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2020年11月の記事一覧

テセウスの船と本校の伝統

「テセウスの船」という思考実験があります。

今年の初め頃、同じタイトルの竹内涼真さんのドラマがあっていましたが、

竹内涼真主演|ドラマ『テセウスの船』Blu-ray&DVD BOXが7月22日発売 - TOWER RECORDS ONLINE

今日お話しするのは、パラドックスの方です。

パラドックスというと、

「逆説、ジレンマ。間違っているように見えるが、実は正しいこと、またその逆で正しいように見えるが、正しいと認識されないこと」と辞書に載っています。

(たとえば「私は嘘つきである」という人は、本当のことを言っているのかどうか分からなくなります。)

わかりにくいですが、まあ、ちょっと難しい、なぞなぞかとんちのようなものと思ってください。

 

その「テセウスの船」という思考実験は、次のようなものです。

 

*****

テセウスの船はパラドックスの一つであり、テセウスのパラドックスとも呼ばれる。

ある物体において、それを構成するパーツが全て置き換えられたとき、

過去のそれと現在のそれは「同じそれ」だと言えるのか否か、という問題(同一性の問題)をさす。(ウィキペディアによる)

*****

少しわかりやすく言うと、
テセウスさんが乗っていた船があって、

人々は、その船の古くなった部品や壊れた箇所を新しいものと交換しながら長く使っていました。
その交換や修理などを繰り返しているうちに、

元々船に使われていたすべての部品が新しいものに替わってしましました。

つまり、テセウスが乗っていた頃の船とは、すべての部品が入れ替わってしまいました。

さて、この船は元の「テセウスの船」と言えるかどうかという話です。

(私の考えた類題:創業以来30年、継ぎ足し、継ぎ足しで使っているおでん屋のだしは、創業時のものと同じといえるのか??)

 

人間の細胞も約60兆個あり、数か月で入れ替わってしまうという話もありますね。

すべての細胞が入れ替わったとしたら、

1年後の自分ははたして元の自分といっしょの人間だと言えるのでしょうか?

 

「テセウスの船」の話では、置き換えた古い部品をリサイクルして、

もう一隻の船を作ったら、そっちこそ「テセウスの船」ではないか?

という指摘もあり、では、それまでの元の船が「テセウスの船」でなければ、

何なんだろう?と、ちょっと訳が分からなくなってきます。

テセウスの船」ってなに?脳を刺激する思考実験やパラドックスまとめ | Cosmic[コズミック]

なぜこんなお話をしているかというと、

体育大会、文化発表会を終え、

(もちろん、今年度は新型コロナウィルスの影響で、様々な変更等がありましたが)

本校の伝統というものも、中身が変わって新しくなっていると感じたからです。

これまでの「東中ブランド」に加えて、

コロナに負けない「気づき・考え・実行する」生徒たちの力を実感しています。

 

12月には、校内ロードレース大会、生徒会選挙が待っています。

本校の伝統のさらなる進化を期待しています。

100点満点

昨日は令和2年度の文化発表会でした。

オープニングから、

生徒たちの総合的な学習や音楽の授業の学び、

吹奏楽部の練習の成果を

たくさんの皆さんにご覧いただく貴重な機会を実現することができました。

ご来場、ご協力いただいた皆さん、ありがとうございました。

 
文化発表会を行いました(2020/11/28)

 

後半は、MICAさんの

特別授業「100点満点」

をみんなで受けました。

 

(写真提供 熊本日日新聞 谷川さん)

 

予定の50分をオーバーして、

アンコールを含めて70分の熱血!授業でした。

美しい歌声はもちろん、楽しいお話もありましたし、

マネージャーでプロの司会もされている木村さんのものまね芸?などもあり、

あっという間のひとときでした。

 

また、アーティストとしての夢実現や、コロナ禍の中で働いていることの大変さなど、

日頃聞くことのできない、貴重なお話も語られて、

生徒たちはもちろん、

私たち大人にもとても心に響くものがありました。

 

私は、MICAさんが、ある障害者施設との出会いから創られたという、

この「100点満点」という曲に、特に心を打たれました。

(CDを2枚購入しました音楽)

 

本校で静かに取り組んでいる、

「グッジョブ!カード」の趣旨と

共通するところもあるなぁと思いました。

 

今回の文化発表会は、200点だったなぁと思っています。

改めて、私たちのために元気をいただいた

MICAさん、関係者の皆さんに心からお礼を申し上げたいと思います。

ほんとうにありがとうございました。

 

 100点満点

 

どうして泣いてるの

こっちへおいで

誰もあなたのこと

叱ったりしないから

たくさん泣いたら

優しい笑顔で

あなたの名前を教えて

さあ もうお友達

今日は何食べよう

今日は何して遊ぼう

生きてるって何よりも

一番幸せなこと

今日はいくつ

あなたを思い

笑顔になることあったから

 


本当の僕を見て

いいとこも悪いとこも

誰かと比べるんじゃなく

目の前の僕を見て

君のいいとこ

100知ってる

誰だっていいとこ

100持ってる

今日は何個

見つけられたかな

まだ知らない

君のいいとこ探しに行こう

生きてるって

それだけで100点

辛くても心痛めても

そう100点満点


うまくいかない時のおまじない

こっそり君にだけ

教えてあげるから

空を見上げて

大きく深呼吸

ぴんとした姿で

ありがとうって叫ぶんだ

それだけで100点満点

 

小さな花瓶

今日は、私が以前指導していた生徒さんの作文を紹介します。

ちょうど今頃の季節に書かれた作文でした。

 

   小さな花瓶  村上未希子

 私が通学のため利用するバス停には小さな花瓶があります。そして、その花瓶の花が枯れることはありません。

 私は街中から少しはなれた海辺の町に住んでいます。ですから、朝のバス停はとても静かです。私がバス停に立っていると毎日リアカーに花を乗せて歩く花売りのおばさんと顔を合わせています。毎日のように顔を合わせていたので、私と彼女は言葉を交わすようになっていました。

 ある日、私がいつものようにバス停に立っていたら、彼女は小さな花瓶をバス停の横の柱にくくりつけました。そしてリアカーから一本のキレイな花をとりその中に入れました。

「どうしたんですか?」とたずねると、

「朝からこんな静かなバス停でバスをまつのはさびしいでしょう?一本でも花があれば明るい気持ちになれるじゃない」

と言われました。

 私はその日の朝、とても気持ちがさわやかになったのをおぼえています。

 その日以来私は彼女とよく話をするようになりました。彼女と話していると今まで気付けなかった彼女の仕事のつらさを感じました。決して仕事がきついと彼女が言ったわけではありません。しかし、赤ぎれやしもやけにふくれた手を見ると冬に水をあつかうこの仕事のつらさを痛感せずにはいられませんでした。私は小さい頃、花屋になるのが夢でしたから、いっそうショックでした。

 けれど、彼女は決してグチもこぼさず、暑い夏も寒い冬も朝早くから重いリアカーを引いて花を売りに出かけるのです。

 そんな彼女は、自分だけでなく他人のこともおもいやる心をしっかりと持っているのです。季節の花を毎朝一本ずつ入れていく彼女の姿は実にまぶしいものです。私は毎朝、心を洗われる気持ちでその姿を見ています。

 つい先日のことですが、彼女の小さな花瓶に彼女の入れていない一本の小さな花がありました。だれかが、彼女のやさしい心に感動して花を置いていったのです。残念ながらその日は彼女に会えなかったのですが、きっと彼女も喜んだと思います。静かな朝の小さなバス停の横に咲く彼女のやさしい親切の花は、それを見る人々にも親切のあたたかさをふりまいているんだなと思います。

 今朝の花瓶には、うすいピンクをしたやさしいコスモスが揺れています。今日もまた、私はさわやかな気持ちでバスの中の席に座ります。

(第23回全日本「小さな親切」作文コンクール 優秀賞受賞作品)

 

先日、自宅の資料の整理をしていたら、たまたま見つけたものです。

ちょっと手を止めて久しぶりに読んでみましたら、温かい気持ちになりました。

本校生徒の皆さんにも、毎日スクールバスで通学している人がたくさんいるので、

少し気持ちが分かってもらえるかな、と思って掲載しました。

(これは深海のバス停です)

 

 

「神の手」について

あなたはサッカー中体連の決勝戦のピッチにいます。

この試合で勝つために、3年間きつい練習にも耐えてきました。

 

スコアは0-0、緊迫した展開が続いています。

今、あなたは相手ゴールへドリブルで攻め上がり、パスをした後

もう一度ボールをもらおうと走り込みます。

しかし、味方のパスは、相手ディフェンスにカットされてしまいます。

プレー失敗かと思いましたが、次の瞬間、

カットされたボールがフワッとあなたの前方に上がっているではありませんか。

あなたは迷わず加速し、ボールに向かってジャンプします。

相手のゴールキーパーが慌てて、パンチングしようとジャンプしてくるのが見えます。

あなたとゴールキーパーは、空中で競り合います。

そして、あなたは、ゴールキーパーがボールを弾くより一瞬早く、ボールに触ることができました。

ボールは、誰もいないゴールに吸い込まれていきました。

ベンチをはじめ会場は大きな歓声に包まれました。

 

しかし、ボールに触ったのは、あなたの左手だったのです。

この時、あなたならどうしますか。

 

お気づきのように、

このエピソードは、

サッカーW杯1986年メキシコ大会

準々決勝イングランド対アルゼンチン戦で、アルゼンチン代表のマラドーナ選手が先制点を奪った時の様子です。

 

イングランドの選手は、ハンドをアピールしますが、

審判はゴールを認めました。

映像には、マラドーナ選手が手でボールをはたく様子がはっきり認められますが、試合はそのままアルゼンチンのリードで進められました。

そして、その4分後に、マラドーナ選手はドリブルで5人を次々と抜きさり、追加点をもたらします。

 

サッカーでは有名な出来事ですが、皆さんこのエピソードをどう思われますか。

私の道徳授業はほとんど「あなたならどうしますか」というタイトルなのですが、この話も教材にしてみたい話です。

 (以下の引用はいずれもウィキペディアから)

 

ーマラドーナは試合後のインタビューでこのプレーについて聞かれると、

「ただ神の手が触れた」と表現した。

 

この発言から「神の手」は伝説となったようです。

 

ーのちに、マラドーナは自伝においてハンドだったことを認め、

母国のテレビ番組では

「早く来て自分を抱き締めないと、審判が得点を認めないぞ」

とチームメイトに呼びかけたという裏話を明かしている。

 

私はサッカーのことはよくわかりませんが、

「5人抜き」の様子を見ると、マラドーナ選手はむろん上手なのでしょうが、

次々と抜かれていくイングランドの選手たちは、少し集中力を欠いて、

あれよあれよと抜かれているようにも見えます。

明らかに、直前の誤審が選手たちの心理に影響しているように思えます。

 

マラドーナさんは後年の雑誌インタビューでは罪の意識を否定し、こう語っているそうです。

 

ーワールドカップで勝てるなら手だって使うさ。審判が認めれば、それでゴールだ。

 

一方、当時イングランドの監督だったボビー・ロブソンさんは、こう語っています。

 

ーあれは誤審以外の何ものでもない。誤審はあり得ることで仕方がない。

 

そしてこう続けています。

 

ーだが私が許せないのは、それを神の手などと呼ぶ者の欺瞞だ。

 

私自身は、ロブソン監督に1票です。

中体連大会のために、生徒たちがどんなに努力してきたかを、

誰よりも知っていても、生徒たちがどんなに勝ちたいかをよくわかっていても、

生徒たちにはこう尋ねると思います。

 

「反則をしたのは、誰よりも自分がよくわかっている。

なのにガッツ・ポーズをして、勝利をつかんだとしても、

その勝利にどんな意味があるのか」

 

W杯と中体連では、訳が違うと言われるかもしれませんが、

「部活をするのは、何のためか」ということを考えるための問いです。

 

マラドーナさんが亡くなられました。

彼は私と同級生です。

もちろん、学校は違いますが。

 

人とは仕草である

先日この欄で紹介した、「武田鉄矢の今朝の三枚おろし」というラジオ番組で、

武田さんが話していた話です。

 

青山真治さんという映画監督の「映画論」の本にあった話で、

「人は仕草である」

というものです。

つまり、映画の登場人物の人物像は、

映画俳優が演じる顔の表情とか、セリフとかではなく、

「仕草」で印象に残るというのです。

 

どういうことかというと、

名優と言われる人たちは、

必ず決め手となる得意な仕草を持っているというのです。

ストーリー上あまり必要がなくても、

その決め手となる仕草(私はこれを決め仕草と呼ぶことにします)をして、

登場人物あるいはその俳優さんの持ち味を出し、

見る人の印象に強く残るという説です。

 

いくつか例が挙げられていました。

ジョン・ウェインは、物を投げるような仕草が得意。

だから、彼が演じる西部劇のヒーローは、絶対ハンカチなどは持たず、

(そもそも西部劇でハンカチを使っている人をあまり見かけませんが)

手を洗ったら、物を投げるような動作で、水を振り払うのだそうです。

そして、それが彼の演じる人物の男っぽさをかっこよく象徴するのだそうです。

差別主義者だった…知られざる名優ジョン・ウェインの実像|日刊ゲンダイDIGITAL

 

また、イングリッド・バーグマンという美女は、

一本の映画の中で必ず一度は、めまいを起こして倒れかかるそうです。

ちょっと可憐な、か弱い感じのキャラクターなのでしょうか、それが彼女の決め仕草のようです。

 クラシック女優の生き方に学ぶ②イングリッド・バーグマン

 

さらに、クラウディア・カルディナーレという、こちらの美女は、髪をかき上げるのが得意技だそうです。

なるほど、髪の長い、活発そうな方ですね。

 

 

こういうことを聴いていると、

日本の俳優さんなども、そんな決め仕草があるのではないでしょうか。

 

石原裕次郎さんは、もとはアクション俳優だったと思いますが、

私が「太陽にほえろ!」という刑事ドラマで見ていた頃(高校生ぐらいの頃)は、

もうちょっと太っていて、

マカロニ刑事(ショーケン)やジーパン刑事(松田優作)のように、

犯人を追って街中を走るシーンはムリだったのでしょう。

警察署の自席の後ろの窓のブラインド越しに、目を細めて外を見るのが

決め仕草だったように思います。

(今思えば、警察署の窓から毎週毎週、何が見えたというのでしょう?)

ブラインドちらっを再現可!『西部警察』の石原裕次郎が可動式フィギュアに! - ライブドアニュース

高倉健さんは、あまりセリフ回しが上手ではなかったので、

セリフの少ない役をやり出したら、

それが功を奏して、人気が出たという話を聞いたことがあります。

高倉さんの演じる寡黙な男性は、

必ず不器用そうに口ごもるような場面があって、

見る人は健さんが言いたいけど言えないことを勝手に想像して、

健さんの気持ちになりきるということではないでしょうか。

黙っていることが健さんの決め仕草と言っていいのかもしれません。

高倉健「いい風に吹かれたい」 » bunanomori

 

このように考えてみると、

映画やドラマの登場人物を見る際に、

その演じている俳優さんの決め仕草はどんなのかな、と思いながら見るのも面白そうです。

(たとえば、木村拓哉さんの決め仕草は、どんな仕草でしょう?)

 

つまりは、モノマネされやすい人は、それだけ印象に残る、得意な仕草を持っていることに行き着きます。

私は、決め仕草は必要ないかも知れませんが、

せかせか動くと落ち着きのないのが露呈しますし、

悠然としているつもりでも、他人からはだらだらしているように見えるかもしれません。

これ以上、へんな仕草やふるまいで恥をかかないようにしたいと思います。

ムーミン谷のかわいい少女

「忙しい、忙しいって言う人いるじゃない。

きっと頑張ってるわねって褒めてほしいのよ。

だからこう言ってあげたほうがいいわ。

時間の使い方が下手ねって」

 

これは、ある有名な人の名言(?)です。

ううむ、それを言われては立つ瀬がない、という感じですね。

 

さて、この言葉を残したその有名な人は誰かというと、

リトル・ミイ

という人です。

どこの国の人かというと、おそらくスウェーデンの人です。

「おそらく」というのは、この人は架空のキャラクターだからです。

 

その人とは、

e.スポンジワイプ ムーミン リトルミイ

トーベ・ヤンソンさんの物語「ムーミン」シリーズに登場するこの少女?です。

「ムーミン」といえば、カバかなんか分からない、不思議な妖精?たちの物語ですね。

 

松任谷由実の全楽曲424曲が配信開始! Spotifyの人気プレイリストのカバーをユーミンがジャック | ART&CULTURE | FASHION  HEADLINE

(これは、「ユーミン」)

 

「ムーミン」は、私の小さい頃は日曜の夕方6時から、

「サザエさん」の前に放送されていました。

♪ねえ ムーミン こっちむいて

という主題歌を聴くと必ず眠くなっていたのと、

次週の予告編をムーミン・パパが担当していて、

最後に必ず「ムン・パッパ」と言って締めくくっていたのを覚えています。

楽しいムーミン一家(Moomin)のネタバレ解説まとめ | RENOTE [リノート]

 

さて、このリトル・ミイさんは、

ちょっと変わり者で頑固、毒舌家とも思えますが、

大人もハッとするような言葉をたくさん残しています。

 

「みてるわよ、あなたがしていること。

あのね、神様じゃないわよ。もうひとりのあなたがよ。

もうひとりのあなたがあなたをみているのよ。

見放されないようにね。嫌われないようにね」

 

「迷わないことが強さじゃなくて、

怖がらないことが強さじゃなくて、

泣かないことが強さじゃなくて、

本当の強さってどんなことがあっても前をむけることでしょ」

 

「努力は人を大きくするわよ。

けど苦労は人をダメにするわよね」

 

「あなたに足りないものと余計なもの、ひとつずつ言うわね。

足りないもの、努力ね。

余計なもの、無意味な時間、見栄、さぼり癖、食べ過ぎ」

 

「失敗を怖がらない。

バカね、全く逆よ。

怖がらなきゃいけないに決まってるじゃない。

そうしないからいつも同じ失敗を繰り返すのよ」

 

「甘えてんじゃないわよ。

その人の価値がわかるのは、上手くいっているときじゃないわ。

いろんなことが上手くいかない苦しい時に何ができるかよ」

 

6月3日は日本のムーミンの日でした

いかがでしょうか。厳しいところもありますよね。

ズバリ言うわよっ!という感じですね。

しかし、もしも友達が、こんなちょっと言いにくいようなことを、直接言ってくれるのなら、

なんかいい友達のような気もします。

 

熊本市で行われているという「ムーミン」の展覧会の案内を目にして、

このようなことを考えたのでした。

ムーミン展 熊本市近代美術館

ラジオを聴いていますか「大学受験ラジオ講座」

昨日のラジオのお話のつながりで、今日は「大学受験ラジオ講座」のことを書かせていただきす。

高校の時、私はあまりにも成績が悪く、

ある日、これはどうにかしないと、いくらなんでもまずいと気づきました。

しかし、お金もないし、塾や予備校には行けませんでしたので、困ってしましましたが、

旺文社の大学受験ラジオ講座というものがあるのを知り、

「よし、これだ!」と聴講(!)することとしました。

毎月のテキストは、7〜800円ぐらいじゃなかったでしょうか。

この予算で一流の予備校の先生の講座が聴けるなんて、世の中にこんないい方法があるのかと思いました。

各教科の参考書を買うよりずっと経済的です。早速本屋でテキストを購入してきました。

(写真は実物とは違います)

 

ラジオ講座なので、もちろんラジオで先生の話を聴くのですが、

いざ始めようとして、私は一つの問題点に気がつきました。

それは、その講座の放送時間が、早朝の5時過ぎからなのです。

当時の私は早起きが苦手で、

毎朝バタバタして高校に滑り込んだり、滑り込み損なったりの生活でしたので、

テキストを購入した後にこのことを知って、ハタと困りました。

でも、ここであきらめたら、テキスト代がムダになるので、

仕方ない、明日から朝5時に起きようということにしました。

 

すると、何ということでしょう。

全く起きることができません。

目覚まし時計をかけていても、全然気づきません。

当時は「ラジカセ」の出始めた頃で、タイマー録音する機械を私は持っていませんでした。

困ってしまいましたが、それならばとダイヤル式のタイマーをラジオにつないで、

5時になったらラジオのスイッチが入るようにして寝ましたが、

講座の先生の話が、かえって夜明け前のまどろみに効果的で、安らかに眠れてしまう有様でした。

だいたい、学校の勉強がほとんどわかっていないのですから、

テキストの問題をやっただけでは、まったくわかりません。

ラジオ講座のお話を聴かないとラチが開かないのです。

(写真は実物とは違います)

 

さて、どうしたものかと考えた私は、

朝5時などと中途半端に早起きしようとするのが、いけないのではないかと考えました。

もっと早く起きてはどうか、

いや、夜中から寝なければいいのではないか、

と考えたのです。

 

そこで取った作戦は、

夜中の3時に起きて、そのままずうっと起きていようという名案でした。

なぜ3時かというと、

当時人気のあったラジオ番組

「オールナイトニッポン」の第2部が毎日午前3時から放送されていたのです。(第1部は午前1時から)

それが聴ける、と思えば、辛い早起き?も楽しくなるのではないかと思ったのです。

 

そこで、夜は9時ごろに無理矢理眠って、

夜中の3時に起き、ラジオをつけるという生活を始めました。

これは大正解で、生活リズムの改革に成功し、

ラジオ講座も毎日聴くようになりました。

 

しかし、どちらかというと、ラジオ講座より

オールナイトニッポンを聴くのが主な目的となっていた感がありました。

特に、水曜深夜(木曜の未明)の松山千春さんの時は楽しみにしていましたね。

ちなみに、その日の第1部は、タモリさんの担当でしたので、

3時前に起きて、ラジオを聴いていたりしました。

松山千春さんの放送の最後には、毎回松山さんがハガキを読みながら終わるのですが、

そのバックに

「大空と大地の中で」が流れ、

いい感じで毎回終わっていました。

 

しかし、なぜかラジオ講座は5時15分ごろからの放送だったので、

オールナイトニッポンが終わってラジオ講座が始まる、その間の15分をガマンできずに、

うとうと眠ってしまうことも多々、

自分はいったい何のために何をやっているのか、よくわからなくなることもありました。

 

今となっては、その講座の効果が本当にあったのかは定かではありませんが、

「自分で自分のルーティンを作る楽しみ」を知った時代でした。


 

 

 

ラジオを聴いていますか(脳を鍛える)

先日、このような記事を読みました。

いい人間関係をつくるために重要な「7つの能力」。鍛えるにはこれをして!

この記事では、「いい人間関係をつくるための力はこうやってつけるとよい」として、次の7つにまとめてありました。

 

詳しくはこの記事のリンクをご覧いただくとして、

私はこの1番目に示してある

ー理解力を鍛えるには「集中してラジオを聴く」

ということに興味を持ちました。

 

この項目を引用してみます。

*****

【1】「理解力」を鍛えるには「集中してラジオを聴く」
人間関係構築のベースとなるのは、やはり「相手の話をきちんと理解する」という能力でしょう。

自分が話をし、そこから楽しいコミュニケーションが生まれれば、

人は相手に対して信頼感や安心感を抱くからです。

理解力を鍛えるために、ぜひラジオを聴いてみてください。

脳科学者で医師の加藤俊徳氏が行なった実験では、

被験者にラジオを1日2時間×1ヶ月聴き続けてもらうと、

脳の聴覚系脳番地(※耳から入った情報を言葉として認識する機能を担う)が成長することが判明。

そして、この聴覚系脳番地は、言葉の意味をとらえる理解系脳番地と深く関係しています。

つまり、ラジオを聴いて聴覚系脳番地を鍛えることは、相手の話の理解を深める出発点になるのです。

*****

この頃の子どもたちい散見される課題として、

「他人の話をじっと集中して聞くことが苦手」ということがあると考えます。

これは、本校も例外ではありません。

 

特に授業では、今も「先生や友達の話を聴いて理解する」ことなしには成立しません。

どんなにオンライン授業が行われるようになっても、

その「話を聴いて理解する」力の重要性は変わらないばかりか、

いっそう大きくなってくるのではないでしょうか。

 

私自身、高校時代は深夜放送のDJや、夕方の「小沢昭一的こころ」を好きで聴いていたことがありますし、

通勤時には決まったラジオ番組を聴く習慣もありました。

そういえば、最近はラジオを聴く機会が減ったなと思います。

そう思い立って、podcastで文化放送のラジオ番組「武田鉄矢の今朝の三枚おろし」をときどき聴いたりしているところです(ちょっとおじさんくさい番組ですが)。

4月15日 武田鉄矢・今朝の三枚おろし - 武田鉄矢・今朝の三枚おろし | Lyssna här | Poddtoppen.se

生徒の皆さんも、Youtubeなどを目にする時間はあるかもしれませんが、

時には静かにラジオの話に耳を傾けることも、

「聴覚系脳番地を鍛える」ことになるかと思いました。

 

ちなみに、NHKの「らじるらじる」というアプリを使えば、

スマホでAMもFMも、そして聞き逃した番組も無料で聴くことができます。

ネットラジオというのだそうです。

昔「ラジオ基礎英語」などを聴いて長続きしなかった私としては、便利になったなと思いました。

→ NHKラジオ らじる らじる

らじる☆らじる NHKネットラジオ | ラジオ, カード, ネット

成層圏から帰ってきた気球

私が小学校卒業の時の記憶です。

タイムカプセルが流行り出していて、私たち児童は、

「自分たちも卒業記念にタイムカプセルを校庭のどこかに埋めよう」

という相談をしていました。

しかし、先生からストップがかかりました。

その理由は、

「ここ(小学校のあるところ)は新幹線が通る予定なので、

小学校もその時は引っ越しになります。

タイムカプセルを埋めたら、掘り起こせなくなりますよ」

当時は、あの田中角栄首相の「日本列島改造論」が一世を風靡していた時代でしたので、

「へー、そういうことか」と思いました。

先生は「しかも裏の山にはトンネルが通るのです」とも言われ、

これにも「へー、すごいね」とか言っていたのを思い出します。

実際に新幹線が開通したのは、その時から39年後。

たしかに裏の山にはトンネルが貫通しましたが、私の小学校は元の場所にそのまま現存しています。

これは実際のそのトンネルの様子です。

 

なぜ、このような話をしているかというと、

旧飯田工業高校(現飯田OIDE長姫高校)のある高校生たちが研究課題の一環で飛ばした気球が

成層圏を旅してきて、無事帰還したというニュースを見たからです。

 

*****

成層圏から奇跡の帰還「思い描いていた映像が撮れた」長野県の高校生の気球 8年ぶりに発見

宇宙から地球を撮影しようと、長野県飯田市の高校生がカメラやスマートフォンを積んだ気球を飛ばしたのは8年前。

行方不明になっていた気球が埼玉県で発見され、

連絡を受けた当時の生徒たちが母校に集まり再生すると「思い描いていた映像」が撮影されていました。

*****

 

なんともロマンのある話ですね。

「小惑星探査機はやぶさ」の話を聞くと、涙が出てくるという先生が本校にいるのですが、

気球でもちゃんと使命を果たして帰ってきたのですね。

カメラやスマホはどんな旅をしてきたのでしょう。

 

*****

気球の映像はどんどん上空に上がっていき、富士山の姿を捉えています。

そして、離陸からおよそ2時間半後。気球は上空およそ3万2000メートルの成層圏に到達。

丸みを帯びた地球の姿がはっきりと映し出されていました。

清水草太さんは

「一番高いところまで到達したところが、きれいに撮れていたので、

あれが思い描いていた撮りたいという映像になっていたのですごい」

と話します。

元生徒たちは成層圏からの映像に興奮を隠さず、8年越しの研究課題達成を喜びました。

*****

 

ニュース映像では、卒業生たちが集まり、8年ぶりに再会した少し汚れて傷だらけになった箱を開け、
「懐かしい!すげー。スマホだ、無事だ」という声が上がっている様子が映っています。

 

嬉しい同窓会になったことでしょう。

今日も宇宙ネタになりましたが、

小学生の頃を思い出し、

タイムカプセルを埋めてたら、中から何が出てきただろうなどと、

昔のことに思いを馳せた休日でした。

君も宇宙飛行士になれる2

昨日の授業参観、学年懇談会お世話になりました。

3年生の授業では、面接試験の練習が行われていました。

私は、ペアや3人での役割練習をしているところを少しだけ参観しましたが、

みんな少しとまどいながら、楽しそうに取り組んでいました。

11月も早いものでもう半分を過ぎ、これから進路選択、受験対策の季節になっていくのだなと実感しました。

 

さて、昨日この欄で宇宙飛行士の選抜試験についてお話ししましたが、

ニュースでその話題に触れたものがあったので、読んでみました。

日本にたった7人…現役飛行士に聞いた!“13年ぶりの募集“で注目集まる「宇宙飛行士」になるには?

カンテレ「報道ランナー」

 

13年ぶりに日本人宇宙飛行士が募集されるのですが、

前回最後の試験で合格し、2016年に4か月間、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在された、

JAXA宇宙飛行士の大西卓哉さん(44歳 元全日空のパイロットで、民間パイロットとしては初の飛行士)のインタビューが掲載されていました。

 

まず、転職して宇宙飛行士になった理由について大西さんは、こう言われています。

「小さいときから宇宙が好きで、行きたいと思っていたが、本当に行けるとは思っていなかった。

13年前に募集していると知って、ほんの少しでも可能性があるならと応募した」

宇宙飛行士になるのは子どもの頃からの夢だったそうで、

「パイロットの仕事と宇宙飛行士の仕事は共通点が多くて、

パイロットとして学んだこととか、蓄積した経験が宇宙飛行士の選抜試験で自分を助けてくれた。

自分はラッキーだったと思っている」

 と語られています。

(ただし、給料はパイロットの頃よりずいぶん下がったそうです。ちなみに宇宙に行ってもボーナスとかはもらえないそうですよ)

 

さて、宇宙飛行士選抜試験についても少し掘り下げてありました。

宇宙飛行士になるには「どんな能力」が必要なのでしょう。

 

大西さんが採用された時の2008年の募集要項では、

●日本国籍 ●大卒以上(自然科学系) ●訓練時に必要な泳力

●英語能力 ●教養(美しい日本語・異文化への造詣)

●10年以上JAXAに勤務可能 

…などが条件として示されていて、

試験では963名の応募に対し、合格が3名と、倍率は320倍以上だったそうです。

 

*****
――Q:英語は大事ですか?

【大西さん】

「国際宇宙ステーションでの仕事は全て英語、

訓練もアメリカとロシアで行われるので、英語とロシア語が必要。

ある程度の基本的な英語力は必要になってくる」


――Q:教養は? 「美しい日本語」というのは、関西弁はダメですか?

【大西さん】

「日本人が宇宙に行く機会は限られているので、貴重な機会を頂いた身としては、

自分が見てきたこと、感じたことをいかに分かりやすく一般の方に紹介できるかは大事な能力」

 *****

と語っておられます。

 

また、前回「まっ白なジグソーパズル」を紹介しましたが、こんな厳しい試験もあるそうです。

 

*****

最終選抜者10人への課題で「10時間で千羽の折り鶴を作れ」

ということは…【1人当たり、4時間で100羽】

――Q:どんなことが求められる試験?

【大西さん】

「実は、課題を出されるときに何を見ているかは受験者には一切知らされない。

この時も、『鶴を折りなさい』という指示だけがきた。

自分の中で、これが宇宙空間での作業でどんな作業に似ているのか、

例えば、閉鎖的な宇宙ステーションで単純作業をずっと長い時間やるときの様子を見ているんだろうなとか想像しながらやる。

僕の場合は、時間に追われて、仕事、折り方が雑にならないようにとか、

最初と最後で後半に疲れがたまって来ても折るペースが落ちないように考えながら課題に取り組んだ」

 

――Q:相談したり協力したりした?

【大西さん】

「ここで集まっていた10人はライバルだが、同じ夢を追いかける仲間の意識が強かった。早く折れる人にコツを聞いたりしていた」


――Q:大西さんは何羽折れた?

【大西さん】

「最初1時間くらいで10羽しかおれなかったので、最終的に80羽いったかいかなかったか。10人で1000羽もいけなかったです」

*****

 

科学の専門知識もですが、

コミュニケーション能力、根気、集中力やグループで協力する姿勢が必要なのかもしれませんね。

 

さて、記事によると、

13年ぶりに宇宙飛行士を募集するのは、

2024年までに月、2030年代に火星へ、有人探査を目指すという

「アルテミス計画」のためだそうです。

もちろん、大西さんも参加したいという気持ちをもっておられて、

日本人として最初に月に降り立つことになるかもしれませんね。

そのときは、かぐや姫と、得意な英語やロシア語ではなく、

日本語で「いとをかし」とお話をしてきてほしいものです。

校長室ブログ かぐや姫現わる

君も宇宙飛行士になれる

昨日に続いて、クルードラゴンで宇宙ステージに乗り込んだ

宇宙飛行士、野口聡一さん関連の話題です。

 

クルードラゴンが飛び立った月曜日の夕方、

出張帰りに車のテレビで、こんなニュースを見ました。

 

野口聡一さん55歳が宇宙へ!なぜ日本人宇宙飛行士は“おじさん”ばかりなのか?

野口聡一さんは55歳。

いわゆる中年と呼ばれる年代ですが、日本人の現役宇宙飛行士はみんな40代~50代で、

平均年齢は51歳。他の国に比べて一番高いそうです。

スペースシャトルの時代が終わり、日本人宇宙飛行士の活躍の場が減るなどして、

現在、若い宇宙飛行士がいないという話題でした。

しかし、国際宇宙ステーション(ISS)に代わって、月面の探査がまた宇宙開発の課題となってきて、

2020年代の後半には、日本人宇宙飛行士が月に降り立つ可能性が出てきたということです。

また、「JAXAの職員60歳定年」というものもあって、

若い宇宙飛行士の育成が急務になっているそうです。

このような理由で、JAXAが13年ぶりに宇宙飛行士を新規募集するのだそうです。

このブログをお読みの生徒の皆さんも、宇宙飛行士を目指してみてはどうですか。

ということで、宇宙飛行士の選抜試験について調べてみると、

「どんな力をつければ宇宙飛行士になれるのかな?-宇宙飛行士候補者選抜試験に挑戦-」

というパンフレットを見つけました。

さて、どんな選抜試験をクリアすれば、宇宙飛行士になれるのでしょうか?

紹介されている問題の例を一つ引用してみましょう。

知る人ぞ知る「まっ白なジグソーパズル」です。

 

*****

模様も色もないまっ白なジグソーパズル──集中力と忍耐力を試される
正しく配置すると美しい絵や写真ができあが るジグソーパズルは、

集中力や忍耐力を必要と するものの、楽しい遊びです。

でも、色や模様 がなかったら?

このパズルは手がかりが極端に少ないので、 難度は模様つきに比べぐんと高くなります。

長期滞在適性検査で、まっ白な 144 ピース のジグソーパズルが出題されたことがあります。

制限時間3時間でしたが、完成した人は一 人もいなかったそうです。

これを行うときは、40 ~ 60 ピース程度の 簡単なものを選びましょう。

市販のものを手に 入れることができます。

最寄りの玩具店などで 見つからないときは、ネット通販でも手に入れ ることができます。

*****

どうでしょう。私は気が短いので元々ジグソーパズルは苦手で、

その上、手がかりやゴールの見えない「まっ白なジグソーパズル」では、

手も足も出ないのではないかと思います。

しかし、出来心で104ピースの「まっ白なジグソーパズル」を注文してしまいました。

チャレンジしてみたい人は、校長室に来てみてください。

 

また、宇宙飛行士選抜試験に興味のある人には、この本もおすすめです。

ドキュメンタリーとして、とてもおもしろいですよ。

ドキュメント宇宙飛行士選抜試験 

アオサ、雑節 宇宙の旅

ここ数日、宇宙のニュースが報道されました。

野口聡一宇宙飛行士さんの久しぶりの宇宙への旅のニュースです。

野口さんといえば、アニメ「宇宙兄弟」の中で

「3次元アリ」の話をされている場面をこのブログで以前、紹介しました。

 校長室ブログ 三次元アリの話(「宇宙兄弟」から)

 

さて、野口さんたちが搭乗した.アメリカの民間企業スペースXの新型宇宙船「クルードラゴン」は、

日本時間17日午後1時すぎ、国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキングに成功したのだそうです。

 

これは、ドッキング直前のクルードラゴンから見た国際宇宙ステーションです。(NASAテレビから)

 

また、これは国際宇宙ステーションへのドッキングを前に、新型宇宙船クルードラゴンの内部でパネルを操作するクルーたちです。(NASAテレビから)

 

きれいなタッチパネルですね。

私のイメージでは、宇宙船内はたくさんのボタンやレバーだらけの印象ですので、かっこいいなぁと思います。

狭苦しくない感じがしますね。

今回の宇宙旅行で、

民間企業による宇宙旅行が本格的に始まるのだと思われます。

 スペースXの方が

「NASAはわれわれの大切な顧客だ」

と言われていて、へー、そんなものかと思いました。

 

さて、今回のニュースに関連して、宇宙食も話題になっていました。

ローソンの宇宙用のからあげクンを、若田さんがお食べになるということです。

ローソンが3年9か月かけたプロジェクトで完成させたものだそうです。

普通のからあげクンと果たしてどう味が違うのでしょうか?

近くのローソンでも売り出されたら、一度は食べてみたいものです。

 

また、カップ焼きそばUFOも食べられるとのことでした。

野口さんは、B級グルメのファンらしいです。

さて、そんな中で、地方のある高校が作ったサバ缶も宇宙食として採用されたそうです。

 

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高校生のサバ缶宇宙へ 「思い続ければ夢かなう」―野口さんも「楽しみ」・福井

福井県立若狭高校(同県小浜市)が開発したサバの缶詰が近く、

野口聡一さん(55)が長期滞在する予定の国際宇宙ステーション(ISS)に届けられる。

「うちの缶詰を宇宙に飛ばせるのでは」。

そんな生徒の声から始まった宇宙食への挑戦。

野口さんはISS滞在中に味わう予定で

「大変楽しみにしており、しっかり賞味したい」と話している。

*****

 

記事によると、サバの産地福井県のある高校の若い小坂先生が、

生徒たちと、不振になった地元産業を活性化しようと思い立ち、研究を開始。

20年近くをかけて認可され、今回宇宙の旅にお供することになったそうです。

記事はこのように締めくくられていました。

 

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小坂さんは「思い続けていれば、夢はかなう」と喜びをかみしめる。

卒業生の大道風歌さんは

「多くの人の思いが込められたサバ缶が打ち上がるのはうれしい。

宇宙での味の感想を早く聞きたい」

と期待を寄せている。

*****

 

日本の地方のチカラ。元気の出る話題ですね。

以前、本校卒業生の先輩が牛深高校でアオサの研究をして、

新しい名産品「青春巻(あおまき)」を開発されて、話題になりました。

牛深のアオサや雑節も宇宙で食べられるようになると、夢が広がるでしょうね。

 

山浦くん「NIEカメラマン講座」の感想

先日の「NIEカメラマン講座」の感想を、

当日謝辞も述べた学習図書委員長の山浦くんがまとめてくれました。

本人の了解を得て、紹介します。

とてもよい学びができたように思えます。

 

  新聞記事にこめられた思い 

 

僕たちの学校で「NIEカメラマン講座」がありました。

現役の新聞記者の方の日ごろの苦労、取材の裏話、記事にこめた思いなどを直接聞くことができました。

まず印象に残ったのは、「伝わる写真」とは何かということです。

「伝わる写真」は、人の表情が写っていることと情報が多く写っている方がよいということを初めて知りました。

たしかに、普通の写真と新聞の写真を比べてみると、みんな表情がよく、それでいて「今」「どこで」「何をしているか」が写真を見るだけでよくわかります。

これほどの情報量と人の表情を1枚の写真にまとめている新聞のカメラマンの方の技術には、感心しました。

また、記事になった写真の例として、サッカーの試合の写真も見せてもらいましたが、スポーツは動きがあるので、失敗も少なからずあるそうです。

しかし、記者の方は「失敗しても撮り続ける」とおっしゃっていました。

これは、仕事への責任感から来るものだと思いました。

「失敗を悔いていても意味がない、次につなげないと良いものは撮れない」ということだと思いました。

一方で、地震の被災地での取材の話を聞いたときは、心が痛みました。

仕事として、被災地の写真は撮らなければいけない。

しかし、災害で心も体も傷ついているのに、写真を撮らせてほしいというのは気が引ける。

その葛藤と苦悩の中、写真を撮らなければいけない記者の方の気持ちは、この講座を受けなければ、知ることはできなかったと思いました。

1枚の写真がどれだけ重く、思いのこもったものなのかがよくわかりました。

新聞の一つの記事には基本、1枚の写真しか載っていません。

しかし、写真の中にある思いやかくされた技術を知ることができてよかったです。

これからは、写真を撮っている人、記事を書いている人の視点に立って、新聞を読んでみようと思いました。

NIEカメラマン講座(2020/11/12)

五七五七七 短歌の楽しみ

一人暮らし 雨の夜には 早く寝る ゆっくり眠る 雨と一緒に 松田わこ

 

朝日新聞では、毎週日曜日の朝刊の「歌壇」「俳壇」のページで、

一般読者の投稿した短歌や俳句が紹介されます。

冒頭の一首は、11月15日(日)に掲載されていた短歌の一つです。

作者の松田さんは、姉妹でよく「歌壇」に登場される方で、

この春に大学進学されて、一人暮らしを始められたそうです。

私も一人暮らしなので(!)その気持ちがよく分かるような一首でした。

 

さて、短歌といえば、11月7日(土)の「世界で一番受けたい授業」では、

「サラダ記念日」で有名な歌人の俵万智先生が恋愛短歌を紹介して、授業されました。

俵さんは私とほぼ同年代で、この歌集でデビューされたときは、びっくりしたのを覚えています。

 サラダ記念日 俵万智歌集

たとえば、

 

君と食む 三百円の あなごずし そのおいしさを 恋とこそ知れ

 

言い訳も 嘘もあなたの 声ならば しばらく聞いて いようしばらく

 

などの「幸せになれる短歌」、いかがでしょうか。

 

思いきり 見つめることの 言い訳の 小道具となる 日もあるカメラ

 

これは、スマホのカメラかも知れません。

 

トーストを 二枚焼こうと して気づく 今日から一人 ぶんの朝食

 

これは、昼食でも夕食でもないことから、特別な人との別れが暗示されるという解説でした。

 

また、上の句(五七五)に続く下の句(七七)を想像させる問題も出題されました。

 

もう二度と 来ないと思う 君の部屋

の下の句はなんでしょう?


正解は

 

もう二度と 来ないと思う 君の部屋 腐らせないでね ミルク、玉ねぎ

 

でした。リアリティがすごいですね。

 

出演者がつくってきた「大好きな?へのラブレター」の発表もありました。

 

優勝は佐藤栞里さんの

 

いつもなら 八本すする うどんさえ 隣が気になり すするは三本

 

若い女性の庶民的な気持ちの歌ですね。

 

また、コンクールで入賞した10代の恋愛短歌の紹介もありました。

 

確率を 習った後の 席替えで 計算してる 君の隣を

 

声聞けば 心臓の音 うるさくて 届け届くな 隣の君に

 

中高校生の作品でしょう。青春だなあという感じですね。

 

出演者の「甘酸っぱい青春」をテーマにした短歌も発表されました。

優勝は間宮祥太朗さんの

 

改札の あちらとこちらで 察し合う 戻らぬ初夏の 千歳船橋

 

ちょっと不振だったデートの後の、改札口での別れの光景だと言っておられました。

「千歳船橋」という駅の名前が、七音で調子もいいし、リアリティがあって、昔のフォークソングみたいです。

 

私だったら、

 

国道の あちらとこちらで 察し合う 戻らぬ秋の 久玉バス停

これはいかがでしょうか。

 

中学生の皆さんにも、短歌で気持ちや思い出を残すことの楽しさを

知ってもらいたいと思ったところです。

白鳥の湖と老バレリーナ

 

作家の高橋源一郎さんがラジオで語られていたので知ったのですが、

数分の短い動画がSNSの上で中で大きな話題になっているそうです。

 

その動画では、年老いた女性が車椅子に座っています。 

彼女はアルツハイマー症を発症して記憶を失い、車椅子の生活をしています。

撮影された場所は、スペインの介護施設です。

アルツハイマー病患者の生活向上のために音楽を活用しているスペインの慈善団体「Asociacion Musica para Despertar」が公開した動画だそうです。

 

さて、その女性マルタさんは、傍らの男性に促され、

じっとヘッドフォンの音楽に聞き入ります。

やがて、マルタさんは曲に合わせて右手をゆっくりと動かし始めます。

 

スペイン生まれのマルタさんは、キューバに渡り、バレエと出会ったそうです。

ニューヨークの華やかな舞台で踊っていたのは1967年。

もう50年以上も前のことになります。

 

目を閉じたマルタさんに、白鳥の湖の記憶がよみがえったのでしょうか。

ニューヨークで踊っていた現役時代のように、

車椅子の上で、しなやかに美しく両方の手と腕を使って舞い始めます。

 

マルタさんが今できる踊りは、上半身だけの踊りです。

指はまっすぐには伸ばせず、少し震える様子も見られます。

しかし、その踊りは、若き日の頃と同じように美しく感じられます。

このBBCの動画には、当時マルタさんが踊っていた姿と思われる

白黒の写真も収められています。

踊るうちに、表情のなかったマルタさんにも、わずかに変化があったようにも見えます。

今、彼女がその視線の先に見つめているものは、何でしょうか。

どんな光景が見えているのかなと思います。

 

この撮影の日からしばらくして、マルタさんはその生涯を閉じたそうです。

 

この動画を見て、

マルタさんの踊りから、人は何を受け取るのでしょう。

 

それは、数十年も前の踊りの記憶を思い出させた、音楽の理屈を超えた素晴らしい力かもしれません。

あるいは、音楽によって揺り動かされた、バレリーナとしての修練と活躍の証かもしれません。彼女は一生バレリーナなのです。

 

高橋源一郎さんは、こう語っておられました。

「仮に記憶がなくとも彼女の体は全て覚えていた。

クモが紡いだ糸もカイコの作った繭も、

それを作ったクモやカイコがいなくなっても残るように。

切り倒された古い樹の年輪に、その樹が過ごした時間が刻まれているように。

そこに行けば全て思い出すことができるもの、

自分が何者であるかを教えてくれるもの、

そんなものや場所があればいいですね」

 

私は、どんな人でも、たとえ年老いても、病に倒れても、

人の歩んできた人生の軌跡は、尊いものだと感じました。

 

小柴さんのテスト問題

ノーベル物理学賞を受賞されたことで知られる、小柴昌俊さんの訃報が報じられていました。

 

小柴さんは一時、中学校で教鞭を取られていたそうです。

その時のテスト問題で、

「この世に摩擦というものがなくなったらどうなるか。記せ」

という問題を出されたそうです。

さて、正解はなんでしょう?

生徒の皆さんは、テストが終わったばかりですが、

ちょっと考えてみてください。

正解は、この欄の最後にお知らせします。

 

さて、小柴さんの功績はというと、

 

*****

小柴さんは岐阜県の神岡鉱山の地下に観測施設「カミオカンデ」を設置し、1987年重い星が一生を終える時に起こす大爆発・超新星爆発によって放出された「ニュートリノ」と呼ばれる物質を構成する最も基本的な粒子をとらえることに成功しました。

NHKニュースから

*****

 

改めて読んでみても、私には、何のことやら全く理解できません。

詳しく知りたい生徒の皆さんは、理科の橋口先生に聞いてみましょう。

 

しかし、小柴さんも、もともと物理がとても得意だったというわけではなく、

「たまたま大学受験のとき、小柴は物理ができない、というウワサを耳にして、一念発起(笑)。

猛勉強の末、東大の物理学科へ進学しました」

とご自身で講演などで話されています。

ここにも、「ピーマンを先に」の精神で道を開かれた方がいらっしゃいました。

 

さて、1987年2月下旬、銀河系のすぐ隣で超新星が爆発して、地球まで飛んできたニュートリノを、

小柴さんは、カミオカンデで見事に観測したとのことですが、

その時、小柴さんは翌月に定年を控えた60歳だったようです。

同年輩である私には、少し元気の出る話です。

 

また、小柴さんの語録には、次のようなものがありました。

「『夢の卵』を常に三つか四つ、自分の中で温めておく。

そしてチャンスが訪れた時にそれをつかむ準備をしておく」

「親や先生がいくら『あなたが本当にやりたいことは何なの』と聞いても、

本人がどんなに本を読んでも、そんなものは見つからない。

いろんなことを試してみて、その中で実感を得て、自分の力で見つけていくしかない」

「自分が何に向いているのか、何が好きなのか、見つけるのは優しくない。

それでも何とか見つけ出さなければいけない。

良くないのは、見つける努力をしないでフワフワ生きていること」

 

3年生の皆さんは、三者面談が近づいていますが、参考になる言葉ではないでしょうか。

 

では、ここで冒頭のテスト問題の正解です。


正解は「白紙答案」だそうです。

その理由は

「摩擦がなければ、鉛筆の先が滑って紙に字は書けないから」

とても愉快な理科の先生だったようですね。

 

進んで損をしたほうがいい② (萩本欽一さん)

(つづき)

昨日の萩本欽一さんの話のつづきです。

*****

僕の場合、なにか事を興(おこ)すときは

必ず損から入ります

これを覚えたのは、高校時代でした

高校の三年間は

いくつものアルバイトをしてたんですが

いちばんうれしい思いをしたのは

京橋の洋食屋さん

なにがうれしいかって食べ物屋さんですから

食材があまると

アルバイトにも食事を出してくれたんです

ここでアルバイトをしたのは

高校二年の夏休み

僕と同時にあと二人

学生が雇われたんですが

女主人はまず僕を見てこう聞きました

「仕事は3つあるの。

キャベツを切ったりカツを揚げる仕事

配達、皿洗い。どれにする?」

迷わず言いましたよ

「僕、皿洗いにします」

ほんとはカツを揚げたかったけど

だれでもこれを選びそうでしょ

だからあとの二人と険悪にならないよう

いちばん人がやりたくない

皿洗いを選んだんです

店の主人にいいとこ見せよう

という気持ちもちょっとはありましたけどね

で、皿洗いを始めたら、鍋底がみんな真っ黒

店にあるタワシじゃぜんぜん落ちないの

自分から選んだ仕事だったから、これを

どうにか落としてピッカピカにしたくてね

自分で20円だして金属のタワシまで買って

いつもお皿と鍋をきれいにしてました

このバイトは夏休みいっぱいの約束で

最後の日に

バイト仲間3人で帰ろうとしていたら

「萩本君、ちょっと」

って店主が奥から僕を呼びとめました

行ってみたら、こう言われたんです

「萩本君、よかったら卒業するまで

 うちで働いてくれないかい?」

ちゃんと僕のこと見ててくれたんだ

って思いましたね

自分から損したり、一生懸命やってれば

やっぱりだれか見ててくれるんだって

やけにうれしかったな

自慢話みたいでいやだけど、でも

「損から入って一生懸命やろう」

ってこのとき思ったのね

どんなちっちゃなことでも

損から入るといいですよ

人のために自分の時間や知恵やお金を使うと「睡眠時間が減る」とか「頭が痛い」

「心が痛い」「ふところが寒い」などなど

いろいろな不都合があると思うのね

でも、それぐらいは我慢しちゃうと

あとで運になります

損のままで終わる人生ってないんです

*****

【深イイ】萩本欽一「損して得を取れ!」下積み時代の教え

 

「損から入って一生懸命やろう」

そのくらいの気持ちで吹っ切れて取り組む気持ち、

目先のことで一喜一憂したり、クヨクヨしたりするより、大切なのかもしれませんね。

進んで損をしたほうがいい①(萩本欽一さん)

昨日のこの欄は、

「ピーマンから先に」

というお話でした。

嫌なこと、避けたいことから先に手を付けてみよう、というような内容でした。

 

そのことを書いていて、思い出したお話をご紹介します。

コメディアンの萩本欽一さんの

「進んで損をしたほうがいい」といった内容の話を、ネット記事から孫引きしています。

 

ダメなときほど運はたまる 

引用:萩本欽一著

『ダメなときほど運はたまる』廣済堂新書 から

*****
ほとんどの人は「損をしたくない」

と思って生きていますよね

だけど、そういう生き方をしていると

自分でも気がつかないうちにずるくなったり

意地悪になったりしやすいと思うの

だって今の世の中がそうでしょ?

みんなで得しましょう

損をしたい人は勝手に苦労してなさい

っていう仕組みになってますよね

幸運もお金も

人のあいだをぐるぐる回ってるんだから

すべての人が一緒に得をするなんて

ありえないんですよ

幸せになりたいと思うなら

進んで損をしたほうがいいの

人とつき合うときは

率先して損な役回りをすると

だれかが幸運を持ってきてくれます

自分のために損をしてくれた人がいたら

うれしくなるでしょ

だから人間関係が円滑になるし

一緒に仕事をするときも

信頼関係が早く結べるんです

かといってなにか見返りを求めて損をしたり

相手にとって負担になるような

極端なことをしちゃダメ

このあたりはバランスを考えて行動しないと運にならない

*****

(つづく)

ピーマンを先に

皆さんは食事をするとき、

好きなものから食べますか、それとも比較的苦手なものから食べますか。

私は苦手なものから食べて、好きなものは取っておく派です。

 

しかし、苦手な部屋の片付けは、後回しにつぐ後回しにしてしまいます。

そうすると、ますますおっくうになってきて、悲惨な状況になるというタイプです。

 

そんななか(?)次の記事を目にしました。

行動科学に基づく人生訓。「苦痛」の先払いをすると、長期的により幸せになれる

これによると、

パックの旅行は、「旅行代金を先に一括で支払ってしまえば(苦痛)、

あとの部分は、ポジティブな経験、オプショナルツアー、パーティーといったことだけ」になるので、

人々が心置きなく楽しめるのだそうです。

また、「専門的サービスを提供する仕事の人は、クライアントと話をするとき、

悪い知らせを先に伝え、良い知らせで終えるとよい」そうです。

先日見た映画でも

「諸君に伝えなくてはならない、いい知らせと悪い知らせがある」と草刈正雄さんが言っていました。

かっこいいので、今度私もこの言い方を使ってみようと思います。

 

さらに、記事から引用してみます。

 *****
日常的な1日には、面倒だったり、苦痛だったりする作業(請求書の支払いなど)があると思います。

そして、良いこと(友達から心のこもったメールをもらうなど)もあるでしょう。

もし昼休みにメールを読んで、仕事から帰宅した後に支払いをしたら、

その1日は、良いことの後にイヤなことがあったと記憶されるでしょう。

それではいけないのです。

一方、1日の早い時間に苦痛をまとめるようにすれば

(たとえば、出勤前に支払いをして、友達からのメールを昼休みに読むようにすれば)、

その1日は、イヤなことの後に良いことがあったと記憶されます。

そのほうが幸福感が感じられるはずです。

脳は、時とともに経験が好転するパターンを好むからです。

この原理は、1日を通して、さまざまなことに応用可能です。

プロジェクト、家の掃除、宿題などに取り組むときは、一番嫌いな作業から手をつけましょう。

それが済んでしまえば、あとは好転するばかりで、最後の満足感も高くなります。

*****

生徒の皆さんも、家庭学習では苦手な◯◯の宿題を後回しにせず、手を付けてみましょう。

その後に得意な◯◯の学習をやれば、

明日の授業を楽しみにして、にっこりして眠りにつくことができるでしょう。

 

ちなみに私は、嫌いなピーマンをいつも最初に食べていたら、

いつのまにか大好物になってしまいました。

そういうこともあるようです。

 

朝の郵便受け

今日は「ちょっといい話」をご紹介してみます。

少し前になりますが、

朝日新聞で見つけたお話です。

 

*****

朝の郵便受け、お巡りさんから届くカード 77歳の宝物

(朝日新聞2020年10月10日)

前夜の大雨のなごりか、暗い空から雨粒がぱらぱらと落ちてきていた。

朝6時過ぎ。松井峯子さん(77)は古い一軒家の引き戸を開けて門まで歩き、郵便受けをのぞきこんだ。

朝刊の下に、いつものように紙が1枚あった。

にじんだボールペンの字で「どしゃ降りですわ」と書かれていた。

警察官が巡回したことを知らせるパトロールカード。

そうね、昨晩は雨音がひどかった。それでも来てくれたのね。

少し湿った紙を見つめ、笑みがこぼれた。

名古屋市中川区の松井さん宅にカードが届き始めたのは昨年12月。

朝起きると、勝手口の窓ガラスの鍵穴あたりが割られていた。

15年近い一人暮らしで初めての経験だった。

警察に届けると、細身の警察官がやってきた。

岡井陽一巡査長(46)は「今夜から巡回しますね」と笑顔で話した。

翌朝、郵便受けにカードが入っていた。

2、3回で終わるかと思ったが、年が明けても3日に1回のペースで続いた。

カードが届くのはいつも未明らしく、その様子を松井さんは見たことがない。

でも紙には丸っこい字で、いつも一言添えてある。

正月は「あけましておめでとうございます」。雪が降った日は「寒かったですね~」。

半日、テーブルの上に置いておく。

食事や片付けのとき、目に入ると口角が上がった。

2人の娘が結婚して家を出てから、一日中誰とも話さないことも珍しくない。

いつの間にか、カードの日が待ち遠しくなっていた。

それは6月1日のことだった。

カードに「ちなみに本日誕生日です」とあった。

お礼を兼ねてお祝いをしよう。

交番にチョコレートとおせんべいを持って行ったが、岡井さんはいなかった。

書き置きを残すことにした。

「お誕生日おめでとうございます。私も今月77歳になります」

 

数日後、封筒がポストに届いていた。

開けると、金色でハッピーバースデーと書かれたカード。

いつもの字で添えられていた。

「誕生日と喜寿、おめでとうございます。元気でよろしくお願いしますよ!」

体が一瞬、固まった後、急にぽかぽかしだした。

ここ数年、誕生日を祝ってくれるのは近くに住むめいだけだ。

他人に祝われるなんて、何年ぶりだろう。カードをまとめてある箱の上に飾った。

遊びに来ためいには自慢した。

「これはね、私の宝物なの」

ためたパトロールカードはそろそろ100枚になる。

あふれそうだから、新しい箱を探さなくちゃ。(山本知佳)

*****

 

私も一人暮らしなので、自粛生活の時や休日など、誰とも会話を交わさないことがあります。

LINEやInstagramなど、SNSでのコミュニケーションが多くなってきましたが、

それだけに、朝の郵便受けと手書きのカードを介した、心の交流を読んで、

温かい気持ちになりました。

カマラ・ハリスさんの演説

やっと米大統領選挙が決着しそうになってきました。

いつまでも「投了」しない現大統領さんの言うことはさておき、

私は時期・女性副大統領候補のカマラ・ハリスさんの演説に感銘を受けました。

 

(朝日新聞デジタル「最後にはならない」女性初の副大統領、ハリス氏の歩み)
https://www.asahi.com/sp/articles/ASNC95T8GNC9UHBI01H.html 

 以下引用です。

*****

7日夜、バイデン氏が勝利宣言したデラウェア州ウィルミントンの演説会場で、

ひときわ大きな歓声を集めたのが、主役に先立って演説したハリス氏だった。

「民主主義は状態ではなく、行動である」。 

ハリス氏は、公民権運動を指導した故ジョン・ルイス下院議員の言葉を引用しつつ、

「今回の選挙では米国の民主主義、魂が問われた。世界が見守る中で、あなた方は米国の新しい日を導いた」

「皆さんは票を投じて明確なメッセージを送った。希望、結束、品位、科学(への信頼)、そして真実を選んだ」と、ほほえみを浮かべながらテンポ良く話した。

*****

 

いいですね。

現大統領さんの、プロレスラーのマイクパフォーマンスのような話とは、ずいぶん違う気がします。

一番いいのは、ここのところです。

 

*****
「私は女性として最初の副大統領になるだろうが、最後にはならない。

なぜなら今夜、ここは可能性の国であるということを、全ての少女が目の当たりにしたからだ」と発言。

会場から大歓声が上がり、目に涙を浮かべる女性もいた。

***** 

 

いいですね。

これこそが民主主義の国、アメリカン・ドリームの国のリーダーが言うような

かっこいいセリフですね。

他所の国の選挙の話ですが、私は少し安堵しました。

 

バイデンさんの勝利宣言でも、さすが紳士的にスマートに語りかけていましたね。

ところで、皆さん、この言葉はどうでしょう。

「赤い(共和党の)州も青い(民主党の)州も関係なく、米国を見る。

それが国民だ。そしてそれが、我々の政権のあり方だ」

分断でなく、団結をと語りかけているところですが、

これをよく考えると、

「米国の大統領は米国全体を見る」と言っているようなもので、

「アジもサンマもなく、魚全体を売る。

それが魚屋のあり方だ」

と言っているのと大差ないかもしれません。

逆に言うと、そんな当たり前のことをわざわざ言わなくてはならないのが、

今の米国ということでしょうか。

3年生の皆さんは公民で選挙や民主主義についても学習すると思いますが、

どう思いますか。

 

「カマラ」とはインドの言葉で、

「ハスの花」という意味だそうです。

混沌としたどろ沼の中でも、花を咲かせてほしいものです。

ちなみに、演説の

「私は女性として最初の副大統領になるだろうが、最後にはならない。

なぜなら今夜、ここは可能性の国であるということを、全ての少女が目の当たりにしたからだ」

の部分の英語原文をを調べてみました。

 

But while I may be the first woman in this office, I will not be the last,

Because every little girl, watching tonight sees that this is a country of possibilities.

 

宮﨑先生とブレフニ先生に聞いたら、中学生でも学習している単語・文法のようです。

生徒の皆さん、読んでみてください。

この動画の8:00ぐらいのところで見れます。

シンデレラ・フィット

日曜日の朝、コーヒーを飲みながら

「サンデー・モーニング」を見ていましたが、

相変わらずトランプさんが投了しない話と学術会議の話ばかりのようだったので、

チャンネルを回してみました。

(本当は現代のテレビのチャンネルは回せませんが)

すると、3人の女性がおしゃべりをされている番組があっていました。

お気に入りの「日曜美術館」が始まるまで、まだ時間があったので、

ちょっと見てみました。

すると、

真ん中に座っている磯野貴理子さんが

こんな話をされていました。

 

*****

服を買いに行って、ある服を合わせてみたら、

丈もサイズもびっくりするぐらいピッタリで、

すごいーと思っていたら、

店員さんが

「ピッタリですね。

シンデレラ・フィットですねー」

と言うんです。

「シンデレラ・フィット」という言葉を

知らなかったので聞き返すと、

ガラスの靴がシンデレラにピッタリ合ったことから、

アパレルなどで、服のサイズがピッタリ合うことを

そういうのだそうです。

*****

 

話を聞いていた松居直美さんも言われていましたが、

「シンデレラ・フィット」とは

最近は、収納する際に、空いたスペースに、

片付けたいモノが奇跡のように、ピッタリ収まることを、

おしゃれに言うことが多いそうです。

 

しかし、私は言葉の感覚として、

うまい言い方があるものだと朝から感心しました。

 

そういえば、前日の土曜の夜の番組では、

『人生がときめく片づけの魔法』の近藤麻理恵さんが授業?をしておられました。

面倒くさい「片づけ」に「ときめく」ことを結びつけた近藤さんは、

たいしたものだなぁと思います。

「片づけ」がとてもポジティブで価値のある行為になりました。

賢いものの見方もいろいろあるものです。

マンガで読む人生がときめく片づけの魔法 

 

そこで私は久しぶりに

単身赴任のアパートの部屋を整理してみました。

 

さて、磯野さんは、その「シンデレラ」という言葉に感動して、

もちろんその服もたいへん気に入って、

色違いのまで含めて2着買ってきたそうです。

しかし、あいにく夏物なので、来年まで着る機会はないそうで、 

「来年まで絶対太れない。

だって、『シンデレラ・フィット』だから」

と気合を入れて、おっしゃってました。

楽しいお話でした。

 

ど力のつぼ 補足

昨日の作文「ど力のつぼ」いかがだったでしょうか。

今日もそのつづきで、少し補足?をします。

 

夢を叶えるためには努力が必要です。

それはわかっていても、継続するのは難しいですね。

「あきらめずに努力すれば、夢は叶う!」

とよく目にしますが、

それは、夢を叶えた人、成功した人、金メダリストなどに聞くから

そう答えるのであって、

実際頑張り通すのは難しいです。

 

まず、ど力のつぼは、中を見ることができません。

だから、つぼの中に今どれくらい「ど力」がたまっているのかわかりません。

これはきついですね。

半分くらいたまっているかもしれないし、

案外あと少しでいっぱいになるかもしれない。

逆に「えーっ、まだこんだけなの?」というぐらいしか、たまってないかもしれません。

ゴールも進捗状況もわからないと、すぐあきらめてしまいそうです。

(体重計に乗らないで毎日ダイエットをする人の気持ち!!)

 

ど力のつぼの貯金を信じられるだけの、成功体験があると、

それがパワーになって、努力を注いで貯めていくことができるかもしれません。

その点、この作文に登場するお母さんは、

子どもさん(筆者)の小さい頃からど力のつぼの話をしてこられて、

いい家庭教育をされているなあと思います。

 

また、このつぼは、その人やその時によって、大きさが決まっていないようです。

いつも同じ大きさで、「50時間勉強したら100点取れる」

と最初から分かっていたら、どんなに楽でしょう。

「計算は得意ですぐできるようになるのに、漢字は覚えきれないなあ、つまんないなあ」とか、

「あの人はすぐできるようになるのに、私はなんでダメなんだ」とか、

グチったり、ひがんだりしそうです。

そこを乗り越えるのは、たいへんですが、それだけに素晴らしいことでしょう。

 

みなさんのど力のつばは何のつぼでしょうか。

きっと素敵なつぼでしょう。

きっと、私にも「ど力のつぼ」があるのでしょう。

ちょっとよくわからないけど。

ど力のつぼ

今日は、私の大好きな作文をご紹介します。

これはある小学1年生の児童の作文です。
(出典:朝日作文コンクール「子どもを変えた親の一言」作文25選 明治図書)

いろいろなところで取り上げられていますので、ご存知の方も多いかと思いますが、

よかったらお読みください。

 

  ど力のつぼ

「お母さん、ど力のつぼのはなし、またして。」

「ウンいいよ。こんどはなあに。」

「さかあがり」

「あらあらまだいっぱいになっていなかったのね。ずいぶん大きいね。」

と、いいながら、お母さんはいすをひいて、わたしのまえにすわりました。

そして、もうなん回もしてくれた、ど力のつぼのはなしをまたゆっくりとはじめました。

それはこんなはなしです。

 

人がなにかはじめようとか、いままでできなかったことをやろうと思ったとき、かみさまからど力のつぼをもらいます。

そのつぼは、いろいろな大きさがあって、人によって、ときには大きいのやら小さいのやらいろいろあります。

そしてそのつぼは、この人の目には見えないのです。

でも、その人がつぼの中にいっしょうけんめい「ど力」を入れていくと、それがすこしずつたまっていつか「ど力」があふれるとき、つぼの大きさがわかる、というのです。

だからやすまずにつぼの中にど力を入れていけば、いつか、かならずできるときがくるのです。

 

わたしは、このはなしが大すきです。

ようちえんのときはじめてお母さんからききました。

そのときは、よこばしごのれんしゅうをしているときでした。

それからも、一りん車や、てつぼうのまえまわり、とびばこ、竹うま。なんでもがんばってやっているとき、お母さんにたのんで、このおはなしをしてもらいます。

くじけそうになったときでも、このはなしをきいていると、心の中に大きなつぼが見えてくるような気がします。

そして、わたしの「ど力」がもうすこしであふれそうに見えるのです。

だから、またがんばる気もちになれます。

 お母さんのいうとおり、こんどのさかあがりのつぼは、ずい分大きいみたいです。

さかあがりをはじめてから、もう二回もこのはなしを、してもらいました。

でも、こんどこそ、あとすこしで、あふれそうな気がします。

だから、あしたからまたがんばろうと思います。

お母さんは、

「つぼが大きいとたいへんだけど、中みがいっぱいあるから、あなたのためになるのよ」

といってくれるけど、こんどかみさまにもらうときは、もうすこし小さいつぼがいいなあとおもいます。

 

私はこの作文を読むと、笑顔になるし、勇気がわきます。

特に最後の

「こんどかみさまにもらうときは、もうすこし小さいつぼがいいなあとおもいます。」

という文はかわいいですね!

疲れたときには、また読んでみようと思います。

東中の新語・流行語大賞は

昨日、「現代用語の基礎知識 選 2020ユーキャン新語・流行語大賞」

にノミネートされた言葉が発表されていました。

次の30語でした。

 

1.愛の不時着/第4次韓流ブーム
2.新しい生活様式/ニューノーマル
3.あつ森
4.アベノマスク
5.アマビエ
6.ウーバーイーツ
7.AI超え
8.エッセンシャルワーカー
9.おうち時間/ステイホーム
10.オンライン◯◯
11.顔芸/恩返し
12.カゴパク
13.鬼滅の刃
14.クラスター
15.香水
16.GoToキャンペーン
17.3密(三つの密)
18.自粛警察
19.Zoom映え
20.総合的、俯瞰的
21.ソーシャルディスタンス
22.ソロキャンプ
23.テレワーク/ワーケーション
24.時を戻そう(ぺこぱ)
25.NiziU(ニジュー)
26.濃厚接触者
27.BLM(BlackLivesMatter)運動
28.PCR検査
29.フワちゃん
30.まぁねぇ~(ぼる塾)

コロナ関連の言葉が多くなっているのは、仕方ないかと思います。

25と30は私は知らない言葉です。いったい何のことでしょう?

 

さて、東中版の「新語・流行語大賞」候補10個をノミネートしてみました。

1.東継皆進

2.全員遊び

3.あまび笑さま

4.AMABEAST

5.グッジョブ・カード

6.NIE

7.味岡旗・天信旗

8.チャレンジウィーク

9.気づき・考え・実行する

10.気張れ牛深! 笑顔大切!

 

どれが大賞にふさわしいでしょうか。

やはりまずは「1.東継皆進」に1票でしょう。

「10.気張れ牛深! 笑顔大切!」もいいですね。

投票を実際にやったら、こちらも大接戦でしょう。

来年はもっと明るい言葉がどんどん流行するといいなと思います。

二択の選択ではないほうが

野球の試合で、

9回表を終わって、1-0で勝っているチームが、

9回裏の守備で、ノーアウト満塁のピンチ。

そこでそのチームの監督さんが

「この試合、8回までで終わったことにしよう」と言い出しても、

誰もそうしようとは言わないのではないでしょうか。

いや、急に豪雨が降って、8回コールドゲームになることはあるのでしょうか。

 

そんな感じを受ける海の向こうの大統領選挙です。

昨日の朝日新聞デジタルに、

(後藤正文の朝からロック)「二択の選択」って危ない

というコラムが載っていました。

一部、引用します。

 

*****
クイズや試験の場合は、選択式の問題のほうが易しい。

二択なら幸運だと感じるだろう。

けれども、人生において二択の選択を迫られるような場面では、

岐路に立たされている可能性が高いように思う。

社会問題や政治に関しても同じことが言えるのではないか。

問題の解決に向けた選択肢はなるべく多いほうがいい。

例えば、アメリカ大統領選挙が予備選挙を重ねるのは、

候補者を様々な政策や社会問題に関係させて、

選択に複雑さを持たせるための知恵だと感じる。

*****

 

一国のリーダーを選ぶための制度の知恵なのでしょうが。

選挙が無事、公正に終わることを願います。

 

さて、混乱する大国の様子を見ながら、

私たちの日常でも、

A案かB案(またはA案じゃないならなんでもいい!)か だけでなく。

改善したA’案、B’案や折衷したC案なども考える視野の広さや余裕が必要かなと思いました。

007は二度死ぬ

 

英国の人気俳優ジェームズ・ボンドさんの、

いや、ショーン・コネリーさんの訃報が先日伝えられました。

 

彼の一番の出世作と言われるのは、「007」シリーズですね。

デンデレンデンデデン、デンデレンデンデデン で始まるあの映画です。

 

私は映画007では、日本を舞台にした「007は二度死ぬ」を以前見たことがありました。

富士山の地下に秘密基地があったり、

忍者が出てきたりしたのを覚えています。

ボンドと私の好きな丹波哲郎さんが、堂々と渡り合っていました。

 

さて、007以外でも、ショーン・コネリーさんの生前の出演作について、

いろいろと話題になっていたりします。

晩年に渋い好演を見せた秀作がたくさんあるそうです。

 

先日、「噂供養」という言葉を知りました。

「亡くなった人がああだったこうだったと語ること、

今はあの世でこうしているだろうと話しあうこと。

それこそが何よりの供養」


ということだそうです。

俳優さんなどは、亡くなってからも永く語り草になることも多いでしょうね。

高倉健さんや渡哲也さんもそうです。

一方、このような言葉も聞きました。

 

「人はあなたが言ったことも、
あなたがしたことも忘れてしまう。
だけど、あなたに対して抱いた感情を忘れることはない」


マヤ・アンジェロウさんという、米国の作家の言葉だそうです。

この「あなたに対して抱いた感情」がいいものだったらいいですが、

そうでなかったら、草葉の陰で申し訳ない思いをしそうです。

 

また、「人は二度死ぬ。

一度目は身体が滅んだとき。

二度目は、人々から忘れ去れたとき」

とも言われますね。 

よくないことで覚えてもらっているのも悲しいですが、

誰からも忘れ去られるのも、時の流れとはいえ寂しいでしょう。

 

私も残る人生、大切にせねばと思ったりします。

「恩送り」ということ

昨日の朝日新聞デジタルに、このような見出しが載っていました。

 

褒章の尾畠春夫さん「あと50年生きてボランティアを」

 

尾畠さんとは、「スーパーボランティア」として話題になった、

被災地でボランティアに励む大分県の方です。

記事から引用します。

 

*****

赤いねじりはちまきにオレンジのシャツ姿。

全国各地の災害現場に駆けつけ、被災者と一緒になって復旧作業に当たる様子が多くの人を勇気づける。

「スーパーボランティア」と呼ばれる尾畠春夫さん(81)=大分県日出(ひじ)町=が秋の褒章で緑綬褒章を受章した。

 

信条は、対価・物品・飲食を求めないこと、自己責任、自己完結。

2018年8月、山口県周防大島町で3日間行方不明になった2歳男児を発見した時は、

男児の祖父から風呂を勧められたが丁重に断った。

「スーパーボランティア」ともてはやされても「こんなの取り上げる方がおかしい」。

今回の受章も「当たり前のことをさせてもらっているだけ」とそっけない。

*****

 

尾畠さんのことは、皆さんもテレビなどの報道でもご覧になったことがあるのではないでしょうか。

Abema timesでは、尾畠さんの次の言葉が紹介されていました。

*****

「当たり前のことをしてるだけ、

人としてみんなから教えてもらったり、

優しくしてくれたりして、今現在があるからな。

じゃから、してくれた人だけに返すんじゃなくて、

なんかこう、不特定多数でな、

広く自分が出来ることを恩返しさせてもらったらいいかなと思って」。

*****

 

私はこの「不特定多数」への恩返しということを聞いて、

ある言葉を思い出しました。

 

英語で「Pay it forward」という言葉があります。

同じ題名の映画もあります。

「Pay it forward」とは、日本語だと「恩送り」というほどの意味です。

「他の人から受けた恩を、直接その人に返すのではなく、別の人に送る・渡していく」ということです。

「見返りを求めずに困った人を助ける」ことは尊いです。

一人一人がそのような「恩送り」の気持ちを持ったら、世の中はすてきになるでしょうね。

 

ちなみに、数年前、本校の人権集会で、生徒たちに見てもらった

「恩送り」の動画がありますので、リンクを貼っておきます。

よかったらご覧ください。

 

さて、尾畠さんの記事の最後がまた、いいです。

*****

ボランティアの指導で学校にも招かれる。

「口数は少なく、手数は多く」

「人に優しく、自分に厳しく」

「明日は我が身。どこで災害が起こるか分かりません」。

総合学習の時間、中学生たちに大声で土囊(どのう)づくりを指導しながら、ボランティアの心得や人生訓を織り交ぜて和ませる。

「何歳までボランティアを続けるつもりですか」。

生徒からの質問に笑顔で答えた。「あと50年生きてボランティアしようと思っています。

夢は大きいほどいい」

*****

生徒の皆さん、いかがですか。

デートの日の天気予報が外れた話

タレントの関根勤さんと片岡鶴太郎が、

NHKのラジオ深夜便という番組で対談しておられました。

何事もポジティブに考えるたちだという関根さんが、

若いときに彼女とデートした話をされていました。

 

*****

19歳の時、

天気予報が雨だったので、

傘を持って1日デートして。

それで最後の喫茶店で.

(彼女が)「あぁ傘持ってきて損しちゃった」と言うので、

「あーそうなんだー。

でもさぁ、デートが晴れてよかったねって言う風な展開にはならない?」

と言ったら、

「だってかったるいんだもん」て言うから、

この人の考えには僕がついていけないなと。

一事が万事、将来何かあったときに

そういうマイナスな思考でお話しされたら、

俺はついていけないなぁと思って、

それから連絡をしなくなったの。

*****

 

なるほど、同じ天気予報が外れても、

愚痴っぽくとらえてしまうのと、

機嫌良く考えるのでは、

やっぱり違うなぁと思いました。

 

天気予報が雨だから、傘を持って行くのと、

コロナの警戒レベル2だから、

マスクをして生活するというのは、

全く違う話とは思えません。

 

マスクしてて、かったるい、損したとは思いませんが、いかがでしょうか。

感染が食い止められて事なきを得られたら、

これで済んでよかったな、と思え日が来るのではないでしょうか。

 

「あれは何という動物か?」

英国人のキャプテン・クックが

エンデバー号での航海の果てに

その新大陸に降り立ったのは、

1770年、42歳の時でした。

後にオーストラリアと呼ばれることになる新大陸には、

ヨーロッパ人が見たこともない、

奇想天外な動物がいました。

その動物は、手は短く、脚は大きく

そして何といってもクックが仰天したのは、

お腹にポケットを持ち、

そこに子どもを入れて移動していたのです。

そんな動物が草原をぴょんぴょんと跳ね回っている光景に

目を見張ったクックは、

先住民アボリジニの一人に

「あれは何という動物か?」と尋ねました。

すると、その先住民は

キョトンとして

「カンガルー」と答えました。

クックは英国本国に帰ると、

この珍しい動物カンガルーのことを

自慢げに報告したそうです。

 

当時はまだ、誰も知りませんでした。

「カンガルー」とは、

先住民の言葉で

「私は知らない」という意味だったことを。

 

この話は、UFOで地球に飛来した謎のエイリアンと

なんとかして会話しようとするSF映画「メッセージ」に出てきた話でした。

このように、コミュニケーションとは難しいものですね。