学校生活

核兵器のない社会を願って・・・ ~ノーベル平和賞~

 10日(火)、ノーベル平和賞の授賞式がノルウェーのオスロ市庁舎で行われました。今年のノーベル平和賞を受賞したのは、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)。被爆者の相談・援護活動や原爆被害への国家補償を求める一方、世界に向けて核兵器廃絶や核実験禁止を訴え続けてきました。授賞式では、被団協を代表し、田中熙巳(てるみ)さんが受賞演説を行いました。

「私は長崎原爆の被害者の一人であります。13歳の時に爆心地から東に3キロあまり離れた自宅において被爆しました。長崎原爆の惨状をつぶさに見たのは3日後、私と母は小高い山を迂回し峠にたどり着き、眼下を見下ろしてがく然といたしました。3キロ余り先の港まで黒く焼き尽くされた廃墟が広がっていました。たとえ戦争といえどもこんな殺し方、こんな傷つけ方をしてはいけないと、私はその時強く感じたものであります。」
「想像してみてください。直ちに発射できる核弾頭が4,000発もあるということを。広島や長崎で起こったことの数百倍・数千倍の被害が直ちに現出することがあるということを。みなさんがいつ被害者になってもおかしくない。あるいは加害者になるかもしれない状況がございます。」
「人類が核兵器で自滅することのないよう!!そして核兵器も戦争もない世界の人間社会を求めて共に頑張りましょう!!」

 授賞式を終えて、田中さんは、「次世代にはどんな未来を託したいですか?」の問いに、「自分で考える未来」と答えられました。高校生平和大使として参加している大原さんは、「なぜ被爆者の方がいまノーベル平和賞の受賞に至ったのか、また、なぜ私たちが今こうやって活動しているのか、そういった意味を改めて認識することができて、核も争いもない世界を今を生きるすべての人とともに創っていくべきなんだなと感じました。」と述べました。
 当たり前の日常や誰もが幸せに生きることができる世の中を創っていくことは、今を生きる私たちの「使命」だと考えます。戦争という悲劇を繰り返さないために、平和な社会をつくるために、私たちみんなが一歩踏み出すことが大切です。東陽中の子どもたちが「平和」を創る主体者として育ってほしいと願っています。