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想定と準備のあいだ

全国高校サッカー選手権大会が無観客で行われていました。

この状況下で大会を運営されるのも、厳しい練習を経て出場されるのも、

皆さん想像を超えるご苦労があったものと思います。

 

また、決勝戦の山梨学院対青森山田の一戦では、

中学生時代のチームメイトが対戦する場面もあり、

それだけでも大変なドラマだなと思いました。

 

ただ、ある監督さんの試合中の行為がスポーツマンシップに反していた、

という声があったことは、残念に思いました。

 

私も部活動(バスケット部)を指導していた時期がありましたが、

指導力もないのに、大きな声で選手を叱責したりすることもあり、

今となっては恥ずかしい限りです。

 

たとえば、試合中にノーマークシュートを外す選手がいたら、

「なんでそれを落とすんだ!」と怒鳴るといった具合だったのです。

以前にもこの欄で触れましたが、

その「なんで」を考えて、試合前日までの練習で成長させるのが指導者の仕事だったと思います。

今となっては、本当にその頃の生徒たちに申し訳なかったと思います。

 

また、最近、このような言葉を目にしました。

「真のリーダーでないのに、そうなろうとする選手は、

味方がミスした後に叱責する。

真のリーダーは選手がミスすることは想定済みだ」

 

元サッカー選手で指導者だった、ヨハン・クライフという人の言葉です。

ヨハン・クライフ 元オランダ代表のサッカー選手。1974年W杯で、準優勝の原動力となった。軸足の後ろにボールを通し、相…

クライフさんは、現役時代は「空飛ぶオランダ人」(!)と呼ばれるぐらいのスーパースターで、

指導者になってからも、守備重視のサッカースタイルを潔しとせず、

攻撃型のサッカーを信念を持って指導した人だそうです。

 

どんなトップ選手でも、ミスをしない人はいません。

リーダーたるべき人は、あらゆる事態を想定することが必要だということでしょう。

 

以前の私のように、目の前の事態を見てから、その結果だけにイライラしても、

リーダーとは言えませんね。

ミスが生じた場合やうまくいかなかった場合を前もってイメージして、

困らないように準備しておくのがリーダーだし、プロでしょう。

 

その準備ができていなくて敗れても、

その敗北の責任はミスした選手ではなく、監督の責任なのだと思います。

私も、いまさらですが、

一歩先か、それが無理ならせめて半歩先でも、想定して準備することを大事にしたいと思いました。