日誌

朝の読書に関する作文②「20 分間で広がる輪」

全国配付の「YA2024朝の読書ガイドブック」等に掲載された、朝の読書に関する作文の2人目を紹介します。

「20 分間で広がる輪」 相良中学校1年生

小学校1年生の頃、私は本をよく借りていた。だが、目的は「本を読むこと」ではなく、「多読賞をもらうこと」だった。その当時は、読書は、何の知識も得られず、ただの暇つぶしで、意味のないこととさえ思っていた。しかし、2年生になった頃、『ざんねんないきもの事典』という本が学校中で流行った。小学生でも分かる内容、ユーモア、リアルなイラスト。何よりも、メジャーな動物からマイナーな動物までの意外なところがかかれてあり、1冊読むだけでも、動物博士になった気分になる。それをきっかけに、本に興味を持ち始めた。中学校に入ってから、前のように休み時間に本を読むことができなくなり、本を読む時間を確保できずにいた。そこで私の読書の時間をつくってくれたのは、『朝の読書』だった。この20分間で私は、学び、発見し、考えを改めることができた。中学校には、小学校にはないような小説が多くある。中でも私が衝撃を受けたのは、『告白』だった。1つの事件を犯人やクラスメイトの多くの視点からどんどん掘り下げていくのは新体験だった。そして、読んでいる間、背筋がゾワゾワする感覚も好きだった。この本達は、私の20分間を彩ってくれた。でも、それは私だけではない。クラスのみんなもだ。この時間ではみんなが読書に熱中している。よくふざけるあの子も、おしゃべりが好きなあの子だって。また、『朝の読書』が終わった後でも夢中に本を読み進める子もいた。それは、一人の本好きとして喜ばしいことだ。こうやって、読書の輪が広がっていって欲しい。