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校長室ブログ 今日の東天

かぐや姫現わる

1年生が竹取物語を学習しています。


さて、ももたろうのお話では、

主人公ももたろうはどうやって登場するでしょう?


子どもたちにこう尋ねると


むかしむかし、あるところに

おじいさんとおばあさんがおりました。

おじいさんは山へ柴刈りに

おばあさんは川に洗濯に行きました。

おばあさんが洗濯をしていると、

大きな桃が

どんぶらこどんぶらこ、と

流れてきました。

おばあさんが桃を持って帰って、

おじいさんと桃を割ってみると、

桃の中から

元気な男の子が出てきました。

 

 

だいたい、ほとんどの子どもがこのように

お話をしてくれます。

いえ、

一か所だけ異論を唱える子どもがいて、こう言うことがあります。

「先生、どんぶらこどんぶらこ、ではなくて、

どんぶらこっこすっこっこ、です。」

「え〜」ということになって、

ここで激論が戦わされることになるのです。

どんぶらこどんぶらこは、桃が大きい様子がつたわりますが、

どんぶらこっこすっこっこは、

川の流れが早く、流れる桃のスピード感に

変化がありますね。

などとその違いを確認したりします。


そうこうしているうちに、

「では、かぐや姫のお話はどんな出だしかな?」

と聞くと、見事なまでにみんな記憶がバラバラなのがわかります。


ああじゃない、こうじゃないと盛り上がったところで、

「実は、かぐや姫のお話は、ももたろうと違って、文字に残った原作があります」

「ほんとの出だしはどうなっているのか、原作を見るとわかるのですが、読んでみたいかな?」


と言って、教科書を開けましょう。

 

今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。

野山にまじりて竹を取りつつ、

よろづのことに使ひけり。

名をば、さかきの造となむいひける。


その竹の中に、

もと光る竹なむ一筋ありける。

あやしがりて寄りて見るに、

筒の中光りたり。

それを見れば、

三寸ばかりなる人、

いとうつくしうてゐたり。


(現代語訳)

今となっては昔のことだが、竹取の翁という者がいたということだ。

野山に分け入って竹を取っては、種々の(道具を作る)ことに使用していた。

名を、さかきの造といったそうだ。


(ある日、)その竹の中に根もとの光る竹が一本あった。

不思議に思って近寄って見ると、筒の中が光っている。

それを見ると、三寸ほどの人が、たいそうかわいらしい様子ですわっている。


なんと原作では、おじいさんの名前も明示してある!

しかも、見つかった時のかぐや姫姫の身長まで明示してある!


という発見が楽しいです。

 

この映画では、

科捜研の方が、かぐや姫に扮していらっしゃっいました。

らすとでは、すごいUFO?がかぐや姫をお迎えに来ます。

 

 

寺元先生の書道教室に学ぶ

昨日から、寺元先生に書写の授業をお世話になっています。

東小時代からご指導いただいた生徒も多いと思います。

地域学校協働本部の宇良田コーディネーターのお世話で、

今年度から本校でも授業していただけるようになりました。

 

東小に伺ったときに、教室や廊下に掲示してある書写の作品を見て、

どうやったらこんなに上手になるんだろう??

と思っていましたので、私自身も楽しみにしていました。


昨日、実際に授業の様子を参観させていただきました。

やはり、たいへん勉強になった点がありました。

その中から、3つお話しします。


1 教材の準備。

寺元先生は、教科書のお手本を使って、

条幅の原寸大のお手本をつくり、

全生徒の名前を行書でお手本を書いて、準備してきていただきました。

授業の最初にお手本が配られた時、

自分の名前が行書でかっこよく書いてあるのを見て、

びっくりしている生徒もいました。

とても手間がかかる事前準備だと思いますが、

こんな見やすい自分だけのお手本が手元にあれば

意欲もわくし、いいなと思いました。

とてもありがたいことです。


2 丁寧なスモールステップ

文字の一画一画について、

筆の入りの向き、方向、太さ、筆の抜き方など、丁寧に書き方を指導されています。

清書を書かせられる時も、

一画一画、ポイントを押さえながら、じっくり大切に書かせておられました。

その丁寧なスモールステップの指導で、

生徒たちの集中力も持続して取り組めたと思います。


3 声かけ

先生ご自身も「声かけが大事だと思っています」とおっしゃっていました。

たとえば、上手に書くためのポイントを指示される時の声かけ。

筆で書く部分の線の角度や太さだけでなく、「白い三角形を作る」ように筆を運ぶなど、

視点を変えて指示されていました。

また、個人個人を指導される時も

できているところを一つ一つ褒めておられました。

次の活動への意欲を引き出しておられました。


生徒たちだけでなく、松下先生と私にとっても、たいへん勉強になりました。


急造の書道教室(多目的教室)での連続2時間の授業でしてが、

中身の濃い充実した授業でした。

寺元先生、今後の授業も引き続き、どうぞよろしくお願いします。

特別講師 寺元先生の書写の授業がスタートしました(2020/10/6)

 

ボディランゲージが人を作る

 昨日に続いて、今日もTEDの中でも有名なプレゼンからご紹介します。


TED日本語 - エイミー・カディ: ボディランゲージが人を作る

心理学者・エイミー・カディさんのプレゼンです。

 

 (21'03'' 日本語訳の字幕が見やすく、英語の勉強にもなります)

以下は、TEDのホームページの説明です。

*****
ボディランゲージは、人が私たちをどう見るかに影響します。

しかし、私たち自身にも影響を与えるかもしれないのです。

社会心理学者のエイミー・カディは

「パワー・ポージング」(自信のある姿勢をとること、たとえ自信がないときでも)が

脳内のテストステロンとコルチゾールのレベルに作用し、

成功するチャンスに強い影響を与えることもあることを見せてくれます。

*****

カディさんは、たった2分、パワーポーズ(自信満々っぽい姿勢)をとることで、

人生が変わり得る、ということを科学的に説明しています。

パワーのある人は、スペースをいっぱい使って、腕をあげたりしてからだを広げ、自分を大きく見せる姿勢をとります。

パワーのない人、自信のない人は、反対に背中を丸めたり、うつむいたりして、からだを小さくします。

これは動物でも人間でも同じだそうです。

陸上競技のレースでも、

1位でゴールインする人は、多くの人が両手を上げてゴールしますね。

これは、他人がそうしているところを見たことがなくても、

ほとんどの人がそうするものだそうです。

不思議な感じがしますね。



そこで、彼女は、もし自信のない生徒にわざと自信があるように振る舞ってもらったら、

もっと授業に参加するだろうか、という疑問を持ちました。

そして、「ふりをすること」で結果が変わるのか実験をしました。

 

「楽しいから笑うのではない。笑うから楽しくなるのだ」

という言葉を聞いたことがおありでしょうか。

それが単に気持ちのことだけでなく、

「パワー」についても同じことが言えるのか調べてみたというのです。

 

被験者にパワーポーズと、パワーのないポーズを2分間ずつとってもらうと、

リスクに対する耐性(ギャンブルをする気持ち)も大きく差が出たし、

脳内の化学物質の分泌が変わり、より自信を持てたそうです。

 

その場を切り抜けるために「ふり」をするのではなく、

その「ふり」が本物になるまで続けてほしいということです。

彼女はこう言われます。

「小さなことが大きな変化を起こします。

今度何か、ストレスのある場面にのぞむとき、

エレベーターやトイレの中や個室で、パワーポーズをとってください。

そして、ぜひほかの人にこのことを伝えてください。

すごく簡単です。

リソースや、技術、ステータスがない人にもっとも役立ちます。

必要なのは自分の体と1人になれる2分間だけ。

それが、人生を大きく変えます」
 

プレゼンの後半では、自分自身の過去の辛い体験を通して、

このボディ・ランゲージの大切さについて話されています。

よかったらご覧になってください。

 

ストレスは友達

ストレスは、ない方がいいですね。

私もそう思います。

しかし、ケリー・マクゴニガルさん(スタンフォード大学・心理学者)によると、

ストレスを友達に変えることができるそうです。

 このプレゼンテーションで、彼女が語っています。

TED日本語 - ケリー・マクゴニガル: ストレスと友達になる方法

 

(14'28'' 日本語訳が見やすい字幕で付いています)

 

このプレゼンでは、まずある調査研究について語られます。

それは、「前の年に強いストレスを経験した」と回答した人たちのグループで、

ストレスが健康に「害を及ぼすと信じていた人」の死亡リスクは、

ストレスが健康に「害を及ぼさないと考えた人」より、43%も高かったというものです。

 

また、強いストレスを経験しても、

「ストレスが無害だと思う人」の死亡リスクは高まるどころか、

ストレスがほとんどなかったグループとともに、参加者の中で最も低い死亡率でした。

この研究から、死を早める原因は、ストレスではなく、

「ストレスが体に悪いと信じること」だと分かったというのです。

「気は持ちよう」と言いますが、ストレスの有無ではなく、考え方次第なのでしょうか。

 

続いて、このような実験も紹介されます。

ストレス下の緊張感、ストレスに対する身体の反応について、

マイナスに考えずに、

「これは、体に活力を与え、与えられた挑戦に立ち向かえるように、身体と精神が準備をしているのだ」

と考えたらどうなるか、というものです。

例えば高鳴る心臓の鼓動は、「次に始まる行動に備えて準備をしている」のだし、

呼吸が速くなっても、「脳に、より多くの酸素を送り込んでいる」と思うように訓練したのです。

このように「ストレス反応は能力を発揮できる助けだ」と、とらえるようになった人は、

ストレスや不安が少なくなり、自信を持てるようになったそうです。

 

また、驚いたことに、ストレスに対する身体的反応も変わったそうです。

一般にストレス反応では、心拍数が増えて血管は収縮し、常にこんな状態でいるのは健康によくありません。

しかし「ストレスは新たな事態に対して有用だ」と教えられると、

血管はリラックスしたままになったそうです。

心拍数は高くなりましたが、血管が柔軟な状態であれば健康状態です。

「喜びや勇気を感じながら新たな挑戦に立ち向かう高揚した状態」に似ているということです。

 

このプレゼンの中で、マクゴニガルさんはこのように話を続けています。

 

「今後は、あなたの心臓がストレスで高鳴ったら、

自分の身体と心が新たな挑戦に立ち向かうために、自分を助けていると言い聞かせてください。

このような見方をすれば、

ストレス反応は、人生で避けることができない新たな挑戦、

新たな環境への適応などに成功するために必要な緊張感だと分かってきます。」

 

私はこの話を聞いて、少し腑に落ちるところがありました。

私はどうも、時間に余裕があって、のんびりしているときの方が調子が悪く、

忙しくて、ちょっと難題を抱えたぐらいの時の方が、体調がいいのです。

なぜかは分かりませんが、

長年の生活でそうなってしまったのかなと思います。

 

また、プレゼンを終えた後、マクゴニガルさんに司会者が質問をしています。

「ストレスに対する見方が、寿命の長さに、ごれ程までに関わっているとは驚きました。

こんな場合にはどうアドバイスされますか?

もし誰かが生き方の選択をするとして、

ストレスの多い仕事とストレスのない仕事と

どちらを選ぶかで、何か違いがあるでしょうか?

ある意味では、自分でやれると信じてる限り

ストレスのある仕事を選ぶのも賢明な事でしょうか」

 

この質問に明確に答えた彼女の言葉がかっこいいです。

「はっきり言える事は、

意義ある事を求める方が、ただ不快感をを避けようとするより、

健康には良いということです。

これが一番いい決め方です。

そして、人生の意味が見い出せるものを追求して、

そこで経験するストレスに対応できると、自分を信じる事です」

 

いいですね。

このマクゴニガルさんのプレゼンは、

内容はもちろん、話し方も素晴らしく説得力のあるもので、参考になると思いますので、

興味のある方は一度ご覧になってはどうでしょうか。

プロの自転車屋さんの話から

先日、このような投稿を読みました。

 

*****

自転車屋さんでブレーキ調整してもらうのに¥1,300払ったんだけど

作業自体は5分で終わって、

一瞬5分でこの値段か……と思った

*****

 

たしかに、私でも高いと思うかもしれませんね。

側で見ていたら、簡単そうに見えたかもしれませんから。

しかし、文章はこう続きます。

 

***** 

けど、よく考えたら

「自分が知識と技術を身につけて

道具を手に入れて

手を汚しながら作業するのにかかる時間」

をたったこれだけの値段で

5分に短縮できたんだと思うと感激した。

*****

 

この投稿を目にして、私も

プロの人に対して、お客さんが払う対価

というものの意味に、考えさせられました。

 

ちょっとニュアンスは違いますが、

自動車の定期点検などでも、

点検シートに項目がずらりとあって、

「異常なし」「異常なし」が並んでいることがあります。

私などはしみったれているので、

「なんだ、どうもないってことが分かっただけだな」

と安くはない点検費用に対して、

あっけなく(物足りなく?)思ってしまうことがありましたが、

自動車の細部まで見て

安全を診断してくれる専門家の技能は、

きっと高い水準でしょう。

 

人の仕事の見える部分はそう大きくなくても、

そこに至るまでに水面下に蓄積された技能や経験などは、

分厚いものがあるのでしょう。

仕事を裏打ちする努力もあったはずです。

 

自分は毎日仕事をしていますが、

他の人にないプロの技術って何かあるかなと考えてみました。

 

「プロ」ということについて少し考えた休日でした。

 

NHK プロフェッショナル 仕事の流儀