学校生活

つらいことがたくさんあるけど、今日だけは世界で一番幸せです ~ブダベスト世界陸上 女子やり投金メダル~

 25日(金)、ハンガリーのブダペストで開催された「2023世界陸上競技選手権大会」において、北口榛花選手が女子やり投種目で金メダルを獲得しました。オリンピックも含めた世界大会における日本人女子の金メダル獲得は、陸上競技場内で実施されるトラック&フィールド種目では史上初の快挙です。「他の選手が金メダルを獲るならハルカに獲って欲しかったからとても嬉しい」とライバルからも祝福や称賛が相次く等、競技にかける真摯な姿勢はもちろん、愛される人柄や人間性も注目を集めています。エピソードを2つ紹介します。

①やり投げを始めてわずか2ヶ月で北海道大会優勝、2年生で全国高校総体(インターハイ)優勝、3年生で世界ユース選手権金メダルと順風満帆な高校生活から一転、大学では、1年時に右肘を故障したり、専門のコーチ不在と記録・結果へのプレッシャーから3年時の日本選手権では予選敗退(12位)に終わったりと不振に陥りました。しかし、どんなに苦しくても、「陸上で大学に来て、辞めたら何も残らない。同級生たちは受験勉強をして大学に進学して、教員になりたいから教育学部、医師を目指して医学部、と目標を自分で決めていました。だから、結果が出なかったとしても絶対に辞めない、と心に決めていました。水泳、バドミントン、勉強、いろいろな選択肢の中でやり投を選んで、あの時、あれを選んでいればよかった……という後悔をしたくない」という思いで必ずグラウンドには足を運んだといいいます。
②欧州の講習会で出会ったシェケラック氏に、「今までは誰かが支えてくれるのを待っていた。でも、それでは思うようにいかない。自分からアプローチすることが大事だと気付いた」と、直接コーチを依頼、単身でチェコに渡り、トレーニングを行ったそうです。

 競技後のインタビューでは、「自分が必ず歴史を作ると決めて、ここにやってきた。本当につらいことがたくさんあるけど、今日だけは本当に世界で一番幸せです」と答えています。あきらめない心、自ら解決策を見つけ行動する勇気・・・。困難に直面したとき、どのようにして乗り越えていくのか?彼女の生き方が私たちにヒントを示してくれたと思います。北口選手、金メダル、おめでとうございます! (^^)/    【画像引用:日本陸上競技連盟公式HP】