか」

とはなかなか思いきれず、

「この次は、玉が出るかもしれない」

と根拠もなく期待したり、

「せっかくここまでつぎ込んだんだ。これでおめおめやめられるか」

と変に意地になったて引っ込みがつかなくなったり、

「次こそ。今度こそ」

と期待してずるずると泥沼にハマってしまったり……。

そんな気持ちになることは、誰しもあるかもしれません。

 

「撤退する勇気」はなかなかだせるものではないかもしれません。

立場やそれまでの経緯によっては、なおさら難しいことでしょう。

しかし、歴史に学べば、

リーダーの決断は大切に思えてきます。

 

なぜこういうことを思ったかというと、

2020年に日本中、世界中が盛り上がることを楽しみにして、

東京五輪のピンバッジを、いくつか購入していたのを

思い出したからです。

超音速旅客機コンコルドは、

ロンドン・ニューヨーク間を3時間足らずで結ぶという、スピードの面では成功したものの、

騒音や環境破壊、コストの面ではとても成立しないと、

早くから分かっていたにもかかわらず、

最終的には莫大な赤字を残して消えていくことになったようです。

 

最近の国会のニュース報道などを見ていると、

五輪を目指している選手の皆さんのことも頭をよぎり、心が痛みます。

 

(オリンピックとパラリンピックの2つのマークが1つのピンバッジになっているものがあります。

JRC事務局でパラ卓球メダリストの工藤恭子さんが

昨年度の文化発表会で講演されたときにいただいた、大切な記念のバッジです)

校長住宅さようなら

私はもともと熊本市の出身です。

生まれて最初に住んだ家は、現熊本駅の新幹線口からよく見えるところにありました。

今でも初詣には、その近くの神社に出かけ、

新幹線開通とともに様変わりした、思い出の町並みを巡ったりします。

その町を皮切りに数えてみたら、生涯で11か所の家に住んだことになりました。

その10番目の住まいが、本校正門前の校長住宅でした。

平成29年の4月に本校に赴任すると同時に、引っ越してきました。

 

引っ越してきた日はとても天気のいい日で、

真っ青な空をバックに、住宅から白い本校校舎が光って見えました。

スクールバスに乗る吹奏楽部の生徒たちが、元気にあいさつしてくれたのを覚えています。

 

嵐が来ても、雪が積もっても余裕で通勤できる、素晴らしい住宅でしたが、

なぜか冬はえらく寒かったのを覚えています。

また、朝起きたら枕元に、初めて見るような名前も分からない虫?

(虫かどうかも今となっては疑わしいもの)が

何十匹?(何十個というべきか)もじっとしていたのも、

びっくりしましたが、今ではいい思い出です。

 

その校長住宅が今週から取り壊されています。

お世話になったのは2年間ですが、

住んだ家があっという間に姿を消していくのは、やはりさびしい感じがします。

 

跡は整地されて、念願のスクールバス乗り場になる計画です。

 

「仮称・牛深東センタープラザ」です。

 

バス3台の駐車スペースに加え、

電話ボックスは場所を少し移して残し、

新しく子供たちの待合用のベンチとその屋根、

花壇と水やり用の水道、

(可能ならできれば噴水もとお願いしていますが)

と、安全に児童生徒たちが毎日乗降できるスペースにしていただく予定です。

 

しばらく撤去、整地と工事が続きますが、

春休みまでには完成するように聞いています。

皆さん、楽しみに待っていてください。

 

(これは、今はなき熊本交通センタープラザです)

熊本交通センタープラザ - Wikipedia

 

「努力は裏切らない」のか?

予備校講師の林修さんが、こういうことを言っておられます。

 

*****

努力は裏切らない、という言葉は不正確です。

正しい場所で、

正しい方向を向いて、
十分な量なされた努力は裏切らない、

が正しいんです。

*****

 

なるほどと思いました。

逆に言うと、

間違った場所で、

間違った方向を向いて、

不十分な量の努力をしても、

努力は裏切るということでしょうか。

 

自分では努力をしたつもりでも成果が出なかったときに、

他人や周囲の環境のせいにして、負け惜しみを言ったり、

「努力してもダメじゃないか。自分はダメなやつなんだ」と自信をなくしたり、

やけっぱちになったりしてはいけないのでしょう。

 

たとえば、私が歌手になろうと思い立ち、

上京して音楽専門学校に通い、

アイドル歌手になるための訓練を、

1か月受けた としても、

歌手にはなれないと思います。

(大阪の吉本の専門学校に入って、

芸人さんを目指す方が可能性は若干高い)

 

「正しい場所」か?

「正しい方向」か?

「努力の量は十分」か?

 

そういったことを、ちょっと立ち止まって

考えなくてはいけないのかも知れません。

 

林先生は若いときに借金を抱えて困っているときに、

塾の講師という居場所に縁があり、そこで努力をされて、

現在があるようです。

 

私はこの「正しい場所で」が案外一番難しいように思います。

 

早いもので、来週はもう2月の声を聞きます。

言うまでもなく、3年生は、進路選択、進路実現のための大切な時期です。

3年生はもちろん、2年生も1年生も進路について、当事者意識を持って

考えてみることも大切な気がします。

ザリガニのファイティングポーズに学ぶ

おかげさまで、このブログも昨年5/1からなんとか毎日更新を続け、

えっちらおっちらと、もう230回を超えたかと思います。

ご愛読ありがとうございます。

 

さて、その記念すべき(?)第1回目は、

「心はいつも攻め続ける」

という記事で、映画「隠し剣 鬼の爪」に出てくる

 

「大事なのは、逃げるのは体で、心ではない。

心はいつも攻め続ける」

という言葉を引き、臨時休校中の思いを述べたところでした。

 

このことに似ているのですが、クスッと笑えるような話を読みました。

 

ザリガニを捕まえようとすると、

彼(彼女)は前を向きながら、後ろに下がるというのです。

勢いよく後ろに下がり、あっという間に、遠くへいってしまうのだそうです。

意地でも後ろを向かないそうです。

つかみはOK: バックラッシュ製作所Ⅲ


しかも、ただ後ろを向かないだけではなく、
大きなはさみを高く振り上げ、

人間で言うところの「ファイティング・ポーズ」を取りながら、

後ろへ下がるというのです。

「なかなか前向きな逃げ方」です。

 

「ただ逃げるだけではない。
戦う姿勢を崩したわけではない。
ただ今は下がることが必要だと判断しただけだ。
そうやって、私たちは生きてきた」

引用「逃げるは恥だが負けたわけではない。ファイティングポーズをとれ!」より

 

ザリガニも一生懸命だと思ってみれば、共感しましたし、かわいいですね。

蝲蛄のイラスト素材 - PIXTA

「想像力のスイッチを入れよう」

小学校5年生の国語の教科書に、

「想像力のスイッチを入れよう」という教材があるそうです。

私は読んだことはないのですが、

さまざまな情報に出会った時に、何が大切かを分かりやすく述べてある教材のようです

 

その教科書会社 光村図書のホームページに、

とても良い動画がアップされていることを知りました。

教科書本文の筆者である、下村健一さんが自ら、

コロナ禍での情報への向き合い方について、具体的に解説されています。

今は大学の先生である下村さんは、テレビ局アナウンサーのご経験もあるそうで、

とても分かりやすく説明されています。

 

早速ホームページを見てみると、約6分の動画が4本アップされています。

5年生向けに作られた動画でしょうが、

中学生にも、また大人にとってもたいへん参考になる内容ですので、

ぜひご覧になってください。

 

光村図書ホームページ 「想像力のスイッチを入れよう」

 

応用編① まだ分からないよね?

 

応用編② 事実かな? 印象かな?

 

応用編③ 他の見方もないかな?

 

応用編④ 何がかくれているかな?

 

世界で行われた「2つの交代式」

昨日は、アメリカのバイデン大統領の就任式が行われました。

米国の民衆の分断と、新型コロナ禍をはじめとした、

様々な課題に直面した船出と、各メディアが報じていますね。

 

この就任式で、詩を朗読したアマンダ・ゴーマンさんは22歳の若さで、就任式に登場した詩人としては最年少だそうです。

詩のタイトルは「The Hill We Climb(我らの登る丘)」。

 緊急全訳】アマンダ・ゴーマン「私たちがのぼる丘」─米国大統領就任式で世界が注目 | クーリエ・ジャポン

→【緊急全訳】アマンダ・ゴーマン「私たちがのぼる丘」─米国大統領就任式で世界が注目

 

When day comes we ask ourselves,

where can we find light in this never-ending shade?

日が始まる時 私たちは自問する

終わらない影の中 どこに光を見つけられるか

 

で始まり、

 

There is always light.

Only if we are brave enough to see it.

光はいつも存在する

私たちにそれを見る勇気さえあれば

 

There is always light.

Only if we are brave enough to be it.

光はいつも存在する

私たちが光になる勇気さえあれば

 

と締めくくられています。

バイデン氏と同様、発話障害を乗り越えた彼女の堂々とした朗読は、

多くの人に感銘を与えたようです。

彼女の着ていた鮮やかな黄色の服は、

詩にある「光」を象徴しているかのようでした。

 

米国初の(そして「最後ではない」)女性副大統領ハリスさんのコートは、鮮やかな紫でした。

民主党の青と共和党の赤の融和を表しているとも映りました。

4年前に敗れたヒラリーさんも、敗北宣言の時だったでしょうか、

だんなさんと共に、夫婦そろって紫を身につけて登場されていたのを思い出しました。

このように、服や物に象徴として思いを込めるということがありますね。

 

さて、昨日はもう1つの大切な「交代」が行われました。

 

牛深東中学校 生徒会執行部引継式 です。

ZOOMでの実施でした。

感謝状贈呈、第16期執行部の最後のあいさつと進み、

特に後迫会長のあいさつは、

さすが「コロナに負けない生徒会」を1年間引っ張ってきたリーダーらしい、

熱い思いのこもったものでした。

 

そして、恒例の生徒会旗(校旗)の次期会長への引き継ぎがありました。

山本前会長から1年、いろいろな思いを込めて手渡してくれたと思います。

 

その思いを受けた、鶴長新会長のあいさつも、力強く素晴らしいものでした。

3年生たちの信頼と期待を受け止めて、先輩へのエールを込めて語ってくれました。

 

本校歴代の「日本一の生徒会」の伝統が進歩しながら受け継がれていく、

象徴的な場面は、生徒会旗の引き継ぎのシーンだと思います。

そばで見ていた私も、胸が熱くなりました。

新執行部の今後の健闘を祈りたいと思います。

 

生徒会役員交代式を行いました

第13期三宅会長から第14期小﨑会長へ 

 

3年生から2年生へ!「継承」と「創造」 生徒会役員引き継ぎ式

第14期小﨑会長から第15期山本会長へ

2学期終業式・生徒会役員任命式

第15期山本会長から第16期後迫会長へ

生徒会執行部の新旧交代

新生徒会役員「なりたい自分になるために」

そして、第16期後迫会長から第17期鶴長会長へ

生徒会執行部引継式(2021/1/22)

朝を制する者は一日を制す

今日の「学校生活」のページでは、

「朝を制するものが一日を制す」と題して、

東中生の朝の苓南タイムの頑張りを紹介しました。

静かに落ち着いた雰囲気の中で1日の学校生活のスタートを切ることは、

頭にも心にも体にとっても、とてもいいことだと思います。

 

脳科学者の茂木健一郎さんは、朝を制するものが「人生」を制するとおっしゃっています。

引用*****

脳は、夜眠っている間に、前日のさまざまな体験を整理し、側頭連合野の回路に記憶する。

従って、朝目覚めたときは、記憶の整理が終わって、いわば「すっきり」した状態になっている。

朝の時間が「ゴールデン・タイム」といわれる理由は、ここにある。

集中して仕事をする条件が整っているのである。

「朝を制するものが人生を制する」は過言ではない。

私は、起きてすぐメールを見たり、ツイッターやフェイスブックをチェックしてエンジンを始動する。

そして、家を出る前に、一仕事済ませてしまう。

1日の最初に、いきなりトップ・スピードで活動することで、その後の仕事のリズムがつくられる。

*****

 

パソコンを終了すると、いくつものウインドウを閉じながら、

「ジジジジジ…」といって終了していきます。

あれはパソコンのCPUが1日の処理内容を片付けている音でしょうか。

人間の脳も寝ている間に、そういった片付けを終えてすっきりしているのでしょう。

そう言われてみると、朝は脳がすっきりしているような気がしてきました。

朝イチで調子よく仕事が処理できれば、一日中、調子いい感じがしますね。

 

朝、家から出かける2時間前に起きて、日光を浴びて、1時間で食事や身支度などを終え、

あとの1時間で仕事や勉強をすると、

とても効率が上がるというおすすめも聞いたことがあります。

 

ちなみに、私は朝のテレビ番組の「林修先生の言葉検定」で脳を鍛えています?

東中の伝統

毎日、一時間は校内を散歩して、

授業の様子や生徒たちの頑張り等を拝見するようにしています。

なるだけ生徒たちの集中の邪魔にならないようにしています。

スナップ写真を撮らせてもらい、

ホームページの「学校生活」にアップしています。

5月から、授業日はほぼ毎日更新中です。

丸山先生にも手伝ってもらっています。

そして、少し遅れることもありますが、

同様の記事をFacebookにもアップしています。

それと別に「校長室ブログ」も更新中です。

これは5月から長期休業日以外は毎日更新中です。

たしか、220回は超えていると思います。

「校長先生もひまなのですね」と聞こえてきそうですが、

ご愛読をよろしくお願いします。

昨日の「学校生活」で紹介したことですが、

あんまり嬉しかったので、

この欄で引用したいと思います。

*****

3年うみかぜです。

道徳で「伝統を創るもの 受けつがれる思い」を学習しています。

桑野先生の「東中ならではの伝統って何だろう」という問いに、

川下くんがしばらく熟考して、

「笑顔が多いところ」と答えていました。

とても嬉しかったです。

*****

川下くんがしばらく考えていたので、

私も横から

「なにがあるだろうね」

とか言いながら応援していたのですが、

「笑顔が多いところ。

みんなよく笑う。

コロナでたいへんだけど。

元気もいいところ」

と発表してくれたのです。

 

いやー、私はとてもとても嬉しかったです。

その後、3F、4Fと上がっていったのですが、

階段を歩いていても、自然と笑いがもれて仕方なかったです。

3年生の教室では、小多先生と

同じテーマで道徳の授業があっていました。

さすがに活発に意見が出ていました。

東中の伝統としても、

東輪会、黙働掃除、語先後礼、気考実などたくさん板書してありました。

それを眺めているうちに、がまんできなくなって、

授業に割り込ませてもらって、

先程の川下くんの意見を紹介しました。

3年生の仲間も笑顔になっていました。

 

今年になって(まだちょっとですが)、

一番嬉しい出来事でした。

これも、川下くんをはじめ3年生のみんなのおかげですし、

桑野先生はじめ先生方にも感謝の気持ちでいっぱいです。

本当に嬉しかったです。

ありがとうございました。

南の島での会話から

担任をしていた頃に、授業で扱った話です。

 

*****

世界飛び回る日本のビジネスマンが、仕事で南の島へ行きました。

毎日忙しく飛び回っていましたが、

そのうち、静かな浜辺のヤシの木陰で、

いつも昼寝をしている男がいるのに気がつきました。

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ある日、ビジネスマンはその男に話しかけてみました。

「いつもそこで昼寝ばかりしていますね」

すると男は答えてこう言いました。

「あなたはいつも急いでいますね。

何をしているんですか」

ビジネスマンはあきれて

「仕事ですよ」と言いました。

すると男は「仕事?」と聞き返しました。

「そうです。私はこの島で◯◯の売り上げを伸ばすんです」

「ほう、売り上げを伸ばして、どうしたいんですか」

「会社に認められて、昇進したいんですよ」

「昇進?昇進してどうしたいんですか」

「そりゃあ、昇進して給料をたくさんもらって、金持ちになりたいですね」

「ふうん。金持ちになってどうしたいんですか」

「どうしたいって、そうですね。

おいしいものをたくさん食べて、のんびりしたいですね。

ゆっくり昼寝でもして」

 

男はちょっと黙ってからこう言いました。

「なあんだ。

そういうことなら私はもう毎日やってるな」

 

ビジネスマンは、何も言わずにどこかへ行ってしまいました。

*****

ここで、生徒たちに

「あなたがこの場で会話を聞いていたら、何と言いますか」

と尋ねるという授業です。

皆さんならいかがでしょうか。

東中の生徒にも、いつか聞いてみようと思います。

ヤシ - Wikipedia

「あなたは運がいいですか?」「はい」

早くも1月も中旬になり、明日は私立高校の奨学・専願試験です。

本校からもチャレンジする人がいます。

日頃の力を発揮してくれることと思います。

 

その後も、国立や公立の試験が続いてきますので、

それに備えて、3年生は面接試験の練習に余念がありません。

 

さて、面接というと思い出すのが、

松下幸之助さん(松下電器・現パナソニックの創業者)の逸話です。

松下幸之助「日本は風格ある国家を目指せ」 | 松翁、問わず語り | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

松下さんは社長だった当時、社員採用試験の面接の際に必ず

「あなたは運がいいですか?」と質問して、

「運がいい」と答えた人を採用したそうです。

 

これは実際に運がいいのかが問題ではなく、

その人が「自分は運がいい、恵まれている」と思っているかどうかを聞いているようです。


今までやってこれたのも、今の自分があるのも、

自分一人の力でなく、運の巡り合わせがよかったんだという謙虚さや

周りの人に運良く恵まれたと感謝の気持ちを持ったり、

「よし、ツイてるぞ」と前向きに考えたりする、

そういう人を求めていたのかなと思います。

また、そういう人たちの方が人に好かれるし、組織の中でもありがたいようです。

 

松下さんはその辺のところを考えて質問しているのでしょう。


少なくとも、「自分はなんてついてないんた!」と言ってる人とは、

友達になりたくない感じがしますからね。


また、この松下さんのエピソードから、

マザー・テレサさんの次の言葉を思い出しました。


思考に気をつけなさい。それはいつか言葉になるから。

言葉に気をつけなさい。それはいつか行動になるから。

行動に気をつけなさい。それはいつか習慣になるから。

習慣に気をつけなさい。それはいつか性格になるから。

性格に気をつけなさい。それはいつか運命になるから。

マザー・テレサの導き | AMOR


運がいい人には、それなりの

プラス思考とか、積極的な言動、

前向きな行動力や習慣、

そして周囲に好かれる性格が備わるのでしょう。

そんな人の周りには、やはり前向きな人が集まり、

それがお金に換えられない財産になるのかもしれません。

 

「運が悪い」というのは、この逆なのでしょうか。

 

「運がいい」といっても、

偶然道ばたで大金を拾うというようなことではないな、と思いました。

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想定と準備のあいだ

全国高校サッカー選手権大会が無観客で行われていました。

この状況下で大会を運営されるのも、厳しい練習を経て出場されるのも、

皆さん想像を超えるご苦労があったものと思います。

 

また、決勝戦の山梨学院対青森山田の一戦では、

中学生時代のチームメイトが対戦する場面もあり、

それだけでも大変なドラマだなと思いました。

 

ただ、ある監督さんの試合中の行為がスポーツマンシップに反していた、

という声があったことは、残念に思いました。

 

私も部活動(バスケット部)を指導していた時期がありましたが、

指導力もないのに、大きな声で選手を叱責したりすることもあり、

今となっては恥ずかしい限りです。

 

たとえば、試合中にノーマークシュートを外す選手がいたら、

「なんでそれを落とすんだ!」と怒鳴るといった具合だったのです。

以前にもこの欄で触れましたが、

その「なんで」を考えて、試合前日までの練習で成長させるのが指導者の仕事だったと思います。

今となっては、本当にその頃の生徒たちに申し訳なかったと思います。

 

また、最近、このような言葉を目にしました。

「真のリーダーでないのに、そうなろうとする選手は、

味方がミスした後に叱責する。

真のリーダーは選手がミスすることは想定済みだ」

 

元サッカー選手で指導者だった、ヨハン・クライフという人の言葉です。

ヨハン・クライフ 元オランダ代表のサッカー選手。1974年W杯で、準優勝の原動力となった。軸足の後ろにボールを通し、相…

クライフさんは、現役時代は「空飛ぶオランダ人」(!)と呼ばれるぐらいのスーパースターで、

指導者になってからも、守備重視のサッカースタイルを潔しとせず、

攻撃型のサッカーを信念を持って指導した人だそうです。

 

どんなトップ選手でも、ミスをしない人はいません。

リーダーたるべき人は、あらゆる事態を想定することが必要だということでしょう。

 

以前の私のように、目の前の事態を見てから、その結果だけにイライラしても、

リーダーとは言えませんね。

ミスが生じた場合やうまくいかなかった場合を前もってイメージして、

困らないように準備しておくのがリーダーだし、プロでしょう。

 

その準備ができていなくて敗れても、

その敗北の責任はミスした選手ではなく、監督の責任なのだと思います。

私も、いまさらですが、

一歩先か、それが無理ならせめて半歩先でも、想定して準備することを大事にしたいと思いました。

人間ドック体験記

先日、休みをいただいて、年に一度の人間ドックを受診しました。

感染予防対策には入念に注意しての受診としました。

日頃の不摂生もあり、年齢も年齢なので、

結果は反省すべきことがいくつもありました。

ただ、検査の待ち時間等にぼんやりしながら、

食事や運動など日常生活のことや、

これまでの自分の体調のこと、

また、これからのことなどに思いを巡らせる

貴重な時間を持つことができました。

特に昨年、今年は健康への思いを新たにしているところです。

 

今回は、胃カメラを受診しましたが、

検査していただく担当者の方が

防護服やゴーグルを着用して入って来られるのを見た時は、

分かっていたつもりでも

胸が詰まりました。

こんな私のために、と

感謝の気持ちでいっぱいになりました。

 

昼食は検診センター内のレストランでの

健康的な食膳でした。

今年は特にゆっくり、味をかみしめながらいただきました。

検査でお世話になった皆さん、たいへんお世話になりました。

りんごの木を植える

落ちないりんご

雪の中のりんご

と、りんごの話題に続いて、

今日もりんごにまつわる言葉を取り上げます。

 

よく、「明日地球が滅亡するなら、最後の食事で何を食べますか」という質問があるかと思います。

(ちなみに私だったら「母のつくってくれたきなこもち」と答えます)

(イメージ)

 

まあ、それとはちょっと異なりますが、このような言葉です。

 

「たとえ明日、世界が滅亡しようとも今日私はリンゴの木を植える」


Even if I knew that tomorrow the world would go to pieces, I would still plant my apple tree.


宗教改革で教科書に出てくる、ルターという人の言葉だそうです。

この言葉は、いろいろな方がいろいろな読み方をして、多くの場面で紹介されているようです。

 

どんな時でも希望は捨てない。

 

成果や結果を見ることはなくても努力する。

 

目の前にある自分が今できることをする。

 

コロナ禍の中でも、示唆に富む言葉だと思います。

 

さて、私はこう考えてきて、

「希望を捨てずに、できることをする」にしても、

なぜルターは「りんごの木を植える」

と言ったのかな、とちょっと不思議な気がしました。

例えば

「旅に出る」でも

「本を読む」でも

いいのかなぁとか考えていました。

そしてしばらく経って思い至ったのは、

「りんごの木」は何のたとえだろうか、ということです。

 

私は、ここで言う「りんごの木」は

「人」のことかなと思いました。

私は、

 

生徒たち

後輩の人材

が育つために、今日できる手を尽くす、

 

と思うことにしました。

雪ん子りんご

昨日のこの欄で、青森県の「落ちないりんご」の話題を取り上げましたが、

同じく昨日の夕方のニュースで、群馬県のりんごの話題が紹介されていました。

「雪の中のりんご」の話題でした。

(画像は群馬テレビの映像から引用)

 

群馬県沼田市の玉原高原で、りんごを雪の中に埋めておくというのです。

温度や湿度が一定の雪の中で保存することで、りんごがよりおいしくなる知恵だそうです。

そして、いつごろ掘り出すのかというと、なんと5月の大型連休の前だそうです。

りんごたちは、3か月以上も雪の中でじっとしていることになります。

群馬県の高原では、それまで雪が溶けないのでしょうね。

掘り出されたりんごたちは、真っ白な雪のおかげでより一層甘くおいしくなって、全国の家庭を賑わせることになるのでしょう。

なにか、ロマンのある話だと思いました。

 

 

2学期の後半、技術の授業で2年生たちがチューリップの球根を植えていました。

下城先生の指導で一生懸命体育館前の花壇を耕し、植え込んでいました。

生徒たちが「春に会おうね」と言いながら、土をかぶせていた姿を思い出しました。

あのチューリップの球根も花壇の中で、春を待っています。

(昨年12/22の授業の様子)

 

 (1/8の雪もがまんしている花壇の様子)

落ちないりんご

昨日は牛深ハイヤ実行委員会に出席してきました。

今年4月に予定されていた第50回牛深ハイヤ祭りは、

残念ながら、新型コロナ終息まで延期になりました。

本校も第48回(平成31年4月)に続いて、

全校生徒で総踊りに参加する計画でしたので、たいへん残念です。

 

その席上、東京ドームで毎年行われているイベント「ふるさと祭り東京」が、

オンラインで開催されたことのお知らせがありました。

配信プログラム | ふるさと祭り東京―日本のまつり・故郷の味―

牛深ハイヤも1/11(月)配信分で登場しました。

今もYOUTUBEでご覧になれます。

 

【公式】ふるさと祭り東京2021オンライン[4日目]

(5時間以上の長い動画です。牛深ハイヤ踊りは開始後1時間15分後ぐらいから登場です)

 

私は11日に自宅で視聴しましたが、

天草市役所の皆さんが天草各地の名勝をバックに踊っておられる

素晴らしい動画が紹介されていました。

 

ところで、番組の最初には、青森県のご当地アイドル「りんご娘」さんが登場し、

津軽地方の「ねぷた」についての紹介などをされていました。

RINGOMUSUME(りんご娘) on Twitter: "ふるさと祭り東京2021オンライン まもなくスタートです!! 今日は4人で出演します!  https://t.co/x4A9HrpHWk… "

 

牛深もゆるキャラ(?)あかねちゃんに続いて、

あかねちゃん@ハイヤのふるさと 天草牛深【公式】 (@fairyakane0818) | Twitter

アイドルの登場が期待されますね。

 

さて、青森のりんごで思い出したのが、

「りんご台風」の別名で呼ばれる、平成3年の台風19号です。

「平成一の風台風」とも言われ、熊本も大きな被害を受けました。

最大瞬間風速50メートルを越えたそうです。

この台風は、北上していった青森県でも、りんご農家に甚大な被害をもたらしました。

その時の逸話ですが、

収穫間近の多くのりんごが、台風の暴風で枝から落ちてしまって、出荷できなくなりました。

農家の人は途方に暮れてしまいました。

ところが、その中で、起死回生の手を打った農家があって、

台風で落ちなかったりんごを

「落ちないりんご」と名付けて、

受験生用に売り出したそうです。

受験生の皆さんはいい験担ぎということで、大好評になったと聞きました。

 

よくコップに半分入った水を見て、

「もう半分しかない」と思うか、

「まだ半分ある」ととらえるか、考え方次第ということが言われますが、

地面に落ちた無数のりんごを見て嘆くだけでなく、

まだ残ってくれていたりんごの実を見上げて、

「なんとかしよう」と思った方がおられたのでしょうね。

ピンチはチャンス、そのもののお話だと思います。

 

現在も「有限会社 落ちないりんご」からりんごの購入ができるようです。

青森 落ちないりんご 会社概要

みぞか号の思い出

成人の日に、ニュースを見ていましたら、

成人の皆さんが生まれた、20年前の出来事が紹介されていました。

BSデジタル放送開始、2000円札発行、シドニー五輪など、懐かしい映像が出てきました。

らいおんハート : SMAP | HMV&BOOKS online - VICL-35185

(SMAP らいおんハート 2000年8月30日発売)

熊本県内の出来事としては、

潮谷県知事誕生と共に、

天草空港開港と天草エアラインの就航が紹介されました。

天草と福岡を35分で結ぶ空の足の誕生は、画期的なことだったと思います。

 天草エアラインの個性豊かなATR42-600塗装機「みぞか号」に乗ってみた(搭乗記/天草-福岡)

 

さて、本校では、今まで2回にわたって修学旅行で天草エアラインを利用しました。

天草に空港とエアラインをつくった故郷の先輩たちの思いや努力を知ることも修学旅行の学びの一環になると考えて、天草エアラインや天草市のご理解とご協力を得て実現しました。

天草市などからの補助金もいただくことができ、大変ありがたいことでした。

 

1回目の旅で、大阪伊丹空港に着く前に、山本機長さんから

「皆さん、将来天草エアラインでいっしょに働きましょう」

と声をかけていただき、生徒たちの励みになったことでした。

2回目の旅に当たって、ぜひ機長さんは、前年と同じ方にお願いしたところ、ご好意で実現しました。

そしてその時も、山本機長さんに機内放送で生徒に話しかけていただきました。

特に印象に残っているのは、次のお話です。

*****

「壁にぶち当たり、悩むこともあるかも知れません。

その時、自分に居場所がない、

nowhere

と感じてしまうこともあるかも知れません。

しかし、

now here

今、ここにあなたがいることが大切なのです。

*****

 

というお話でした。

現役のパイロットの方に、心に残るお話をいただき、

修学旅行の最初の良い思い出となったことが忘れられません。

本当にありがとうございました。

また、天草エアラインでお会いできる日を楽しみにしています。

 

山本機長さんの言葉は、今も3F廊下に掲示しています。

あいさつに、スランプなし

「あいさつに、スランプなし」

 

タレントの松村邦洋さんの言葉だと紹介されていました。

 しくじり先生】松村邦洋の現在と病気は?年収や結婚の情報も! | ☆カラフル通信☆

あいさつは、必ずうまくいくということでしょう。

たしかに、あいさつをして、失敗することや不調になることはないような気がします。

 

緊張するテストや試合のときも、いつもどおりの明るいあいさつをすることで、

自分のペースをつかめるでしょう。

ちょっと怖そうな初対面の人に、いつもどおり元気なあいさつをすることで、

コミュニケーションをとりやすくなるかもしれません。

 

「あいさつに、スランプなし」

 

強気で、振り切っていて、いい言葉に思えます。

東中生の皆さんも、あいさつという得意技を磨いていきましょう。

ピンチの時に思い出すこと・・・ 長島はヒーローだった! 長島茂雄の豪快な三振シーン(思い出)からの学び - インディ中西 公式サイト

 310三振の権藤博氏が一つも奪えず 長嶋茂雄の打撃技術語る|野球|日刊ゲンダイDIGITAL

NHK「7年ごとの記録」を見て

「7年ごとの記録 35歳になりました」

 年末にNHKで放送されたドキュメンタリー番組です。

ご覧になった方もいらっしゃるでしょうが、とにかく深く考えさせられた番組でした。

 

NHKオンデマンドのHPから引用します。

……1992年、バブル経済の名残が残る日本各地で始まった7歳の子どもたちの取材。

その後、14歳、21歳、28歳と7年ごとに訪れ、家族や生活、そして将来の夢について話を聞いてきた。

長期シリーズ第5弾「35歳」。

英国BBCが同じような番組を制作しているそうですが、日本版のこの番組もとてもよかったです。

取材・制作には、当の出演者(普通の子供たちです。歌舞伎の尾上松也さんを除けば)の理解と協力をはじめ、スタッフの努力が不可欠だったと思います。

 

35才になって社会で活躍する人、子育てをしている人、夢を追い続けている人、悩んでいる人など、様々な人たちの現実が描かれていました。

(たとえば私が覚えているだけですが)

子育て中の雑誌編集者

沖縄の基地のある町で育った人

中国で生まれ育って東京に移り住んだ人

韓国にルーツを持ちプロ野球選手の夢を追った人

亡父の遺志を継いでいる歌舞伎役者

祖父と祖父の故郷・北方領土を見つめながら育った人

小さい頃から習い事に追われながら目標のCAになった人

宮城県の農業後継者

佐賀県の窯元の後継者

離島で育ち早く島を出たいと語っていた人……

など様々でした。

 

インタビューや取材で描き出されているものは、


無邪気な思い

思春期の思い

社会に出る希望や悩み

社会に出て味わう苦労

結婚のしあわせや子育て

人生を振り返る余裕

大切なものを見つける

歳を重ねた家族のこと

夢の実現と挫折

人生の思いの変化……

 

等々これも様々で、とてもここで言い尽くせるものではありません。

 

一人のエピソードを紹介すると、上記の「小さい頃から習い事に追われながら目標のCAになった人」は、

7歳のインタビューで、毎日いくつもの習い事をして忙しいことを話していました。

今ほしいものは、という質問に

「もう一人の自分がほしい」と言っていました。

なぜかというと、

「もう一人の自分に宿題をしてもらって、自分はその間に友達と遊びたい」

というようなことを、あどけない笑顔で答えていました。

その女性が努力を重ねて、夢だったCAになって活躍する28歳の時の様子が紹介されているのですが、

35歳の今回の取材では、CAを辞めて、子育てに専念されていました。

インタビューに答えて、

「30歳の時、お正月にフライトが入って、また今年も家族と一緒に過ごせないな、

と気づいて、急に辞めたいと思った」

という意味のことを言っていました。

7歳の時のあどけない笑顔と、母親になった今の笑顔とを見て、

私は

「夢」「努力」「家族」

と、いろいろなことを考えさせられました。

 

私は35歳どころか、もっと年上ですが、この番組を見て、

自分の幼少期、少年期、青年期と振り返ってみる機会になりました。

 

もし再放送など機会があれば、ぜひご家族で見られることをおすすめします。

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「サイフを盗まれたら、募金箱にお金を入れる」

「投げかけたものは返ってくる」という詩(?)がありました。

 

恨めば、恨まれる

憎めば、憎まれる……

 

と始まり、以下のように続きます。

 

愛せば、愛される

与えれば、与えられる……

 

そして、最後に

 

しかも、倍になって

 

で終わります。

「倍返し」というわけでしょうか。

ドラマ「モダン・ラブ」の1-3を見れば躁鬱病のことが分かる? | アーリーテックス

 

ああ、自分に返ってくるもんなあ、と自分を戒めて読んだところですが、

先日、ある海外ドラマを観ていたら、うろ覚えですが、このようなセリフがありました。

 

「小さい頃、お母さんからよく教えられたの。

悪いことが起きたら、その真逆のことをやってみればいいってね。

車で無理矢理割り込まれたら、

次は優しい気持ちで誰かに道を譲ってあげる。

サイフを盗まれたら、募金箱にお金を入れる。

そうすると、今度は自分にいいことが巡ってくるのよ」

 

さっきの「恨めば 、恨まれる」という状況で、

「恨む」のをやめておくだけはなく、

逆に「与えれば、与えられる」サイクルに持っていく、

ということでしょうか。

 

「仕返し」、「倍返し」を超越していますね。

この発想なら、「今日はツイてないな」というストレスを感じずに、

前向きに過ごせそうだと思いました。

 

半沢直樹」の「感謝と恩返し」 | 山形牧師の部屋

ならば ここに 花を植えよう

降雪、積雪による被害に遭われた皆さんに、お見舞い申し上げます。

 

昨日、雪の中を野中先生はじめ、先生たちが

プランターの小さな花の苗の雪を払い、雪から守る作業をしてくださいました。

以前、渡辺 和子さんの「置かれた場所で咲きなさい」という本や言葉についてふれましたが、

私は先生たちの姿をありがたく見ながら、

この冬に見つけた、工藤直子さんの「花」という詩を思い出しました。

 

  花   工藤直子

わたしは

わたしの人生から

出ていくことはできない

 

ならば ここに

花を植えよう

 

これだけの短い詩ですが、印象に残っています。

「出ていくことはできない」「ならば ここに」

簡明な言葉ですが、深く心にしみました。

 

そして、「花を植えよう」は能動的な感じがします。

ささやかでも強い意思を感じます。

 

できることなら今からでも、私は私の花を植えようと思いました。

 

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「マラソンと限界と先見」3学期始業式での話(要旨)

皆さんの登校時の笑顔、元気なあいさつにふれて、嬉しくなりました。

また、先程の代表の新学期の抱負を聞いて、さすが牛深東中生、頼もしく思いました。

 

さて、今年も箱根駅伝が行われました。

病気を克服して大健闘した選手の姿や最終区での逆転劇など、

本気で取り組むところに本当の感動があるのだと、改めて感じたところです。

箱根駅伝2021年(第97回大会)|結果・総合成績・出場校一覧

 

さて、以前、長距離走に取り組んでいる方から聞いた話です。

その人は最初、ハーフマラソンに出場しました。

約21キロを走ってゴールインすると、力尽きて倒れ込んだそうです。

やがて、フルマラソンに出場したそうです。

今度は、42.195キロを完走し、またゴールで倒れ込んだそうです。

そして、次には100キロマラソンに挑戦しました。

練習のかいあって、100キロを走り抜き、ゴールで倒れ込んだそうです。

 

その人は振り返って、こう言われました。

「ハーフマラソンの時は、約20キロで力尽きて倒れ込んだ。

しかし、フルマラソンを走り終えた時に気づいた。

20キロ地点を平気で走り抜けてきたのだ。

フルマラソンでは、42.195キロで力尽きた。

しかし、100キロマラソンを走り終えてみると、

20キロ地点も42.195キロ地点も当たり前のように通過していた。

不思議な感じがした」

という意味のことです。

 

皆さん、この話を聞いて、どう思いますか。

 

私は、この話から2つのことを考えました。

1つめは、限界を自分で決めてしまってはいないか、ということです。

自分の力の限界はここまで、と思い込んでしまうことがないか、ということです。

高い目標を持てば、そこまでたどり着くこともできるのではないでしょうか。

 

2つめは、先を見通していると、途中は乗り越えていけるのではないか、ということです。

20キロ地点でバタッと倒れてから、もう一度立ち上がって42.195キロのゴールを目指して走り出すのは、

至難の業でしょう。

100キロ先のゴールを見据えていれば、20キロ、42.195キロの通過の仕方も想定でき、

距離も短く感じるかも知れません。

3学期だけでなく、進学、進級後のこと、この夏の中体連、何年か先の進路など、

東中生の得意な先見を生かしてみてはどうでしょう。

 

東京など首都圏で緊急事態宣言が出される模様ですが、

私たち東中はこれまでと変わらず、

「体も心もコロナに負けない東中生」として、自分とみんなの命を守っていきましょう。

そして、「気づき・考え・実行する東中生」の活躍を期待しています。

3学期スタート 始業式「生徒代表意見発表」から

3学期始業式の生徒代表の意見発表をご紹介します。

「体も心もコロナに負けない牛深東中生」の意気込みをご覧ください。

 

1年生代表 河本さん

冬休みの振り返りと3学期の抱負

冬休みの生活を振り返ると、勉強をがんばりました。

宿題は冬休みが始まって4日間で終わらせて、残りの8日間は実力テストに向けて勉強することができました。

反省点は、生活リズムが少し崩れてしまったことです。

お正月やクリスマスなどの行事で、寝るのが遅れてしまいました。

3学期には改善したいと思います。

今日から始まる3学期は3か月後には、2年生になるので、勉強の復習をすること、また委員会活動に責任を持って取り組むことを目標にして、生活したいと思います。

 

2年生代表 綱代くん

3学期の抱負

僕は3学期に頑張りたいことが、大きく分けて2つあります。

1つ目は学習です。

テストの結果も大事ですが、自分はまず授業に正しい姿勢で取り組むことが大事だと思います。

自分はわからないことがあるとすぐ諦めてしまい、姿勢が崩れ、先生に注意されることが多々あります。

そして、家庭学習などもできていないので、3学期は授業に集中して、正しい姿勢で取り組みたいです。

2つ目は部活です。

自分は、野球部の一員として毎日練習を頑張っています。

去年は県大会で素晴らしい成績を収めることができましたが、野球部で現状に満足している人は誰もいないと思います。

もっともっと上を目指せるチームだと思います。

チーム力、団結力はどのチームにも負けないと思います。

この力を大切に、牛深東中野球部の九州制覇の目標のもと、がんばっていきたいと思います。

そしてこれから委員会など様々な仕事が2年生中心になってきます。

そのようなところでも、リーダーシップを発揮できるように頑張っていきたいです。

 

3年生代表 脇﨑(日)さん

冬休みの振り返りと3学期の目標

冬休みの良かった点は、生活習慣の乱れがなかったところです。

以前の私なら、長い休みになると、夜遅くに寝て昼前に起きていました。

しかし、今年は受験まで体調管理はしっかりしないといけないので、決まった時刻に寝て、決まった時刻に起きるようにしました。

また、反省点として課題を計画的に進めることができませんでした。

時間はたくさんあったのに、ついつい後回しにしてしまい、自分をコントロールする難しさを実感しました。

3学期の目標は2つあります。

1つ目は、入試に向けて自分に厳しく、勉強することです。

私は後期選抜を受けるので、入試の過去問や1・2年の復習をしっかりとしていきたいと思います。

2つ目は、充実した3学期を送ることです。

3年生20人で過ごす最後の学期なので1日1日を大切にし全員と思い出をつくれるように、あと43日間、全力で学校生活を楽しんでいきたいと思います。

 

生徒会代表 鶴長くん

新生徒会の抱負

3学期からは世代が変わり、自分たちが学校の中心となります。

いち早く仕事を覚え、「生徒や先生方の学校」のために頑張りたいです。

また、3学期から自分たちの公約に取り組めるように、計画をしていきたいです。

1年間よろしくお願いします。

2学期終業式「生徒代表意見発表」から

今日の2学期の終業式は、放送で行いました。

4人の生徒代表の意見発表から、牛深東中の2学期を振り返ってみましょう。

 

1年生代表 尾谷(鉄)くん

2学期の反省と3学期の抱負

私が2学期を振り返って良かった点は、2学期が始まってすぐは、友達と密になることが多かったのですが、2学期の終わりには、しっかり密を避けられていたことです。

改善できた理由は、先生方から触れ合わないことや大声を出さないことを、注意されていましたが、一日一日と過ぎていく間に、密を避けようという意識ができていたからです。

課題点としては、それでもまだ「密だ」と言われる場面があることです。

特に、声の大きさを調整することができていませんでしたので、3学期にはできるように努力をしたいと思います。

明日からの冬休みは、コロナの感染が広がっているので、外から帰ってきたときには必ず手洗いやうがいをして、健康に気をつけて過ごしたいと思います。

また、3学期からは、1年生の生徒会副会長を務めます。

生徒の皆さんのために、よりよい学校づくりを目指して頑張りたいと思います。

 

 

2年生代表 宇左美くん

2学期頑張ったこと

僕が2学期頑張ったことは、社会の期末テストです。

2学期は納得のいく点数が取れませんでした。

だから、2学期は早くワークなどを終わらせ、何度も問題を解きました。

すると、自分の納得のいく点数を取ることができました。

そこで、これからのテストでも続けていきたいです。

他にも、部活をがんばりました。

僕は、スタメン出場することがほとんどできませんでした。

だから、絶対スタメン出場して活躍したいという気持ちを持って、今までで一番の練習をしました。

それでも結果が出ないことが、ほとんどでした。

それでも、あきらめず練習しました。

すると、最近の試合では、ヒットを打つなど結果を出すことができました。

これからも、どんなにきつくても妥協せず、自分に厳しく練習を続け、スタメン出場して活躍したいです。

そして冬休みには、家の手伝いをしたいです。

 

 

3年生代表 上羽くん

2学期の振り返りと冬休みの抱負

例年よりも長い2学期でしたが、僕は頑張ったことで心に残っていることが2つあります。

まず、体育大会のダンスリーダーです。

みんなに教えるために、早めに振り付けや歌詞を覚えられるよう努力しました。

結果として、体育大会本番で、みんなとよいダンスを踊ることができたので、よかったです。

反省点として、自分から行動することがあまりなかったので、今後何かのリーダーをするときは、自分から行動できるように心がけたいです。

次にハイヤです。

本番の発表に向けて、少ない練習を頑張り、3年生として満足のいくものにすることができました。

総合センターのステージで発表し、拍手をもらった時は、達成感を感じることができ、努力の大切さを再確認しました。

3学期はいよいよ受験本番です。

冬休みに取り組みたいことは、体調管理と勉強です。

大事な高校入試に向けて、自分が納得できる思い通りの結果が出せるように、しっかりと取り組んで備えようと思っています。

 

 

生徒会代表 後迫さん


2学期を振り返って

今年は例年より短い夏休みを経て、長い2学期が始まりました。

1学期とは違い、新型コロナウィルス対策にも取り組みながら、たくさんの行事が行われました。

まず1つ目の大きな行事として、体育大会がありました。

夏休み中から各リーダーで練習や制作に入り、短い期間ではありましたが、各自満足のできるものができていたと思います。

体育大会当日も、短い時間でしたが、内容の濃い時間が過ごせたと思います。

2つ目は、文化発表会がありました。

2、3年生のハイヤ踊り、1年生のリズムアンサンブル、吹奏楽部の演奏、そしてMICAさんによる特別授業。

例年とは違う形にはなりましたが、自分たちの練習の成果を発揮する良い機会だったと思います。

3つ目に生徒会選挙・立会演説会がありました。

来年の東中を背負っていくリーダーたちの意気込みを聞くことができ、また、生徒たちの前でお互いに質問をするやりとりを聞きながら、「自分たちが引っ張っていく東中をどうしたいのか」をより深く知ることができた時間だったと思います。

そして最後に、生徒会四役の活動として、1学期はできていなかった「全員遊び」も行うことができました。

他学年との交流の場が、少しで増えたのであればよかったなと思います。

3学期は、新生徒会四役が頑張って引っ張っていってくれると思います。

3年生は受験に向けて、1、2年生は新しい学年に向けて3学期も頑張りましょう。

 

この後、私からは「体も心もコロナに負けない」生徒の皆さんへのお礼と、

クラスメートや先生方、家族の方にも感謝の気持ちを伝えてほしいと話しました。

以下は、そこで紹介した「グッジョブ!カード」です。

 

皆さん、2学期もこの欄をご覧いただき、ありがとうございました。

次回は令和3年1月7日の始業式の日に掲載予定です。

どうぞ、よいお年をお迎えください。

 

「親の子ども時代の写真」を見せてみましょう

多くのご家庭でもおありかと思いますが、

私も子どもが幼い頃、自転車に乗る練習をいっしょにしたことがありました。

子ども用の自転車に乗せ、荷台をつかんで、後ろからいっしょに走ってあげます。

「いいぞ、いいぞ、その調子」

とか言いながら走らせますが、それでも子どもはバランスを崩して倒れたりします。

激しく倒れないように荷台を持っていたりするわけですが、

子どもが何回もうまくいかなくて、半べそをかいても

「もう1回、もう1回」

と励まして乗せます。

「大丈夫、大丈夫。お父さんもすぐには乗れるようにはならなかったぞ」

 

そのうち、長く乗れるようになって、ハンドルが大きくぶれてバランスを崩すようなことが減ってきたら、

頃合いを見て手を離してやります。

「できた。できた」

とほめて、また励まします。

まあ、このようにして自転車の練習をするものではないでしょうか。

 

これが、「転ぶのがかわいそうだから」と大人が手を離さないままだったり、

ずっと補助輪を付けたまま外さなかったりするなら、どうでしょう。

いつまでも一人で自転車をこぐことは、できないかもしれないのではないでしょうか。

 

自転車の練習をする女の子のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

このようなことを思い返したのは、次の記事を目にしたからです。

 

開成の元校長が語る「親の子ども時代の写真を見せること」の効果


大学進学で実績のある進学校、開成中学・高校の校長を長く務められた、柳沢幸雄先生のお話です。

少し長いですが、引用してみます・

*****

子どもの失敗、大いにけっこう! 親が先回りして失敗を防いではダメ

学校の勉強、友達関係、受験や部活動……。

保護者は、つい子どもが心配になり、先回りして、失敗しないように手はずを整えてしまいがちですが、それはやらないほうがいい。
失敗しない人生を目指さなくていいのです。

保護者の方も、考えてみれば、たくさん失敗してきているはずです。

でも、ちゃんと生きています。失敗したからこそ、今の自分があるのです。

その自分に自信を持てばいい。
むしろ、保護者の方は、子どもに失敗したときのことを話してあげてください。

親が子ども時代のことを、子どもに伝えるのはとても大切なことです。

親にも子ども時代があったのだと。

そのときにはやんちゃだったり、忘れん坊だったり、恥ずかしがり屋だったり、

自分のリアルな様子も話すと、子どもはほっとします。

 *****

そこが聞きたい:子供の才能伸ばすには=開成中学・高校校長 柳沢幸雄氏 - 毎日新聞

そして、柳沢先生は

「保護者の子どもの頃の写真や、卒業文集があったら、ぜひ子どもに見せてあげましょう」

と提案されています。

 

*****

親がカビ臭い昔の、あるいはだれかが作った理想像を掲げ、

「こういうふうになってほしい」「なぜなれないんだ」と子どもを責め立てたら、

それは自分の人生を棚に上げたことになり、血の通ったあたたかみのある話にはなりません。

それより、失敗を乗り越えた自分を子どもに語り、

笑いの中から、歩むべき道を自分の行動から教えてあげましょう。

*****

 

これは、私の好きな相田みつをさんの書の一つです。

受け身を教えるときも、大人がまずやって見せることでしょう。

 

 

もうすぐ冬休みです。

今年の年末年始は、外出を控え、家庭で過ごされる時間も増えるのではないでしょうか。

その家族の時間の中で、ご自分の中学生時代の写真などを囲みながら、

楽しくお話をしていただくのもいいのではないかと思います。

桑田佳祐X芥川龍之介

本校の朝の放送は、文化発表会以降、ずっとMICAさんの「繋がってる」「天海」です。

今週は給食の時間には、「クリスマス・ソング特集」が放送されています。

文化放送委員会が潤いのある学校生活のために、工夫して活動してくれています。

 

先日、あるテレビ番組で、クリスマス・ソングのベストなんとかというものをやっていました。

年代別にアンケート結果が発表されていました。

私は山下達郎さんや松任谷由実さん、頑張ってマライヤ・キャリーさんの有名な曲は知っていましたが、

若い世代の上位に入っている曲は、知らないものが多かったです。

その中で、私の好きな曲が入賞?していました。

桑田佳祐さんの「白い恋人達」という曲です。

この曲を聴くと、同じく好きな芥川龍之介の「ピアノ」という短編小説を思い出します。

このような書き出しで始まる小説です。

(青空文庫をもとに、旧字体や旧仮名遣いを私が現代仮名遣い等に直しています。「震災」とあるのは、関東大震災です。)

 

*****

  ピアノ     芥川龍之介

 ある雨のふる秋の日、わたしはある人を訪ねるために横浜の山手を歩いて行った。この辺の荒廃は震災当時とほとんど変っていなかった。もし少しでも変っているとすれば、それは一面にスレートの屋根やレンガの壁の落ち重なった中にアカザの伸びているだけだった。

 (参考:スレートの屋根)

(参考:アカザ)

*****

 

いいですね。

芥川を好きな人だったら、たまらないような芥川ワールドです。

この横浜の荒んだ街角は、きっと主人公イコール芥川の人生の何かを表していますね。

そして、物語はこう続きます。

 

*****

現にある家の崩れた跡にはフタをあけた弓なりのピアノさえ、半ば壁にひしがれたまま、つややかに鍵盤を濡らしていた。のみならず大小さまざまの譜本もかすかに色づいたアカザの中に桃色、水色、薄黄色などの横文字の表紙を濡らしていた。

*****

 

お分かりですね。

この家の崩れた跡に置き去りにされたピアノは、主人公イコール芥川自身かもしれませんね。

きっとアカザも何かを表していますね。

アカザの枝は強く、杖の材料にもなるそうですので、おそらく「  」を暗示しているのでしょう。

(「 」の中はご想像ください)

そして、途中は略しますが、この後の場面では、ピアノがこう描かれています。

 

*****

 すると突然聞えたのは誰かのピアノを打った音だった。いや、「打った」と言うよりもむしろ触った音だった。わたしは思わず足をゆるめ、荒涼としたあたりを眺めまわした。ピアノはちょうど月の光に細長い鍵盤をほのめかせていた、あのアカザの中にあるピアノは。――しかし人かげはどこにもなかつた。

*****

 

この不思議なピアノの音を巡って、さらにストーリーは続きます。

興味がある方は、読んでみてください。

こちらの「青空文庫」からお読みいただけます。

 

なぜこの芥川龍之介の短編小説と桑田佳祐さんの曲が重なるかというと、このMVがあるからです。

「ピアノ」を最後まで読んでいただき、このMVをご覧いただくと、

私の言っている意味がお分かりいただけるかと思います。

 

クリスマスを前に、この動画をもう一度見直したところです。

生徒の皆さんも今年の冬休みは少し外出を控えて、

静かに音楽を聴いたり、本を読んだりしてみてはどうでしょう。

Born This Way

恐れ入りますが、

今日も「サワコの朝」の塩沼亮潤さんの話の関連です。

 

この番組では、ゲストの方に「思い出の中で今でも輝いている曲」「今、心に響く曲」を、

その曲にまつわるエピソードや思いと共に聞かれます。

 

以前、元陸上選手で世界陸上400mハードル銅メダリストの為末大さんが出演されたときは、

海外で一人で試合を転戦されている時によく聴いていたという、

グロリア・ゲイナーの「I WILL SURVIVE」

について語っておられました。

「I WILL SURVIVE」とは、「私は生き残る」という意味でしょうね。

以前お話しした、私の好きな映画「オデッセイ」のエンディング・ロールでも流れていましたので、印象に残っています。

また、今年のコロナ禍の中で、「手洗い歌」としてTikTok上でも人気を集めたそうです。

(Gloria Gaynor #WashYourHands #IWillSurviveChallenge on TikTok)

 

ところで、塩沼さんはどんな曲を選ばれたかというと、

なんと、レディー・ガガの「Born This Way」でした。

私は、塩沼さんとレディー・ガガが全然イメージが結びつかず、びっくりしました。

曲調やCDジャケットなども過激な感じがするからです。

しかし、この曲の歌詞は人種や宗教や志向などを超えて、

「私はこうして生まれてきた」と自信をもって宣言するような、

とても力強い(そして難解な)歌詞のよぅです。

 

以前、英語の先生がカラオケで挑戦されたことがありましたが、

とても単語が多く早口で、歌うのが難しいとおっしゃっていました。

次の「サビ」の4行だけでも私は無理ですね。

*****

Don’t hide yourself in regret

Just love yourself, and you’re set

I’m on the right track, baby

I was born this way (Born this way)

 

くよくよして自分の殻に籠らないで

あなた自身を愛せばいい、それでいい

これが私の正しい生き方よ、ベイビー

私はこんな風に生まれてきた(こんな風に)

<歌詞和訳>Born This Way – Lady Gaga

 *****

 

曲想は大きく異なりますが、MICAさんの「100点満点」にも相通じるような歌詞です。

 

厳しい修行を経てこられた、塩沼さんの人間観から、共鳴されるところがあるのでしょう。

「あるがままに生きるという歌詞に共感する」

「できることなら一度本人に会いたい」とおっしゃっていました。

先ほどの和訳のサイトとは訳が少し違いますが、

曲と歌詞(和訳)を一緒に聴いてみたい方は、一度お聴きになってはどうでしょう。

「おくらず迎えず応じて蔵ぜず」

昨日は、「サワコの朝」でお聞きした、慈眼寺の塩沼亮潤 大阿闍梨さんのお話を 紹介しました。

関心を持ったので、塩沼さんのされたお話を少し調べてみました。

 

次の記事がとても勉強になりましたので、少し引用させていただきます。

千日回峰行・大阿闍梨「コロナの現実を受け止め、最善を尽くそう」
日経ビジネス 2020年5月8日


 *****

奈良の吉野山にある金峯山寺に入山して修行に入りました。

そして20歳のとき、師匠は私に「おくらず迎えず応じて蔵ぜず」という荘子の言葉をプレゼントしてくれた。

おくらずとは、過ぎ去ったことをくよくよしてはいけないこと。

迎えずとは、これから来る未来をいろいろ思い悩まないこと。

応じてとは、その時その時に応じること。

蔵ぜず、とは心にしまい置かない、心にとどめ置かないことです。

 

不将不迎 応而不蔵 | presence of mind | 田川悟郎 書道作品

不将不逆 応而不蔵(https://sho.goroh.net/2019-2037/ より)

 
23歳で千日回峰行に入り、毎日大自然の中、命がけで48kmの山道を歩きました。

1000日間はやはり過酷な日々でした。

この行をいかに達成させるかを考えると、先を読んで準備をして、より安全に行を全うしなければなりません。

大峯千日回峰行 塩沼亮潤HPより


私はそのために、想定される道具38種類を選んでカバンにつめていました。

誰かに教わったわけではありません。

経験の中で、「これが必要だ」と思ったものばかりでした。

例えば消毒薬はケガをしなければムダになるかもしれないが、重くてもカバンに入れておく。

いざというときに使えば、安全に行を遂行できます。


カバンの話から何が言いたいかと言えば、

それは私たちが生きていくうえで、いろいろな選択肢を持っていないといけない、ということです。

選択肢があるからこそ、必要な時に必要な選択ができる。

これはつまり、師匠からプレゼントされた言葉で言えば、3番目の応じて、にあたります。

もっと言うと「備えあれば憂いなし」という言葉がありますが、それと一緒です。

その時その時に応じて対応して、自分が準備している選択肢の中からふさわしいものを選び、しかもそれを要所ごとに切り替えていかないといけない。

今であれば新型コロナに直面している現実を受け止めながら、今できる最善を尽くすべきです。

*****

 

「臨機応変」などと言う言葉を簡単に使うことがありますが、

「応じて」という言葉一つでも考えさせられます。

また、「リーダー」ということに関して、次のようにも言われています。

 

*****
もう1つ、付け加えるならば、リーダーたちは暗くならないことです。

「自分の在職期間はことなかれで、終わればいい」と思っていた人もいたかもしれない。

しかし、もう時代は変わりました。

問題の先送り、前例の踏襲で生きていける時代から、

即断即決、全責任は自分、という時代になりました。

だからこそ、暗くならずに取り組んでほしい。

*****

 

塩沼さんの言葉から、元気をいただくことができました。

大阿闍梨、塩沼亮潤さんを訪ねて | 今日のアトリエ by ファクトリエ

「サワコの朝」の塩沼亮潤さんの話

休日もいつものように5時25分頃には目が覚めてしまいます。

ゆっくりコーヒー(といっても500miのBOSS)を飲みながら、

昨日の将棋棋王戦挑戦者決定二番勝負「広瀬八段対糸谷八段」の復習などをしていました。

テレビを付けていたら、「サワコの朝」が流れてきました。

 

今日のゲストは、僧侶の塩沼亮潤さんという方ですが、私は不勉強であまり存じ上げませんでした。

しかし、この方の紹介を聞いてびっくり。

*****

1日48km、高低差1300m以上の険しい山道を往復16時間かけて歩くこと、年間120日。

それを9年の歳月をかけて1000日間歩み続けるという、日本一過酷な修行『大峯千日回峰行』を23歳の時に満行。

サワコの朝』12/19(土) 塩沼亮潤が登場!! 1300年で2人!? 命がけの苦行とは…【TBS】 - YouTube

1300年の歴史の中で、未だ2人しか成し遂げた者がいないというこの荒行ですが、

塩沼さんはさらにその翌年、“飲まず、食わず、眠らず、横にならず”を9日間耐え続ける『四無行』をも達成しました。

「サワコの朝」(2020年12月19日 塩沼亮潤)より

*****

『四無行』の様子(塩沼亮潤さんのHPより)

この行にいったん入れば、達成できない場合には、自ら命を絶たなければならないという過酷な掟があるということです。(!!)

 

番組では、僧侶を志したきっかけや、過酷な修行を通して得たもの、

慈眼寺(仙台市)を建立されるまでのお話など、中身の濃いお話をされていました。

中でも、修行を通して身につけたことは?という阿川佐和子さんの質問に、答えられました。

少しニュアンスは違うかもしれませんが、概略は次のようなことです。

 

KBS歌謡祭とサワコの朝を視聴して&I love you LIVE TOUR 2014 TREE | 東方神起の夢の続き、行きマッショ ❣  byカンレキチカク

「毎日の生活の中で、いらっとしたりすることもありますね。

それをなぜ、どうしてと考えていくと、

他人のせいにすること、他人を責めることになってしまいませんか。

しかし、その理由をどう考えても解決はしません。

そればかりか、そのような気持ちでいると、

自分の人生がどんどんよくない方向に進んでしまいます。

そこで、自分の心がよくない方向に少し振れてしまっても、

すぐそれを前向きな方に意志で戻すようにしている。

私は、自分に与えられたところで、

前向きに精一杯努めることが大切だと思います。

一瞬、マイナスに振れたその心の針を、

ちょっと元に戻すことが身に付いたように思います」

 

常識を越えた修行のせいで、脳の一部が壊死しているなど、

驚くような話もありました。

また、コロナ禍の中では、とにかく笑うことを推奨されていました。

塩沼さん自身も、終始笑顔で穏やかに、親しみやすい言葉でお話しされていました。

 

私などは修行というものはできませんが、

心の中の針をちょっと戻して、ニコッとすることはやってみようと思いました。

「一万円選書」とは

昨日のこの欄では、

「自分で本を選ぶこと」について触れました。

今日は「知らない本屋さんに選んでもらう」

逆に言うと「見ず知らずの人のために本を選んであげる」という話です。

 

会ったこともない人から、「お金を預けるので、私のために一万円分の本を買ってきて」

と頼まれたら、どうしますか。

「自分が今何を読みたいのか」

または「今、自分に必要な本はどれか」

そんなことさえ考えるのは難しいですね。

それなのに、他人の、それも会ったこともない人のために一万円分本を選ぶサービスが

人気があるそうです。

 

「一万円選書」というそのサービスを始めたのは、

北海道・砂川にある小さな町のいわた書店です。

 

私はその小さな個人経営の書店のことを、一昨年春の

NHK「プロフェッショナル」で知りました。

いまや全国からの応募者が3000人待ちという人気ぶりだそうです。

その書店のご主人は、どうやって本を選んでいるのでしょうか。

会ったことのない人でも、

「カルテ」と呼ばれるアンケートのようなものを記入して送っていただけると、

それを元に本を選ぶそうです。

世間で話題になっている新刊やベストセラーと呼ばれる売れ筋の本などではなく、

その人に合った本を選ぶには、相当な本に関する知識が必要でしょう。

テレビではたしか、「(自分が)読んだことのない本は選ばない」と言われていたと思います。

そのいわた書店が応募者に書いてもらっている「カルテ」が紹介されていました。

実物は、A4用紙3枚だそうです。 

参考・引用 書店が客好みを選ぶ"1万円選書"人気爆発 質問回答を踏まえ1万円分を厳選 PRESIDENT 2019年6月3日号  より

質問を見てみると

「これまでに読まれた本で印象に残っている本ベスト20をお教え下さい」

これは、既読の本や今までの読書傾向を知るために必要な気がします。

しかし、

「これまでの人生で嬉しかったこと苦しかったこと等を書き出してみてください」

難しくなってきます。さらに

「何歳の時の自分が好きですか」

ううむ、考えてしまいます。

「これだけはしないと心に決めている事はありますか」

ちょっと薄っぺらな私の生活ぶりがバレてしまいそうで、何と書こうか悩みます。

実際、前掲のネット記事によると、応募者の方からは次のような反響もあるそうです。

*****

実は、お客様にはこれがかなりの難行。

「1週間かかった」「10回以上書き直した」という方もいれば、

「これまでの人生で苦しかったことを書き出してみてください」という質問で涙が出て、

作業が進まなくなった方も。

*****

 

店長の岩田さんの話です。

*****

実は、僕が選んだ本を読む以前に、

この「カルテ」に回答するプロセスを通じて自分をさらけ出すことで、

「これはしたくない」「本当はこんなことをしたい」

といった本人にとっての“答え”がほぼ出てきているのです。

僕は「カルテ」を読み込むことで、その人にとっての“答え”を見出し、

それを肯定してくれそうな本を選ぶわけです。

*****

 北海道の書店店主が個別に対応 「1万円選書」に注文殺到|NEWSポストセブン

(店で本を選ぶ岩田さん)

 

なるほど、そういった視点で本を選んだことはないですね。

これだけでも、AIによる「マイクロターゲティング」とは、ずいぶん違います。

 

そこまで自分と向き合った末に選んでもらい、届けられる本。

テレビでは、

「自分では一生かかっても選ばないだろうなと思うような本も送られてきました。

しかし、それを読んでみて、本当によかった」

というお客さんのコメントや多くの感謝の手紙もありました。

 

本を選ぶことをとおして、そこまで自分と向き合う。

そういう経験とはどんなものでしょう。

私も経験してみたいと思います。


一万円選書とは いわた書店(有)

 

ただのターゲットにはなりません

「“マイクロターゲティング”を知ってますか?」

という記事を読みました。

「マイクロターゲティング」という言葉が

「ザ・グッドファイト」という米国ドラマで登場したからです。

あまり聞いたことのない言葉でしたが、案外以前から使われている言葉のようです。

記事から引用すると

「インターネットで、ある商品を検索したら、その後、同じ商品や関連商品がネット広告として表示されるようになった、

そんな経験はありませんか?」

 

ありますね。

Googleで検索したり、Amazonで購入したりすると、関連した商品の広告などが、頻繁に出てきます。

とても頻繁に経験するので、もうそれが当たり前になってきていて、

「便利だな」「手間が省ける」と感じることもあります。

記事はこう続きます。

 

*****

これは、私たちがネット上で示した興味や関心がデータとして収集され、

マーケティングに利用されているためです。

こうした手法は「マイクロターゲティング」と呼ばれます。

不特定多数に向けた広告よりも狙った消費者に届くと、活用が広がっています。

*****

 

インターネット、AIなどの技術を駆使しているのでしょう。

調べると、この作戦は、米国などでは早くから

大統領選挙などの政治での利用が進んでいるそうです。

ちなみに「ザ・グッドファイト」では、

マイクロターゲティングの技術が陪審員や判事の心理を誘導するために利用され、

自分たちに有利に働くような、フェイクニュースを流すというものでした。

 

 さて、先日、タレントの伊集院光さんがラジオ番組に出ておられて、

「自分は近頃本を読んでいない」という話をしていました。

実際に読んでいないわけではないのですが、

ネット上で次から次に推奨される本を、言われるままに手に取って読んでも、

「本当の意味で、自分で本を読んだ」ことにならないと言うのです。

 

そこそこ気に入る、似たような本ばかり読んで、

それまで関心のなかった、新しいジャンルの本を読んでみることがない。

「本屋で立ち読みをして、面白そうと思って買ってみたけど、ハズレだった」

というような経験もしていかないと、

自分で「本を読む」ことにならないと言うのです。

 

たしかに、Amazonの

「よく一緒に購入されている商品」「こちらもおすすめ」

に素直に従っていると、

情報に導かれるままに「本イコール商品」を買わされる(読まされる)連鎖に

乗っかっているだけなのかもしれません。

「自分で考えた生活」「自分で考えた読書」ができているかなと反省しました。

 

もうすぐ冬休みですが、外出もままならず、家にいる時間も多くなりそうです。

マイクロターゲティングの、ただのターゲットとしてでなく、

自分が手にとって選んだ本を読んでみるのもいいと思いました。

 

熊本光の森店 | 紀伊國屋書店 - 本の「今」に会いに行こう

WHO発表「サンタは世界中を移動してよい」

我が家にも以前は毎年、サンタクロースが来訪してくれていました。

玄関に置いておいたオレンジジュースを飲んでいってくれたり、

子どもたちの書いた手紙を読んで、返事を書いていってくれたりしました。

サンタさんの返事は、あぶりだしになっていて、

X'masプレゼントの置き場所がローマ字(日本語ですが)で書いてありました。

玄関先には、雨も降ってないのに、サンタさんの大きな濡れた足跡がありました。

きっと雪国からこちらへ回ってこられたから、靴が濡れていたに違いありません。

 

きっとサンタさんが一番苦労したのは、白いうさぎちゃんを届けてくれたときでしょう。

手紙に「朝になったら◯◯ペットショップの☆☆さんをたずねてください」

と(あぶりだしのローマ字で)書かれていて、

開店するのを待って◯◯ペットショップを親子で訪ねると、

店員の☆☆さんが出てこられました。

サンタさんの手紙をお見せすると、

「はい、昨日、白いおひげの男性がお見えになって、このうさぎちゃんをお渡しするように承っております」

と笑顔でおっしゃいました。

親子で驚いて、「支払いはしなくていいんですか?」と尋ねると、

「はい、おひげの方から、もういただいていますよ」とおっしゃいました。

娘がとてもびっくりしながら、喜んでいたのを覚えています。

 

さて、先日、WHOから重大な発表がありました。

今年もサンタさんはお忙しいようです。

ちゃんと手洗いをして、おひげが少しじゃまかも知れませんが、マスクもお忘れなく。

以下引用*****

WHO「サンタの移動問題なし」 各国が隔離免除「コロナに免疫」(毎日新聞2020年12月15日)

世界保健機関(WHO)は14日の記者会見で、

サンタクロースは各国の配慮で新型コロナウイルスの隔離措置を免除されており

「プレゼントを配るために世界中を移動することができる」とし、

子供たちに安心するよう呼び掛けた。

新型コロナの技術責任者を務め、自らも2児の母であるバンケルコフ氏は、

WHOがサンタと連絡を取ったところ「とても元気で、大変忙しそうにしていた」と近況を報告。

サンタは「新型コロナへの免疫ができている」としつつも、

対人距離の確保や、保護者の指示を守るようにと子供らにくぎを刺し

「クリスマスイブには早く寝てね」と求めた。

*****

(自宅で子供たちに手紙を書くサンタさん)

写真はいずれもTBS NEWS から

世界保健機関(WHO)は14日の記者会見で、サンタクロースは各国の配慮で新型コロナウイルスの隔離措置を免除されており「プレゼントを配るために世界中を移動することができる」とし、子供たちに安心するよう呼び掛けた。

 新型コロナの技術責任者を務め、自らも2児の母であるバンケルコフ氏は、WHOがサンタと連絡を取ったところ「とても元気で、大変忙しそうにしていた」と近況を報告。サンタは「新型コロナへの免疫ができている」としつつも、対人距離の確保や、保護者の指示を守るようにと子供らにくぎを刺し「クリスマスイブには早く寝てね」と求めた。(共同)

世界保健機関(WHO)は14日の記者会見で、サンタクロースは各国の配慮で新型コロナウイルスの隔離措置を免除されており「プレゼントを配るために世界中を移動することができる」とし、子供たちに安心するよう呼び掛けた。

 新型コロナの技術責任者を務め、自らも2児の母であるバンケルコフ氏は、WHOがサンタと連絡を取ったところ「とても元気で、大変忙しそうにしていた」と近況を報告。サンタは「新型コロナへの免疫ができている」としつつも、対人距離の確保や、保護者の指示を守るようにと子供らにくぎを刺し「クリスマスイブには早く寝てね」と求めた。(共同)

世界保健機関(WHO)は14日の記者会見で、サンタクロースは各国の配慮で新型コロナウイルスの隔離措置を免除されており「プレゼントを配るために世界中を移動することができる」とし、子供たちに安心するよう呼び掛けた。

 新型コロナの技術責任者を務め、自らも2児の母であるバンケルコフ氏は、WHOがサンタと連絡を取ったところ「とても元気で、大変忙しそうにしていた」と近況を報告。サンタは「新型コロナへの免疫ができている」としつつも、対人距離の確保や、保護者の指示を守るようにと子供らにくぎを刺し「クリスマスイブには早く寝てね」と求めた。(共同)

今年の漢字、来年の漢字

先日、年末恒例の「今年の漢字」が発表されました。

(以下、朝日新聞デジタルから引用)

*****

2020年を表す漢字は「密」――。

日本漢字能力検定協会(京都市東山区)は14日、全国から募った「今年の漢字」を清水寺(同)の舞台で発表した。

森清範貫主(せいはんかんす)が縦1・5メートル、横1・3メートルの和紙に、大きな筆を使って書き上げた。

20万8025票の応募のうち、「密」は最多の2万8401票だった。

同協会によると、選んだ理由で多かったのは、新型コロナウイルス感染症の世界的流行や、大切な人との関係が密接になったこと、政界や芸能界で秘密が多かったことなどという。

森貫主は「密には、親しむという意味が含まれている。物理的には離れているが、心はしっかりしたつながりを持っていきたい」と話した。

2位は「禍」(1万3655票)、3位は「病」(1万369票)だった。

*****

 

私の予想では、今年の漢字は「禍」ではないかなと思っていたのですが、

森さんのおっしゃるように「親しむ」という意味も含まれているなら、

「密」がふさわしくてよかったなと思います。

 

改めて、近年の「今年の漢字」とその主な選定理由を見てみると、次のようになっていました。

令和元年 「令」新元号令和

平成30年 「災」西日本豪雨などの災害

平成29年 「北」北朝鮮のミサイル発射

平成28年 「金」リオ五輪の金メダル

平成27年 「安」安倍内閣の安保関連法案

その年その年の世相や大事件を表しているようです。

なお、阪神・淡路大震災の平成17年はこの「今年の漢字」が始まった年ですが、「震」が選ばれていました。

一方、東日本大震災の平成23年は「絆」です。

続く天災に負けないように、という人々の思いが漢字にも込められているように思います。

 

そこで、1年を振り返って「今年の漢字」を選ぶだけでなく、

来年、これからの1年をこんな年にしたいという、

「来年の漢字」を考えてみてはどうでしょう。

皆さんならどの漢字にされますか。

どんな意味の1年を期待されますか。

 

私は差し詰め、

全快、快晴の「快」

健康の「健」

災い転じて福となすの「福」などは

どうかなと思います。いかがでしょう。

世界を救う小さな手(日本赤十字社)

昨日、このような報道が飛び込んできました。

「熊本県は14日、県内の新型コロナウイルス感染リスクレベル(6段階)について、

最上位のレベル5(厳戒警報)に1段階引き上げると発表した」(熊本日日新聞)

 

全国的に、新型コロナウィルスの感染拡大は、厳しい状況にあるようです。

 

しかし、私たちは自分にできる感染対策を今までどおり

丁寧に行っていきましょう。

 

体温の検温

手洗い・消毒

マスクの着用

密を避ける

などです。

自分を守るため、みんなを守るため、大切な人を守るために。

 

このことに関連して、日本赤十字社の動画が公開されています。

一度ご覧になってみてください。

 

【日本赤十字社】Little Heroes 世界を救う小さな手

手洗い続けていますか。

これは新型コロナウィルス感染症と闘い

世界を救い続ける小さなヒーローたちと

それを支援する赤十字の話です。

また、1学期に紹介したこの動画も、見返してみてください。

【日本赤十字社】「ウイルスの次にやってくるもの」

人から人へと広まっていく、もしかしたら、ウイルスよりも恐ろしいものとは?
そして、わたしたちができることとは?
新型コロナウイルス感染症から、体だけではなく、心を守り、社会を守るための、 心構えを伝える絵本アニメーションです。
監修:日本赤十字社災害医療統括監 丸山嘉一、諏訪赤十字病院 臨床心理課長 森光玲雄
 
 
日本赤十字社の新型コロナウイルス感染症に対するそのほかの活動はこちらをぜひご覧ください。

ふるさとの木の葉の駅

ふるさとの木の葉の駅

          坂村真民

この駅で

いつも母が待っていてくれた


駅には赤いカンナの花が咲き、

車窓にはそれが近々と迫ってきた


母のいないさびしい駅を

わたしは 息をのんで過ぎていった

 

坂村真民さんのこの詩を教材として、

ときどき授業をしました。

授業するに当たっては、向山洋一さんの小学校での実践を参考にしました。

 

JR木葉駅は、玉東町に実在する駅ですが、

先日、このようなニュースがありました。

 

木葉駅包む優しい音色 玉東町、ピアノ設置「自由に弾いて」

2020/12/6 16:00 熊本日日新聞

(点灯されたクリスマスツリーのイルミネーション(左奥)を背に、思い思いに「駅ピアノ」を弾く来場者=玉東町)

 熊本県玉東町のJR木葉駅に4日、誰でも弾くことができる「駅ピアノ」が設置された。同日夜、イルミネーションが始まった駅前広場でお披露目コンサートがあり、町民らが優しい音色に酔いしれた。

 

最近、同じように各地の駅に置かれたピアノを上手に弾く人がいて、

通りがかった人たちが足を止め、思わず聴き入るという

ほほえましい動画などが紹介されています。

 (その一例)

 

木葉駅のピアノも多くの人の心を癒すものになるといいですね。

 

冒頭の詩で描かれた木葉駅は、

ずいぶん以前の駅が舞台ですが、

私の大好きな詩です。

その授業での

「勝負発問」は、

……「わたしは 息をのんで過ぎていった」の

「わたしは」の次は、なぜ一字分空いているのか

です。

どうしてだと思われますか。 

ドアノブが話しかけてくれる(アフォーダンス理論)

以前紹介した、武田鉄矢さんのポッドキャストで話題になっていた話です。

【参考・引用】

「チコちゃんに叱られる!なんで子どもは縁石の上を歩きたがるの?」2020年8月21日金

「チコちゃんに叱られる!なんでボタンを見ると押すものだと思うの?」2019年9月20日金

 

NHK「チコちゃんに叱られる!」の「なんで子どもは縁石の上を歩きたがるの?」 という話題です。

そういうと、役目にする光景ですね。

どなたも小さい頃に身に覚えがあるのでは?

下の写真は、東小のお友だちが、スクールバス降り場から、歩いて登校しているところです。

線のところを歩いていますね。

 

 

さて、「ぼーっとは生きていない」チコちゃんが

この質問の答えの一つとして挙げていたのが

「アフォーダンス理論」というもので、

昨年の「なんでボタンを見ると押すものだと思うの?」

でも一度取り上げられています。

チコちゃんの答えは、端的に言うと

「縁石が歩いてごらんと誘っているから」
「ボタンは押せと誘っているから」

というものです。

なんでボタンを見ると押すものだと思うの?→ボタンは押せと誘っているから。アフォーダンス理論で無意識に動く。 | チコちゃんに叱られる!

???

つまり、

ボタンは、いかにも押してほしいといわんばかりのその形状で、

われわれに誘いかけている、というのです。

他にも、「ティッシュはつまんで取る」

そう思って見ると、ティッシュは、いかにも

「これをつまんで、引っ張って取って」と語りかけていますね。 


「ドアノブは握って開ける」

 また、ドアノブは、その形によって、開け方が違うのだということも教えてくれています。 

 われわれは、ドアノブを見て、自然と持ち方を変えて握っていませんか。

興味を持った私は、いくつかのドアノブを、アフォーダンス理論の眼で調べてみました。

校長室のドアノブは先ほども出てきた、昭和からの握って回す代表的なタイプ。

保健室のドアは、昭和の引き戸タイプ。

指先にちょっと力がいることがあります。

同じ引き戸でも、平成のユニバーサルデザイン的なドアは、

こんな取っ手ですね(家庭科室前→体育館への出入り口のドア)

これは、先日訪れたある飲食店のドアですが、

取っ手を見ただけでは迷う人(左に引くのか、手前に引くのか)がいるのでしょうか

←がわざわざ示してあります。

 職員トイレのドアはこういう取っ手がついています。

「握って下へ押し下げてください」と取っ手が話しかけています。

ネットで見つけたドアノブ。これは向こうへ押したくなるドアですね。

反対側。これは手前に引きたくなります。

さて、私が身近に発見したアフォーダンスです。

私が自宅で使っている、消毒液のスプレー容器です。

押す部分に少し傾斜がついているので、スプレーするための指の置き方がわかりやすいです。

「この向きに指を置いてね」と教えてくれます。

USBメモリスティックをパソコンに差すときに、いつも間違ってしまう私にとっては、

ありがたい「アフォーダンス理論」の配慮です。

 

「アフォーダンス理論」の眼で見てみると、いろいろ気づくことがありました。

ユニバーサルデザインも同様ですが、

ちょっとした知恵や配慮のおかげで、ちょっと生活しやすく感じられます。

ティントロティントロティロリロ

古い話ですが、ジョージ・ウィンストンというピアニストのある曲を、

国語の授業で教材にしたことがあります。

プロフィール | ジョージ・ウィンストン | ソニーミュージックオフィシャルサイト

教師1年目で担当した中学3年生のクラスでの、

卒業前の最後の授業でした。

公立高校の入試直前の授業で、

生徒たちはちょっと拍子抜けしたかもしれません。

曲名を伏せて生徒たちに聴いてもらった後、

「この曲にタイトルをつけなさい。

そう考えた理由も書くこと」

という課題を示しました。

生徒から「もう1回聴かせてください」

とリクエストがあったので、

もう1回ラジカセ(!)をかけました。

生徒たちは結構集中して考えてくれました。

 

みんなの考えたタイトルに共通していたのは、

「失恋」とか、「哀しみ」とか、「思い出」

ということでした。

「思うようにいかなくて、もどかしい感じがする」

「一人ぼっちになって寂しい気持ちになる」

とかを理由に挙げていたと記憶しています。

「落ち葉が散っている景色が見える」という感想もあって、

これは想像力豊かな、なかなかのものです。

 

本当のタイトルは、

Longing/Love

直訳すると「憧れ/愛」 です。

 

以前、TVCMやニュースの中の天気予報のBGMでかかっていたりしました。

「ティントロティントロティロリロ」というサビ(?)のところは

聞き覚えのある方もいらっしゃるかもしれません。

 

アルバムのタイトルは、

autumn つまり「秋」ですが、

今ぐらいの季節になると聴きたくなります。

 Amazon | オータム | ジョージ・ウィンストン, ジョージ・ウィンストン | イージーリスニング | 音楽

 

アントニオ猪木対ビル・ロビンソン戦(1975/12/11)に学ぶ

アントニオ猪木選手はプロレスラー人生の中で、数多くの試合をされたと思いますが、

私はそのうちの3つの試合から、多くを学びました。

今回はその3試合、1975年12月11日の対ビル・ロビンソン戦です。

この試合は、60分三本勝負で行われましたが、結果は引き分けです。

一本目はロビンソン選手が逆さ押さえ込みで先取し、

二本目を猪木選手が卍固めで取り返して、

三本目は時間切れドローとなりました。

こう書くと、どこにでもある試合のようでもありますが、

私は猪木選手の生涯におけるベストバウトだと思っているのです。

試合は、二人の技と技の応酬で進みますが、どちらも決め手を与えない、消耗戦となります。

ロビンソン選手のレスリングは、とてもクレバーで試合の盛り上がりとか、お互いの見せ場をつくるといった意思は全く見られず、

猪木選手の技を読んで先回りして完封していくような展開です。

それに対して、猪木選手はいわばロビンソン選手の土俵の上でも自分のスタイルを崩さず、攻め込んでいきます。

頭のいいプロレスと意地のプロレスの闘いのように見えます。

試合経過40分過ぎに、一瞬の隙をついてロビンソン選手が一本目を取り、

残り十数分、猪木選手はなんとか一本返そうと追い詰めますが、

ロビンソン選手は手強く、とうとう時間稼ぎさえし始めます。

やがて蔵前国技館全体がじりじりして、

ヒートアップしていく中、「残り5分」のアナウンスが会場に流れます。

 

あと一歩決めきれない猪木選手に焦りが見えた時、

ロビンソン選手がまだこんなにスタミナがあったのかというように、

得意のダブルアーム・スープレックスで猪木選手を投げ捨てます。

あらー、反撃もここまでかと思いますが、猪木選手はなんとか返します。

 

守勢に立ってしまい、もう時間がないとなった時に、

今度は猪木選手が一瞬の隙をついて、

卍固めをかけるのです。

最も猪木らしい技で、耐え続けたロビンソン選手も残り1分を切ったところで、ギブアップします。

試合自体はこの後、1分足らずの三本目も行われ、時間切れで決着はつかないまま、終わるのですが、

私にとってその最後の結果はあまり関係ありません。

 

試合当時、中学3年生だった私はこの二本目、

賢いプロレスに翻弄されながら、

最後まで諦めず、

自分の持ち技で向かっていく

猪木選手の意地に心を打たれました。

少々大げさですが、「誠実さ」とか「真摯さ」を感じるぐらいです。

猪木選手とロビンソン選手が闘ったのは、生涯この1試合だけでした。 

私がこの試合から学んだものは、

最後まで諦めずに、なんとかしようと闘う

意地だったのです。

私の教職生活もタイムアップまで、意地をご覧いただきたいと思います。

 

 これが中学生時代の私の愛読書です。今でも持っています。

昔話法廷 被告人は末っ子のこぶた

もう20年ほど前になりますが、

国語の授業で音声言語、すなわち「話す・聞く」授業がとても盛んに研究された時期がありました。

特に、欧米から輸入されたのであろう「ディベート」が、

賛成・反対などに分かれて論戦を行う、一種のゲームみたいなもので、とても新鮮でした。

それまでの日本の国語教室にはあまり登場しなかった活動だったからだと思います。

また、論理的な思考力や

相手の主張の論旨を聞き取って取って返す発言力などを育てる

という点でも注目されていました。

私もいろいろな実践に取り組みましたし、

ディベートのオーソリティである、花田修一先生をお茶の水大学附属中学校にお訪ねして、

厚かましく授業を参観させていただき、ご指導をいただいたのも、懐かしい思い出です。

 

そういったわけで、というのではありませんが、

法廷物、弁護士物のドラマや映画が好きで、よく見るようになりました。

最近では、アメリカのTVドラマの

「ブル」(これは、陪審員の心理を操作する法廷での駆け引きという、高度な法廷物)、

BULL/ブル 心を操る天才 - ドラマ情報・レビュー・評価(ネタバレなし) | Filmarksドラマ

「グッド・ファイト」(これは、SNSを使った犯罪など極めて現代的な裁判とクセの強い弁護士たちの群像劇)

グッド・ファイト 華麗なる逆転』シーズン1 あらすじ&エピソードガイド 大胆なストーリー展開は中毒に | 海外ドラマboard

などがお勧めでしょうか。

 

さて、そんな私が最近見ているのが

NHK for school の「昔話法廷」です。

子ども向けの番組で、

文字通り、昔話の登場人物が法廷で罪に問われるという法廷ドラマです。

例えば、「三匹のこぶた」裁判では、

こぶたがオオカミを煮えたぎった鍋に落として殺害したのは、

正当防衛か、計画的殺人かが争われます。

そして、判決は出ないまま終わります。

番組のキャッチコピーは

「判決の出ない異色法廷ドラマで、“ 考える力”を養う!」です。

 

大真面目な証言や反対尋問、「異議あり!」に少し笑いながらも、

ちょっと待てよと、考えさせられるようなミニ・ドラマです。

私のおすすめは「アリとキリギリス」裁判です。
ー被告人はアリ。

冬になり食べるものがなくなって、食糧を分けほしいと頼んできたキリギリスを見殺しにした。

アリは、保護責任者遺棄致死罪で有罪か?それとも無罪か?

(番組HPから)

私はこの件については、「カルネアデスの舟板」のルールが適用されるのではと思いますが、どうでしょう?

 

15分のドラマで、ホームページから誰でも視聴できます。

頭のリフレッシュに、一度、ご覧になってみてはいかがでしょう。

成果=知識X技能X考え方X意欲

先日の研修会で、

「熊本県教育庁 令和2年度(2020年度)小中学校評価者研修会」

(講師 産業能率大学総合研究所 北山勝英 氏)

について、五和中学校の大塚校長先生から復講がありました。

PDCAサイクル - Wikipedia 

 

資料をもとに、とても勉強になる内容でしたが、

特に以下の部分に目を覚まされました。

 

それは、「成果はかけ算である」というものです。

つまり、成果は次の式で求められるということです。

 

成果=知識X技能X考え方X意欲

 

なるほど、成果が出てこないときに、何が原因なのか。

よく分からないことがあるのです。

しかし、成果の一つ一つの要素について考えると、

改善の糸口も見えるのかもしれません。

 

どうしたらいいか知らないのか?(知識)

やろうとしてもできないのか?(技能)

ものの考え方、目指す方向性が間違っているのか?(考え方)

そもそもやる気がない、あきらめているのか?(意欲)

 

そして、さらにこの中で、知識、技能、意欲は0~10であるが、

考え方はマイナスのこともある、というのです。

知識、技能、意欲は0の場合もあるので、せっかく他の要素がよくても、

一つの要素のせいで、成果が0、つまり水の泡にもなります。

しかし、考え方がマイナスだったら、成果はマイナス、

つまり、頑張って取り組んでも逆効果になるということになります。

 

考え方、とは

ポジティブな考え方、前向きな考え方、信用などですが、

そのマイナスといえば、

ネガティブな考え方、後ろ向きな考え方、不信感などでしょうか。

この考え方、思考のスタイル、もののとらえ方などが

本当に大切なんだなと思った次第です。

大塚校長先生、貴重な復講ありがとうございました。

 

(以前紹介した、ミツルさんの絵の別バージョンです)

人生はかけ算だ | リハステージスタッフより

はやぶさ2 の「行ってきます」と「永遠なれ!」

今ではテレビのリモコンは当たり前の話で、

むしろ「チャンネルを回す」などというと、「?」となりそうです。

私が子どもの頃初めて触れたテレビのリモコンは、

たしか「ズバコン」という商品名でした。

ズバコンをテレビに向けて操作すると、丸いチャンネルがカチャ、カチャと回るというものでした。

すぐ壊れそうな仕組みでしたが、「リモコンってすごいな」と思った覚えがあります。

 

また、同じく子どもの頃のあこがれのおもちゃといえば、

ラジコンカーで、私は買ってもらえませんでしたが、

持っている友達のところに行くと、赤いスポーツカーのラジコンを

順番に少し触らせてもらえて、嬉しかった思い出があります。

 

そんなリモコンやラジコン、最近でいえばドローンなどもありますが、

それらとは比べものにならないほどの遠隔操作なのでしょうか?

詳しいことはよく分からないのですが、

とにかくはやぶさ2はすごい技術の結晶には違いありません。

 

昨日は、小惑星探査機はやぶさ2が6年50億キロの旅を終え、

小惑星「リュウグウ」の砂などが入っているとみられるカプセルを地球に送り届けた

というニュースで持ちきりでした。

深夜のテレビか何かを見て、涙が出たという人もいるようです。

 

はやぶさ2の科学的な業績や、天文学的な意義は至る所で触れられていますので、

私は印象に残った言葉を2つご紹介します。

 

はやぶさ2が見た地球 JAXAが公開「最後に『行ってきます』と手を振り行った」

というニュースでは、はやぶさ2が見たという地球の姿が掲載されていました。

ー小惑星探査機「はやぶさ2」が地球の上空約8万キロから撮影した地球の画像。右上に南極が、上端に南米西岸が写っている=2020年12月6日午前6時半撮影(JAXAなど提供)

 

写真の様子も感慨深いですが、私はこの記事の中のコメントが印象に残りました。


ー会見で津田雄一・プロジェクトマネジャーは「最後に『行ってきます』と日本を見つめて手を振りながら出て行った」としみじみと話した。

 

「最後に『行ってきます』と日本を見つめて手を振りながら出て行った」!

津田さんという方のはやぶさ2への愛情があふれるようなコメントですね。

しかし、「行ってきます」とは。どこへ?

帰ってきたばかりと思っていた私がよく読むと

朝日新聞に説明がありました。

「はやぶさ2本体はカプセルを切り離した後、地球に衝突する軌道から離れ、新たな探査の旅へ出た。

次に目指すのは地球と火星の間を回る直径30メートルほどの小さな小惑星で、

さらに100億キロを飛んで2031年に到着する見通しだ」

これにもびっくり。カプセルを地球に落としていったら、

そのまま100億キロ向こうまでまた旅立ったのですか!

もう私のズバコンやラジコンカーでは想像がつかないことです。

 

また、もう1つ印象に残ったのは、

宇宙ステーションにいる野口聡一さんのツイッターのコメントです。


たった今 はやぶさ2 の勇姿を ISS から目視しましたー 

地球に向けて高度をグングン下げてくる光を約5分見つめてました。

位置情報を指示してくれた JAXA つくば管制センターありがとう。

はやぶさ2 そして はやぶさ よ永遠なれ!

 

50億キロの旅をしてきた探査機を、宇宙ステーションから見る野口さん、

21世紀の宇宙だなぁという感じですね。

「はやぶさ2 そして はやぶさ よ永遠なれ!」というエールも

同じ宇宙でミッションを遂行している気持ちが伝わります。

 

野口さんの乗るISSから撮影した動画もありました。

とてもきれいな一筋の光です。

「はやぶさ2」勇姿を撮影 野口さん搭乗のISSから(2020年12月6日)

 

人類の、日本の科学の力、努力、思いに触れたニュースでした。

 

「絶対押すなよ!」心理的リアクタンス

お笑い芸人が「押すなよ、押すなよ、絶対押すなよ」と言ったら、

押して熱湯に落としたくなりますね。

 

このテレビ番組が終わったら、宿題をしようと思っていたところに

母親から「早く宿題をやりなさい」と言われたら、

その途端に宿題をやる気がなくなったことがありますね。

 

これは、みんなへそ曲がりふだったり、あまのじゃくだっったりするからではなく

「心理的リアクタンス」というものだそうです。

【科学で解明】なぜダチョウ倶楽部は「押すなよ!」と言うのか?

 

以下、世界と日本のUX | BLOG 心理的リアクタンス からの引用です。

*****

自分から進んで宿題をやろうとしていたが、自分の行動を他人に決められたことで

「選択の自由が奪われた」と感じ、反発する態度を取ってしまう「心理的リアクタンス」の例である。

例え、相手の指示と自分の予定していた行動が同一のものでも、

また、例え相手の指示に従うほうがメリットが多くても、心理的リアクタンスは生じる。

反発して宿題しようというやる気を失った例

*****

 

また、「なぜ、そんな行動をするのか」という理由を少し詳しく見てみました。

心理的リアクタンス(やっちゃだめの反動):行動経済学とデザイン22

によると、

「自己効力感=自分のことは自分で決めたい」という本能から来ているそうです。

「他人からダメといわれ続けると、自己効力感を脅かされてストレスとなります。

それに抗うためには意思を示して命令に屈しない態度を示すため、命令と逆の反応が出る」

ということです。

 

本校でも 自己効力感を大切にしたいと考えています。

前述の 世界と日本のUX | BLOG 心理的リアクタンス には、

勉強のやる気を奪わないためには、「勉強しなさい」と命令(指示)するのではなく、

自分のペースで勉強を進めていることを認め「勉強は順調?」などと質問することで、

そのペースについて質問しているだけなので、自由を阻害したと感じさせない、

というヒントもありました。

 

また、「余計な心理的リアクタンスを与えない」ためには、一般的にどういった点に気をつけるといいかというと、

「自由を奪っていると感じさせないこと」が重要。

「選択肢を与え、その中から求めている答えを相手自身に選択させる」とよい、とありました。

 

こういったことは、コーチングなどでもしばしば強調されますし、

生徒指導などでも、「自己決定力」は大切だと言われています。

 

さて、本校でも3年生の路について決定していく「三者相談」が行われました。

3年生全員が自分で「納得した」進路選択をして、

自己効力感を保ちながら進んでいってほしいと思います。

 

これは、本校生徒が東小や久玉保育園で

読み聞かせをしていた楽しい絵本です。

 

NHK「サラメシ」に学ぶ

NHKの「サラメシ」という番組があります。

一般の方の昼食の様子を取材して、

中井貴一さんのナレーションとともにお送りする、といった番組です。

何曜日かの午後7時のニュースの後にやっているのを時々見ていましたが、

日曜の朝にも放送があっていました。

 

この番組、他の人のおいしそうなお昼ご飯を拝見する番組です。

お弁当や社員食堂や行きつけの外食屋さんのメニューなどを見るだけでも、

グルメ番組みたいでおもしろいです。

しかし、それ以上に興味があるのは、

昼食を挟んだ、人それぞれの仕事の内容、仕事っぷりや苦心談、

さらには職場の仲間や雰囲気、支えてくれる家族の方の様子など、

いろいろな見どころがあるのです。

 

今朝も、いろいろなお昼ご飯が出てきました。

その一つが、長野県のバス会社のバスガイドさんたちのお昼ごはんでした。

 

 

この春に高校を卒業して入社した方から、10年目ぐらいの方までが登場しておられました。

バスガイドさんというと、きれいな声で、歌も歌えて、もちろんいざというときは運転手さんをサポートしてバスの誘導などもしなくてはならないと思いますが、

なんといっても観光地の案内が私たちの旅の楽しみです。

そのためには、たくさんの知識が必要と思いますが、

(私が以前利用したバスでは、ガイドさんがCDのスイッチを入れて、案内はCDがしたことがありますが)

バスガイドさんたちの陰でのご苦労を初めて知りました。

 

このバスガイドの皆さんは、市販の一般的なガイドブック等をそのまま使ったり、覚えたりするのではなくて、

全部自分のノートにまとめ直しておられました。

そうすると、自分の頭の中にも整理されて、入りやすいのだというのです。

まるで受験勉強といっしょですね。

 

今年8年目という方のノートが紹介されていましたが、

なんと100冊に上るそうです。

100冊!

それはそうですね。

考えてみれば、長野県内や近辺の案内だけでなく、

他県へのバス旅行もあるでしょうし、東京など遠方へのバスツアーもあるので、

バスで案内する可能性のある場所すべてのノートを準備していったら、

100冊にはなるということですね。

ベテランの(といってもまだ20代半ばですが)先輩たちが勉強してノートを作っている姿を見て、

入社まもない後輩の方は、

「はぁ〜ってなりました。もっと(勉強しなくちゃいけない)かぁって」

と言われてました。

 

そのほかにも、ガイドさんたちにいろいろインビューがされていました。

コロナ禍による自粛で自宅待機になった時は、

「最初はやったーと思いました。好きなだけ寝れるぞって」

と笑顔で言われていました。

 

しかし、すぐにいつから仕事が始まるんだろうと不安になったりしたそうです。

「いつでも旅行に行けるという時代じゃないんだ、と思うようになりました。

この旅行をしたら、次はいつ旅行できるかはわからない。

そう思ったら、この旅行を精いっぱい楽しいものにしたいと思うようになりました」

そう言って、手書きのメッセージカードを作ったり、

個人用に配布する容器にアルコールをつぎ分け、「ありがとう」のシールを貼ったりしておられました。

 

大人数での旅行が難しいならと、バスガイドさんたちで話し合って、

オリジナルの女性一人旅のツアーの企画を社長さんに提案されたりもしておられました。

 

私からみれば若い、学校から社会に出て数年の方々が、一生懸命仕事に取り組んでおられる姿に元気をもらいました。

これまで、キャリア教育の一環で、NHKの「プロジェクトX」や「プロフェッショナル」を

授業で生徒たちに見せてきたことがありましたが、

この「サラメシ」も身近に感じられるキャリア教育の参考になるかなと思いました。

 

入社を機に一人暮らしを始めて、お弁当作りに挑戦しているという方が、

「ちょっと焦げちゃったんです。1回練習して、その時は上手にできたんですけど」と卵焼きを頬張る姿や

「食べるのが遅いので、お弁当箱は小さくしてます。

仕事先で遅くなって『居残り給食』みたいだねなんて言われちゃうので」

という方もいらっしゃり(横の方が「ゆっくりでいいよ」と声をかけていらっしゃいました)

微笑ましい光景でした。

 

私たち本校教員は、毎日牛深給食センターの皆さんが丹精込めて作ってくださる給食を

おいしくいただくことができて、幸せに思います。

写真は、日本列島味の旅「江戸両国のちゃんこ鍋」です。

 

 

サラメシ - NHK

「アンコンシャス・バイアス」について

  外科医と息子

父親と息子が自動車事故に遭ってしまいました。

父親はその場で亡くなってしまい、

重傷を負った息子は救急車で病院に運び込まれました。

息子が手術室に運ばれ、

その病院で一番の腕利きの外科医が呼ばれました。

ところが、その外科医はその少年を見て言いました。

「息子!この少年は私の息子です」

 

この話をお読みになったことがある方も多いかと思います。

 人権教育の研修などでもよく紹介されています。

 

私は初めてこの話を聞いたとき、違和感を感じました。

話がすんなり頭に入ってこなかったのです。

「この外科医は少年の母親だったのです」

という最後の一文を聞いて、なぁんだ、そうかと思いました。

知らないうちに「腕利きの外科医」と聞くと、男性をイメージしていたのに気づきました。

 

こういった知らず知らずの思い込みのことを

「アンコンシャス・バイアス」というのだそうです。

 

今朝、このような記事を見ました。(朝日新聞)

*****

「単身赴任=男」「お茶出し=女」 無意識の偏見

労働組合の中央組織・連合が、職場や日常生活での「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」について組合員など約5万人に尋ねたところ、何らかの形で「思いあたる」人が95%に上った。

性別や働き方などに対する思い込みの根強さが浮き彫りになった。

6~11月にネットで調査した。

「介護しながら働くのは難しいと思う」など20項目から、思い当たるものを幾つでも選んでもらった。

ジェンダー関連で最も多くの人が選んだのは、「『親が単身赴任中』というと父親を想像する」で66・3%。

「体力的にハードな仕事を女性に頼むのはかわいそうだと思う」は51・5%、

「お茶出し、受付対応、事務職、保育士というと女性を思い浮かべる」は39・2%だった。

「子どもが病気になったときは母親が休んだ方が良いと思う」は21・1%が選んだ。

*****

調査の概要はこちらで読めます→5万人を超える回答 アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み、偏見)診断:時事ドットコム

 

私自身も思い当たるところがありました。

些細な言動でも、無意識にバイアスがかかってしまっていることも多いと思ったことです。

先日も、ある生徒に「理科はがっばってるね」などとうっかり声をかけてしまい、

言った後で、理科「は」というのはよくなかったなと思って、言い直したことがありました。

先述の記事は、調査した担当者の方の次のコメントで締めくくられていました。

「これらの項目がアンコンシャス・バイアスだと気づくことで、決めつけや押しつけをせずに、多様性が尊重される社会や職場づくりにつなげていきたい」

まず「気づく」ことが大切だなと思いました。

本校の日常生活でも気をつけていきたいと思います。

 

ドクターX』再放送なのにプライムタイムの強気!『リーガルV』もワンパターン - wezzy|ウェジー

(ドクターX ~外科医・大門未知子~ から)

「帳面消し」…方言の楽しみ

以前、県外に研修に行った時のことです。

「熊本から来たでごわす」と言っても、誰も笑ってくれませんでした。

九州以外の人からすれば、熊本弁も鹿児島弁もいっしょなのでしょう。

無料イラスト 西郷さん

 

また、方言の自慢大会で好評だったのは、

「とっとっと」(取っているの)と

「すーすーす」(なんか冷気が入ってきて、若干肌寒い感じがするようだ)

でした。

これは、福岡の人も使っているようです。

ちょっと共通語に訳すのは難しいですね。

 

他県の人に感心されたのは「あとぜき」でした。

閉めることを「せく」という方言(関や堰が語源に関係しているのでしょうか)からきているのでしょうが、

「とてもマナーのやさを感じる、便利な言葉ですね」

と言ってもらいました。

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また、ある広島の中学校を見学にお邪魔したら、ちょうど掃除の時間でした。

本校も黙働掃除に取り組んでいるので、

その中学校の生徒たちの熱心な掃除の取組を興味深く拝見しました。

その時案内していただいた校長先生が、

「いやー、懐かしいですな!」

とおっしゃって、

「何のことですか」とお尋ねしたら、

「いや、失礼。先生が先ほど、生徒たちの掃除の様子をご覧になって、

『隅々まで、はわいてますね』と言われたので、

学生時代、九州に住んでいた頃を思い出しました」

と笑っておっしゃいました。

なるほど、共通語では「はわく」とは言わず、

「掃く・はく」と言うのですね。

これ博多弁? 福岡の人が標準語だと勘違いしがちな方言 12選 | 福岡TOUCH

熊本地震の時も、報道番組などで、

「がまだす」(精を出す)

「でき(け)たしこ」(できることだけでいい)

などの熊本弁がポジティブな意味合いで紹介されていました。

 題字提供「買って応援。」「食べて応援。」頑張り過ぎない「でけたしこ」な支援ロゴ | 和様 書家/書道家 うどよし Japanese  calligrapher Udoyoshi

 

そんな中で、今日のニュースで、意外な発見をしました。

「帳面消し」(表面的に一応やったように見せること)

が熊本だけの言葉らしいのです。

私は今までそう考えたこともありませんで、共通語だと思っていました。

記事によると、熊日では新聞の見出しにも使われるほど、県民に定着している言葉のようです。

改めて、方言には、方言でしか言い表せない、独特のニュアンスがあるものだと思いました。

 

「帳面消し」って共通語じゃないの? 実は方言 熊本県民に”衝撃”

ロードレース大会と雑節の豚汁の思い出

昨日の校内ロードレース大会は、穏やかな天候やPTA、地域の皆さんのご協力によって、

生徒たちも思い切り走ることができ、素晴らしい大会とすることができました。

皆さん、応援ありがとうございました。

 

さて、久玉ふれあいセンターで生徒たちのゴールを出迎えていると、

牛深図書館の坂田館長さんが応援にいらっしゃってくださいました。

「地域の方がたくさん沿道で応援していますね。

あかね苑では、入所者の皆さんがそろって応援されていましたよ」

と教えていただけました。

また、

「今年は、中学生の頑張る姿を直接見る機会が少なく、寂しく思っていましたが、

今日は応援ができてとてもよかったです。

ありがとうございました」

ともおっしゃっていただきました。

校長として、とてもありがたく思いました。

 

一昨年、昨年と、校内ロードレース大会では、

坂田さんの呼びかけで、

本の読み聞かせサークルしろやま文庫の皆さん、久玉婦人会の皆さんが、それにPTAのお母さん方も加わって、

さばの雑節でだしを取った豚汁やおにぎりを振る舞ってくださいました。

雑節やお米は、趣旨に賛同した保護者の方や久玉振興会から寄贈いただいたそうでした。

 

そのとき、坂田さんから生徒たちに直接おっしゃってくださったのは、

「中学校を卒業すると、牛深を離れていく子どもたちも少なくないと思います。

小学校の頃から本の読み聞かせを通じて成長を見てきた子どもたちに、

進路に向かって頑張ってほしいという激励のエールを込めて、つくりました」

ということでした。

 

前夜から久玉ふれあいセンターの調理室で準備をされた豚汁とおにぎり、漬物を

私たち職員もごちそうになりましたが、

牛深特産の雑節はとてもいい味が出て、とてもおいしかったのが忘れられません。

 

今年はコロナ禍の影響で、実施されませんでしたが、

坂田さんはじめ、皆さんの応援いただく姿や笑顔から、

地域の方が本校生徒を応援していただく気持ちは、今年も熱く伝わりました。

ほんとうにありがとうございました。

 

生徒、職員一同、コロナに負けずに頑張っていきたいと思います。

今後とも応援をどうぞよろしくお願いします。

 

ごちそうさまでした!「さば節」の豚汁(2018/12/21)

 

いただきます!おいしい雑節の豚汁とおにぎり(2019/11/24)